イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 20/08/16 拳禅無双『エンター・ザ・フィスト』

昨日はシェンツ先生のGMで、拳禅無双初PLをやってきました。

シナリオタイトル:エンター・ザ・フィスト システム:拳禅無双 GM:シェンツさん

浅間忍さん:大間黎丸:26歳男性:古武術1テクニック1トリッキー1 時代遅れの人殺し拳法の家系に生まれ、その精髄を継いだ青年。力の使い所に迷っていたが、法の番人となることで暴を武に変えた。あらゆる状況で相手を投げ倒す技量の持ち主。
コバヤシ:”荒野に吠える銀狼”梅園勇:24歳男性:空手1パワー1トリッキー1 名門の忌み子として生まれ、空手に生き延びるすべを見出した男。拳だけでは守れないもののために、NPO代表として紛争地帯を走り回っている。古式の身体操法と生来の柔軟さで、条理を超えた打撃を生み出す。

こんな感じのメンツで、付属シナリオ二本目をやってきました。
拳禅無双は非常にピーキーでニッチな世界観なんですが、それ故の的の絞りやすさ、やることのわかり易さが強みだと思っています。付属シナリオはそれを最大限ブーストするように、話の構造も展開も、PLにどういう体験をしてほしいかというメッセージも明瞭な、とても良いシナリオになっています。
やっぱ『このゲームで、このシナリオで何をやるのか』を素直に共有するのは、楽しいゲームのためには必須の条件で。TRPGはコミュニケーションのゲームであり、目の前のプレイヤーやマスターだけでなく、システムやシナリオとも意思疎通が素直に取れると、安定性も面白さもグンと増すわけです。
拳禅無双の味の濃いわかり易さ、いい意味での『一つのことしか出来ない』っぷりは、そこが鮮明になってとてもいいなぁ、と思います。格闘技って題材も、そんな開き直った不器用さをむしろ味にしてくれてて、デザインの方向性と相性がいいんでしょうね。

PLで公式シナリオに参加して思ったのは、存外戦略性のあるゲームだ、ということ。SRSで戦闘が停滞しがちな所、キャラメイクで面倒になりそうなポイントを徹底的に潰してあって、その上で格闘技っぽい駆け引きを、上手くデータ化して盛り込んである。
防御成功するとバステ入んないのもその一つで、組技を巡る攻防を手間少なく実装して、非常に雰囲気の出る要素だなと感じました。僕は素直に火力出してぶん殴るキャラだったので、大間が色々駆け引きしてるのを見て『おー、柔法っぽーい』と思ったりした。
PLとしてダイス降ってみると、GMとして全体管理してる時は見えないものが見えてくるのも、面白い感覚でした。結構防御を抜くのが大変で、気合カードで補佐する前提で組まれてる印象ですね。ダイス振り直しを基本なくしたのも、数字を巡る駆け引きに重さを出す、良い変化でした。
やっぱ防御成功=ダメージ0って強すぎるルーリングであり、TRPG全体のトレンドを見ても、攻撃が無効化される徒労感を与えないようアクション&リアクションの構造が変化してるのを感じます。『当たるけどダメージ減る』てのが後々結構効いてくるバランスなので、防御に成功する意味も十二分にあるしね。

シナリオの方はまー素直な”燃えよドラゴン”+KOFで。分かりやすいシーンが山盛り押し寄せてきて、非常に満足でした。付属シナリオでゲーム全体のイメージをしっかり喚起して、楽しく遊べる土台を作るのは、基本ルールブックの大事な仕事だなぁ、やっぱ。
ロールプレイの方はひりついた餓狼っぷりあり、胸に宿った復讐の思いあり、それを超えていく義拳の生き様あり、結構いい感じの格闘物語になった気がします。まぁそういう味わいの物語が大好きなメンツだからね……波長の共有って大事。
そんなわけで、大変いいセッションでした。同卓いただいた方、ありがとうございました。