BLUE REFLECTION RAY/澪を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
世界は綻びを強め、心の破片を奪われた少女たちが目覚めぬ眠りに落ちる。
陽桜莉は仁菜と、瑠夏は涼楓と、ふとしたきっかけで再開し、縁を深めていく。
取り戻せないものを諦めないことは、祝福か呪いか。
夏はひどく残酷な瞳で、少女たちを睨めつけていた。
そんな感じの純情異能力青春群像漬物百合アニメ、ブルリフR第14話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
新章二話目、主人公コンビがそれぞれ、別の少女と対話し、縁を深めるだけの回…なんだが、絶妙な間合いで繰り出されるブルリフ粒子あり、トンチキの奥に滲む真摯さあり、このアニメの良さ(と僕が感じるもの)を堪能できた。
敵だった仁菜ちゃんにアプローチしようとする陽桜莉のお人好しも、そこに被害者として当然の反発を見せる都も、ぬか床かき混ぜながら百ちゃんの在り方を思う瑠夏も、皆それぞれ”らしい”描写であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
手がヌカ臭く為るのもいとわず、わざわざ百ちゃんハウスから回収した漬物をケアする瑠夏。
凄まじくトンチキな絵面なんだが、彼女が真剣であり、大事にしたいものが何かはよーく分かる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
この奇っ怪な生活臭こそが、作品に独自の血潮を宿す魅力なんだなーと、再確認させてもらえるシーンだった。最高。
その後、タッパーに入れた漬物を百ちゃんに食わそうとする都もな! トンチキだが切ねー!
陽桜莉の博愛主義に、都が犠牲者だからこその反発を見せる描写も、大変ブルリフRらしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
こういう『考えてみりゃそらそーだ』みたいな、小さな心の動きをかなり微細に拾い上げて、ちゃんと描写した上で余計な衝突は起こさない(みんないい子なので)所は、この作品の長所だと思う。
皆あの奇妙な世界で、自分なり必死に考え生きている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
なら話の都合に従順なだけでも、それに不要に反発するでもなく、そこにいる人間としていろんな事を感じ、言葉にして伝え、自分と他人を動かそうとするだろう。
こういう作品のルールが、群像全員に伸びてるのは良い。
お姉ちゃんがひび割れた救世マシーンになり、放置プレイの快楽に目覚めだした詩とかもなッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
アジトをトンチキ教会から世界の裏側に移し、シチュエーションの超常力は上がってるはずなのに、青陣営を包む奇妙なグルーヴは相変わらずである。最高。
謎の山寺特訓から喪失のトラウマまで、マジで一切のタメなくシームレスに繋がる陽桜莉の悪夢とか、ホント粒子良く出てたもんな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
日常と劇的な瞬間が、常に裏表繋がってる作風を思うと、あの唐突さがむしろ自然なんだろうな。
大事なものはすぐさま壊れ、だからこそ守りたくなるのだ。
というわけで、そんな女の子達がそれぞれの思いを、それぞれの場所で繋ぎ合うエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
”お家”を運びつつ、陽桜莉にとっ捕まった仁菜ちゃんは遠ざけようとして、果たせない。
思い出の陸橋で、諦観と哀しい救済をナイフに込め、見せつける
(画像は"BLUE REFLECTION RAY/澪"第14話より引用) pic.twitter.com/ynBGZAs3FR
自分たちを何処かに運んでくれるはずの交通機関が、重苦しく天への道を塞ぎ、しかし確かに微かな光もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
ガード下の邂逅が絵面的にも象徴的にもバッチリで、『やっぱこういう所つえーなブルリフR…』と思わされる。
反発する仁菜ちゃんと陽桜莉の間に、犠牲の少女がいるのも良い。
光があり、絶望と希望の根源たる運命の場所に引っ張り出された時点で、仁菜ちゃんのツンデレウォーズも終戦ムードであるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
つうか、作中随一の魂力を誇り、諦めるということだけは知らない陽桜莉と出会っちゃった時点で、暖かなものに包み直され救われていく道しかねぇんだよなぁ…。
互いに美弦を強く思い、しかし結論は真逆。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
なんだが、仁菜ちゃんはパーカーで自分の気持ちを隠し切れはしない。
抱え込んだ思い、『フラグメントは戻らない』という絶望を、勝手に自分の領域に踏み込んでくる少女にこぼしてしまう。
ナイフを抱えて強いふりをしても、その心は震えている。
そして腹も減る。お腹も鳴る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
飢えて涙する”人間”であることを既に暴かれて、仁菜ちゃんもう負けるしか無いじゃん…一緒にいっぱい食べて、諦めを踏破していく道に進み直すしか無いじゃん…。
他人の鎧を引っ剥がすことに関しては、陽桜莉はマジでつええ。本気で無邪気だからな!
美弦に崇拝を捧げることで、救済を探していたのとはまた違う、苛立ちと反発をさらけ出せばこその新たな道。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
仁菜ちゃんの前に暖かヒューマニティーロードがガバっと広がり、彼女が好きな自分としては大変にありがたい。
いけ陽桜莉…優しくて寂しい女達を軒並み落とせッ!!
