映像研には手を出すな! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
遂に根城と装備を手に入れた、我らが映像研。ボロボロの壁と屋根を補修し、次なる戦場は予算獲得ッ!!
迫りくる納期を前に、手綱を離すとすぐ空想に遊ぶクリエーター達。
敏腕・金森氏にケツを叩かれつつ、三人は成果物を世に問うことができるのか!!
そんな感じの、アニメーション青春絵巻第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
ホームを手に入れ、のんべんだらりとする余裕もなく、手を動かし頭を使ってのアニメ作成。
ハイテンションでトンチキな、しかし仲の良い部室の雰囲気。お互いの個性を尊重しつつも、譲れないものをぶつけ合う熱量。火花散る真摯さと、額の汗。
緩まず弛まず、自分の…自分たちの夢に近づくために一歩一歩歩いていく少女たちが、見ていて非常に気持がいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
ピリピリしてないのに真面目で、こだわりはあるのに他人や世間のことも見れて。
世界の片隅でシコシコアニメ書いてるギーク共だが、その生き様は青雲のど真ん中である。気持ちがいい連中だ
ボロは着てても心は錦。ようやく手に入れた仲間と居場所を誇るべく、映像券はまず看板を掲げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
このアバンは色んなものが詰まっていて、とても面白い。
クリエーターはこだわりだすと無限に時間を出血させるとか、仕事の見取り図作る金森氏偉い、とか
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しかし金森氏が上でふんぞり返っていても、腕とイマジネーションがある実制作部門が頑張らないと、”アニメ”は生まれない、とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
『看板動いたら面白いよな!』という、下らねぇ高校生のダベリが、実際に夢をアニメーとさせる、とか。
そう、この看板は”動く”のだ。命を吹き込まれている。
Animationの語源はラテン語の”Anima”だ。生命や魂を意味し、あらゆるものに霊魂が宿るとする”アニミズム”と語源的には同じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
平面に描かれた味気ない文字が、足を生やして動きまくる。創造でしかない夢を、形にできる。
それは三人が出会い部室を手に入れたこの段階で、もう開始(はじ)まってる夢だ。
映像研はアニメを作る。平面の”絵”に魂を吹き込むことで、自分たちの青春も駆動させていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
そのプライドを高く掲げたのが”映”の一文字看板であり、それは”動く”。全てはもう動き出しているのだ。
この止まらない躍動感、とにかく仕事をして状況が良くなっていく鼓動こそが、このお話の魅力なのだろう
設定オタクと動きマニアと銭ゲバが、雁首揃えたトンチキ軍団。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
其の現状がどんな感じかを、部室修理は上手く見せる。
とにかく金森氏の状況把握能力、スケジューリング、伝達とやる気アップ能力が高い。本当に高校生かこの女…。
銭の使い道、時間の使い道、全て的確に指示し、方向づけていく。
ほっとけばチョウチョだタヌキだと浮かれポンチな、クリエーター二人。浮浪雲な首根っこに縄をくくりつけ、時にしかり時に褒め、実際に手を動かさせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
金森氏の豪腕と誠実は、”アニメ”を夢で終わらせず形にし、世に問う上で非常に大事だ。
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金森氏はアニメオタクではなく、クリエーター気質も薄いので、バカと一緒にチャンチキ騒ぐことは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
口うるさい母のように、やるべきことをドドンと叩きつけ、世間の視線を作品に盛り込む。
しかし完全に孤立しているわけではなく、一緒に三万円の残骸にお祈りもする。
クリエーター二人は非常に波長が合うので、放っておくと一生キャッキャして時間が出血する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
金森氏がやや離れたところから、しかし二人の戯れを大事にしつつ見守っているのは、いつでも期限と制約に包囲されている現実に夢を問う上で、非常に大事だ。
いわば、現実と夢のアダプター役をやっとる。
長い影に脅かされて、ようやく手を付けた仕事からも、それはよく見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
浅草氏は空想の宇宙船補修と、現実の壁塗りを重ねることができる。設定オタクの面目躍如、どうやったら説得力のある夢が生まれるか、考え続ける。
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しかしそれは、『部室を直して、アニメ制作に取り掛かる』という全体の目標からは、優先度の低い仕事だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
金森氏のディレクションが唸り、空想は適切な場所、適切な仕事へと足場を移す。
ここで金森氏が、夢を見る浅草氏自身を否定はしない所が、優れた人格である。
与太郎の妄想でも、貫けば立派な才能。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
水嶋氏に『あ、アタイあいつとは”長い”んで』とばかりに浅草氏の性格を語る金森氏は、やっぱり友達の特性、好きなことに夢中になれる資質が結構好きなんだと思う。
それをより良い形で、世間に認めさせるにはどうしたら良いか。金森氏は常に考え続ける。
その客観とは少し離れた、才能の共鳴で近づくのが水嶋氏だ。設定と芝居、興味領域は少しズレつつも、共に手を動かし絵を描くクリエーター。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
金森氏がなかなか入っていけない空想領域にも、スッと入って共有できる。
