ノー・ガンズ・ライフを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
再開を果たした兄は、解体の悪鬼へと変わり果てていた。
自分を事件屋にした最初の依頼を果たすために、ヴィクターに対峙する十三。
EMSを間に挟んだ三つ巴を、気にかけることもなく男はその牙で、弾倉に込める。決意という名の弾丸を。
そんな感じの、VSスピッツベルゲン編第二話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
先週なかなか火がつかなかった十三のチャンバーに、過去から受け継がれた思いが装弾され、バチッと侠気をキメる所まで話が進んだ。
やっぱ十三が迷いを弾き飛ばして、堂々立つと見栄が決まる。良い主人公だ。
メアリと十三、それぞれのヴィクターとの因縁が顕になり、鉄郎が白紙の過去で色々責め立てられる今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
エピソード(そして作品)が自体過去から現在へと繋がる同一性、それが支える揺るがないスタイルを巡る話なのだが、今回は特に自己同一性の揺らぎと確立を掘り下げていく。
スピッツベルゲンの首魁ウォシャウスキーは、確保した鉄郎に彼が知らない過去を語る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
反拡張体テロルを支援し、世界に混乱を撒き散らすのが”本物の鉄郎”だと。
同じように、ヴィクターも引き金を引かれる兵器としての”本当の十三”を求め、妹をその供物に捧げる。
離れた場所に引き裂かれた、事件屋と少年。二人はあやふやな過去を他人に叩きつけられ、今を生きる自分としてそれにどういう答えを出すのか、暴力的に問われている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
問いは生き様を引き出す触媒なので、そうやって揺るがされるのは大事だ。特に、ハードボイルドに於いては。
鉄郎への問いは今回答えが出ないが、十三はそれにまつわる因縁ひっくるめて、色濃く掘り下げられていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
脅迫してきたスピッツベルゲンの猛者も、ノータイムで鎧袖一触。やっぱり強い十三を見ると、心がホッコリするネこのアニメ。
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十三の銃頭に表情はないけども、その立ち居振る舞い、諏訪部順一の好演が上手いこと、彼の”顔”を見せてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
理不尽と卑劣に怒り、大事な身内を守れなかった己の未熟に憤る。何もかも不自由な街で、事件屋として己を貫き通すために必要な、強い感情とプロとしての冷静さ、その同居。
メアリーと十三がそれぞれ、お互いの過去、ヴィクターとの因縁をオープンにする今回は、そういう十三のかっこよさがよく滲む回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
メアリーが兄を慕う純情と、自分が事件屋になった根っこを重ねることで、他人事を他人事で終わらせない十三の立ち回りが好きよ。
僕TRPGって趣味を持ってるので、他のキャラクターが持つ物語をどう自分の物語と絡めて”私達の物語”にしてくかには、強い興味があるわけですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
事件屋としてのプライドを格好良く魅せてきた十三が、その根源をメアリに預けることで、モチベーションが一本化するのは凄く上手いし、良いなと思う。
機械でしかなかった自分に、向けられたユーモアと情愛。銃頭に確かに滲む、自分すら気づいてない表情を読み解く眼。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
兄も妹も、シュタインベルグの機械工は十三に温もりを与えてくれる。十三も、命をかけてそれに報いる。
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十三に妹を預けたヴィクターだけが知っている、秘密のサイン。それをレフティくんが発したことが、どういう意味を持つのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
ここら辺、推測はできるけど確信にはちょっと遠くて、次回以降のネタバラシが楽しみである。『拡張体は必ず補助脳を伴う」てのが、一つのトリック…かなぁ?
依頼を愚直に守って、メアリーには告げず事件屋としての意地を張り続けること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
理不尽な街に負けず、人としての在り方を模索すること。
ヴィクターとの出会いとふれあいが、今の十三を作った。誰かに引き金を預ける兵器ではなく、己と依頼人の意志をチャンバーに込める人間に。
主人公の起源と現在が良く見えるエピソードで、今回のお話は凄く好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
メアリーのヒロイン力がゴリゴリ掘り下げられるので、EDでビッチブッてるおケツフリフリに『メアリーちゃんはそんなコトしねー!!』って、思わずキレちゃうくらいだよ…公式さん、その売り方は”違く”ねーかな…?
しかし”解体者”はそんな人間性が気に喰わないらしく、兵器としての十三(を求める、狂える技師としての自分)を強く求める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
どす黒いハラワタがそのまま武器になったようなデザインが、キモくて凄く良い。笑顔の仮面もキモくていいわぁ…。
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事件屋として引き受ける依頼こそが、今の十三を前に進める引き金だということは、これまで幾度も描かれてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
ヴィクターが妹を贄に、過去の十三を蘇らせようとする凶行は、十三自身の生き様を決めた過去からの弾丸を、依頼人自身が裏切る行為でもある。
事件屋としては、背中を向けられない状況だ。
んでご丁寧にも、メアリーもヴィクターもEMSの人も、みんな『お前には関係ない、手を引け』って言ってくるんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
この問いかけに反発することで、もはや兵器ではない十三の今、そこに込められた意志という銃弾がより目立つ。
やっぱ否定されること前提の問いかけ投げるの、大事だなー…。
自信満々で乱入ぶっ込んできたEMS局長代理とその配下が、”解体者”の噛ませ犬になったのは見事な様式美過ぎて笑っちゃったけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
時間が人を変えたのか、また別の理由があるのか。
己を守るために地面に落ちた”手”を拾い上げて、銃頭はその牙で撃鉄を上げる。
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メアリの頭を優しく撫でることも出来れば、敵をぶん殴り正義を為すことも出来る”手”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
後頭部の引き金を絞る”手(ハンズ)”はもういないが、だからこそ手に入れたものもある。
十三を殺戮兵器に戻そうとする”解体者”に突きつけたのは、そんな拳だ。譲れないものが、その心身に満ちる。
というか、『人には譲ってはいけないものがあるのだ』と、依頼の形で十三に教えたのがヴィクターなわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
思い出が眩しいほどに、それがドブに落ちた現実は激しく痛む。そしてだからこそ、自分の手で事件を制圧しなければならない。
事件屋・乾十三、意地と想いの正念場…というところで、次回に続く
何かを掴み、慈しみ、突破していく”手”を一つのモチーフに、十三がなぜ事件屋となり、事件屋であり続けるか渋く見せてくる、良いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
ヴィクターとの因縁を軸に、メアリーと十三の物語が一つにまとまり、大きなうねりになってきてるのも、パワーを感じて素晴らしい。
ここに、信じたくない自分の過去を突きつけられた鉄郎が、どう絡んでくるか。十三が既に手に入れ貫こうとしている信念を、彼はどう手に入れていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
もう一人の主役に話をどう広げていくか、話の転がし方も気になりますが、今は十三男の勝負。
次回の正面衝突、非常に楽しみです。