白い砂のアクアトープを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
お産騒動を乗り越え、風花との絆を深めたくくる。
水族館の仕事に勤しむ彼女達が、夏休みの目玉として打ち出したのはタッチプール。
忙しく働きながらも知識を深め、案内係を任された風化の前に、過去の幻影が迫る。
苦労を越えて水の中に見えてくる、私達の輪郭。
そんな感じのがまがま水族館勝負の大イベント、トラウマ少女奮闘の砂アク第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
作品の雰囲気、仕事の内実、主役の顔立ちをかなりどっしり見せ、土台を作った後のこの話数。
ガッツリと女と女の目線が交錯し、指が絡んで心が触れ合うエピソードとなった。キタわね…。
お話としては↑が↓になるエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
物語の開始時はよそよそしく離れていた寝床がみっしり噛み合い、苦しいときでも頑張れる理由として、風花と風花がお互いを認識する。
早起きしていた他人の家は、寝坊できる自分のお家に変わっていく。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第4話より引用) pic.twitter.com/ChK1HzWIFT
第1話で示された風花のフワフワっぷりが気になってた視聴者としては、タッチプール成功のために仕事を頑張り、イヤだなと思った案内役もくくるとためと立ち向かう姿が、作品と主役に一本芯を入れた感じもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
フワフワしたところから始まったなら、一歩ずつ地に足をつけていけばいい。
女二人の人間関係にしても、”仕事”の仕方にしても、自分という存在の見つけ方にしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
2クールという時間を活かして、どっしり丁寧にやっていく気概というものが静かにエピソードを満たし、大変良かったと思う。
ここで母との対峙に繋ぐのも、欲しい所きっちり踏んでくれてる塩梅でグッドよ。
相変わらず美術は最高にバキバキで、人生変化っちまう特別さが光と空気に満ちて、大変良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
この世のものとは思えない世界の美しさで、トラウマ少女が前に進んでいくファンタジー、潰れかけの水族館が立ち直る夢物語が支えられている。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第4話より引用) pic.twitter.com/qMirwlSbln
この不思議な島なら、小さな奇跡が生まれてもいいし、イリュージョンが顔を出しても問題ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
そういう雰囲気を、美麗な作画でしっかり作ってるのはとてもいいと思う。
…いやまぁ、ファンタジー成分の受け止め方は、正直まだ”身体”作ってる最中ではあるけど。キライじゃないっつうか好きなんだがね。
ファーストペンギンの心意気を背負って、風花はがまがまの仕事に前のめり、一生懸命働く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
風花が迷い込んだからこそ出来るタッチプールに、くくる館長も気合十分、職員総出で一大イベントだ!
(画像は"白い砂のアクアトープ"第4話より引用) pic.twitter.com/mr5O9FG6fV
沢山メモを取って、過去を刺激されつつも自分なり、案内役を果たそうとする風花も。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
”経費節約!!”と墨書されてんのに、『お金のことはちゃんとしないと!』と、風花が選んだ赤いガラスの靴に報いようとする館長も。
溌剌と爽やかに”仕事”してて、大変心地よい。
ここまでの物語で、彼女たちの弱さや震えがちゃんと描かれたからこそ、それを越えようとする努力を応援したくもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
アイドルという前職が、捨ててきた過去を思い出させるただの傷なのか。乗り越えるべき失敗でしかないのか。
人前に立つ”案内係”は、それも問う。
魚臭い繋ぎを着込み、化粧を剥がして汗水たらす今の風花は、アイドルであった風花と切り離せない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
上手く過去と和解し、それを生かして前に進むのがよりポジティブな道なのだろうが、そのためにはしっかり傷を背負った自分、それを取り巻く人々を見据えなければいけない。
何が出来て、何をやりたくないのか。イヤなことなのに頑張れる理由はなにか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
