プロセカイベスト”マーメイドにあこがれて”を読む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
えむの大事なフェニランを無事復活させ、アンバサダーに任命されたワンダーランドショータイム。
園外初仕事として選ばれたのは、海辺のリゾート。
寧々は舞台に憧れた思い出を胸に、ハチャメチャ人魚姫を演じることになるが…!? というお話。
他ユニットが未だ青春の第一段階で迷う中、ひと足お先に一課題クリアしたワンダショ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
ステージに立つこと、舞台を作ることそれ自体ではなく、もう少し広く高い視野から自分と世界を見据える物語が、新たに展開していく。
その一発目として選ばれたのは、引っ込み思案…たぁもう言えない、我らが歌姫。
今回は寧々ちゃんの原点と未来が、夕夏さんというキャラクターを通じて同時に語られていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
幼い寧々ちゃん(かわいい)の心を踊らせ、舞台に導いたあこがれの人は、トラウマを乗り越え仲間と舞台に立つ現在の先…巣立った後のロールモデルでもある。
世界中を旅しながら、色んな人と色んなお芝居に挑戦する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
物語開始時の寧々ちゃんなら、それに心躍りはしなかっただろう。
しかし仲間と一緒に挑んだ挑戦、確かに成し遂げた実感が、彼女をタフで欲深に変えた。
自分は色んな事が出来るし、色んなことがしたい。
失敗の記憶を成功の喜びで塗り替えた寧々ちゃんは、今回も思わぬトラブルをタフに乗り越え、歌という強みを活かして舞台を成立させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
それは観客席で瞳を輝かせるしかなかった子供から、夕夏さんと同等の演劇人として…彼女から受け取った武器を活かして闘い切る、対等な存在への成長だ。
今回演目作りにも舞台運営にもそこまで問題はなく、重要なのは”かつて”と”いつか”だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
自分が何を求めて今ここに立っていて、何を求めてここから巣立っていくのか。
寧々ちゃん(達)はそういう事を考えられるくらい、人格が成熟し余裕が出てきた。
フェニランでの実績を経て、”大人”になってきた。
ソシャゲという終わらない物語媒体で、明瞭に『ワンダショの終わり』を視野に入れてきたのは、『物語は終わるからこそ意味を持つ』と考える自分にとっては、結構グッと来る展開であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
それがいつになるかは分からない。続く限り、来ないのかも知れない。
しかし、確かに終わりはある。
そして終わるからこそ、豊かに始めることも出来よう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
寧々ちゃんは未だ見えない巣立ちの輪郭に震えつつ、そういう可能性をしっかり見据えている。
だからこそ、『今を精一杯走り切る』という結論に自分を投げ込むことも出来る。
それは一時しのぎの嘘ではないのだ。
そんな風に羽毛が生え揃って立派になってきた寧々を、見守る類くんの視線も、今回は色濃く描かれてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
寧々ちゃんがアクシデントを度胸と芸で乗り越え、舞台を壊さず走り切る頼もしさを手に入れられた背景には、類くんの分厚いケアが当然ある。
愛する彼女の夢のために舞台に挑み、整え、自分自身の夢を寄り添わせていく献身は、『寧々を守るもの』としてのエゴを類くんに与えても居る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
寧々ちゃんが巣立つことは、そんなアイデンティティを揺るがすことにも繋がるだろう。
そして賢い彼は、多分そんな痛みと穢れに気づいている。
ワンダショ二章は色んな場所をめぐり、舞台の形を整えるので手一杯だったフェニラン時代とはまた違う問題と成長を、子供たちに与えていくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
その中で、類くんも変化していく自分たちに向き合わざるを得ない。自分の手の届かない所で、頼もしく強くなっていく幼馴染にも。
類くんの助けをほぼ借りず、過去と未来への憧れを体現する夕夏さんと向き合って、自分なりに答えを探った寧々ちゃんの成長は、”見守るもの”として安定していた類くんの在り方を揺るがしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
この危うくも愛おしいバランスが、二人の魅力でもあろう。開始(はじま)るぞ地獄(せいしゅん)が…。
規模の大きい外仕事をしっかりこなし、ビジネス面での成功をしっかり達成するワンダショの進み方は、他のユニットに比して早めに描かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
あるものはプロへの道自体に悩み、あるものは外側だけで解決しない問題に足を取られる。
では、早いやつだけに価値があるのか。
そうではないと規定してプロセカの物語は進むからこそ、各ユニットが足並み揃えて一章を終えなかったのだと、僕は思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
成熟も、成功も、それぞれの形があっていい。
誰かが一つの終わりと規定するものを、必ずしも他に当てはめなくても、”達成”というものは輝きうる。
そういうColorfulな青春のパレットとして、作者はこの物語を、ソーシャルゲームという媒介を睨んでいる感じを、僕は勝手に受け取っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
やっぱ『人生、かかるべし』というかなり大きな道徳的ヴィジョンを、ポップな物語に焼き付けながら展開する倫理的野心のデカさ、好きなんよね。教導的だ。
そして今回大きな仕事を成し遂げ、自分の原点を足場に大きく飛躍した寧々ちゃんは、成熟への旅路の最先端にいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
そこから見える景色には別れの寂しさと、自分だけの輝きがある。
見知らぬものに震えつつ、仲間がいるからこそ巣立てる場所を、元・引っ込み思案の姫君はもう見ている。
それはとても立派なことで、ここまでの物語、それを共有する友達がいなければ出来なかったことだなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
