GREAT PRETENDERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
逆さ吊りから急転直下、ハンパな詐欺師のエダマメによぎるのは、騙され詰られの辛い過去。
どうせ世間が認めぬならば、真実に背を向け喰う側に。
擦れっ枯らしの想いを食って、やけっぱちの天下取りか。背中を丸めて、逃げて帰るか。
枝村真人、LAにて人生の岐路に立つ!
そんな感じの、詐欺師太閤記第二話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
第1話で綺麗にハメられたエダマメくんが、ただ嗤われるだけの道化ではなく、色々辛いことを背負い、何かを成し遂げうるガッツも持っていると、上手く伝えてくる第二話だった。
嘲笑から応援へ、うまーく制作陣の掌で転がされてる感じが気持ちいい。
なにしろ扱うのはコンゲームなので、こっちの心を上手く転がしてくるのは大事な資質。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
エダマメくんの回想を知る内に、『あ…笑っちゃってゴメンな…』となり、それでも選んだ詐欺師の生き様で一発かます様子に、思わず拳を握ってしまう。
そういう感情を気持ちよく引っ張り出されて、信頼感が強まった
『やっぱ主役好きに成れるの大事だな~』などと思いつつ、お話は主役のオリジンを掘り下げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
病床のおふくろさんを安心させるように、差し出した就職先と猫のオモチャ。そんな純情は真っ赤に裏切られ、人生の春はあっという間に枯れ果ててしまう。
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世間の風評に負けじと、希望に満ちていた春。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
その全てが裏切られ、愛した人も死んでしまった冬。
その間に挟まれた、鮮烈な赤。
先週はスタイリッシュさを強調していた色彩の強さ、パキパキとしたレイアウトは、エダマメの湿った過去を描く時、情念のキャンバスとしていい仕事をする。
根っこは真っ直ぐな良いやつなのに、父の風評に翻弄され、就職した先は健康詐欺で、世間は真実を認めてくれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
なかなか洒落にならない重たさで、ずっしりと腹に来た。エダマメの素朴な優しさが、猫のおもちゃ一つに上手く圧縮されているのが、非常に巧みな見せ方だ。
エダマメ最初の逆風として吹いていた、悪党らしい不在の父。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
これが伏線なのか、軽い背景情報なのかは先を見ないとわからないところだが。
かなり考えて構築している作品だと思うので、そのうちデカいパーツになるんじゃないかなぁ…ラストエピソードで親父超え、とか。
そこら辺は先読みとして、母を食い殺した闇はエダマメを飲み込み、お日様の当たるような生き方から遠ざけていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
詐欺師をやるなら泣けないと、涙の代わりの篠突く雨。ずぶ濡れで目覚めてみれば、異国の果てで道化芝居である。
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真実を誰かに知っていて欲しい。大事な人には生きていて欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
そんな当たり前の善良さが、裏切られたはての下卑た笑い。それは多分涙を隠す仮面で、泣くに泣けない世間に流されて、顔面にぶっかけられる”水”で思い出は断ち切られる。
雨の中の堕落と、LA気付け水が綺麗に繋がる演出が好き。
よくあると言えばよくある、しかしだからこそ身につまされる詐欺師・枝村真人誕生秘話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
これをどっしりと見せられることで、軽薄な自業自得に見えた詐欺師の物語が、ひょいと相を変えて見えてくる。
前回騙される面白さで見せておいて、この変化はとても気持ちいい。前のめりで見る気持ちになる。
極彩色のレストランで、ハメ手裏芸のネタバラシ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
ドラッグだけは喰わねぇと、矜持で吐き出したキャンディ苦いかしょっぱいか。
ハメられた事情を知り、譲れないスタイルを汚されてないと確認して、喰うものを腹に入れる話運びが好きである。
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オマール海老と一緒に、エダマメは自分が巻き込まれた舞台、カモでしかなかった自分を食って、ある程度ティエリーとアビーを腹に落としたわけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
