ヴァニタスの手記を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
蒼月の眷属が救済を叫び、狂える楽団が衝動を唄う。
余興満載の緋色の仮面舞踏会に、踊る欲望と策謀。
吸い、吸われ、誘い、焦がれる。
吸血衝動は熱く丸い吐息とともに、差し出されたデコルテを飾る。
赤に彩られて、永遠なる夜は続く。
そんな感じの吸血種のバル・マスケ、ヴァニタスアニメ第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
世界設定の補強が入ったり、味方も敵もどんどん無茶苦茶やったり、相変わらず程よいテンポで物語が転がっていく。
常時お話がスウィングして、新しい要素出てくるのは面白いなーやっぱ。
冒頭回想される、サド侯爵の世界講義。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
パラケルスス大実験が暴走した結果、世界全体が霊子クラックされて書き換わった結果、吸血鬼やら蒸気文明が生まれたわけね。
面白ッ! この世界観でTRPGやろうぜ!!(TRRGモノの悪い癖)
(画像は"ヴァニタスの手記"第4話より引用) pic.twitter.com/sybMDOYFWD
史実のパラケルススは錬金術師であり哲学者であり、非常に先鋭的な科学者、救済を求める意思でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
この世界の彼も、救いを求めて世界式理論を組み立て、バベルを暴走させた。
旧い世界に認められない医療行為を、揺らぐことなく貫く資質。どこか、ヴァニタスと似ている。
青い世界の蒸気的繁栄も、赤い世界の吸血鬼たちも、バベルでしっちゃかめっちゃかにかき回され、物理の支配する旧世界から世界式≒魔術が律する新世界へと書き換わった結果である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
真命書き換えという現象が目立つから、吸血鬼だけが術式存在にも思えるが、人間含め世界全部そうなんだな。
シャルラタンが振り回す真命汚染と、それを治療するヴァニタスの行いは多分同根で、世界式に直接介入可能な力を”書”が持っているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
ある意味、霊子ハッカー同志のぶつかりあいだ。
ジャンヌの”カルペ・ディエム”に介入できたのも、そんな性質故か。蒸気と真命、世界式で動いてるのは同じだし。
バベル以降塗り替わった世界の基盤、人間は蒸気力、吸血鬼は真命…どちらにしても世界式由来だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
そこに直接介入できるヴァニタスの力は、”戦争”以降棲み分けしてある程度安定してきた(っぽい)世界を、大きく揺るがすだろう。
やろうと思えば、全部をひっくり返す最悪のテロリストにもなれるんよね。
しかし彼はテロリストでもクラッカーでもなく、”医師”であることを選び、堂々宣戦布告する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
それが吸血鬼社会から敵視されると知りつつ、青い聖痕を晒し、患者を探す。
その決断が、どういう背景から生み出されているのか。
大変気になるところだ。
人間社会では”お伽噺”となった世界式の物語を、楽しそうに語ってるサド伯爵が何を求めて、ノエに”書”の見極めを命じたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
ここにもまぁ、ロクでもないモンが埋まってそうでは在る。声も石田彰だしなッ!(オタク特有の偏見先読み)
それは先の話として、舞踏会は青く淫靡に進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
純朴な田舎者ッ面してたノエくんが、獣欲剥き出しにたった一人の喉を求め、ドミニクの肌に触れるシーンが、エロティックで大変良かった。
吸血行為に秘められた、リビドーの奔流。
(画像は"ヴァニタスの手記"第4話より引用) pic.twitter.com/QugX6X9WyN
それは『受け身である女、齧り付く男』という古臭い定形に収まらず、吸われる側が鎖をかけて誘い、吸う側が欲望を誘導されていく闊達さで踊る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
ドミ(その愛称は、支配を意味する”Domination”と重なる)が青い光の中鎖を引き、喉元を開け、ノエを誘惑/開放する仕草。
