ガルパ パスパレ第三章”TITLE IDLE”を読み終わったので、(今更ながらであるが)感想を書く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
TITLEには複数の意味があるが、”権利”と読めばアイドルの資格と意味に悩むパスパレの姿を、”称号”と読めば”ザ・アイドル”である丸山彩の在り方を、それぞれ焼き付けた形になるだろうか。
三章はそれぞれのバンドが分厚い物語を積み重ね、最初期の未熟な状態を越えてある程度、目的を達成してしまった”今”を描いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
たどり着いたからこそ見える場所、揺らぐ不安。
そういうモノを重ねつつ、それぞれの新しい道を描く。
今回のエピソードで、パスパレは”アイドル”に一つの答えを出す。
それは継承と克服を繰り返す、終わらない物語。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
ガルパがソシャゲである以上、明瞭な終わりを物語の内在律で決めるのは非常に難しい。
娯楽商品として機能する限り、少女たちは永遠に物語を続けていく。
そこで消費されていく物語燃料を補充したり、整理したりというのが、ここ最近のガルパな気もする
だから彼女たちがたどり着いた”終わらない物語”というのは、アイドル的であると同時にソシャゲ的でもあって、いつサービスが耐えても『そこがパスパレのエンドマークだった』と納得できる形を、器用に整えたとも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
同時に、丸山彩らしい、ここまでのパスパレらしい嘘の名位結論だったとも。
今回のエピソードはパスパレ最初のイベスト”あゆみ続けた道、彩られる未来”と、そのテーマである”はなまるアンダンテ”を、強くフィーチャーした物語だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
彩ちゃんがそこで、継承すると決めた思い。
後輩ユニットを持ち、プロとしての地歩を固めるところまでパスパレがこれた支え。
ここに帰還することで、彩ちゃんは先の見えないエゴサ地獄から抜け出し、自分がどんな存在であるか、アイドルがどうあるべきかを明確にしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
他のメンバーが到達できない、デカいスケールの世界認識。パスパレの舳先に立ち、人を導く星。
”丸山彩”という生身の少女を越えた、巨大なイメージへの信頼感はバンドメンバー全員に共通で、皆がそれを信じ求めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
その一種飢えた期待も含めて、彩ちゃんは飲み込んで前に進んでいく。そんな瞬発力と輝きが、なかなか怖くもあるエピソードだ。
答えはいつでも、最初の一歩にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
物語の基本を抑えつつ、変化しつつあるパスパレ、そこから見える視界を追う今回。
水物の人気に揺られるアイドル稼業の不確かさ、子役の残酷さを思い知らされた千聖の不安も、色濃く煮出される。
後輩に凄まじい”圧”かけてきた千聖に、『狂犬復活キター!!!』と騒ぎ立てる氷川日菜が、あまりに氷川日菜過ぎて爆笑したが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
シビアな現実を見て、夢にピシャリと水を差す。
そんな白鷺千聖らしさは、別に変わっても死んでもいない。現実や他人との繋げ方を、少し増やしただけである。
彼女が言ってることは厳しく感情的だが、同時に一面の真実を捉えてもいて、あの一言で後輩たちが背筋を改めたのも事実だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
しかし千聖は、昔の自分そのままに噛み付いてしまったことを悔やむ。パスパレと、”丸山彩”と出逢う前の自分には戻れないのだ。
不安の原因ともなった元子役と、ファンレターを通じて再開することで、千聖は自分が生まれたての夢を守りたかったことを自覚する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
大人びて見えて、無邪気に夢を見る子供時代を剥奪され、シビアな現実に過適応しただけだった自分。
それが、パスパレに出会い壊れる。
荒野に残ったのは、無邪気で無謀な夢を仲間と共有し、ちょっと優しく新しい自分を再設計していく旅路である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
それは道半ばであり、既に多くのことを成し遂げている。
変わった後の自分のことを、変えてくれたパスパレを、多分白鷺千聖は大好きで、だからこそ守りたかった。
周囲に厳しく圧力をかけるのは、つまり自己防衛反応だったと気づいて、ようやく千聖は構えた拳を下げられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
なかなかに面倒くさいが、白鷺千聖という人のあり方を思うと、こういう回り道はしなければいけないと思う。
日菜も相変わらずズケズケ踏み込み、天才の達観で状態を見据えているかと思いきや、上手く言語化出来ないモヤモヤを感じることになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
