ゆるキャン△ SEASON2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
年の瀬、伊豆南端。
温かいお茶に美しい景色、お蕎麦にピザに楽しい焚き火。
志摩リンは年越しソロキャンプを、存分に堪能していた。
あるものはW初日の出を狙い、あるものは勤労に勤しみ、あるものは存分に寝坊する。
それぞれの新年、それぞれの旭日。そして…。
そんな感じの、ゆるキャン少女の年越し回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
しまりんの伊豆ソロキャン堪能日記を追いかけつつ、身延で賑やかに初日の出を狙う面々、自分なりの元旦を過ごす連中と、場所を入れ替えながら進むエピソード。
やっぱ”冬感”の描写が秀逸で、寒そうだからこそ温もりがよく伝わる。
前回りんちゃんの”初めて”を描いたことで、すっかり熟練のソロキャンパーとなった彼女のたくましさも随所に見え、伊豆の景色も美しく、全ては順調…と思いきや、思わぬアクシデントでさぁ次回!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
そんな運びも含め、非常にゆるキャンらしい回だった。
物語としては大きな起伏なく、りんちゃんが伊豆を堪能するのを追っかけるAパート、それぞれの元旦を描くBパートとなっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
まー相変わらず美術は冴え、りんちゃんは可愛い。寒風すらも心地よい、旅の気持ちよさがよく伝わる。今回広角構図多いな…。
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美しい景色と弾む心の解像度を上げて、旅路の疑似体験を楽しむのもまた、このアニメの醍醐味かと思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
色んな場所で色んなモノを見て食って、色んな楽しさを堪能するりんちゃんを追うことで、僕らも彼女を包む風の冷たさ、だからこその温もりを体験できる。
この”潜ってる”感じの強さがこのアニメの特色かなー、とも思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
無言でカメラを回しているよりも、ムッツリ顔に豊かな感受性を持ったりんちゃんが入口になることで、体験に豊かな色がつく感じすんのよね。良いレポーターだ。
そして彼女が見てる世界を、余すことなく切り取る筆。
りんちゃんにとってソロキャンはただ行って帰ってくるだけでなく、お土産の多い体験である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
三代目悉平太郎には会えなくても、犬と暮らす日々に親友が感じるものに触手を伸ばし、思いを馳せる。
旅を通じて、当たり前の日々が少し色づく。
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こういう体験を一人旅から持って帰る心が、ダウナー少女が色んな人に繋がり、人生を豊かにできる秘訣なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
少女が寄り道で掴まえた思いを、霊犬も見守ってる…と取れるような、ちょっとエブリデイ・マジックな味のする〆方もセンスがあった。
そしてソロキャン本番。手際よくテントをおっ立て、焚き火も料理も自由自在なりんちゃんの”今”は、前回Aパートで描かれた”はじめて”と呼応して、なかなか豊かな奥行きがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
過去を知らなければ当たり前でしかなかった、少女の熟練。
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それも彼女なりのトライ&エラー、経験の積み重ねがあって掴み取ったものだと、二期の始まりを告げたエピソードが教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
ダイレクトに描写を繋がず、一話またいで”今”を見せるのが、奥行きと立体感のある構成で良いなー、と思った。
間になでしことの縁を挟んでるのが、なお善い。
あの時は上手くつかなかった火。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
あの時は作り方がわからなかったご飯。
それをひょいひょいテキパキとこなせるようになった”成鳥”も眩しいが、出来なかったこともまた糧と受け止め、楽しみつつ自分を前に進めてきた蓄積がジワリ滲んで、伊豆のキャンプは感慨深い。
合間合間に挟み込まれていた、曇天の身延で一人働くなでしこの勇姿。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
それぞれの居場所が離れていても、思いは繋がり”楽しい”は伝わる。
ベッタリと張り付くことだけが、親愛を共有する手段ではないとクレバーに、暖かく青春を見据える視線。
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これが携帯電話という、文明の利器と密接して描かれ続けるのが、個人的には面白いところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