しかし、素直に喰われるわけにも行かない。そこら辺の不敵さを、ワインを跳ね飛ばして詐欺の仕込みをしておくさり気なさに、しっかり仕込む。
ただ食い物にされるだけじゃない、コンフィデンスマンとしての矜持と実力が、青いエダマメにもしっかりある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
だからこそ、ティエリーも手をかけ目をかけ一味に加えようとしている。
そこら辺が、レストランでの会食にはよく滲んで面白かった。
小洒落たシチュエーションをテンポよく繋ぎつつ、キャラクター同士の情感、作品の骨にある雰囲気を語らず焼き付ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
オシャレに話取り回すには大事な手腕がしっかりしてるのは、やっぱり安心できる。色々伝わるものが多くて、情報量が多いんだよなー。コンゲームらしい作風。
毒蛇ティエリーが喰らおうとする、麻薬を撒き散らすガラガラヘビ。今まで鮮明だった色彩が、悪徳を描く時はどす黒くくすむのが、色彩設定に倫理が滲む感じで面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
冴えねぇ色合いの悪徳を、不自然なまでのヴィヴィッドさで騙し、塗り直す。
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そういうピカレスクな野心が、主役たちを彩る鮮やかな色彩には宿っている気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
悪党が死をばらまく時、バックにある”赤”。
それはエダマメが人生を塞がれたときと同じ色合いで、真実や正義を葬る犠牲の血だ。だから、エダマメはこの一件から逃げれない。
のだけど、それはあくまで暗示。詐欺師の矜持と微かな誇りに火を付けて、一端のワルと嵐に飛び込むのはエンディング直前となる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
その前に、情けねぇ男の迷路が青く描かれるのだ。
猫にコインに豊臣秀吉。皆、小さなおもちゃに秘密と過去を隠している。
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湿った味わいを表に出すことなく、一匹狼のアウトローとして、喰うか喰われるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
リズが身を置いている領域に、エダマメは身を投げるか、逃げ出すか。
流されるまま選んだ”詐欺師”という生き方で、あの時諦めた正義を為すのか、為さないのか。
詐欺師として生きる宿命(もしかしたら、同類の匂い)に賭けたティエリーの思いは、カップを外して仕切り直し…と思いきや、逃げたはずの男は堂々のダブルダウンを仕掛け、ひと足お先に芝居の只中にいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
目指すは今太閤、日本一のコンフィデンスマン。
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一話ではエダマメのちっぽけさを表していた秀吉のフィギュアが、二話では運命に飛び込む青雲の野心を凝集したフェティッシュになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
洒落ていて、でもそれだけではない力強さがしっかりある、上手い小道具の使い方だと思う。顔が猿っぽいのも、ここで活かすためか~…上手いッ!
散々エダマメの根っこにある善良さ、詐欺師に向いてなさを見せたからこそ、ここの大逆転は気持ちよく胸に迫る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
まだまだ青いエダマメだけども、善を志す悪としての第一歩は、堂々刻んだ。荒野を生き残る一匹狼に必要な、頭のキレとクソ度胸も見せた。
こいつ、面白い。
そう思える第二話でした。
主役をそう感じるってことは、作品に対する期待も高まるってことで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
今後転がっていくだろう詐欺師の物語が、善良さ故に擦れっ枯らしになっちまった青年を、どこにつれていくのか。
彼を翻弄するエロいフランス人は、どんな秘密を隠しているのか。
どんどん先が見たくなる。
一話ではアップテンポにスタイリッシュに画面を彩っていたセンスが、どっしり腰を落とした人情紙芝居でもしっかり仕事をしていて、強い武器を強く振り回せるアニメということもよく判った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
やっぱカッコいいだけだと、どうにも球質が軽いからね…こういう情感の話をシッカリやれるのは”信頼”生まれる
今はハメられるだけのカモだと自分を認めたことで、エダマメの冒険はスタートに立った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月18日
真実も正義もありゃしないと諦めていた世界に、立ち向かう武器は舌先三寸のみ。
悪党を食らう悪党の物語、いい具合にエンジンかかってまいりました。次回も楽しみですね。