宇崎ちゃんは遊びたい! 第1話、第2話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
孤独で静かながら、充実したキャンパスライフを送る桜井先輩。そんな平穏を、かき乱す小悪魔がいたッ!
荒廃の宇崎ちゃんは、何かとちょっかい出してはウザがられ、しかし気になる腐れ縁。ほのかに匂い立つエロスに頬を染めつつ、二人の関係どこへ行く!
そんな感じの、なんか知らねヶド超可愛い女の子がグイグイくる系ヘテロラブコメ、何発目かの射出である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
正直先行策との採点、自分的な焦点を上手く定められないまま第一話を見たのだが、第二話で自分なりの引っかかりを掴めたので、感想を書いていく。
この話は…桜井先輩のヰタ・セクスアリスだッ!
状況と主役の紹介で駆け抜けた第一話だと、宇崎ちゃんは下手すると即座に戦争になるポイントにズカズカ踏み込んでいくヤバ女であり、それに塩対応しつつも心の根っこではズブズブな桜井先輩は、人を見る目があんまない人に見えていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
しかし第二話を見て、見方が結構変わった。
宇崎ちゃんはとにかく幼いのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
主役を大学生に引っ張り上げたことで、中学高校とはまた違う味が出てるのが、この作品の特色だと思う。
ある程度自由裁量が許されていて、自分で自分の時間を作ることが許され、求められる年頃。しかし宇崎ちゃんは、先輩と密着できた高校時代を諦めきれない。
多分宇崎ちゃんの中の先輩は、スポーツバリバリやって、人間関係もビカビカで、憧れそのものだったんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
しかし大学では自分の性根に合わせて、静謐な暮らしをしている。
『自分の中の先輩と違う!』っつーんで、ウザ絡みで時計の針を戻し、『ボッチは恥ずかしいっス!』と外圧で動かそうとする
桜井先輩のスタイルは、恥や外聞や”普通”に乗っかって流されるのではなく、自分の好きなことを好きなようにやる、自分を確立した生き方とも言える。”大人”なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
しかし宇崎ちゃんは、『みんなで明るく過ごすのが唯一絶対の正解だ』という、外側からの価値観で先輩を動かそうとする…ように見える。
しかしそうやってウザ絡みする原動力は、今の桜井先輩がなんだかんだ好きであるという、非常に個人的な想いである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
それを素直にぶつければ、桜井先輩だって後輩として異星として性の対象として悪からず思ってるんだから、お互いを尊重したままスパーンと恋愛成就、お話終了となろう。
だが宇崎ちゃんは発達した胸部に似合わず、自分が先輩に恋してる自覚はないし、自分達がセックスが介在する恋愛に自由に踏み込んでいい年齢であるとは考えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
だから無防備に生け垣に突っ込んで壁尻晒すし、町中でおっぱいとかいう。桜井先輩の方は平均的に性意識が発達してるので、色々赤面もする
『みんな、ボッチは恥ずかしいって言ってるスよ!』という視点はあるのに、『みんな、私らがこれからセックスするかもしれない間柄だって思ってるっスよ!』とは、毛頭思わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
このズレ方を強調するべく、おちちもまー豊かに育っておるのだろう。悪い人に良いように嬲られそうで、オッサン心配。
ウザい後輩がボッチで可哀想な先輩を面倒見ている風でいて、幼く無防備な宇崎ちゃんを先輩が守ってあげてる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
後輩がグイグイ押し付けてくる、セックスが介在しない幼い関係を、先輩は戸惑いつつも結構大事にして、(大学生ならまぁセックスするだろうと世間が思う)恋人関係にならないよう立ち回る。
そういうねじれが二人の間にあるのだと、二話を見て思えたので、ひねくれ人間にも作品を見る足場ができた感じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
宇崎ちゃんが一人で抱え込んで暴走しているように思える、もう戻らない黄金期。
新しい生き方に順応したかに見える先輩が、実は結構それを大事にしたい気持ちも、よく滲む。
『俺も大学生になったし、後輩との関係性もセックス混じりで一新だな!』と脱皮するなら、グイグイ来たところを合気投げのチャラ男固めでIPPON! 作品終了!! となろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
しかし先輩は、巧妙に宇崎ちゃんと男女の関係になるのを避ける。ウザい後輩のアタックを、塩対応で躱す距離感を維持する。
そこにはセックスが介在することで幼い宇崎ちゃんが傷ついてしまうことへの恐れとか、セックスが介在しないままピュアに生きれた過去への郷愁とか、自分自身が宇崎ちゃんを一女性、一人間として新たに受け止めることへの怯えとか、色んなものが透けて見える…気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
先輩は宇崎ちゃんの中にある、カッコいい先輩像に価値を見出していない。でも、それを大事にしてくれるウザい後輩のことは、ウザいウザい言いつつ結構好きなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
だからかなり無遠慮な踏込されても、突き放さない。そこに優しさと小さな成熟があることに、宇崎ちゃんは気づけない。
ラブコメディの皮層に守られた、危うい綱渡り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
これが僕の好みで塗られた妄想なのか、はたまた作品の芯として存在しているものなのかはまだ定かではないけども、個人的には結構気に入った。
それは二次成長期を終えて、ある程度責任を取ることを期待される年頃独特の、曖昧で柔らかな距離感だと思う
宇崎ちゃんが自分の幼さと恋心を自覚して、適切に踏み込んでしまえば。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
あるいは先輩が、ソロな生き方に拘りつつも宇崎ちゃんを隣に置く真意に目を向け、性愛を媒介に繋がる覚悟を決めてしまえば。
最初っから温度温まってるお話は、恋愛が成就してゴールインである。
連載中の作品であるし、二人の関係が煮詰まる形でのエンディングは、アニメの範囲ではないのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
だから僕の焦点は、すれ違いつつ奇妙にハマる二人の距離が、どういう面白さで転がり、笑いの奥にフッと相手を思う真心とか、否応なく膨れ上がる”性”への恐怖と興味とかが見えるか、という部分にある
先輩が生け垣にハマった宇崎ちゃんのケツを、ノートでスパーンするのが結構好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
生尻手で叩くのははばかられ、しかし後輩のケツを周目に晒してもいられない。テンパった後の選択肢として、ノートでスパーン!