後にヴァニタスが煽るように、都合のいい女として便利に使われているようでいて、自分だけがアルキヴィスタに飲まれる特権を行使する…ノエのドミであると再確認する、甘やかな褥。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
確実に、ただの欲望発散、栄養補給では終わらない湿った欲望と透明な愛情が、ここに宿っている。
後に惨劇の舞台となる舞踏会場とは違う、涼やかな青の中でこのエロティックなシーンが運営されているのも、大変に良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
彼らは吸血鬼のスタンダードとは違う、ともすれば宿敵と位置づけられるだろう生き方を、照射され運命づけられている…つう視差と読むのは、ちと前掛かりが過ぎるか。
しかしノエはドミの前だけで、”男”であり吸血鬼である自分を晒し、啜り、誘惑を受け入れて共有する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
それを恋と認めないのは、生粋の純朴故か、別の理由があるのか。
幾度もカット・インする過去を思うと、褐色の天使にもなかなか、重い過去がありそうだ。
古馴染みとして思いを寄せるものとして、そんな重さを掻き抱いて受け入れている、ドミの清廉なる淫蕩もまた、印象的なシーンだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
そこは二人だけの花園であり、ノエは吸うほどに過去を思い出し、また忘れていくだろう。欲望に身を任せている間は、訳知り顔をしないですむ。
そうして飲み込んで/吐き出して想い人が”楽”になるように、ドミは鎖を握る側、血を差し出し誘惑する側を演じ、男を抱きしめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
情欲と思い出が幾重にも折り重なった、二人だけの秘め事。それをヴァニタスが窃視していることも含め、大変に良いエロティシズムであった。
エロイの大事よホント。
『吸血行為は実質セックス!』とはしゃいで終わるのではなく、『セックスだとして、そこに何がこもるんだよッ!』という問いかけを、凄く深く掘り下げて良く表現しているのが、とてもいいと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
そこにはそれぞれの人生が滲み、重なる肌は全てを伝えない。分断されるからこそ、抱き合うのだ。
仮面舞踏会を舞台に運命は交錯し、ノエは道に迷ってルカと出会い、ヴァニタスは己の存在を吸血鬼社会に布告する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
ジャンヌとの”恋”といい、あらゆる行動が突飛でハチャメチャ、とにかくエキセントリックな男だな…。
(画像は"ヴァニタスの手記"第4話より引用) pic.twitter.com/GLGJbWleKz
古臭いドレスと仮面に彩られて、金色髑髏が見守る赤い社交界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
ヴァンパイアのスタンダードに、ひっそり変装して寄り添う…なんていう当たり前を、ヴァニタスは蹴り飛ばす。
己が蒼の眷属であり、呪われた存在である証を晒し、横暴な救済を高い場所から宣言する。まるで怪盗である。
患者や社会の同意を一切顧みない、暴走する救済願望。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
これが吸血鬼社会にどういう動揺をもたらすかは、もうちっと先を見ないと判らない。
ドミは社会全体というより、愛するノエがろくでもねー道にハマらないよう、疑い警戒してる感じだなー…嗜虐を装う純愛、大変に宜しい。
ヴァニタスが降り立ったシャンデリアが、彼を吊るす絞首具にも見え、髑髏と脊椎に飾られてるのが良いなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
赤い吸血社会は退廃と死を、その華やかさの奥に匂わせている。
そのハラワタがどんな塩梅か、早く知りたくなる。現状結構いい人ばっかだからな、吸血鬼諸君。
九尾の狐を模したあからさまにヤベー女とか、狂殺楽団シャルラタンとか、色んなのが乱入しつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
護衛が秒殺された凶手二人を相手取って、ルカを庇ってしっかり闘う当たり、やっぱノエは吸血鬼の規格外なんだな…。
(画像は"ヴァニタスの手記"第4話より引用) pic.twitter.com/25mOgr66Ol
シャルラタンが何を狙って、真命を汚しテロルを行うのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
ここも伏せ札で、なかなかに読み切れない。