風花は分からないまま、メモを取り走り回る。自分なり考えて、赤い靴をはいて折り紙を折る。
そんな自分が、子供に風船を手渡していたかつての自分と繋がっているのか、壊れているのか。
お話は、それを追っていく。
地道な準備を溌溂と描くモンタージュに反して、風花を切り取るカメラは結構暗い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
ナイーブな過去に直接触れないように、店の外に出るガールズと、TVに写っちゃった”アイドル”を不器用にズラす櫂くんが、可愛くていい。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第4話より引用) pic.twitter.com/hpagd4ryNi
自分が譲り、追い出された場所。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
追いついてきて、顔を覗き込んでくる人。
それと向き合う時、新しい”仕事”を見つけたはずの風花は影に飲まれる。
好きじゃないのに、なんで頑張れるのか。
ダウナーな空也さんの問いかけは、エピソード全体を貫く柱だ。
風花は水族館の仕事、海の生き物を好きになれるように自発的に努力していて、今回はそれが沢山切り取られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
自分で買った赤い靴、沢山の動物メモ。もう、ツナギに染み込んだ魚の匂いは気にならない。
そんな歩み寄りは、すぐさま万全な未来を連れては来ない。
ヒビの入った過去と自分を、どうにか繕って歩き直さないと、水族館の宮沢風花≒アイドルじゃない宮沢風花は壊れたままだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
明るいお仕事奮戦記に伸びる、過去と連動した強い影は、そんな現状をよく照らす。
ぶっ壊れ人間生き直しストーリーでもあるんだな、このアニメ…俺の好みのタイプじゃん。
櫂くんとくくるのお仕事風景も沢山切り取られ、二人が沢山の思い出を共有する幼馴染であり、間に甘酸っぱい空気がたっぷり漂っていることが、よーく解った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
麦わら帽子のくくるが大変可愛くて、『そらー好きになっちまうよ…』って感じ。カニも可愛い
(画像は"白い砂のアクアトープ"第4話より引用) pic.twitter.com/xZz88NQxgC
くくるは館長代理として気張ってる時の顔と、心が緩んで元気少女してる時の顔が全然違くて、でも両方”海咲野くくる”なのだと納得できる書き方でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
動物に触れ合い、一生懸命体を動かしている時の、頑是ない可愛らしさは、思わず応援したくなる無邪気に満ちている。素晴らしい…。
そんなくくるに思いを寄せる櫂くんが、お仕事頑張りまくりのナイスボーイで、異邦人である風花にも気さくに接してくれるのが、また良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
風花という触媒が外部から入ったことで、なんでも相談し合える幼馴染の距離感も、だんだん変化していく…のか?
今後の進展が楽しみである。
みんなで頑張り作り上げたタッチプールであるが、風花の過去はそこに顔を出し、悪意なく踏み込まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
彼女が”宮沢風花”である以上逃げられないものは、当たり前に写真に取られ、当たり前に世界を歪めていく。逃げることは出来ない。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第4話より引用) pic.twitter.com/3EoeZRSvXK
だが対応可能になるまで守られることは出来て、途中参加となったうみやんさんのナイスカバーで、女と女の魂一本勝負バックヤード場所、開幕である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
うみやんさん、若年組とはまた違う良いキャラ付けでなかなか美味しい。
腰に気をつけつつ、子供らを助け導いてあげて欲しいね。
お産騒動から学んで、一人で何でも背負い込む気質を改め、一眼となってタッチプールを作り上げたくくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
彼女だって完璧ではなく、風花に任せた仕事が過去をほじくり返し、心を傷つけると想像できていなかった。
仕事を預ける信頼と、裏腹の責任。それを上手く果たせなかった重さに、背筋が曲がる。
そこに手を伸ばす風花の姿が、ちょっとアイドルっぽいのが面白い。初めてのペンギンショーでは大失敗した、かつての自分を活かす試み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
手を取って、握りしめて、瞳を真っ直ぐ見る。完全に”接触”慣れてるんだよなぁ…。
宮沢風花、無自覚釣り師かぁ!?
