ゾンビランドサガ リベンジを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
勘違いと早とちりが重なり、”ゾンビ七号”としてフランシュシュに参加することになった楪舞々。
死してなお立ち上がるアイドル魂に魅せられた彼女が見つけた、真のフランシュシュとは?
運命の学祭ライブ…なにかが起こるッ!
つう感じのざーさん大暴れ、嵐のように現れ嵐のように去っていった、幻の七号回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
アイドルとしての実績と力量を積んだフランシュシュにやってきた、後輩・実習生エピソードとも言えるか。
二期は一期で出来なかった・やらなかった美味しい所、的確に狙い撃つねぇ…。
毎度お馴染み、さくらの冒頭ナレーションを乗っ取って始まる物語は一期第一話のセルフパロディのように始まり、しかし舞々は死なない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
不幸に愛され続けたさくらとは対照的に、どこか生前の彼女に似た舞々はノンキに生き延び、憧れのアイドルグループにゆるーく混ざる。
”七号”として一日だけのフランシュシュとなり、楪舞々に戻っていく彼女は、さくらが走りきれなかった当たり前の生を必死に生きて、彼女だけの物語を燃やし尽くす意思を固める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
彼女の視線を借りて、人とゾンビを分ける橋が見える回、と言えるかもしれない。
凄い唐突に新入りが増え、立つ鳥跡を濁さず去っていくこのエピソード、舞々は凄まじい勢いで何かを思い立ち、物語をドライブさせていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
普段はハイテンションな巽や、その物語の主役が握っているハンドルを、今回は舞々が延々握り続け、フランシュシュを振り回す。
ゾンビバレも新メンバー加入も大きな波乱を巻き起こさず、全体的に柔らかに楽しく転がっていく今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
純子のまんじゅう顔も可愛らしく、ゾンサガらしく程よいネジの飛びっぷりが嬉しい。
どういうねじれ方やねん舞々…。
(画像は"ゾンビランドサガ リベンジ"第7話より引用) pic.twitter.com/bsUr480QR3
一期では人を恐怖に陥れ、銃で追われていたゾンビの本性も、積み上げたアイドル活動(と、舞々のぶっ壊れた性格)がフィルターになって、”七号”には受け入れられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
というか、その一員になろうと接近してくる。
アイアンフリルに憧れ、アイドルになろうと思ったさくらは、10年の時を超えて己を見る。
不運に追い立てられ、完全に死にきった後の第二の生であるが、フランシュシュはゾンビ顔を巽特性メイクで隠し、誰かに希望を差し出せる存在になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
各々生まれた時代、死んだ理由は違えど、不思議な縁で仲間となって、地域に馴染み夢を育んだ。
舞々は一番のファンとして、さくらの”今”を反射する。
だがそこには越えられない河があって、死人は死人、生者は生者である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
アイドル活動、あるいは巽のエンバーミングによって橋は架かっている。さくらと舞々は一緒に楽しく話せるし、失った青春を一瞬、さくらは再獲得も出来る。
(画像は"ゾンビランドサガ リベンジ"第7話より引用) pic.twitter.com/PyWyyYaxNs
しかしそれは、一瞬の夢である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
舞々は誰もいない教室で、さくらの言葉を受け取って自分が”フランシュシュ”ではないこと、ゾンビではなく人間として今を生きている事を思い出す。
それを大事に出来なければ、死してなお立ち上がるからこそ燃える輝き…自分が惹かれたものに顔向けできない。
舞々はフランシュシュ自身が気づいていないその輝きを、橋の向こう側にいるからこそ見つけることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
橋の上での対話シーンで、さくらは影の方、舞々
は光の方に配置されている。
それが、同じ場所に立っているようで決定的に別れている二人の”今”である。
豪正雄を、永遠のピーターパンとして描く時。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
あるいは、サキちゃんが青春にも恋にも置き去りにされた存在として涙を流す時。
そして新旧アイアンフリルセンターが、それぞれの過去に背中を向けて歩みだす瞬間。
物語は常に、死者と生者を包む、静止と変化の分断…そこに漂う寂しさを描き続けてきた。
今回も、よく似ているさくらと舞々が決定的に分かれてしまっている事実を、情景はそれが言語化されるよりも早く画面に焼き付けていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
もうけして戻ってこない、源さくらの文化祭。
おそらく”乾くん”がプロデューサーとして、ネクロマンサーとして自分の運命を選んだ原風景。
そこに漂うかすかな腐臭と、それを打ち消す輝きを巽が見逃さないのが、非常にこのアニメらしいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
自分がさくらを蘇らせたことで奪ったもの、生み出したものを、巽は狂ったテンションを演じながらずっと見つめているし、ずっと考えている。
本当に源さくらと、ゾンビ1号が好きなんだな、と思う。
ゾンビたちにとって、生徒たちの青春はガラスの向こう側、岸の果てである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
そこに寄り添うことは出来ても、川を渡って同じになることは出来ない。
彼女たちは死んだ怪物で、巽のメイク抜きでは銃で追われる存在なのだ。つうかまた…”ゆうリリ”…
(画像は"ゾンビランドサガ リベンジ"第7話より引用) pic.twitter.com/thySxvQqMc
それでも舞々は一瞬憧れに触れ合って、可愛らしい”死”を笑いながら受け止めて、一緒に汗を流しながら必死に踊った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
