小林さんちのメイドラゴンS を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
新たなちょろゴン、イルルを加えた小林家の日常は、あいも変わらず平和で和やか。
一度は破滅を望んだ幸福へのわだかまりも、優しい魔法で解けていく。
遊んで、騒いで、笑い合って。
過ぎていく日々に、今日も桜が微笑むのだった。
そんな感じの、メイドラゴンS第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
才川が来るとカンナちゃんの出番が増えて良いなッ! て感じの、優しい日常回であった。
イルルの話が一段落して、いつもの仲間がワサワサ集まってくる余裕も出来た。ギャーギャーやかましくも幸せな、人と竜の日常を描くエピソード。
笑いありいい話あり、なんとも手触りのいい話で、いかにも”メイドラゴン”という感触が大変ありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
二期に求められる『いつもどおりで、つまりはいつも以上』という難しいオーダーを、作画クオリティでもお話の雰囲気でも、しっかりこなしているのは流石。みんな可愛いねぇ…。
というわけで、短編をつなげていく感じの第3話。最初は才川とカンナちゃんとイルル、そしてルコアさんのエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
かわいいかわいいカンナちゃんにデレデレの才川が、ヤバくも懐かしくありがたい。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第3話より引用) pic.twitter.com/mSDYddzHEE
ルコアさんからお菓子を貰ってはしゃぐベイビー二人の天使っぷりに、こっちの脳もとろけるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
電線の上の雀が暗喩するように、イルルはこの幸福に踏み込んでいけない。
押し入れに閉じこもり、自分を出せない。
それがただただ”やましさ”由来なあたり、根っこは善良で幼いドラゴンである。
小林さんの魔法で、人間を信じ平和に暮らしたい願いを開放されたイルルだが、過去の自分が消えてなくなるわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
神たるルコアの力を借りればそれも可能だが、それは拒絶するし、小林さんにもう一度魔法をかけてもらうのも断る。
あくまで彼女は、自力で自分の過去と闘いたいのだ。
しかしそれは出口のない道で、どうしたものかずっと悩み続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
同じ狭い場所でも、才川と閉じ込められたトイレとは趣が違う、押し入れの中の孤独。
そこには失われた幼年期が詰まっていることを、ルコアさんは見逃さない。ちゃんと人形が乱雑に散らばり、子供っぽい雰囲気なのよね…。
デコのドアップ、喋る足。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
攻めたレイアウトが柔らかな話を引き締めつつ、才川は『可愛いなら何でもOK!』という、彼女なりの真理でイルルの心に踏み込んでいく。
この子もボヘボヘしてるだけではなく、カンナの事情を知りつつ友情を選び取った。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第3話より引用) pic.twitter.com/5T4MmUkfPg
その結果がダブルドラゴンお腹撫で擦り悦楽天国なわけだが、なーんも考えずに快楽に飛び込む子供らしさを、才川はイルルに差し出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
それはルコアが尿意ビームでお膳立てした、奇妙で優しい会合である。なんでイルルはこんなにトイレ推しなんだ…。
子供が子供でいることを許されなかった過去が、せき止めたイルルの願いと成熟。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
それを取り戻すためには、存分に子供でいなければならないことを、小林さんだけが知っているわけではない。
今回ルコアもまた優しく立派な大人なのだと示せたのは、作品の風通し的に大事な所かな、と思う。
小林さんの魔法って誰にでも使えるはずで、でも成し遂げるのがとても難しいものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
思い込みや痛みで作り上げた壁に、手を差し伸べて穴を開けて、見守り隣りにい続ける。
人間が持ってる当たり前の、そして一番強い力を使いこなすのを、今の彼女は躊躇わない。
しかし彼女自身、ドラゴンと出会う前は当たり前に屈折し、自分や他人とどう触れ合えばいいか解らなくなっていたのは、前回の影絵芝居、今回のコスプレ会議で良く見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
別に無敵の超倫理人ってわけではなく、当たり前に間違え、悩み、半歩踏み出しているだけだ。そこが偉いんだが。
とまれ、優しくて勇気があることは皆の力だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
イルルが存分に子供であれるよう、お友達と話すチャンスを作ったルコアも。
欲望全開で楽しく遊ぶ才川も、過去の自分に悩みつつも今を楽しむことにしたイルルも、みな強くて優しい。
それは派手で尖った形をしていない、日常品としての善良だ。
イルルの人格がいきなり子供になるわけではなく、荒々しく大人ぶる…ことで本当の望みを忘れようとしていた時代、その罪と罰が残っている描写も、良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
それは未だひきつる傷だが、彼女なり生きてきた証でもある。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第3話より引用) pic.twitter.com/O7819bWC9f
それを踏まえた上で底抜けの笑顔になり、たらふくお菓子を食って友達と眠る幸福…それを見守ってもらえるありがたさに、身を投げていける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
そうすることでしか、多分彼女が荒れた年月の中それでも身につけた、子供ではない賢さは適切な使い方を見つけられないだろう。
在り来たりで特別な善性に、屋根と壁を付けたマンションの中で、イルルは新たな幼年期を過ごしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
その景色がとびきり幸福で、暖かいものだと判るエピソードで大変良かった。
子供たちがただただ幸せに過ごしている様子を見ると、心の底が暖かくなり、大変にありがたい。肉体疲労時の栄養補給ッ!