(画像は"白い砂のアクアトープ"第4話より引用) pic.twitter.com/JIC1LdUhsF
仕事に突っ走ってる時には気付けず、過去の影が伸びてきたときには見えない、頑張れる理由。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
仲間が壁となり、足を止めて身近に触れ合う中でようやく解ってくるのは、”あなた”の存在だ。
自分一人なら耐えられないことも、誰かを思えば頑張れる。それは、今目の前にいて、手を伸ばし触れ合える”あなた”
その存在感はお互い様で、くくるもまた、風花に励まされ、一緒に”仕事”をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
繊細に描かれた指先が、お互いの体温を確かめるように膚に踊って、鏡合わせのあなたとわたしをなぞっていく。
お互いの魂をスケッチするようなコンタクトシーンに、しっかり作画力をねじ込んだのは大正解だ。
くくると風花が相手を鏡に自分を見つけ、居場所を探っていく歩みは観念であり精神であると同時に、非常に身体的なものでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
沖縄の強い日差し、薫る海風に美しく包まれながら、今ここにいる自分と、隣り合う誰かを知る歩みには、凄く物理的な実感が伴う。
だからこそ、人も運命も変わる。
そういう手触りが、お互いの震えに手を伸ばし合うシーケンスを丁寧に描く筆先に、しっかりと宿っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
フィジカルな薫りがある触れ合いは、そこでやり取りされる魂の血潮がどんだけ熱いか教えてくれるので、この”濃度”は凄く良いと思う。クローズアップで青春を斬れッ!
くくるが触れる指先、くくるに触れる実感に支えられて、風花は己を脅かすものに堂々向き合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
失敗したアイドルではなく、一人の案内係。
それが今の自分なのだと、そこから始めるのだと心を固めたからこその、笑顔と強い表情。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第4話より引用) pic.twitter.com/bnHJfGZv4K
まだ堂々と、過去の自分…敗北の痛みを引き受け向き合うには足らないけども、伸びてくる影に逃げ出すことはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
ここが、今の風花がたどり着いている場所である。
立っていられるのは、仲間が支え、”仕事”が誇りと楽しさを教えてくれるからだ。
色んな経験を積む中で、風花はもっと強くなり、また別の角度から過去と向き合い、現在に踏ん張り、未来に進んでいけるようになるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
その一歩一歩を、段階ごとの輝きを捕えながら追っていく姿勢が今回よく見えて、大変良かった。
この間合い、この呼吸で進んでいく感じかなー…グッドじゃん!
過去に触れられる震え、それに気付けなかった痛み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
少女たちがお互いを見つめる視線を丁寧に追ったことで、順風だけでなく不都合な嵐の中でも、肩を組んで”仕事”をやっていくスタンスも見えた。
苦しいときこそ支え合い、だからこそお互いが…そこに反射する自分が見えてくる。
高校生の青春物語でもあるこのアニメが、どういう印画紙にジュブナイルを焼いていくかも、頑張れる理由を見つける中で鮮明になったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
思慕(おも)って理解(わか)って接触(ふれあ)っちまったからな…こっからこの二人、間違いなく”強い”よ。
がんばれ、櫂くん…。
しかし新たな波が、南国に押し寄せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
褥を同じくする中で、思い返すのは名前のない母子手帳。
生まれ得なかった命の影を、くくるは風花に重ねているのか。
当然乗り込んできた宮沢母に、フワフワ家出娘はどう向き合うのか。
(画像は"白い砂のアクアトープ"第4話より引用) pic.twitter.com/xOLYJhXKBk
一難去ってまた一難、人生という問題集はまだまだ続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
イヤで難しいことに頑張れる理由を今回探したことで、困難を超えた先にあるものが明瞭になってるのが、話運びを飲み込む良い触媒になっとるね。
彼女たちは震えつつ頑張れるし、その先には良いものが待っている。
女と女の真剣ゼロ距離戦闘とかなッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
震える心に誰がどう踏み込み、手を伸ばすのか繊細に切り取られて、滅茶苦茶雄弁な回でありました。
風花がくくるに守られるだけでなく、むしろフィジカルを活用して思いを伝える技量は、アイドル活動で鍛え上げてる描写とか、凄くキャラが見えた。グッドよ。
第4話にして女と女の運命が小指を重ねちまった感じモリモリですが、さてはて少女同盟は”親”にどう向き合うのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年7月30日
くくる周辺の欠落を見せておくことで、母襲来が風花一人の話に終わらないとこの段階で判るの、良い運びよね。そこも、二人の大事な接点なワケ。
青春の灼熱が燃える沖縄、次回も楽しみ!