NIGHT HEAD 2041 を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
第三次世界大戦から8年。
日本はあらゆる幻想を許さぬ物理主義国家となり、チンケなオカルト詐欺を”反社会集団”と認定すらしていた。
その尖兵として、前線に立つ黒木兄弟。
15年ぶりに、研究所から出た霧原兄弟。
超常の覚醒とともに、今四人の運命が動き出す!
という感じの、まさかまさかの30年ぶりリバイバル、新生NIGHT HEAD第1話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
大変良かった。
世界観の捻り、ビジュアルの強さ、新キャラの投入…。
ホコリを被っていた旧世代のサイキックアクションを、今やり直すために必要な手筋がビシッと決まって、しっかり脈動していた。
お話は物理サイドの黒木兄弟と、幻想サイド霧原兄弟に分割されながら進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
保安隊に所属する黒木兄弟にフォーカスする中で、物理主義ディストピアとなった2041年の日本がだいたい分かるスタートがありがたい。
渋谷のディスプレイに大写しにされる”物理”の二文字が、スゲー説得力。
超能力で詐欺を行うどころか、信仰を持つこと、幻想を夢見ることすら犯罪になった(だろう)物理主義日本。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
科学技術の先端たる各種ガジェットでバッチリ武装し、チンケな超能力詐欺集団を一大事件のように追い込んでいく保安隊の描写が、なかなかに良い。
つーか全体的にヴィジュアルがキレてて、ディストピア・ジャパンの表向き平和でドロドロに息苦しい感じとか、科学戦士たる保安隊の最新ガジェットとか、キッチリ新しい息吹が絵面に宿っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
やっぱ見た目がフレッシュで魅力的だと、しっかり勝負する下地が出来るのでいい感じだ。
ドローンで包囲し、生体スキャンをかけ、不意打ちにも殺さずに対応。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
保安隊の優秀さ、”物理”の強さが良く見える突入作戦が、超常との出会い、力の覚醒で壊れていく。
不当な権力行使のド真ん中で、禁じられた力に目覚めてしまった兄弟の運命は、何処に行くのか。
そういう不穏さが、兄弟だけに見える謎の少女との邂逅を交えつつ、話のエンジンとして回転を始める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
弟を守るために覚醒した黒木兄の能力が、”物理”と相容れない強烈なEMPとして作動するのが、物語の先行きを暗示してる感じで良かったです。
翻って霧原兄弟サイト、生体認証の未来カーに乗り込んで、ようやく自由の身だ! と思ったら、世界は超能力者である彼らをけして受け入れない牢獄と化していた…というお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
『日常に潜む異能』という書き方から、『変質した日常に狩られる獣』に立場を変えたのは、緊迫感強くて良い。
物理主義日本全てが霧原兄弟の敵な訳で、頼るべきものはお互いしかいない状況が、更にエッジになったと言えるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
おまけに兄弟は15年監禁されて世間知らずどころの話じゃないし、能力の制御も上手く行かない。前途多難どころの話じゃないぜ! ワクワクするなッ!!
無印をなぞるようにバーに入り、イヤボーンを炸裂させまくる霧原兄弟の描写は、物理日本のスタンダードをしっかり描写し、そこに彼らが馴染めない状況をよく教える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
超能力は時代遅れ、存在しない嘘っぱち。
そんな社会認識を全面に押し出して、主役の異物感を強調する運びも良い。
これは30年ぶりのリメイクとして、2041が世に出る上で大事な描写でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
おどろおどろしくも人間の可能性として、期待の目を向けられていた”超能力”。
サイキックブームも去り、アンゴルモアの大王も降ってこなかったこの2021に担ぎ出すには、ちと埃っぽいネタである。
しかし超常への憧れは形を変え、スピリチュアル産業やオンラインサロンという形で、誰かのあこがれを相変わらず食いつぶしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
当たり前で重苦しくて、出口のない”物理”な世界をぶっ飛ばす力強さは、未だに求められているのだ。
見えないチカラへの憧れは、未だに存在する。
そんな状況を認めた上で、透明な力が人間を壁に叩きつけ、力が目覚め暴走する描写を叩きつける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
黒木と霧原、二人のニーサンがニ度もサイキック大暴走をぶっ込み、古き良きイヤボーンへの渇望を癒やしてくれる話運び、最高でした。
やっぱ腕突き出して人間がぶっ飛ぶ絵面、何回食っても最高。
僕が”そういう時代”に感性を育んだ人間ってのもあるが、ホコリを被ろうが古臭くなろうが、超能力がズバーっと炸裂する瞬間は最高に気持がいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
しかしその力強さを叩きつけるには、外面を今っぽく整え、気持ちよく覚醒がキマる場面を盛り上げなければいけない。
抑圧的な社会の突端に立ちながら、弟を守るために異端の力に目覚めてしまった黒木兄にしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