そして瑠夏は、また別の縁の欠片を拾い集めていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
”魔法少女”に救済を求める犠牲者、或いは思い出を砕かれた少女達。
触れ合わない手、取り戻せない時間。
瑠夏の中を、フラグメントを巡る痛みが共鳴していく。
(画像は"BLUE REFLECTION RAY/澪"第14話より引用) pic.twitter.com/R8sadRz87k
想像通りの王子様系爆モテ人間だった涼楓が、想像を遥かに超える地獄を、彼女のお姫様と現在進行系で走り抜けているのは、なかなかの衝撃である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
バス停で待っていても、二人を未来に進めてくれる乗り物は通り過ぎてしまった。残ったのは砕かれた思い出の破片と、忍び寄る絶望だけ。
瑠夏が強く後悔を刻む渡り廊下と、バス停の屋根が生み出す闇が重ねて描写されている点…そして陽桜莉と仁菜が出会う場所でも『自分たちを拾ってくれない乗り物』が描かれている点が、強く共鳴する良い描写である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
運命のバスは残酷に、少女たちを置き去りにする。手は繋げず、奇跡は間に合わない。
それでも失われた思い出を取り戻そうと、涼楓は必死にあがいている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
”魔法少女”から奇跡を略奪するのではなく、むしろ取り囲まれた瑠夏を助けようとする。
自分自身犠牲者なのに、気高くあろうとする彼女の振る舞いが、しかし敗北感と罪悪感に強く濡れているのが良い。
一度間違えたからこそ、二度は間違えたくない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
その想いは瑠夏も涼楓も同じで、だからこそ二人は共鳴していく。
亜未琉の事情を聞くことで、お姉ちゃん達の救済計画が生み出す犠牲が、生々しい悲惨を伴って瑠夏と視聴者に実感できるのは、非常にいい感じだ。やっぱダメだよなぁアレ…。
フラグメントという超常の力に巻き込まれなければ、名前のつけられない宝石として二人の間に、柔らかく守れたかもしれない感情。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
しかし運命は全てを押し流し、涼楓は後悔に押しつぶされかけながら、日々記憶を喪失していく愛しい人の側で、必死に立ち続ける。
凄く辛い戦いの中で、自分の惨めさや弱さをさらけ出し全てを語る涼楓が、剥き出しで大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
なりふり構わず、本当に大事なものを抱きしめる。
写真に閉じ込めた思い出を必死に拾い集めながら、それでも振る舞いから高貴が滲む。
(画像は"BLUE REFLECTION RAY/澪"第14話より引用) pic.twitter.com/nXsJD16sGt
瑠夏ならずとも、目の前のシェルターで紡がれているものがどれだけ重いのか、奮い立つシーンである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
イカニモ王子様系と思わせておいて、メチャクチャ泥臭い敗北者で、しかし魂の奥に強い輝きを残してる涼楓の造形、凄く良いと思う。今度の闘いこそ、マジで勝ちきって欲しい。
犠牲の少女たちが抱える心の傷に、しっかり共鳴し戦う理由に変えれるのが、この話の主役たちの素質だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
リフレクターは何も救えない。奪うことでしか、忘れることでしか、痛みを消してあげられない。
お姉ちゃんと紫乃が殺してしまった器官が、まだ脈を打って生きている。
涼楓と亜未琉の切なく美しい抱擁を、真っ直ぐ受け止めて不敗を宣言する瑠夏は、今度こそ共鳴する心に素直に、誰かを救いたいと願っている。誓っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
あまり自分を表現するのが上手くない彼女を見てきたからこそ、その決意は眩しく重い。いいキャラに育ったなぁ…。
永遠の眠りに落ちたくないと、自分を取り囲む犠牲者含め、色んな人の必死さをしっかり目に入れて前に進んでいくのが、瑠夏の良いところである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
自分の手のひらがどれだけ小さいか、抱えた痛みがどれだけ大きいか知りつつも、今度こそ諦めたくない。共鳴する心が、無力だなどとは思いたくない。
深い断絶に切り裂かれ、誰も…自分すらも心の在り方が見えない宿命の中で、人が掴みうる唯一の武器。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
誰かを思い、同じ立場に身を置くこと。
都が昏睡した百ちゃんに差し出した漬物に、微かな微笑ましさと同時に宿っている、切ない嘘のなさ。
そういうモノを、瑠夏はもう一度握りしめる。
フラグメントは戻らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
その絶望を超えた先に、瑠夏と陽桜莉の…彼女らを取り巻く少女たちの希望は、果たしてあるのか。
不屈の決意は、より善い未来につながっているのか。
物語は続く。
今回紡いだ縁が、必ずその導きとなるだろう。
いい出会いの物語でした。次回も楽しみ。
しかし謎のフード戦士の正体さっぱり気づいてない詩が、陣営で孤立し浮いてるのは当然なのよな。お姉ちゃん、どうも感づいてるっぽいし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月17日
欲望の赴くままに振る舞っているようで、自分が何を求めているか、それが何に反射しているか、ちゃんと見れてない。
駒川詩…本気で真摯に”変態”をやれッ!!