バクテン!! 第6話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
合宿を終え、ついに迎える県大会。
キャプテンは青い空を見上げろというけども、翔太郎の心は不安の泥に囚われていた。
本番直前、志田監督のかけた言葉。
『キミの素直さは、ひとつの才能なんだ』
それが、蒼い翼に変わる時が来る。
そんな感じの努力根性ど真ん中勝負! 緊張の県大会追体験回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
ドッシリと腰を落とし、王道を真っすぐ進んでいく話運びは大会本番になっても健在…というか、むしろより分厚くなっている感じもある。
第1話で魅せた四人の演技から、緊張と不安をはらんでの六人Ver初披露。
ここから地区、全国へと進んでいくだろう物語にしっかり課題も残し、志田監督の存在感も出し、この作品らしいストレートな作りだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
『素直さが一つの武器』ってのは翔太郎だけではなく、彼を主役にするこの物語自体にも言える強みなんだろうなぁ…。
話としては非常にガッチリした、寄り道のない作りである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
翔太郎は本番直前を、どうしても越えられない壁にぶち当たりながら過ごしていく。
その緊張を腰まで浸かった泥濘のイメージで描くのは、それが晴れる瞬間を鮮明に見せるためだ。
(画像は"バクテン!!"第6話より引用) pic.twitter.com/jG6SAMiFBJ
ここまでこの作品のイメージシーンは、常に青い空とともにあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
男子新体操と出会った瞬間、始めて技を決めた瞬間、迷いが晴れた瞬間。
青年の心には青い空が広がり、高く高く飛び立っていく。
だからこそ、空が見えない暗さが翔太郎の不安を語る。
3Dモデルも多用して、翔太郎がどれだけ”出来ない”かをしっかり見せていたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
選手が何をやっているか、何につまずいているかをあまり説明せず、実際の描写で見せようとする骨太な描画も、この作品の特色と言えるだろう。
驚き役、解説役が少ないのよね…面白い作り。
美里くんはつっけんどんな態度の中で、やっぱり翔太郎の助けになろうと色々やってくれているが、今回彼の言葉は突破口にならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
泥の中で藻掻くような動きづらさは大会当日の朝まで続き、しかし彩雲煌めく朝焼けの色が、ここから広がる未来を輝かせる。
ここの美術はとびきり良くて、やっぱ”青”の描き方、使い方に力強さがある作品だと再確認させられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
どんよりと曇った世界を切り裂く、新しい夜明け。
それは不安定な未来に”何か”を約束するかのように、特別に美しい。こういう”予兆”の情景が、僕は好き。
チームメイトの前だとあまり気持ちが形にならない美里くんが、玄関で『絶対勝ちたいから』とお守りに想いを入れてるのも、チャーミングで良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
彼の家庭事情は、地区大会以降の起爆剤として浸かってくる感じかなー…過去のトラウマっぽい描写もあったし。
とまれ、今は目の前の県大会である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
皆に『楽しんで!』と声をかける志田監督は、下を向きっぱなしの翔太郎をよく見て、言葉で翼を与える。
監督が”才能”と言ったものは、ずっとこの作品が追いかけ、焼き付けてきたものだ。
(画像は"バクテン!!"第6話より引用) pic.twitter.com/uFi6cvL7oX
誰よりも他人をよく見て、強く感動できる主人公の素直さは、幾重にもクローズアップされてきた翔太郎の”眼”で表現されてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
彼の真っ直ぐな人格が、ひたむきな思いが、経験不足や不安を跳ね飛ばす翼になりうる。
そう指摘できるのも、ボーッとしてるようで生徒をよく見てる、監督の人徳だろう。
緊張すら愉しむ。そういうマインドセットに見事選手を導いて、いざ本番。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
六人になった試技は練習の不安定を跳ね飛ばし、緊張と美麗が同居する、ダイナミックな仕上がりを見せた。
一人称視線を大胆に混ぜたり、時に歪ませたり、魅せ方やっぱ工夫しとるね。
(画像は"バクテン!!"第6話より引用) pic.twitter.com/WCZZNlg80F
参加してる六人全員がかっこよく思えるシーンが必ず入って、全員いてこその演技なんだと思える構成になっているのはとてもいいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
大会に参加すらできない三人から始まり、3点マイナスのハンディを背負う去年を超えて、ようやくたどり着いた完成形。
まだまだ改良の余地はある。文句なしの一位通過ではなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
でも、精一杯に翔んだ。
失敗したらどうしよう、終わりになったらどうしよう。
足元に絡みつく泥よりも、いつか見上げた空を、お互いが高め合う理想を追えた。
翔太郎が体操に出会い、練習し、迷って頑張った結果が、しっかり出た。
だからこそ、美里くんにしか興味がなかったましろくんも、翔太郎を視界に入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
今回もその怪物性、強敵を見定めたら離さない吸引力がよく出てて、ましろくんは大変良かった。
やっぱ感情が冷える瞬間の表情と演技が好きだなぁ…”才”を感じる。
(画像は"バクテン!!"第6話より引用) pic.twitter.com/uDcc8IhrtZ
ましろくんの強キャラオーラは凄く上手く演出できてる部分で、そんな彼が思わず視線を寄せられるからこそ、監督が信じた翔太郎の才能が嘘ではないと、視聴者にも思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
僕はキャラとして彼のことが好きだけど、作中での活かし方が巧いってのも、彼が好きな理由になっているのだ。
緊張と不安を乗り越えて、初の本番を見事に演じきった翔太郎が、自分に翼をくれた先生をちゃんと”見て”、視線で思いを通じあわせて微笑むのが、凄く彼らしくてよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
勇気をくれて嬉しい、一緒に勝てて嬉しい。
素直な感情の発露が、主役の強みだ。
(画像は"バクテン!!"第6話より引用) pic.twitter.com/p5AT3ilSMG
翔太郎の家族がすっげー前のめりに、息子の晴れ舞台を心から喜んでいるのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
濁りのない作風が率直に、勝負の緊張と喜びをみっちりと画面を満たすエピソードでした。
今回揺らいでた部分は、地区大会でもっと高く跳ぶための課題として、今後生かしてくるでしょう。
揺れる翔太郎を真ん中に吸えることで、彼を飛ばせた監督の頼もしさが目立った今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
それを受けて、次回は先輩たちと監督の出会いにクローズアップする過去回っぽいです。
また作品とキャラに奥行きが出そうで、とても楽しみですね。