GREAT PRETENDERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
日本一の詐欺師・枝村真人に、正念場が迫っていた。
悪魔の薬の製造実演、FBIとの司法取引。クライマックスが加速する中、情勢は二転三転を繰り返す。
ドブ色の現実が浪漫を凌駕し、ワルの笑いがこだまする…と思いきや、冴える最後の逆転劇!
そして青年は、己の人生を選ぶ。
そんな感じの、LA舞台の騙し合い劇場最終章である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
5話まで一続き、騙し騙されの物語がどう落ち着くか楽しみな話数であったが、裏切りあり爆発ありさらなる裏切りあり、大変面白かった。
『全ては舞台の上』という、繰り返されたモチーフ。そしてエダマメがずっと選べなかった、一つの決断。
この第一章で積み上げてきたものがしっかり決着するエピソードで、とても良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
エダマメの紹介編であり、ある意味彼のキャラクターを完成もさせてしまうお話であったけども、第二章以降どういう話を組み上げ、どういうキャラの掘り下げをしていくか。そこも楽しみになった。
幾重にも重なった嘘の中で、冷たいカメラ・アイが睨みつける正念場。エダマメは秘密と裏切りと無力感を抱えて、強く抑圧された状態で話に入ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
麻薬は作りたくなし、裏切りはしたくなし。しかし、自分を包囲した現実は妥協を余儀なくしてくる。
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サラザールおじを守ろうとしても『取引できる立場じゃない』と脅され、『一匹狼のコンフィデンスマン』という言葉で、苦い裏切りを噛みしめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
中々熟せないエダマメの青さが、どっしり画面に焼き付いて序盤は進む。やっぱ第1エピは、コンフィデンスマン・枝村真人誕生の物語なのだな。
ローランしか知らないはずの『日本一の詐欺師』という自称(あるいは煽り)を、”ポーラ・ディキンス”が使っている時点でオチはある程度示唆されているわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
それは作品世界が詐術と伏線に満ちていると、俯瞰で知ってる視聴者限定の目線である。エダマメを取り巻く世界は、シビアでリアルだ。
アビーが隙なく警戒する物陰で、手渡されたコーヒー。詐欺師としての信頼と、確かにある仲間意識。それを裏切らないと、生き残れない厳しさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
LAでエダマメが飲むコーヒーは、ひどく苦い。
陰鬱な表情が妙にセクシーで、いじめたくなるティエリーの気持ちも、少し判るネ
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どう考えても川越の飴玉職人の手付きで、サクラマジックを仕上げていくエダマメ。富士葵ちゃんの動画で見たやつだー!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
実演制作が無事終わったタイミングで始まる、FBIの襲撃。アビーがアーパーの演技をやめ、狼の眼になるの好き
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ここで死を装い、10倍のマネーを悪党の財布からもぎ取るのが一味の筋書きなんだけども、エダマメがただの詐欺師ではなく、正義を求めて裏切られた結果悪に落ちた善人だってのを、甘く見てたのが暴走の契機。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
父に裏切られ、母を救えず、自暴自棄で詐欺やってる青年にとって、血糊は刺激が強すぎる…。
おまけに初めてであった本物のコンフィデンスマンに憧れる気持ち、悪態まみれでも確かに繋がった絆も、スレた態度に純情を隠す青年には、バッチリ突き刺さっていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
そういう”本気”を試すためにも、計画の裏側を教えなかったんじゃないかなぁ、などと思ったりもする。まぁおかげで爆発オチだがなッ!
