ヒーリングっど♥プリキュア 第二話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
かくして世界を背負い、癒やす戦いに身を投じた花寺のどか。病床から抜け出し、己の意志で進む学園は光に満ちていた。
しかしその虚弱を目の当たりにし、ラビリンはコンビ解消を言い出す。エゴの奥に光る、獣の仁愛。
少女よ、何故死地にその足を進めるか
そんな感じの、少女と獣のバディ・コネクション、ヒープリ第二話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
手際よく物語世界への導入を努めた第一話に続き、主人公が、そしてその相棒が何故、危険極まる戦いに身を投げるのか…モチベーションの掘り下げ回である。
獣のエゴと涙、少女の意地と憬れ。桜吹雪に、極めて鮮烈に刻まれる仁愛
やっぱ妖精とコンビ打ちで脅威に立ち向かっていく構造が特長的であり、そのために妖精も意志と優しさを持った一個人であると強調する描写が、とてもしっかりしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
アイツら子供な立場と外見なのに、戦士の覚悟と義人の精神が瞳に宿ってんだもんなぁ…ヒーリングガーデン義士伝ですよこれは…。
さてお話は、世界設定の補足なんぞやりつつ開始。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
敵さんは地球を狙う古代の思念体と、その幹部三人って構成。
全員真紅の変形白衣を着ている所が、”医師 VS 医師”の構図でなかなか面白い。薬が毒にもなるのなら、医術もまた、と言った所か。
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後に判るように、ビョーゲンズの狙いはある種のテラフォーミングであり、自分たちの都合のいいように環境を改変する人間能力の(悪しき)発露である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
人間が生存するために選び取った、環境変換能力。それが逆向きに、地球に乗っかった人間社会、そこに住まう少女に牙を剥いた形…かなぁ。
プリキュアが選んだテーマ性をどんな角度から、どれくらいの難しさ、真っ直ぐさで描いていくかってのは、毎年違って面白いところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
わざわざ選んだネタが空中で迷走してどっか行くこともあるし、ガッチリ掴み取って語り切ることも、その語り口が難しくなり過ぎることもある。
こればっかりは一年付き合わないと判んないので、じっくり歩みを見守りたいところだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
ヒープリは『地球のお医者さん』なので、手が届く範囲の医術と、そこから大きく進展した環境問題両方を扱いそうだ。
環境を書き換えなければ生存が難しい、脆い種族としての人間の宿痾にも踏み込む…かな?
それは先の話として、まずはピカピカの新玩具の販促である。BANDAI様にひれ伏せッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
妖精のお家でもあり、魔法グッズの収納場所でもあり、生活基盤でもある魔法のバッグ。私室に妖精の性格が結構出てて、見てて面白い。ぬいぐるみのサイズ感、大事に絵作りしてるのグッドね
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ニャトランが『オレらの飯は良いからさぁ…ラテ様に食わせてやってくんね?』っていい出した時、『マジこいっつ!』ってなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
子供が戦術的プライオリティを把握し、自分をその真下に置かなければいけない状況。それを飲み込む覚悟は、仲間の屍を、瞳に焼き付けた時に終わっているのだ。
無論のどかは、覚悟をキメた少年兵士たちにも腹いっぱい食わせ、しっかりケアする。たっぷり食ってくれ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
美しき故郷は死の大地に変わり、最後の希望を背負い飛び込んだ異郷。そこを故地と同じ地獄に変えないためにも、闘いには勝たねばならない。
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ファンシーでフワフワな外装に包まれてはいるが、(プリキュアがいつもそうであるように)状況はヘヴィ&シリアスであり、妖精たちはその事実をしっかり把握している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
のどかは病という己の戦争をなんとか乗り越えたが、甘やかな日常を新鮮に楽しみ、帰る場所のない戦士とは、ちょっと距離がある。
ラビリンとのどかの抱擁は思わず頬がデレデレになってしまう幸福感に満ちているが、しかしそれだけがこの戦いの全てではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
そういうシビアさを、ラビリンはのどかと出会えた幸福を噛み締めつつも、しっかり心に刻んでいる。
戦士の魂を宿した兎なんだがコイツ…”Cat Shit One”のパッキーかよ。
あまりにも美しい桜が舞い散る、すこやかな季節。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
木造校舎も柔らかな新学期、新たな出会いを前に少女たちは瞳を輝かせる。
黄色ちゃんが個別回を前に、ただの元気っ子ではない善良さを既に滲ませていてグッドだ。懐かしい匂い…きららちゃんと同じ気配がする…。
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のどかは出会いの時の記憶から、ちゆが陸上部であることを読み解く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
やっぱり彼女の強さは”見る”ことにあり、周囲の状況を細かく気にかけて、他人の情報を余さず拾う所に特色がある気がする。
その気配りは、つねに手を差し伸べられる弱者だった体験が生み出した、ある種の生存戦略か。
はたまた、自分が受けた恩義を当然と思わず、いつか返すべく記憶に刻む”義”の心意気か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
どうもヒープリ、エゴとアガペが裏腹に癒着する人間心理の複雑さを、結構大事に描く気配がある。
人が人である以上”他人の為”はいつでも”自分の為”に繋がっているが、それが他者のための行いを汚すわけではない。
のどかの献身は過去の自分の惨めさからも出ているが、そこに漂う”己”が、彼女の行いを貶めることはないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
己なき自己犠牲は、時に虚しく危うい。
『私がしたいから、誰かを助ける』というバランス取りは難しいが、その複雑さをしっかり描けたら、なかなか芳醇な景色が拝めそうではある。楽しみだ
桜の枝の上、妖精たちが三人並ぶ景色の多幸感に脳髄を焼かれつつ。(イヤホンっとね、妖精譚として瑞々しくファンシーな絵面が、美しい情景のなかでたっぷり見れるのは最高に良い)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
のどかは憧れの視線で、可憐な背面跳びを見つめる。すっげぇキラキラしてっぞ!