あえて宇崎ちゃんとの関係を雑に扱っておきたい先輩の自衛心も垣間見えて、人間臭い。
読者サービスたる桃色要素も、先輩がむっつりと性欲を掻き立てられつつ、『それ前面に出すと宇崎ビビるかな…俺も関係変わるの怖いしな…』と、あくまで内側に抑え込んでいる様子が書かれることで、作品のテーマ(と、僕が受け取ったもの)に上手く噛み合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
宇崎ちゃんのデカい乳と細い腰が、(世間一般の性的評価は横において)先輩を興奮させていること、好きな人にとって価値があることを、彼女がどう受け止めるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
己の身体にビルトインされた、セックスアピールの凶暴性とどう取っ組み合うのか。
桃色描写を積む中で、そこら辺も掘って欲しい…
けど、宇崎ちゃんは幼くて無防備でマスコットっぽいところが可愛いので、己の”性”を自覚するタイミングはあんまない…かなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
無遠慮に踏み込んでるのは、悪気じゃなくて幼いだけ。そう思えるから、ギリギリ”うざ可愛い”で済んでる部分もあるし。一歩違えば戦争やぞホンマ…。
片や自分の中の性と愛を自覚しつつ、怯えて踏み込めず。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
片や全然気付かないまま、無防備に無遠慮にブン回す。
なかなか”大人”になれない二人を客観視する視座が、マスターを通じて作中に導入されたのも、二話で見方が固まったポイントである。ああいう視点がキャラ化されているのは、とてもありがたい
お互い悪からず思っているからこそ、無遠慮に踏み込んでも破綻しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
そういう人間関係の不思議さを、安全圏から砂かぶりで見れる。窃視症的な面白さを、マスターを通じて可視化しているのは、かなり作劇の視力が良いと思う。
そここそが、作品の売り(の一つ)なのだろう。
今後も宇崎ちゃんは人間関係のヤバ領域に土足でツッコみ、自覚してない先輩LOVEを無防備にブン回し暴れ倒すだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
そこでブルブル揺れるSUGOI DEKAI乳に赤面しつつ、先輩はウザいウザいと遠ざけるふりをしながら、自分を好きな宇崎ちゃんを好きでいるのだろう。
桃色の微熱に満ちたそんな戯れを、ハタから見守るのは結構面白そうなので、今後にも期待である。やっぱマスター視点が導入されたのは革命だなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
そういう目線なので、宇崎ちゃんはデカ乳サービスも大事だけど、マスコットっぽい顔どんどんして欲しい。
©2020 丈/KADOKAWA/宇崎ちゃん製作委員会 pic.twitter.com/2vZcu0aWAc
ジト目可愛いマスコットに見えて、自分だけが価値を判ってる先輩に誰かが入り込んで世界が広がりそうになると、とたんに動揺する卑しさも堪らんね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
宇崎ちゃんの根性が結構悪いところも、このお話独特の味わいだと思うので、生っぽいところも大事にして欲しい。
つーか先輩は大学三年だけあって、自分なりに選択して自分の満足できる世界を構築してるのに、宇崎ちゃんは『先輩と自分』以外の社会がなかなか見えないのよね。ここのズレも面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
世間を知ってるとマウント取ってる宇崎ちゃんが、実は先輩との密着した季節でしか生きられない、幼い雛なのだろう。
性と愛を含めた様々な成熟が、ドタバタライフの中でどう転がるかを楽しみにしつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月17日
自分の中で作品を噛み砕く顎、消化する胃袋が一応整った報告として、感想を終えたい。
僕はやっぱどっかで、震える思春期を活写して欲しいんだな、ラブコメには。
面白かったです。来週も楽しみ。