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ハシゴが落ちて取り残され、おしっこ漏れそうな大ピンチも、二人にかかれば宇宙の大冒険だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
そんな放課後の大冒険感、ボロボロの秘密基地に本気の夢を重ねられる幼さが、二人には元気に息づいている。
幼い夢を武器に、世間とどう戦うか。児童小説的な雰囲気もあるわな、この作品。
呑気なトンチキどもが共有できる領域から、少し離れつつも金森氏はしっかり仕事をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
ぶつくさ口だけだしてふんぞり返る。そういうことはしない女だ。
友達のピンチを聞きつけ、彼女もまた、夢の住人になっていく。
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銭がどうこうぶつくさ言いつつ、ダチがピンチなら壁はぶっ壊すし、凄い速度で動く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
作品を完成させるために必要な現実感覚と、クリエーターと通じる熱い心根を同居させているからこそ、彼女は宇宙船”映像研”、3人目のクルーなのだ。
絵を描かなくても、夢には乗れる。結構優しい視線だね。
金森氏が本物のスーパークールなら、雨樋を滑り落ちてくる二人の様子を察知し、無駄に壁は壊さなかっただろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
余計な出費は彼女の未熟であり、同時にダチに請われればホットにもなっちまう、彼女の心を表してもいる。
銭ゲバ要素を押し出しつつも、相当アツい女で、やっぱ俺金森氏好きだな…。
かくして修繕なった、映像券の秘密基地。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
矢継ぎ早に挑むのは、予算稟議委員会。学園というシェルターの中で、モラトリアムの一貫として”アニメ”やってる以上、銭の出どころ、ハンコ押す側をなっとくさせるのは大事だ。
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やっぱ夕焼けのゴールドを上手く象徴色として使いこなしてるアニメで、自分たちの手で額に汗して直した”城”は、ピカピカに輝いて見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
夢に向かってまっしぐら、本物のダチと肩を並べて突っ走る。彼女たち自身はそうと気付いていないが、このボロ屋は青春黄金期のただ中にあるのだ。
注文自体はAIで自動認識され、しかしメシは人が作って人が出す。微妙な未来感を食堂で見せつつ、三人は同じ席に座り、違うメニューを食う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
電車の中でも、『端っことっぴ!』に本気になれるクリエーター組と、金森氏にはちょっと隙間があく。
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映像研は自分のエゴを慰めるために、アニメを作る…ふりを続けるワナビー集団ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
バラバラの個性を、バラバラだからこその化学反応で加速させ、形に残るものを作る。そのために集まったスペシャリスト集団だ。
だから、随所で”ズレ”は視覚化され、適切に演出される。
しかし同時に、重なるものがあり、動き出すものがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
バラバラの個性が、それでも一つの集団であるために必要なものが何か。3万円の重さも、世間的な認知度も、性格も身長もバラバラな彼女たちが、どう繋がっていけるのか。
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その答えは、テンポよく転がっていく状況に、しっかり埋め込まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
何気ない日常の会話、仕草や表情に込められたドラマ。水嶋氏が目指す”アニメーション”の完成形が、彼女たちの”現実”を描くこのアニメにおいて、凄まじいクオリティで暴れ狂っている。
シャレオツな女の子たちは、ナード二人には目もくれない。街を埋め尽くす有名読モは、笑顔の作り方も完璧だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
そういう社会的階層、世間的認知の断絶は、三人をバラバラにしない。
アニメを作る。その一点で繋がって、浅草氏のお部屋に足を踏み入れることになる。
『アニメ作成』という、あんま馴染みがなくて、だからこそワクワクする大冒険をしっかり描きつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
同時に当たり前の青春の、大事なイベントもしっかり取り回しているのは偉いなぁ、と思う。
友達少ない浅草氏にとって『自室にダチを上げる』は、結構ワクワクイベントだったと思うのだ。良かったね。
第二の秘密基地である浅草ルームで、映像研は理想と現実をすり合わせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
クリエーター陣は無限の時間に戯れ、”アニメ”から遠い距離にいる金森氏は冷静に、納期との距離を測る。
客層にふさわしい演出、現状可能な方向性とサイズ。これを的確に測量できる目の良さが、映像券の秘めたる武器だ。
浅草氏がスケッチブックに溜め込んだ、大量の設定。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
その中から、現実を規定する条件に適合した世界を選び取り、アニメートさせていく。
浅草氏がそこまで自作の世界(に張り付いた、創作者のエゴ)に拘泥せず、出来ることをしっかりチョイスしていくのが、意外で面白い。かなり冷静に創作しとるな…。
一方水嶋氏は、『地味で感情の宿った芝居をやりたい!』という、アニメーターとしての願い(あるいは矜持)を金森Pにぶつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
必要なのは派手なわかり易さ。人格がアニメートする、ジワッとした喜びは後回し。戦車、爆発、大立ち回り!!