アドリブで、ヘンテコでケンカばかりの人魚兄妹を、、それでも色んなモノをくれたかけがえない存在と歌い上げる勇姿に、寧々ちゃんの思いが滲んでいて良かった。
客から見ればそれは台本通りのお芝居なんだけども、舞台裏を知れば予期せぬアクシデントを乗り切るために、寧々ちゃんが自分の経験、心の奥底から絞り出した真実だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
そういう虚実が錯綜する現場だからこそ、舞台は魔法をかける。本気で嘘をつかなければ、人は夢を見ないのだ。
夕夏さんも初主演の舞台に震えながら、そんな心持ちで人魚姫を演じきった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
その懸命が一人の少女に憧れを与えて、でこぼこ道を走らせ、立派な俳優を生み出した。
そんな想いの連鎖を感じることの出来るイベストでもあった。
やっぱワンダショは、嘘を演じることの意義を真摯に彫り込んでくれる。
寧々ちゃんが今回見せた成長を触媒に、他のメンバーもまた別の境地に導かれていくのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月24日
結構な重責が伴うアンバサダー仕事を、プロとしてこなす経験が子供たちをどう鍛えていくか。
二章独自の味わいに期待も持てる、いいスタートとなりました。次回も楽しみ。
追記 『おとぎ話の再話、再構築』は、おそらくワンダ所全体、個別のキャラクターにおいてかなり大事なモチーフなんだと思う。
プロセカ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
今回の演目は人魚姫をメタ視点からオマージュしたワンダショ版だが、人魚たちが陸に上がるのは王子様が理由ではない。
未踏の地には知らない楽しいことが沢山あるかも知れなくて、それを自分の目で確かめるためである。
これが未体験の”仕事”に自分たちの力、周囲の人々との縁で挑んで、実際宝物を沢山手に入れたワンダショメンバーの現実と、強く呼応するのは言うまでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
これは過去への照応であるが、王子様の不在は類と寧々の距離感がどうなっていくか、未来に伸びている感じもある。
僕は神代類という人物を、物語中最も成熟した人格を持ち、最も特定個人に執着した存在として見ているのだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
草薙寧々にあまりに傾注したその生き様は、高潔な狂気とも言うべき熱量をどこかに宿して、大変僕好みである。
行動原理の根っこに、『寧々のため』があんのよね…。
歌姫を目指した寧々の心が折れたステージに類は立ち会えなかったわけだが、ワンダショ加入からの立ち回りにはどこか、夢を守りきれなかった自分と世界への復讐戦のような、暗い迫力を時折感じる。そこがいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
守れなかったからこそ、今度は守る。助ける。
その意識が寧々ちゃんを実際守り、助け、今回の頼もしい自立へと繋がったわけだが、お城の中のお姫様的ポジションから自分の足で進みだした(だから今回王子様抜きの”人魚姫”を演るわけだが)彼女に、もう類は必要ないのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
んなこたぁないと、外野から見てれば即分かる。
しかし当人は、未来を語る寧々に少し寂しそうに微笑みつつ、いつか終わる今を共に進む道を差し出している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
寧々の魔法使いであり王子様でもある自己像を、類くんは結構大事に抱えて生きてると思う。
それはとても立派で、価値のあるセルフ・イメージだ。それあればこそ、彼の世界はより良くなる。
しかし時は流れ、人は変わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
哀しい失敗も起きるけど、それを越えて少女は立ち上がり、自分の未来へ進んでいく。
そのうねりの中で、王子様ではない自分を類くんは見つけて、お姫様ではなくなった寧々ちゃんとの関係を作り直す必要がある。
それはとても不安で、難しい…だから大事な道だ。
王子様不在の人魚姫が、不測のアクシデント含めてハッピーエンドに繋がるよう、見ていて笑って楽しい気持ちになれるものとして描かれていたことは、舞台の外側に展開されるだろう少年と少女の物語が、どういうトーンで展開していくかを予期しているようでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
何しろふたりとも、優しく賢く強い子供であるので、迷いつつもしっかり正しく幸福な道を、お互いを見つめながら歩いていけると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
時に足元がよろめくとしても、それはより確かな人道を進んでいくための必要な一歩であり、あるいは関係を壊して作り直すための大事な過程であろう。
砕かれ終わったように見えても、より善きものが再生しうる可能性を大事にしているから、ワンダショのホームは”フェニックス”ワンダーランドである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
司が忘れかけていたスターへの原点は、仲間とぶつかる中で再獲得された。
えむの願いは、幼さを捨て企業人に徹しようとした家族の思いと絆を再生した。
何かが壊れ終わりかけても、人の可塑性と可能性はしぶとく活き直す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
このスタンスは類くんと寧々ちゃんが籍を置くワンダショにおいて、特に大事だと思う。
(友情壊れたところから始まるレオニにしても、アイドル止めて始まるモモジャンにしても、他ユニでも大事なんだが)
そして変わってしまった世界で思い出が…かつてあった幸福の形が変化の邪魔をするのならば、それは適切に刈り込んで、形を改めなければいけないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
そのために必要な勇気と智慧を、類くんは誰かから引き取り、あるいは自分の内から引っ張り出せるか。
寧々ちゃんは今回、夕夏さんというゲストキャラクターに向き合うことで、そんな再生を果たした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
それは原点に戻り、未来に進んでいく歩みだ。
類くんも寧々ちゃんと出会った自分、彼女を大事に思う自分を見つめ直して、王子様でない己を再生させる時が来るのだろう。
二章類エピが大変楽しみである。