そんな妹に、決定的な導きを優しく手渡せる距離まで、氷川紗夜が近づいていることも確認できた。完全に”仕上がって”んな氷川姉妹…。
分からないことを楽しむ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
芸能界での先行き、ファンの評価、永遠に続く未来。
今回のエピソードは”無明”ということが一つの軸で、皆がよく分からないことに向き合う。
あるものは振り回されながら答えを探し、あるものはあえて飛び込んで答えを見つける。
どちらにしても助けになるのは他者との繋がり、過去の遺産である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
姉から大きな導きを貰った日菜は、それを麻弥に手渡しながら一緒に進んでいく。
ここで”アイドルをする”事自体には悩まず、持ち前の分析力で状況を読み切るのが、大和麻弥の”徳”である。
”ジブン、アイデアル”で見つけた答えを、麻弥ちゃんはもう手放さない。アイドルは素晴らしいし、自分は誇りを持ってそこに挑んでいくと、あの時決めたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
そんな支えがあるから、”ホープフルセッション”でつぐみに助け舟も出せて、今回前に進むためのヒントを貰い直したりもする。
”紺碧、星煌めいて”をここで回収して、曲を他人に預けることの意味をAfterglowから受け取って先に進む流れは、過去の物語を最大限活かしてとても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
継承と変化。
同じ繰り返し、あるいは剽窃に見えて演者は必ず、歌を自分のものに変えて世に問うことになる。
逆に言えば、自分の歌にまで噛み砕かなければ、他人の詩を借りるという行為は板に乗っからない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
思えば、楽曲を提供してもらって歌う”プロのアイドル”であるパスパレは、全ての曲に対してそれをやり続けた、とも言える。
ならば、ビビキャンが同じ道を進むのを、阻む理由はない。
むしろ先に行くものとして、その手助けをする。ビビキャンだけの歌になるように、範を示し手を差し伸べる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
”自分の曲”にしがみつくエゴを越えて、非常に高く遠い場所まで、少女たちが来たのだな、と思い知らされるエピソードだった。
三章は皆、幼年期へのサヨナラな感じするね…。
彩はイヴちゃんに支えられて突破口を見出すが、その時イヴちゃんが小さいながら、マスコットでも無敵のブシドー女でもない”人間”としての震えを出してくれたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
そういう側面が取り上げられることが、非常に少ないキャラだと思うんだけど、まぁ当然彼女も震えながら歌ってるのよ。
みなそれぞれのやり方で”無明”に向き合い、出した答え。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
様々な揺らぎがある今を肯定し、過去に支えられながら未来を目指す。
何があっても、何かが終わっても、それでも続いていく物語。
此処から先どんな物語が続いても、一つの終止符だな、という感じはある。
逆に言えばどんな話も繋げられる一つの終わりであり、否応なくパスパレの物語は続くのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
成長に逆行するように見える迷いも、人である以上必然であり、それを乗り越えてなお進んでいくことこそ”アイドル”の物語だ、と示したことで、ある意味物語燃料の再利用が許可された感じもある。
この境涯にたどり着いてしまったPastel*Palettesは、もう悩める少女でも半人前アイドルでもなく、大人でプロで”アイドル”になってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
この状況から、どういう物語的うねりを取り出していく。
非常に難しいと思うが、ガルパはそれをなんとかやっていかなければいけない。
今回のバンストで、”終わらない物語”として己を定義したのは、Pastel*Palettesだけではない、ということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
それは楽しさが無限に錬成できる、便利な魔法ではない。停滞と出口の無さ、カタルシスの不在が常に付きまとう茨の道だ。
それでも、少女たちは物語の中で育ち、ここに至った。
ならば否応なく続いてしまう道に進むしか無いし、それを見据える足場は今回で、しっかり整った感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
”プロデビュー”という、他のバンドなら取りうる大きな目標を、その開始段階から既に達成しまっているのは、パスパレ難しいところだよな…。
丸山がニガテだったアドリブを、今回サラリと乗りこなした所に、僕は一つの終わりを見た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月14日
それは完成ではなく、新たなスタートなのだと思うけども。
少しの寂しさと、苦闘を越えて進んでいく彼女たちへの祝福を込めつつ、感想を終える。
良いエピソードでした。