ノー・ガンズ・ライフを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
鉄郎が帰還した事務所に、訪れる麗しき依頼人。
夫の暴走を危惧する依頼は、未だ長く伸びる戦争の影に阻まれる。
すれ違う思い、交錯する拳が、十三の過去に突き刺さっていく。
”同胞殺しの十三番機”
その意味が、顕になる時が来た…。
つーシリアスな雰囲気は、あんまりしない処理屋の依頼エピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
シナリオゲストであるエマとエドムントのキャラが非常に良くて、時にコミカル、時に艶っぽく、いい感じの話を動かしてくれた。
消えない戦争の影の話なんだが、前向きで活力満載なのはこのアニメっぽい。
話としてはあくまで側道というか、この時代この”街”にありふれた事件をスケッチしつつ、主役をコスる感じなんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
こういう話で作品に”匂い”が宿ると、世界に奥行きも出てくるので好きである。探偵ものでもあるので、一話完結で事件追っかける話はやっぱ良いよね。
まさかのサスペンダー&半ズボンに”火力”感じつつも、鉄郎はスピッツベルゲンから帰還した。言い出した言葉は依頼に阻まれ、二人の間には秘密が生まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
それでも、処理屋は不器用に感謝を言葉にし、少年の頭を撫でる。
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えっちな話題になると赤面するとこも含め、今回は十三の可愛い部分がたくさん見れてとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
その手は大事なものを優しく撫でることも出来るし、血に濡れた過去に囚われることもある。
そのどちらもが真実で、矛盾の間で”今”の自分がどんな存在なのか、しっかり決めなければいけない。
そのことを腹に収めてズンズン世間を進んでいる十三に対し、鉄郎はまだ修行が足りない。思わず、女性の顔に刻まれた傷跡に目線をやって、それに気づかれてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
十三は”眼”がないので視線はバレないけど、そもそも気にしていない…気にしないよう、自分を律しているのだろう。そこら辺、一応プロね
ここの鉄郎の視線が、ロマンティックな結末の伏線になってる所良いなぁ、と思うわけだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
遠藤綾の声がキャラ造形に、良い潤いを与えているエマ。彼女が傷を隠さないのは、それも含めて愛してくれた男がいるからだ。
今回はド直球に、愛をめぐる物語である。錆びついた街のロマンスだ~い好き!
戦争に傷つけられた魂を、しっかり掴んでくれた”手”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
己の傷に、優しく触れてくれた唇。
十三が顔を赤らめる艶っぽいお話には、エマの実感がみっしりと詰まっている。やっぱ”手”に重点して演出するアニメなんだなぁ…。
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この段階で”白馬の王子様”のロマンティックな印象を作っておいて、実際出会ったエドムントのがらっぱちさに良い不意打ちを貰い、やっぱり王子様ムーブをキメて落とす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
ゲストキャラクターをどういう印象で食べさせるか、よく考えられたエピソードでもある。キャラを見る目線に、しっかり起伏がある。
愛すればこそ追いかけ、罠も用意する。エマの想いは、十三のでかすぎる背中を見つめる鉄郎とも、どこか通じる部分がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
解放の条件は、パンドラの箱を開けること。悪魔の誘惑に、乗るか、反るか。鉄郎が置かれている葛藤を、十三が知ることはない。
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それでも、ただ突き進むその姿が、かつて地の底で鉄郎を引っ張り上げ、今も導いているのは間違いない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
ここで不意打ちできなかったことが、鉄郎にとって吉と出るか凶と出るか。
道具的存在である自分をどう使い、善悪どちらにも転ぶ技術の使いみちを探すこのお話では、大事な決断だろう。
エピソードの本道にはあんま関係しないのだけど、話のテーマ的にこの階段でのカットは、凄く大事だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
スピッツベルゲンと取引したことで新しい闇に囚われた鉄郎が、光に向かう切っ掛けはやっぱり十三である。
あくまでまだ、その背中を見上げる立ち位置に鉄郎がいることも判る。
アニメが終盤をどう走って、アニメとしてのケリを付けるかは読みきれないけど、スピッツベルゲンとの決着を付けはすると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
その中で、少年が追いつき掴み取ったもの、囚われそうになって振りちぎったものを印象的に描けると、話全体にグッと芯が入る印象はある。
それは先の話として、今は目の前の事件。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
情報が手に入らないことが、情報になることもある。鉄郎を連れての処理屋指南、今週の十三は可愛いだけじゃない。
事件追っかける話だと、十三の情報処理能力の高さがよく見えて、やっぱ良いなぁ…。
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奇縁は不思議に繋がって、探し人は我が家で見つかる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
思わず鉄郎にコルトを思い出させる、ぞろっぺぇ喋り口。助けてもらったメアリにちゃんと感謝する、紳士的な顔。
物語はエドムントへの印象を、戦うべきではない『いい人』にまとめていく。
ここらへんの印象積みが丁寧なのが、今回良かった。
エドムントは恩人の部屋壊さないよう河岸変えるし、ガキンチョに小銭やって戦場から遠ざけるしで、とにかく”まとも”である。
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ここ最近、拡張体ぶっ込んだ結果人格歪んだ人たちばっかり見てたから、新鮮かつ気持ちがいいな、エドムントの善良さは
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背負った愛を一旦投げ捨て、愛を守るための闘争に挑む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
その理由は、異形アタマが二つ揃えば勝手に判る。
気さくな処理屋も、戯けた王子様も抱え込む、戦場の悪夢。
それに触れる時、十三は暗い闇に沈む。鉄郎が階段の下から見上げたのとは、また別の顔が銃頭にはあるわけだ。
そこにツッコんでいくために、元GSU部隊でお話作ったのかな、って感じはある。ヴィクターといい、十三の過去にギリギリ踏み込んでく感じだねぇ、二期は。
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思い込みの激しい特攻野郎の拳は、激しく重い。アクションシーンのキレが、今回特に良かったですね。
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エドムントが闘いを決意した十三の一撃と、天を穿つ雷鳴が絵的に似ているのは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
お互い戦場で過剰な力を手に入れ、それを何かを守るために使おうとしている男たち。与えられた呪いを制御し、理不尽に突き立てるために戦う者たち。
その有り様は、良く似ている。
一回ぶつかってみるまで止まれない不器用さと、預けられたものの重さが判る知恵。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
エドムントの複雑さは、戦闘で見せた粗暴な特攻野郎としての顔と、エマに見せる王子様の表情の同居からも判る。
守りたい女に、こういう顔をさせる。魂の骨が太い男である。
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エマも十三もエドムントの思い込みに巻き込まれた形だけども、そこもひっくるめてイイやつなのは違いない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
そこが分かれば、拳は修められる。愛する人を守るための嘘が、とっくにバレていたことも判る。
かくしてハッピーエンド、街にありふれた事件は終わりを告げた…。
で終わらないのが、戦争の闇の深さである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
エドムントが警戒した、かつての相棒。五番目のGSUの末路を、十三はよく覚えている。なにしろ、自分が殺したからだ。
魂に火を付け、その煙を吸う。十三は決意を固める時、必ずタバコ吸うね…。
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一つの事件が終わり、一つの過去が顔を出す。始末をつけて前に進んだつもりでも、追いかけてくる過去の罪跡。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年8月14日
鉄郎の白紙の記憶、解放の条件にも似た鎖は、彼が眩しく見上げる十三にも伸びている。
次はそこらへんを掘り下げる話となりそうだ。もうちょいエドムントも出番ありそうで、来週も楽しみ。