小林家の扉はいつも開いていて、色んな連中が顔を出す。迷えるドラゴンを導く星も時には陰り、しかし皆が支えてもくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
メイド服を巡る第2エピソードはそんな、広くて風通しの良い空気を楽しく描く。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第3話より引用) pic.twitter.com/68MgAaDw4a
リビングに大人たちが集い、子供部屋に仲間が増えて楽しく遊び、エルマはその両方を行ったり来たりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
子供たちはおもちゃのある場所に”隔離”されて黙らされているわけではないし、大人たちもしち難しい責務を重荷と背負っているわけではない。
皆とても自然に、バカバカしい議題に真剣に向き合い、小林さんの悩みが少しでも軽くなるよう、知恵を出し合っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
ジョージーの早口本質論が完結させる、『メイドとは心』論のド真ん中射抜きっぷりと、よくよく考えると話題ずれてね? 感が面白い。
ひねくれたドラゴン達を引き受ける、優しい大人な小林さん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
彼女もまたそれなりにめんどくさい過去を経て、めんどくさい人格を形成し、しかし出会いと決意で自分を変化させている。
ここら辺、押し入れから出て、笑顔になることを自分に許したイルルと通じる部分がある。
誰かの言葉に答えを貰い、あるいは誰かの服を一緒に着て、弱い自分を越えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
そんな歩みは、竜も人間も共通だ。一緒にいるからこそ、越えられるものだ。
デザインやメイドがたりではイイとこなかったトールが、最後を掻っ攫うのが良い。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第3話より引用) pic.twitter.com/tReK8NV7PE
アップテンポでコミカルな芝居の合間に、細かく落ち着いた静物のスケッチを挟んで、しかしそれがただの息抜きではなく、大事な意味合いを込めたワンポイントになってる緩急も良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
流しに置かれた茶碗が語る、賑やかな時間の残滓。それが落ち着いた後、二人きりで帰ってくる特別な時間の手触り。
小林さんのメイドマニアっぷりは、『メイド服が似合わない、可愛くない私』と(笑い満載で)向き合う中で解体され、そのコアを晒していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
それは彼女の凝り固まった流儀では受け入れがたい、竜人メイドとともに過ごした日々が、柔らかく解体したものだ。
着るものの心が、外側を定義するのなら。
可愛くありたいと願う私が、着たい服を着ることは可愛い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
可愛いと、間違いなくべた褒めして下手すりゃ舐めてくる隣人も、間違いなく側にいる。
そういう実感が、思いの外クラい小林さんを一歩ずつ前へ進めていく。ドラゴンだけが、善性の受益者なのではない。
家族であり恋人でありメイドであり異種族であり、そのどれでもない名前の付かない関係。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
トール個人の複雑さを無理くりラベリングせず、あるがまま飲み込んでいる距離感が最後のやり取りにはよく出てて、大変良かった。
やっぱ、小林さんにとってトールの存在は果てしなくデカい。
イルルは押入れ、小林さんは服の箱。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
それぞれの願いを閉じ込めた場所から、人間も竜も出ていく。連れ出す役は固定されておらず、手を引いた側が後には、手を引かれる側になるかもしれない。
そんなお互い様で、この当たり前の幸福は出来ている。
第3エピソードは、マンションの隣人とトールが交流するシーンが太めに描かれていて、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
第1話のメイド喫茶もそうだけど、小林家の居心地に引きこもらず、色んな人と触れ合ってるトールを見るのが、僕は好きだ。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第3話より引用) pic.twitter.com/ClOuDLlfzb
同時に特別親しい存在との語らいも大事で、ドラゴン仲間とキャッキャしつつ、トールは自分の無聊を慰める手立てを探していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
人類の規格を遥かに超えた、優秀すぎる存在が心から打ち込めるもの。
その答えは、既に出ている。
っていうかカンナちゃんの一挙手一投足があまりにも”児童”で、最高に良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
イルルとドーナツ取りっこしてるシーンとか、完全に一家が”仕上がって”ることの証明として完璧だった。
こういう間合いと仕草で、共に暮すようになったわけです、このドラゴンたちは。
全身全霊を大暴走させて、小林さんへの愛を叫ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
『いつもとやってるコト同じじゃんッッ!!』というツッコミ含めて、温かく朗らかなオチである。かくして春日は柔らかく、桜花を寿ぐのであった…。
突き合わされた二人は災難だけどね!
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第3話より引用) pic.twitter.com/ClmzGLxnJ2
トールとともに在る日々が、心を縛る鎖を認識させ、砕いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
ドラゴンとの共同生活に救われている小林さんが、ドラゴンが生きる意味でもある。
色んな連中が集って、それぞれ触れ合い支え合う、広さと面白さ。幸福の相互交換。
そういうモノが、よく出た第3話でした。
ルコアの優しいお節介で、存分子供時代を取り戻すことにしたイルルのあどけない輝きも、『才川が狂うのもしょうがねーな…』と”秒”で納得させてくるカンナちゃんの動きも、全部最高。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
芝居のクオリティで、描写に説得力出すのはやっぱ偉いわ。あの児童ムーヴには、問答無用の納得がある。
二期のニューカマーが幸福の在り処に、全体重を預ける体制も整い、物語はまだまだ続きます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月22日
色んな連中がいる面白さとありがたさ、風通しの良い優しさ。
作品の良いところがふわりと薫って、大変に靭やかです。いいアニメだ…次回も楽しみッ!