そうしたい、フランシュシュのように活きたいと思わせる力が、岸を越えて生者に伝わる特別さが、さくら達にあったからだ。
舞々がそれに気づく時、当然眼鏡は割れていない。
ぼんやりとした現実と絶望をクリアにしてくれるもので視界を補いながら、舞々は自分とフランシュシュが違うことを、憧れの向う側にある世界を自分の目で見据える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
そこには大河がある。
けして越えられない忘却の川、死の川だ。
でも確かに、今私達は共にいる。
そんな奇跡が何処から来るのか、舞々は見つけたから最初で最後の舞台をやりきり、みんなポカーンな引退宣言をぶっこむ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
当惑しつつ、名曲”光へ”をやりきる彼女たちに、プロの偶像としての凄みが宿る。
(画像は"ゾンビランドサガ リベンジ"第7話より引用) pic.twitter.com/VtznZRxzeC
この話、舞々の異様なテンションとゾンビィの難しさを抜くと、『フランシュシュの大ファンが文化祭の一日だけ、憧れのステージに立つ』という、非常にアイドル物語っぽいエピソードでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
そこに隠しようがない死の匂いと断絶、キ印女に当惑するレギュラーの顔がしっかり混ざるのが、このアニメだ
いやホント、”世紀末オカルト学院”の頃から『花澤香菜はクレイジーの演技が映えすぎる』と主張してる人間として、満点なゲストでしたよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
マジでテンション爆超過ぎて、ずーっとフランシュシュが置いてけぼりな雰囲気あるの、しっとりいい話で終わらないゾンサガ味で大変良かった。
そういうエピソードの中に、自分たちのゾンビ性を顕にするがゆえに絶対共有できない”銭湯”を、すげークールに拒絶するまさおの表情とか入れ込んでくるのも、また油断できない面白さだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
あの後『わがままな子供』をスルッと演じて、話題をスムーズに転換するの、リリィマジで凄い。嘘と本当の境が無い
昼と夜との境目で、生者と死者、幻の七号とフランシュシュは別れていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
飛び立つ七羽の鳥のように、けして安住の地を持たない異物たち。
その宿命を表に出さず、あくまで笑って別れていくさくらの背後で、巽の哀愁が濃い。
(画像は"ゾンビランドサガ リベンジ"第7話より引用) pic.twitter.com/ziZJPxqd3z
ロメロを抱かずにいられないメランコリーが巽の専売特許ではなく、さくらも満面の笑顔の後、車中で同じ仕草をしているのが…あまりにも…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
学園祭を舞台にすることで、かつて同級生であり、今は呪術師と屍体である二人を隔てる河、共にある奇跡も強く感じられるエピソードとなったね。
七号とのお別れを、あくまで明るく楽しく演じきろうとするさくらは、もうアイアンフリルに憧れ、それを運命に叩き潰されてきたただの少女ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
夢に爪を立てる現実の残酷さを、死体となって思い知らされてなお、誰かの偶像であろうとする存在。
死んでなお、生き抜こうとする。
最高のアイドル・ゾンビィである事を間近に感じたからこそ、舞々はマイクを置いて、秘密を守って、自分の岸へと戻っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
そこに、いつでもフランシュシュはある。
叩き潰され、道に迷って、それでも諦めない。
舞々が憧れ、信じたアイドルは、そういう存在なのだから。
そして、それは嘘でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
記者さんの嘘のないジャーナリズム(これが、舞々にフランシュシュを教えもした)はゾンビィ達の真実に迫り、今回舞々が蓋をした事実は危うく揺れている。
墓穴を暴き、真実を伝えるのか。
(画像は"ゾンビランドサガ リベンジ"第7話より引用) pic.twitter.com/YAheJaI14A
それとも佐賀を蘇らせる優しい嘘を…舞々がこれから自分の物語を生きていく上で、これ以上無い支えになるものを守るのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
記者さんもまた、非常に難しい決断を抱えている。
二話連続でここをクローズアップされると、やっぱ二期終盤は”ここ”軸で回すのかなー、と考えちゃうね。
楪は常緑に見えて、春に葉を落として次代に繋げる樹だ。その健全な代替わり、代謝するからこその永遠は、もうゾンビィ達には望み得ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
それでも、彼女たちは今を生きている。
嘘とエンバーミングで怪物の顔を、仮名で過去と素性を隠してでも、成し遂げたいものが確かにある。
それが一人の少女に、死の河を超えて何かを託す(楪の花言葉は”譲渡”)奇跡では、動く死体が世に交じる嘘を、見逃すには足らないのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
『フランシュシュと社会』は、一期で接近しつつ炸裂しなかった大事なテーマだとも思う。
二期の終局は、そこを掘り下げるのかな、と思う回だった。
そして次回はおまたせの、ゆうぎり姐さんエピソード。まー『これやらんと、二期は”嘘”でしょ』ってネタだからな! そら前後編だよなッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
伝説の花魁の過去も気になっけど、二期はマジで隙あらばゆうリリ状態なんで、こっちの押し込みも期待大です。
次回も楽しみですね。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
生者と死者が優しい嘘を演じる今回、ロメロも屋根の上で”生きてる猫”といい雰囲気である。
ゾンビ七号は一話限りの夢であったが、それが手渡したものは豪華版たまごっちだけではないのだろう。
この作品らしい、嘘なく優しいエピソードだ。
(画像は"ゾンビランドサガ リベンジ"第7話より引用) pic.twitter.com/W6ExJjCqSX