BEMを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
汚れた街、汚れた人。全てを”クリーン”に保つべく、街が動き出す。
掃除機に取りつかれた殺人鬼と、妖怪人間捕獲に動き出した権力。混沌と秩序、人間最悪の両面を見て、怪物は自問する。
俺たちは本当に、はやく人間になりたいのか。
つーわけで妖怪人間VS公権力！ 超絶変態の重たい過去と狂気もあるよ！ な、BEM五話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
相変わらずシリアスな部分とファニーな部分が完全分離しつつ、奇妙に的を得たシンクロを生み出すアニメである。ズレてんだかハマってんだかよく解かんねぇシンコペーションが、妙なグルーヴを生むな…。
お話としては、人助けが仇になって影の議会の的になったベム達が、クソ変態と一緒くたにまとめられてアッパーに狙われるようになったよ、つう感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
社会の上層が押し付けたいカバーストーリーと、現場で展開されるリアルが綺麗にズレていて、それにソニアが挟まれる形になっておる。
表層と深層がズレているのは妖怪人間サイドも同じで、人間捨てて怪物になった連中から人間守りつつ、彼らはヒューマニティに悩む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
俺たちはナチュラルに人間ではないからこそ、人間になりたい。でも人間は、簡単に人間らしさを捨ててしまう。人間でなくなることに、自己実現の快楽すら覚えている。
なりたい自分になる。人間って素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
キラキラ綺麗なお題目が、奥深く秘めているドブ色のハラワタ。超ハイテンションで暴れ倒す吸引男（公式名称）の、クレイジーな道化ぶりの奥にギラリと、人間性の裏腹が見える。
掃除モチーフで、社会の最高層とド底辺が繋がる構成が面白い。
ヘルムート特査と吸引男は社会的にもテンション的にも真逆だが、『クリーン』な世界を求めている一点で共通している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
他人をゴミと断じ吸い殺してきた怪物は、妖怪人間に『生き直せ』と告げられる。
その可能性を掴む前に、社会のゴミを掃除する権力に撃ち殺される。
富と権力を独占し、正義を偽装するアッパーサイド。そのツケを全て押し付けられ、超変態による大殺戮すら顧みられないアウトサイド。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
クリーン、クリーン、クリーン。人間至上主義者（ヒューマニス）の振りまわす”清潔”は、ゴミと人間を分ける傲慢な選別を必ず伴う。
吸引男はヘヴィな過去を拗らせて、超巨大掃除ロボと一体化して暴れまわる。いやマージ、『え、なんでロボ？』って突っ込んだよマジで。重たい過去出てきたあとだけにね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
蔑まれるゴミ溜めを綺麗にしたかった願いは、いつの間にかネジ曲がって人間廃業に繋がる。
早く人間をやめたい！
そう叫ぶ元・人間と、早く人間になりたいけど人間定義に思い悩む妖怪人間が、同列に”妖怪人間”扱いされているのは滑稽で、少し悲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
ベム達が人間に憧れ、守っている事実に目を向けてるのは、現状ソニアだけなんだよなぁ…クリーンな偏見を超えて賢くなるのは、いつでも難しい。
そんなソニアが”チャンプ”ダリルと繋がって、妖怪人間事変…っていうかリブラシティそれ自体を裏から操り、作り上げてる”影の議会”を認識したのは、なかなか大事な変化だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
ヒューマニティが干からびた街で、人間性をまだ求める最後の戦士たち。同盟が組まれつつある…
んだが、ダリルにとっては妖怪人間は父の仇、秩序の紊乱者。ベロが人生諦め気味で、誤解を解くのが大変そうなところが、彼らの未来を暗く照らす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
ソニアが最初の衝撃を乗り越えて、ベムの事実を冷静に見据えているのと、ベロ－ダリルの対立路線は面白い対比になってきた。
ベラ－ロディのラインは真実を覆い隠すことで、クリーンな人間関係を偽造している状態だしなぁ。妖怪人間一家、それぞれ””人間”との繋がり方が違うのよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
このズレがアッパーサイドとアウトサイドの社会的、経済的断絶と混ざって、結構複雑な絵を描いてるのは面白い。今後どう転がってくかなぁ。
自分を追い出した”クリーン”なアッパーすら活用して、自分の信じる正義を貫く泥臭さ。ソニアがアウトサイドの刑事として、かなり逞しくなってきたのも面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
あと『なりたい自分』に強く憧れるベラが、吸引男の末路に幸福を見てるところとか。なんだかんだ、キャラの描写はコンパクトで的確なアニメ
…なんだが、Z級の超変態がとにかくテンション高くて、シリアスな部分を全てぶっ飛ばしかねないのはスゲェ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
『なんでセリフに妙なノイズ混じんのかな？』って思ってたけども、掃除機に憧れるあまり口で吸引音再現してんのね…クレイジーを掘り下げる筆が、無意味に細かいッ！！
初登場のおもしろクレイジーっぷりで一笑い取って、狂うに十分なバックボーンを見せてテンション下げて、掃除機ロボ超合体で異次元に飛ばす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
悪役を書くテンションの乱高下が今回激しく、楽しくも疲れた。メインダウナーで暗い話なんで、敵ゲストでアゲてくって劇作なんだろうけど…極端ッ！
いやまぁ、嫌いじゃないけどねこの温度差。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
人間だったのに望んで人間やめた連中を敵に置くことで、『早く人間になりたい！』というベム・テーゼを彫り直す作りとか好きよ。
『俺たち、本当に人間になりたいのか？ 人間ってなんだ？』という問いは、リメイクされる作品を強く問い直す。
まぁとりあえず、巨大掃除機で人間や車を吸い込まないことと、瀕死の変態を銃で蜂の巣にしないことだよな、『人間』…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
ホント、生き直すことを望んだ妖怪人間と、人間やめて人間殺す人間の対比は残酷だった。
人に姿を見せられぬ獣のようなこの体と、残酷を厭わない”クリーン”な魂。
どちらが人間の証明たりうるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
透明で邪悪な意志が一家を見つけた以上、それは思索ではなく暴力で問われ続けることになる。本腰入れた警察捕獲部隊も、結構強そうだしなぁ…想定よりサクサク、状況が動くね。
トンチキ変人バトルを交えつつ、ヒューマニティを問う物語はまだまだ続く。次回も楽しみ。
あ、血の繋がった母に見捨てられたゆえに人間やめたくなった吸引男と、血は繋がらないけど家族だから共闘し、支え合って希望を捨てない妖怪人間が、今回対比なんだな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月28日
ホント超トンチキの奥に、こういう細かい計算を的確にねじ込んできて、油断できないアニメだなBEM…。
