イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 21/08/12 スチームパンカーズ『皇都怪人奇譚』

昨日はシェンツ先生のGMで、久々にスチームパンカーズを遊びました。蒸気東京1933!

紅河さん:”皇都蒸気製セ試作型”杉山雪華:16才女性:ガーディアン=オートマータ 蒸気大戦時に製造されたオートマータであり、蒸気犯罪に苦しむ人の盾となるべく、心を宿して再起動した鋼鉄人。混沌と理想の新時代を前に、無垢なる可能性を秘めて帝都を走る蒸気捜査官。
コバヤシ:”隻眼の魔王(グリームニル)”北一輝:50才男性:ノーブル=スチームウェア 蒸気革命による社会改革を訴える怪人。大陸革命闘争当時、試作蒸気義眼”悟空”の適合者となり、自身のあり得たかも知れない未来を幻視した。以来、運命に反抗する道を突き進むスチームパンカー。

こんな感じの連中が、スチーム立ち込める元化東京をひた走りました。
早すぎるテレビジョン放送開始、そびえ立つ蒸気東京タワー、投げかけられた怪人二十面相の予告状……大正ロマンデカダンスの気配を色濃く残し、現実とは違う道を歩んでいる1933の息吹がよく感じられる、とても良いシナリオでした。
やっぱスチームパンカーズは軽量・鋭敏・的確な良いシステムで、たっぷりとキャラと世界観を味わいつつストレスの少ないゲーム体験を堪能できました。
情報項目とエネミーを一括した処理で扱い、困難の突破方法も様々にあって、リソースの使い出がある。システムの数理系が見通しよく設計されていて、そのデザインどおりに実プレイが回っていくので、遊んでいてとにかく気持ちがいいですね。スコスコ、狙った所にルールが入ってる。

そんなシステムに助けられて、たっぷりと泳いだ蒸気皇都は、大変良いワールドでした。『お前らが食いたいトンチキ東京1933はコレだっ!』とばかり、シナリオ中に溢れかえる寝言、お約束とケレン、そこを上手く外していく独自の展開。
オイシいネタが惜しげもなく投入され、参加者の伝奇脳はフル回転、史実と妄言の入り交じる大変楽しい時間が、ビュンビュン高速で展開してマジ面白かったです。
史実に存在するはずのない鋼鉄の正義が、自分なりの闘争を手びねりで探していく物語は隣で見ていて……そしてそこに少し手を伸ばせて、大変楽しかったです。機械の持つイノセントな真っ直ぐさが、蒸気に霞んで見えない正義を追う捜査官の立場と良いハーモニーを生み出して、雪華はとても良いキャラだと思いました。
自分は伝奇システムの醍醐味、著名人本人ご登場でお行儀悪く大暴れ。時代に及ぼした影響、それで歪んだ道を思うとまぁまぁ危ないネタなんですが、コンセンサスが取れる身内がいて良かった……。
蒸気力という大きな嘘があるので、TRPGという物語のフレーム、共有される倫理観とイメージに合わせて”北一輝”を改変していく言い訳は結構立てやすく、異世界転生文法で昭和維新をやり直す北一輝を、なかなかいい感じにやれたかな、と自分では思いました。面白かった。

というわけで、大変面白いセッションでした。付属シナリオに元化維新ネタがモロ乗りしているらしいので、是非このキャラで参加したいと思います。スチパンもなー、GMとかしてぇんだが…面白いシステム出すぎなんだよなー!(嬉しい悲鳴と勝手な文句)

大変良いセッションになりました。同卓していただいた方、ありがとうございました。