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しかしそれは憧れでしかなく、『体を動かす』行為自体に慣れていない少女は、憧れに向かい連戦連敗を繰り返す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
運命の契約を果たした相手が、絶望級の運動音痴であった事実にショックを受けるラビリン。そらそーだ。
そしてそんな外装の奥にあるものに、視線を送る少女。
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ここで、のどかの特質だった”見る”力はちゆに敷衍していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
ただ運動が苦手ということではなく、自分のフィジカルをよく知らない…知るチャンスがなかったところまで、他人の事情を推察する力。
ちゆは走れない、飛べないのどかを嘲らず、責めない。
のどか自身が言葉を濁す事情を、なんとなく察しつつ、『焦らず、自分の体に慣れるところから始めればいい』とアドバイスする。で、出来た中学二年生だ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
勉強が出来るとか、運動が得意とか、そういう乾いたステータスよりも、ここで差し出された水と助言が、沢泉ちゆの”人格”を強く語って善い。
ここでのどかが『あー、虚弱児だったんで…』と真実を切り出さない、切り出せない所が良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
それは無力感と切望に塗られた記憶で、可能ならあまり思い出したくない自分の根幹なのだと思う。
そこを越えて、ようやく”普通”に生きられるとなった時、初対面にすぐさま差し出せるものではない。
無論、後ろ向きに過去を見るよりも、可能性と喜びに満ちた”今”を走っていきたいという、のどかの気質もあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
そういう明暗全部をひっくるめて、ちゆは新しい友達を己の深い所で受け止め、桜の木を回りんで近づく。
その歩みは、ただの物質的な一歩ではない。
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ここで柔らかく己の現状を受け止めてくれたことで、ラビリンに拒絶された痛みも、のどかのなかで和らいだのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
ラビリンにとって、世界にとって、ビョーゲンズとの闘いがシリアスであることは、幾重にも描写されている。
無力なものは、戦場には不要。そういう身勝手な厳しさも、一理ある…
と思わせた所で、妖精ハードボイルドの”仁”な部分がフルスイングですよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
冷たく突き放したのは、傷つけたくなかったから。彼女の身体は、これからの厳しい戦いにはついていけないから。
心の肉球がキュンとくる、本物の相棒だからこそ、拒むことで守りたかった。
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夕景を過ぎゆく船を見つめながら、兎とペンギンは愛を、闘いの切なさを思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
マジでパステルカラーに塗った仁愛の獣過ぎて、頭がどうにかなるかと思った。
『ラビリンひどい!』と思わせておいてからの、秘めたる真心。ツンデレが巧いぜ、ヒープリ脚本…。
プリキュアにおけるマスコットは、メイン視聴者が自分を乗っけるアバターでもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
可愛らしく、小さく、幼い。
子供としての属性が強調されがちな彼らだが、バディとして戦場にも赴く今作では、かなりハードでソリッドな心性を抱えてもいる。顔に似合わず、早くも”大人”よね…。
可愛らしいからこそ、彼らが本来の小児性を押し殺して”戦士”やってる悲壮感も強まるわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
ここでものどかをただの戦争の道具ではなく、傷つき倒れる仲間として”見る”感受性が、美質として強調されているように思う。
誰かを思い、その実感に触れる。そこが大事なシリーズになんのかな、と思う。
(あるべき理想としての)”人間”や妖精が、想い触れ合い、時に距離を置く瑞々しい生命。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
ビョーゲンズもそれを”見る”が、彼らにとって生命の実感は塗りつぶすべき異物だ。種族として、価値の基準軸が”死”にあんのかなぁ…絶滅戦争待ったなしッ!!