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…というポピュラー路線と、水嶋氏の玄人志向は対立すると思いきや、金森氏は他人が見える女であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
全体のバランスを考え、演出プランを訂正し、水嶋氏のこだわりと想いが活きる形で、アニメを方向づけていく。
『職人のやる気』をしっかり見据え、もう一つ眼で現実も見る。本当に高校生か…?
金森氏はなんだかんだ映像研という”場”、異才に溢れたダチ二人のことが好きだ。ケツを叩いて他人に仕事をさせるけど、自分が額に汗することも厭わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
クールでニヒルなようでいて、その実無茶苦茶熱い。人情も判る。
そういう描写を積んできたから、ここの調整はスッと飲める。
第一話以来の夕焼けトレス台の上で、浅草氏と水嶋氏のクリエイティビティは重なっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
最初の二名じゃ全然足らず、付け足されていく二人の夢。それはいくらでも拡大して、どんどんデカくなって良いものなのだ。肥大化しすぎたら金森氏が斬るッ!
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金森氏がクリエーター陣を尊重したディレクションをしているので、制作陣からもコストカットのアイデアがバンバン出てくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
形にならない理想形を追うのではなく、まずは形にする。しかし夢と品質には妥協なく、今できる最高を追求し続ける。
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クリエイティビティの理想形で、お互いの意見がどんどん取り入れられて、アニメは動き始める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
鉛筆調に水彩画、ベタ塗りにラフ。色んな表現を贅沢に横断して、『アニメーション』の多彩な可能性、表現力がちょくで見れるのは、非常に良い。
アニメには色んな形、色んな表現があって良いのだ。
ここら辺、『エッジな表現に果敢に挑戦し続けた、湯浅監督の経験値が生きてるなー』って感じであるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
通り一遍のスタンダードだけではなく、アバンギャルドな表現も仕えるからこそ、空想が形になり、アニメートされる面白さを”絵”で見せれるってのは、原作とのベストマッチであるな。
かくして『なんか勝っちゃいそう!』な企画が立ち上がり、動き出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
現実は見取り図通りには行かず、思わぬアクシデント、重たい予算と時間の壁、理想と現実のギャップなどなどの強敵が、映像研に襲いかかるのだろう。
しかしそれを乗り越えていく道も、今回上手く示した。
クリエーター陣と事務方、あるいは世界設定とアニメ芝居。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
三人は同じ場所に居ても、興味も能力もバラバラだ。だがお互いを尊重できれば、それは断絶ではなく協調を生み出す。
離れているからこそ、違うからこそ生まれる、爆裂する化学反応。それを支えるリスペクトは、既に描かれている。
皆仲良く、でもベタベタしすぎず、お互いプライドを持って一緒にいる様子が、とても眩しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
奴らが『気持ちのいい連中』であることが、アニメへのディープな知識や、作り込まれた世界や、トンチキなユーモア以上に心地よく、このお話に浸るポイントなのかもしれない。青春物語として、骨が太い。
金森氏は非常に優秀なプロデューサーであり、クリエーター陣のやる気と想像力は無限。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月20日
勝てる要素は揃っている。残り約60日、夢に漕ぎ出す地図を手に入れ、後はシコシコ描いて描いて描き倒すだけだッ!!
それが大変なんだが、だからこそ面白い。来週も楽しみ。