15年楽園に閉じ込められ、物理日本の歩き方を欠片も知らない異能者として、力を奮った霧原兄にしても。
不安定な力は、不安定な社会的立場、不安定な精神と同調しながら描写されていく。
この不確かな切り札っぷりが、異能としての”超能力”を際立たせるし、今後のドラマに期待も膨らむ。最高の出だしだ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
未来ガジェットを際立たせていたヴィジュアルの強さが、異能発現時のエフェクトもカッコよくまとめて、パワフルな描写になってましたね。
絵の強さが、作品を加速させてる印象。
霧原兄弟の世間知らずっぷりが、酒場のやり取りでしっかり見えるのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
『店に入る、金を払う』って経験自体が希薄で、世界の有り様も全く知らない異邦人なのに、立ってるだけで国家に狩られるパブリック・エナミー。
良い初期配置だよなー…絶対メチャクチャになるじゃん。
日常に憧れつつ、自分の異能でそれを弾いてしまった霧原サイドと、ショボいオカルト詐欺かと思ってたら超絶イヤボーンが発生した黒木サイドで、上手く緩急が対比出来てるのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
保安隊にとっては日常のルーチーンになってしまった制圧任務に、潜んでいた非日常への扉。
あるいは憧れの扉を開けて日常に踏み込んだら、そこがグロテスクに変質していて拒まれた兄弟。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
絶望境にも平和ってやつはあって、しかしそれはあらゆる幻想を排除する暴力的抑圧によってしか成立していない。
存在自体が国家に敵対する、超常の兄弟たちは何処へ行くのか。
あるいは、狩るものと狩られるものに隔てられ、どう交わっていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
そういうドラマに、期待が膨らむ二軸のスタートでした。
リブートするに当たって超能力兄弟増やして、物語を二層構造にしたのは正解な感じするなー。面白い。
霧原兄弟を閉じこめ匿っていた研究所とか、黒木兄弟だけに見える少女の正体とか、日本がメコメコになってしまった戦争の真実とか、色々気になるネタもたっぷり埋め込んで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
なかなかいいスタートを切ったと思います。やっぱ異能がドバーンと覚醒し、人間が壁に貼り付けになるのは最高。
物理日本のディストピアっぷりは、なにかと抑圧と断絶を強める現実の戯画でもあろうし、そこになんらか、真摯なメッセージが込めれると更に面白くなれるかな、とも思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
現実への当てこすりに汲々としすぎて、作中のファンタジーをしっかり描けなくなる枷にもなりかねないが、上手く扱って欲しい。
しかし『全空想禁止! 夢を見たなら強制収容所!』っていう、物理ジャパンのエキストリームな絶望境っぷりは、パンチが効いてて良いな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
文革下中国とかクメール・ルージュみてぇな状況なんだとは思うが、そこに”超能力”が絡むと、また別の味わいが出てくる。
現体制が押し付けてくる信条をひっくり返す、強力な証明が主人公たちの存在自体に埋め込まれていて、彼らは否応なく政治的な存在になってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
異能バトルと同じくらい、この社会戦争をどう描き、越えていくかは愉しみだ。
社会派サイキックアクションとして、奥行ある話運びが欲しくなる。
それは今後の膨らませ方次第として、ヴィジュアル面でも物語面でも、色んなワクワクがしっかり高まる、良い第一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
霧原ニーサンが弟の保護者ッ面するかと思いきや、最速で能力暴走させて状況メチャクチャにしていくのとか、妙に面白かった。ニーサン…大丈夫なのかいニーサン…。
黒木サイドはミラクルミック追跡、霧原サイドは物理日本を放浪と、しばらくはそれぞれの物語が転がる感じかな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
ちょび髭のフツーの詐欺師が、超科学で武装した特殊部隊に本気で追い立てられてる絵面も、物理日本の歪みを上手く際立たせていて、いい感じなんだよなー。
長らく欠乏していた超絶サイキックアクション成分も、たっぷり補充できそうでありがたい限り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
二人の兄弟を絡め取っていく運命の行く末、許されざる異能の結末を楽しみに、今後も見ていきたいと思います。
ふーむ、想定してるより全然”勝負”出来てんな、2041…面白いぞこのアニメッ!!
追記 一まとまりの物語的類型を的確に表現するのに、やっぱ優れた概念だよなーイヤボーン。
しかし”サルでも描けるまんが教室”から30年、『イヤボーン』ももう通じない死語なんかね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
こうして考えると、やっぱあの時代メチャクチャサイキックモノ流行ってたんだな。https://t.co/q2LTBoCVMh
あの頃のポップカルチャーがすくい上げていた、日常を超える何かへの憧憬が、今は転生モノに照射されて大流行…つうシンプルな構図では、けしてないとは思うのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月14日
ここらへんに何らか認識持つには、自分転生ジャンルの経験値が少なすぎんだよなー。勉強せんと。