エダマメの暴走は暴走の連鎖を生み、状況は混乱へと落ちていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
ここでサラザールおじを気にしちゃう所がエダマメの甘さで、それが土壇場で彼を助けたりもするのよね…。自分が守れなかっただけに、”家族”にはマジで甘い。
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カッサーノが体現する、洒落にならない麻薬と暴力。そこに引きずり込まれそうになったエダマメは、サラザール正義の鉄拳で光の当たる場所に戻ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
いやまぁ、表街道には出れない詐欺師ではあるんだが、それでも魂までドブに沈めない生き方がある…と、LAの冒険はエダマメに教えたわけだ。
せっかく悪を為すのなら、せめて爽快に。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
そんな生き方を飲み込むには、もう一つ二つの芝居が必要で。
銭で正義を買い取り、悪党が天下を闊歩する。善良を仮面で装って、あるべき正義が逃げていく。
そういうのに、枝村真人は我慢ならない。
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しかし父の悪行を背負い、自分も詐欺の片棒を担いだ彼に世間の風は冷たく、堂々正しくあることは出来ない。少なくとも、罪の精算をしていない今は。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
胸に燃え残る正義の残滓に、背中を向けて飛び込んだ詐欺の世界。そのクライマックスで顔を出したのは、悪に憤る”侠”の心意気であった。
無論それは悪党をブタ箱にブチ込む大芝居なんだけども、エダマメという人間の地金を顕にする仕事は、しっかりしていて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
詐欺師やるには真っ直ぐすぎて、度胸がないのに奇妙に冴える。そういうモノが見えたから、ティエリーは一座に彼を誘ったのだろう。
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第1話でエダマメをハメた、全部手配済みの構図。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
それはアビーの初登場でも、今回の大ネタでも繰り返される、ティエリー一味の得意技だ。
サクラマジックを使ったドラッグ詐欺自体が、カッサーノの全てを奪う司法取引詐欺の呼び水ってのは、なかなかうまい構造。
クソ悪党の吠え面を堪能し、色んな人が自分の結末にたどり着く中で、エダマメも自分なりのエンディングを選び取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
稀代のルーキーと誘われても、同じ船にはまだ乗れない。この冒険で見つけた自分と、向き合うための決着を。
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三年間の休暇が意味するものを、ティエリーも判っている。今太閤と成り上がるには、正義を求めて諦めた人生の燃えカスを、しっかり始末する必要がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
ヴィヴィッドな色彩の中見つめ合う男と男の視線には、湿り気と乾いた侠気が同居していて、なかなか良い。ティエリーほんまエダマメ好きやな…。
かくして日本一の詐欺師、ビッグマネーを片手に自首とあいなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
LAでは背伸びした結果の田舎訛りだったけども、自分を飾らない決着を選んだ故国では、ウィットと艶のあるいい感じの芝居になってるの、変化がよく見えて良い。
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過去の挫折、母の死、父の裏切り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
色んなものを抱えてなお、自分の芯に”善”が残ることを思い知らされたから。仲間が死んで、本気で泣いて本気で暴れちまう人間だと、理解っちまったから。
青臭いエダマメが、そんな自分と向き合って出した結末がラストに来るのは、僕はとても好きだ。
というわけで、5話に及ぶ長い挨拶、グレプリファーストエピソードが終わった。大変面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
コンゲームに必要なフェアな情報出し、心地よい裏切りと各要素の連動、鮮烈なカラーセンスと小気味良いネタ。
非常に肌に合う、颯爽と喉越しの良いアニメーションだった。いやー、面白い。
第1話では道化でしかなかったエダマメが、過去を暴かれ今に迷う中で、青年として詐欺師として自分の道を決断するまでの、人間のドラマとして骨があったのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
第4話のサラザールおじとの交流が、やっぱ良かった。家族と善に裏切られつつ、だからこそ諦められないエダマメのウェットさが見えた
スタイリッシュに駆け抜けつつ、主人公を好きになっていける作品はやっぱ良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
凄腕のプロは腹を見せないからこそプロ足り得るわけだが、隠されているからこそ素顔が見えた時は面白い。
獄に繋がれ己を精算したエダマメが、どう生きどう詐欺師に戻ってくるかも楽しみだ。
アビーにティエリー、シンシア。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月7日
一味の過去や譲れないもは、未だ描かれてはいない。今回エダマメにそうしたように、1エピソードを長く取って彫り込んでいくのか。そこにどんな風景、どんなドラマ、どんな詐術を絡めていくのか。
映像と物語が心地よく共犯する物語は、まだまだ続く。次回が楽しみ。