真祖ヴァニタスがなぜ吸血鬼社会にとって忌むべき存在となり、只人ヴァニタスに刻印を刻んだかが、シャルラタンの凶行と繋がってそうな感じもする。
でもヴァニタスの象徴色が蒼なのに対し、シャルラタンは吸血鬼のスタンダードたる赤なんだよな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
時代錯誤なロココ調を維持する、旧き種族達の何がシャルラタンを生み出しているのか。
溢れる狂気の奥におそらく、なんらかの繋がりがあるとは思うが、探るには材料が足らねーな現状。
ヴァニタス曰く『お前らは滅ぶ種族』らしいんだが、ゴージャスな舞踏会を見てる限り、吸血鬼社会は順調に、安寧し繁栄し堕落している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
秘された陰りがシャルラタンとして凝ったんかなー…みたいには考えれるけど、やっぱ素材不足だ。話が転がるのを、楽しみに待とう。
それはさておき、ジャンヌとヴァニタスのイチャイチャだよッ! ドレスに包まれたジャン尻が丸いッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
衝動と誘惑に屈し、獣の如く貪る時に、自分に綺麗な花冠をくれたルカ様思い出すの、あまりに見事な”美徳のよろめき”でビビっちゃうな…。
(画像は"ヴァニタスの手記"第4話より引用) pic.twitter.com/6UrISuisR8
一話に二回も吸血エロティシズムが見れて大変嬉しいけども、ドミがノエに喉を差し出した時宿っていた純情が果たして、ヴァニタスの悦楽には在るのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
彼がジャンヌに向ける感情は、(ドミとノエがそうであるように)在り来たりな型には収まりきらない。
誘う側、吸われる側の受動態の快楽が、けして女の特権ではないことをヴァニタスの表情、漏れる嬌声を抑え込む手付きに、よく滲んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
吸う側としてリビドーを開放している側が、その実手玉に取られて誘導されている状況を、二度の吸血はよく照らす。
男女の役割を入れ替えつつ、刹那的な欲望の発露に相応しいギラつきと、それでは収まらない不思議な情感が、紫の月光に照らされている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
赤く漕がれて、何処か冷えている。律動をコントロールする側も、こみ上げる悦楽に背骨を震わせる。
それは赤と青の入り混じった色合い、吸血鬼と人間の恋の色だ。
吸う/吸われる存在を定義する規範として、男女…或いは種族の別を取っ払った自由さが、二度描かれる吸血シーンにはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
そそり立つ牙はノエ(男)にもジャンヌ(女)にもあり、吸われる/吸わせる決意はドミ(吸血鬼)にもヴァニタス(人間)にも宿る。
その垣根が、褥の中の役割を定義はしないのだ。
誘い、欲望をドライブさせ、差し出すことで支配する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
愛と性の複雑な遊戯性、押し止められないリビドーの熱が、よく宿った飲血であると思う。
特別な誰かだから、吸い吸われたいのか。
それとも、ただの欲望のはけ口か。
読みきれないのも、切なくて良い。
ヴァニタスが伏せてる札の多さ、それを読み取れるアルキヴィスタの特性を考えると、ノエ→ヴァニタスの吸血もそのうちあんだろうなー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
性愛の発露を備え付けの性器に限定されない闊達さが、吸血鬼の良さであろうから、男男吸血、女女吸血も今後、バキバキやっていって欲しい。
さて惨劇が広がる中で、重なる柔肌紡ぐ悦楽。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
ノエとルカくんがビシバシハードバトルしとるわけだが、それぞれの相棒は吸血ファックを切り上げて、戦場に向かうことが出来るのか。
欲望に身を任せた後のジャンヌ、一切顔見せずにヴァニタス蕩尽し続けてるの、浅ましくて最高に。雌犬に水ぶっかけろ!
シャルラタン乱入で有耶無耶になってんけども、人狩りの対象だしなーヴァニタス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月24日
山のように積み重なった厄介事と業の先に、どんな真実と物語が待つか。
お話は加速しつつ、次回へ続く。大変楽しみですね。
…ジャンヌが呪い持ちだと、ヴァニタスは彼女の真の名を探らなきゃいけんのか。ロマンスだね