NIGHT HEAD 2041を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
夜のダイナーに、偽物の奇跡が集う。
夢を禁じられた絶望境で、紡がれる罠。救いを求める心に忍び込み、捕えて食らう国家の牙。
異能者狩りシステムに狙われた兄弟と、その尖兵たる兄弟。
赫奕たる邂逅が切り開くのは絶望か、それとも…。
そんな感じのディストピア・サイキック・ストーリー第2話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
二組の兄弟が邂逅し、国家が異能者を管理するシステムが本格駆動、運命が激しく動き出す回…である以上に、そんな世界に生きる人達の顔が良く見える、変則的な”日常エピソード”であった。
”AKIRA”三巻を読むことが犯罪になる、極端な抑圧社会。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
そこにも傷ついた人達はいて、自分の力ではどうにもならない現状に、希望を求めている。
踊らされそれを差し出した詐欺師のオッサンも、自分の手のひらが生み出した幻に、微かな救いを見出す。
結局はシステムによって捻り潰されるのだが、あのダイナーで一瞬見えた夢には体温と手触りがあり、だからこそそれを弄ぶ連中の悪辣が際立った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
バンドのにーちゃん達が、仲間のために本気で祈れる普通にいい人で、でも与えられた救いは全部ウソで、罠に嵌って強制収容されていく。
それがあの物理社会の日常であり、異能者の存在をオフィシャルに認めた後、どんどん加速していく景色なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
主役以外の人生がよくキレたことで、彼らが立ち向かうべき運命、乗り越えるべき敵の顔が鮮明になってくる、いい第2話だったと思う。
すぐ退場する端役に情感があるの、俺はスゲー良いと思う
話としては運命のダイナーにメインキャストが集い、お互いの存在と危険性を認識して状況が転がるエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
『俺たちには何も出来ない…』とクールぶってるくせに、いざ事が起こると亜音速でキレて不可視の力ぶちかますニーサンが、最高に良い。もうちょい血圧下げろッ！
やはりミラクルミックとバンドの兄ちゃん達のやり取りが秀逸で、”AKIRA”というジャンルの巨人に言及しつつ絶望境の厳しいルールを解らせる演出とか、チャラく見える彼らの切実な祈りとか、嘘でもそれを叶えて微笑む詐欺師の人情とか、大変に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
片目の見えない兄ちゃんが、最初に見るのが自分のために祈ってる仲間の顔てのが、彼らの素朴な善良を語っていて良く…それが異能を弄んだ悪夢でしかないのが最悪だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
あのエロい格好した日笠声、幻覚能力者なのが凄く良いんだよな。キャラと背景世界が、きっちり噛み合ってる造形。
国家の尖兵として、奇跡にすがる不適合者を寄せ集め、一網打尽にするサイキック・スパイ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
彼女が操る超常の嘘は、モニター越しのプロパガンダと重なり合って、物理日本の絶望、抑圧的支配を強めていく。
権力の機械となった異能。システムと同一化した個人。人間をすりつぶす、巨大な歯車。
そういうモノが噛み砕く、当たり前で切実で弱々しい願いがどういう形をしているか、フツーのオッサンとフツーの兄ちゃんのやり取りが、よく教えてくれたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
彼らはもう登場しないと思うけど、こういう人たちで溢れているのが、夢を見ることすら禁じられた世界なのだろう。
果たしてそこで、二組の兄弟はどう生きていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
霧原兄弟は龍宮城めいた時間のズレを追いつつ、国家システムに顔を見られてしまった窮地に向き合っていく感じか。
世界戦争の実情は、極限的抑圧社会がどう生まれたかに直結するので、気になる設定ではある。
今回も様式美バリバリのサイキック大暴れは健在で、乱射される銃弾をバリアで止めるシーンは『コレコレコレ～ッ！！』ってなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
サイキック見せ場への興奮の仕方が、もはや歌舞伎の見得みたいになっとるのは、俺の脳髄が老化しているか、そういうパワーがイヤボーンにはあるのか。後者と信じたい。
上田麗奈声のおねーちゃんとの再会もあるだろうし、時の迷子として絶望境に投げ出された霧原兄弟がどう生きていくか、とても楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
サイキック人情芝居が結構良い切れ味だと今回解ったので、寄り道的エピソードはどんどん見たくなるな。股旅感が欲しい。
黒田兄弟も異能覚醒を隠しつつ、このまま抑圧の歯車をやっていくのか、叛逆の牙を研ぐのか、楽しみになってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
国家が意に従わぬ”悪い”異能者の絶滅と、”良い”異能者を用いた異能者狩り、サイキック・プロパガンダを並走させてるの、全体主義国家の醜悪を寄せ集めた感じで、大変に良い。
押しつぶされるにしても飼いならされるにしても、漫画読むことすら重罪な地獄国家で個人が生きていくのは困難で、その状況に黒田兄弟は適応できるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
目覚めてしまった力は、否応なく個人であろうとする人の本能を、沈めるのか強めるのか。
ここら辺、霧原兄弟とは違うドラマで、今後が楽しみ。
弟の能力が予言的サイコメトリーって感じで、さてどう活かしてくるかもワクワクする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
ヒュプノ女の精神攻撃もそうだが、異能の描写がなかなかいい感じで、シンプルにワクワク出来るのは有り難い。古典的ケレンを、うまーく今風にヤスリがけしてる印象。
キレた直人ニーサンが堂々国家に宣戦布告しちゃったので、逃亡の旅も険しくなろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
過酷な逃亡劇に追いすがる中で、黒田兄弟も取り込まれたシステムを疑問に思ったり、膝を曲げたり色々あるでしょう。
今後の転がり方が楽しくなる、良い第二話でした。次回も楽しみ。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
にーちゃん達が”バンド”なのも、音楽と友情っていう当たり前の夢と創造を追う当たり前の営為が、この世界にも残ってる感じを強くしてて。
仲間のために、自分の夢のために手を治して弾きたい。それはさー…在り来たりだからこそ、絶対に踏んじゃいけない願いでしょ。
ミラクルミックが祭り上げられて生き神様やってたのも、ただいい暮らしが出来るからじゃないってのが、感謝された時の微笑みから透ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
でもあの世界のシステムは、それを治療し後押しするのではなく、幻を見せて操る。悪辣な愉悦すら混ぜて、人間の当たり前を踏みにじる。
偽りの希望を盾にして、狂信的献身を引き出そうとすらしてるあたり、君枝は彼女が組み込まれたシステムがどれだけ邪悪か、よく見せてくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月21日
叛逆するべき敵がどんな顔をしてるか、早い段階で鮮明にしてくれるのは、立ち向かう主役の表情も見えやすくなって有り難いよなー。