このお話のケイタイは凄く豊かなメディアで、少女たちの”楽しい”はこの通信機器を通じて共有され、距離と時間を越え親愛を育てる。
それは多分、現代の肌感覚にピタッと合った描写なのだと思う。
思いの外、メディア論として面白い書き方してるアニメなのかなー、と二期になって思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
が、思い返せば一期第五話からしてそういう話だったのであり、多分この視線は作品が始まったときから元気だったのだろう。
アナログなキャンプと、デジタルなコミュニケーションの対比…ではなく融和。
今後も個人的な注目ポイントとして、描写を置いたいところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
それはさておき、りんちゃん以外も思う存分、元旦を楽しんでいる。犬山妹は可愛いねぇ…。
僕は大垣部長がお姉さんぶってる姿が好きなので、四人の元旦は大変眼福でした。
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それぞれの元旦、それぞれの日の出。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
離れていても同じ太陽を見て、別々の”楽しい”を堪能する少女たち。
ここでも携帯電話はそれぞれの見ている景色を、リアルタイムで離れた相手に繋ぐメディアとして、有意義に描かれている。
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野クルの皆で行くキャンプも、孤高のソロキャンも両方楽しいと描き続けているこの作品。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
連帯と融和と孤独が相互に影響しあって、色んなモノが変わっていく、繋がっていく面白さを背骨にする時、カメラであり通信機でもある複合メディアは、青春を豊かにしてくれる大事な友だちだ。
”今”瑞々しく青春期の物語を伝えるなら、通信テクノロジーをどう描くかはかなり大事だなー、とは前々から思っていたが(ここら辺、虹ヶ咲とかは非常に上手かった)、ゆるキャンもまた、通信メディアを扱う手触りが独特、かつ鮮明な感じがする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
結構各アニメで個性出んだよな、携帯の描き方。
繋がっている時も、一人で歩く時も、それぞれの楽しさがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
りんちゃんはお餅にピザにポトフにカレーと、旅メシを存分に堪能し、四人組はニ回目の日の出を求めて山梨を爆走する。
執拗に法定速度を強調するカメラワーク、悔しいけど笑っちゃった…。
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計算間違えで中点に輝くダイヤモンド富士も、雪玉のじゃれ合いも、寝坊助なあけおめも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
緩やかで靭やかな連帯の中、新年の全てが色鮮やかに幸福で、明るく楽しい。
この多彩な幸福感は、やっぱこの話独特だなー、と思う。
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今回は比較的バラバラに点描されているキャラクターも、また野クルでまとまって動き、同じ場所で同じ空気を吸うのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
その時立ち上がってくる喜びは、今回書かれた個別の幸福とは別物で、しかし何処かが共通している。あるいは、個別だからこそ相互に繋がっている。
さて、やっぱりアクシデントが襲いくるりんちゃんのソロキャンプは、一体どんな厄介ごとと幸せを運んでくるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
伊豆南端の新年は、静かに更けていく。
思わぬ事件も、また楽しい。
そう思える余裕と豊かさが、作品に満ちているのは強みだ。
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という感じの、ゆるキャン新春の諸景でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
ゆったり焦ることなく、しかし多彩で豊かな運びで、タップリと楽しめありがたかったです。やっぱこの味だよなぁ…。
違っていて、でも繋がっていて、そして離れている。
作品が見据える距離感が、よく出たエピソードだったと思います。
元々ガジェットの書き方が豊かな作品だったけども、離れた皆を繋ぐ携帯の描き方に”便利じゃん”以上の豊かさがあって、個人的に興味深かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
人物描写と絡み合う技術論とか、都市論がアニメに見つかると嬉しくなっちゃう人なのだな、僕は。
作品を彫る画角が増える、というか。
少しの凸凹もありつつ、想定外に伸びたりんちゃんの伊豆キャンプ。何処に転がっていくか、次回も楽しみですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年1月18日
…なでしこの描写がかなり今回おとなしめだったので、次回相当な爆弾をぶっ込んできそうな感じもあるんだよな…。油断の出来ないアニメを見るのは、やはり楽しい。