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まーたラテ様の塩梅が悪くなり、夕日の世界に悲痛な叫びが満ちる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
誰かを思うからこそ遠ざける矛盾を、どう扱ったものか判らない少年兵士にも、その声は届く。
というか、その痛みを黙ってみていられないからこそ、この異郷にまで流れ着き、闘い続けているのだ。マジハードボイルド小動物。
二話にして早くも、プリキュア変身不能。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
のどかが選んだ”鎧”が、上手くはいかなかった部活見学の寄せ集めなのが、あんまりに健気で泣いてしまった。
それは恐怖を閉じこめ、『何かが出来る自分』を鼓舞するための武装。そう思えるくらい、部活見学は楽しかったのだ。
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ダルイゼンくんの言うとおり、そんなもんで怪物に太刀打ちは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
それでも、震える拳で日常から少しでも戦う理由をかき集めて、荒れ狂う暴力を前に無手で立ち向かうことに、のどかは決めたのだ。
プリキュアの異能が、戦う力を与えるのではない。震えながら握る拳こそが、闘士の証なのだ。
それが病床で焦がれた”部活”という、他の少女にはあまりに当たり前の幸福である所に、彼女の長い闘病が透けて見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
彼女の心を満たす、焦熱のメサイアコンプレックス。救われたものは、誰かを救わなければいけないという強迫観念。
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正義と言うにはあまりに個人的で、切実な心の嵐。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
病に己を縛られる辛さ、それを支えられるありがたみを文字通り、身を切るほどに知るからこそ、己の弱さは問題にはならない。
為さねばならぬことがあるのならば、ただ腹決めて進む。
この少女もまた、戦士の魂を可憐に宿している。
地球を背負うデカい正義が、のどかがかつて苛まれた小さな、だからこそ切実な辛さの上に乗っかっているのが、とても良いバランスだな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
このままでは、自分が抜け出した病床の辛さに、世界が、隣人全てが飲み込まれてしまう。
それは他人事ではなく、己の痛みと直結しているのだ。
弱さから強さを生み出していく成長のダイナミズムにも繋がるし、のどかの設定は非常に巧いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
自分も(のどかほどではないが)寝床が友達な幼少期を送った虚弱児なので、結構しみじみと感じ入るものがある。
彼女ほど切実に、己を顧みず炎に身を投げれているかは、思えば汗顔の至りであるが。
見習いだから、体が弱いから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
それが戦わない理由にならないことは、お互い同じだった。瞳の中に映る己を見つめ、ラビリンは闘士として、のどかの胸で泣く。
完全に戦士(ウォリアー)が運命を見定めた、熱い落涙なんだよなぁ…。
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ここ迄エモが高まりゃ後はボーナスステージってなもんで、エレメントさんを見つけ、その声を聞いてラテ様もご快癒完了である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
やっぱここでも”見る・聴く”のモチーフは顔を出してて、オープンチャンネルで相手を受け入れる大事さを強調したいのかなー、って印象。
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まぁのどかもラビリンもラテ様も、皆ひっくるめてガキなので。泣いたり悲痛な决意を固めるよりも、笑顔で抱き合ってるほうが良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
しかしその笑顔を守るためには闘うしかなく、そのためには肩を寄せ合う必要がある。
ハープリ…ファンシーなヴィジュアルの奥に、悲愴を秘めたプリキュア…。
主人公のフィジカル&メンタルのシビアさ引っ括めて、明るく微笑みつつも背筋が伸びている所が個人的には好感触であるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
戦いを終えた気楽さは、秘すべき非日常を顕にする油断を呼ぶ。青い視線が捉えたものを、少女は如何な未来へ繋ぐか…。
待て、次回。
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そんな感じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
主役とその相棒がどんな心持ちで死闘に身を投げ、お互いいかな気持ちで相手を思いやっているのか。
ジックリと、闘いのコアに据えられるべき”心”を描くエピソードで、非常に良かったです。
アニマルたちがあまりに壮烈なる少年戦士過ぎて、ちとキツくもある。
だって漂うオーラが『ワガママざかりの見習い妖精』じゃなくて『白虎隊』じゃん彼ら。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
”悲運なりし地下の祖母、父母、姉妹の霊前に伏して思慕の情やるかたなく、この一文を献ずるは血を吐く思いなり”じゃん。
そんな彼らが、のどかと普通に笑えているのは、俺にはデカい救いなのです。幸せになって…
最高のEDを何度も見てるけど、サビの所で夏秋冬春と季節が巡るのが、なかなか面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
一年通して戦っていく、ロングスパンの時間間隔。それに加えて、移ろい行く命のサイクルの只中に、プリキュアを置く”意志”みたいのを感じる。
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季節は行き過ぎ、その表れは様々に変われども、世界はまこと美しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
夏の烈光、秋の落葉、冬の白雪、春の花弁。
始まり、終わり、続いていく輪廻の中心に彼女たちがいるってのは、なかなか面白いメッセージだなと、個人的には思う。生を語るのなら、死も同じ重さで、か。
生きることに常に付きまとう陰りは、のどかの過去とか、ラテ様毎週のチアノーゼとかから既に見えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月27日
それを真ん中に据えたエピソードが来るか、来るならどのくらいの速さ重さで叩きつけてくるか。
そこら辺も楽しみにしつつ、次はちゆちゃん加入回。
彼女の”人格”がどう煌めくか、次回も楽しみ。