ましろのおと を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
己の全てをバチに乗せて、雪は一曲を弾ききる。
慕情を呼び覚ます音は万雷の拍手を生み、満たされる初めての感慨。
それを受けても、総一は一切揺れることなく、圧倒的な技量を見せつける。
勝負の行方…その先に待つものとは?
そんな感じのましろのおと最終回、主人公がボッコボコにされてどん底に沈んで終わったぞ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
いやー…ビックリした。
『まだまだこれからだからよ…俺たちの三味線坂はッ!』ってことなんだと思うが、タイトル回収しておいて、雪の音が全く見えなくなる所でフィニッシュたぁスゲェぜ…。
まぁ雪は傷つくほどに旨くなる果実だし、上がること前提の下がり調子だとは思うのだが、それにしたって両親もライバルも一切容赦なくボコボコにしてて、ある意味スッキリした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
伊達や酔狂で、”鬼”なんて言ってねぇよなぁ…人間にとって大事なものが判らんから、奴らは鬼なのだ。
というわけで、松吾郎の影響を強く受けた曲想から、今の自分の願いを乗せた演奏へと、雪の三味線は揺れ動いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
自分の三味線道を素直に乗せたら、曲が途中で脱皮してしまった感じだと思うが、この変化を評価する視点は多彩にある。
観客は情景を呼び覚ます演奏に心震わされ、それを喜ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
技術を評価する審査員たちは、梶くんの”頑張り”を点数に入れなかったようにそれを切り捨てる。
一口に”いい曲”といっても、聞くものの立場、判断基準によってそれは様々に移り変わる。
勝負の世界に身を出していなかった雪は、勝つ演奏を知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
そのことが、情景に一切訴えかけず、技量と表現力で圧倒的に勝ちきる総一との、絶対的な差になっていく。
人前で弾くこと。弾くことで、他人に何かを見せること。
総一は、つくづく勝ち慣れている。
雪がホールに残した情念の残響にも揺らされず、不遜とも取れる自信で自分を支えながら、適切に審査員にアピールしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
流れるまま、情念を聴衆に響かせる雪の気まぐれとは対照的な、不動の演奏。
結果は、勝つべきものが勝つべくして勝つ。
負けを悟った雪が、若菜ちゃんに『勝ちたい…』と告げるのはいい傾向だと思うが、まーその後がね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
梅子は晴れの舞台でキレ散らかしてくるし、親父は追い打ち入れてくるし、清流先生は正論で的確に追い詰めてくるし…みんな、雪が嫌いなんじゃなくてむしろ好きだから、傷口に塩刷り込んでくるの凄い
雪も好き好んでひねくれたと言うよりは、愛を求めても帰ってこない荒野で、何も求めないことで自分を守ってきた感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
本当は両親に労ってもらいたいだろうに、トロフィーは落とすわ罵倒はされるわ自分の音は求められねぇわ、10代の心はズッタズタである。
梅子はこの傷をバネに変えて、松吾郎の継承者として一皮むけて欲しい感じも見せてるが、あの鬼っぷりを親の愛情と受け取れってのは、まー無理だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
親父含めてここの家族、歪み切ることでしか真っ直ぐになれないんだろうなぁ…若菜ちゃんだけが救い。
そして清流先生は、相変わらず情け容赦なく雪の問題点をほじくり返し、超えるべき道を厳しく示す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
聴衆に向き合うにしろ、勝つ演奏をするにしろ、今の雪には足りないものが多すぎる。
安定感、個性、誠実さ、貪欲さ。
多分清流先生も、修行の中一個一個それを掴まえたから、今の位置にいるのだろう。
聴衆の喝采を求めつつ、それを生み出すのに必要なものを真摯に考えない独りよがり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
部活の仲間が指摘してくれないポイントを、清流先生は的確に殴ってくる。
これを越えられれば雪は、もっといい音を生み出せる。その期待が、清流先生をドSに突き動かす。
まぁ色んな事が一度に起こりすぎて、雪は聞くどころじゃなく決壊しちゃったけども。そら泣くわ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
部活で他人と触れ合えた、良い合奏が出来た。
独奏で自分らしく弾けた、松吾郎のコピーではなかった。
そういう良い兆しを全部押し流す方向に、雪の精神が引きずり込まれてる感じもある。
こっからどう這い出すかはアニメでは描かれず、”ましろのおと”の欠片すら見えない激しい雨の中で、物語は終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
やっぱスゲーなこの終わり方…20巻超えの大作だから途中で終わるのは当然として、底を打った所で”最終回”だからな…。
でも、嫌いではない。芸に厳しい話だってのは判ってたしね。
ここから雪がどう這い上がって、”ましろのおと”を掴み取るのか、アニメで見てみたい気持ちもありますが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
まずは1クールの放送、お疲れさまでした。
面白かったです、ありがとう。
雪のピュアで切実なキャラ性が、情念の楽器としての三味線とよく組み合い、物語を豊かにしてくれた。
急に学園モノに舵切った時はビックリしたが、同年代と触れ合い、音を仲立ちに繋がっていくことで、雪と仲間の音と人が豊かになっていく様子も良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
思い返すと、部活モノのフレームあってこその安定感、という感じはあるな。
やっぱ梅子が、便利で強い。人としては極悪だが。
人に触れ、人に磨かれることでしか音に命を宿すことが出来ない奏者を主役にして、三味線という楽器にドラマを宿したのは、大変良いストーリーテリングだと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
朱利ちゃんを筆頭に、雪を通じて三味線と出会う子たちも面白く、彼らの今後もアニメで見てみたいなぁ…。
タイトルにもある”ましろのおと”を掴まえたと思ったら、それは逃げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
まだまだ向き合うべきもの、乗り越えるべきものの多いところでの幕となりましたが、雪がもっと他人と触れ合い、自分を見つけていく過程は見たいよなー…成長に必要な迷いと傷を、魅力的に書けてた作品なので。
とまあ、楽しかったからこその欲も出てきますが、三味線が常に鳴っているいい音楽青春モノでした。演奏シーンにケレンが聞いてて、楽器の特徴がわかり易かったのはとても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月19日
情念が楽器を鳴らす様子が、たいへんよく届くアニメでした。面白かったです、ありがとう!