Sonny Boy 第5話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
長良の世界巡りは、トライ&エラーを繰り返しながら続く。
あきが告げる出口なしの絶望に、差し出される導きに揺らいでいく衆愚は、身勝手な希望と絶望に他人を巻き込む存在と、長良を避難する。
無理解と孤独に涙を流す少年を、追う仲間立ち。
その裏で、嵐は近づいていた。
そんな感じ…なのか否か、ヌルリと確信が手のひらから逃げて、気付けば感想が滞ってしまったSonny Boy第5話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
大変、申し訳ない。
長良くんイビリがかなり強い物語展開にウッとなってしまったのと、行きつ戻りつの青春質感で何を描きたいのか、迷いの穴にハマったというか…。
とまれ、謎が謎を呼び特に分かりやすい解説はない作風が更に強く吹く、いわゆるタメ回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
ぶっちぎりに思春期してる長良くんの足踏みが、向かうべき出口はどこなのか。
どす黒い感情を投げつけるスケープゴートを探し、目ン玉開きっぱなしのヤバ教師に導かれ、ウロウロうごめくモブではなかろう。
んじゃあ迷っても自分を探してくれる仲間に”だけ”あるのかと問われると、それはどうもスケールが小さく感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
希が見据えてる星、彼女の揺るがない姿勢は一つの導きなんだろうけども…おそらく意図して、非人間的で体重を預けきれないんだよな。
そして、主役は優しさと惨めさに揺らいで芯がない。
作品を一つの船として、最終到達点に連れて行くメインマストがどこにあるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
正直、ちょっと見失ってしまってる感じもある。
肌感覚としては滅茶苦茶迷って悩んで答えを出す、オールドスクール青春物語のど真ん中だとは思うんだが…尖ったアヴァンギャルドに、ちと酔ってる感じもあるか。
さておき、最初に長良たちが挑むゲームの世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
朝風の力押しではなく、ルールに則り攻略しなければ意味がないとされ、黄金だけが価値の状況から改変されていく場所。
非常に意味深だけども、ここでやり取りされてる言葉が物語のテーマと、どう絡んでいるのか。
(画像は"Sonny Boy"第5話より引用) pic.twitter.com/uP2LrB2BSz
ここらへんを手びねりで掴み直して、自分なりに答え合わせをして納得していく作業を視聴者に望むあたり、やっぱり難しいアニメだな、と思う。そこが好きなんだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
赤いネズミを不用意に触り、システムに殺されかける希を危機一髪、長良は助ける。それは第1話、”コンパス”を追って闇に落ちた時と同じだ
唯一真実を真っ直ぐ見ればこそ、現実に適応しきれず道を踏み外す危険性というのは、希の属性としてずっと描かれている気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
同時に希こそが長良くんの、無茶苦茶ありふれてて息苦しい思春期に答えをくれる、正しい光だということも。
やってみなけりゃ解らない、諦めたらそこで終わり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
希が告げるポジティブでクリーンな前傾姿勢は、そりゃ正しい。しかし皆が、そう生きられるわけではない。
誰かが悪いと自分を棚上げする傲岸無知で、顔面を分厚く覆えないなら、何も出来ないと絶望して立ち止まるしかないだろ?
あき先生という漂流物/大人/異物は教室の空気を変え、疑心と絶望を深くしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
お前らは、どこにもいけない。
子供たちがうすうす勘付きながら、必死に否定して漂流生活を維持してきた想念を、ガンギマリ人間は毒のように流し込む。
(画像は"Sonny Boy"第5話より引用) pic.twitter.com/qhmtyMYNyx
誰かが悪いってことにして、不安から逃げてるだけ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
長良に絶望のレッテルを貼り、他人を巻き込む希望を押し付ける衆愚たちを前に、希はやっぱり正しいことをいう。
はっきり言ってシェルターに籠もった影絵の住人たちは最悪中の最悪で、だからこそ人間臭い。
常にあるべき人間の姿を声高に吠える希、けして影に入らない眩しさとは正反対の、顔のない指弾と決めつけ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
あんまりにも長良くんの人格を、当人ならざる他人が決めつけすぎてて、マジでこの場面は気分が悪かった。
誰かに希望があるとかないとか、帰りたいって気持ちの有無とか、外野が決めんな…。
朝風はそんな集団には交わらないが、世界の主人公たる長良の煮えきらなさ、寄る辺ない報われなさには苛立ってて、そこにあき先生がスルリと滑り込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
世界を守る尊い行動と、少年の孤独はを抱きしめる女は何を狙い、何を癒そうとしてるのか。
朝風の真意と合わせて、ここら辺は読めない。
ともあれ、不安と焦燥に押し潰されそうな群衆にはもう、明星の取ってつけた言動も刺さらないし、長良くんも適切に主人公力を使えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
明星が聞いてる神様の声と、あき先生が聞いてると言い張る神様の声、多分違うものなんだけどもこの世界の成り立ち(そして作品のテーマ)と、どんだけ絡んでんかな
不安に駆られた子供が、なんか強い語調で断定的なことをいい続ける大人に引っ張られちゃうのは無理もない話で、あき先生はそんな特権をタチ悪く悪用してる、って状況なんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
この異様な状況下で、一般的な倫理のものさしを適応していいかもまた、悩ましい話ではある。
しかし結局そういう、普遍的な話に戻ってきそうな気配は、希とともに潜るヌシの世界からも感じ取ることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
怖くてよく見えない闇の中にこそ、ファンタスティックな体験、特別な風景は待っているのだ。
そこに長良くんを連れて行くのは、いつでも希である。
(画像は"Sonny Boy"第5話より引用) pic.twitter.com/bxR2LrToS0
才能は関係なくて、ただやるか/やらないかな釣りも、ふてくされた…ふてくされるしかない所に追い込まれてる長良くんには遠い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
深くて暗い淵に沈むなど、なおさらである。
それでも、希は楽しそうな場所に正しく飛び込み、長良くんを諦めずに誘う。
この『希がいつでも危うく、長良くんの前にいて手を引く』関係性が崩れた時、物語は大きく動き出すと思うのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
現状、差し出される契機を掴んだと思うと長良くんが手放して、行ったり来たりしてる感じなんよね。そのウロウロは、青春味でキライじゃないんだが。
希とはまた違った視線で、世の中と人の正しさが見えてて、そのとおりに行動できる、聡明なラジダニ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
彼には信仰がある。瑞希が仏像を見て『神様がいるんだ』と問う言葉を、柔らかく訂正してるの信仰者だな、と思う。
神の外在は、彼には問題ではない。
(画像は"Sonny Boy"第5話より引用) pic.twitter.com/xHM3Cj0Xoj
重要なのは己が信じる心が、自分の内にあり続けるか、否かだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
これは朝風を救世主に仕上げて、神の思し召しで出口なき世界からの救済を演出する、あき先生の立ち回りと真逆だと思う。
孤独で崇高な自力救済と、(”他力本願”ですらない)他力願望の違いと言えるかも知れない。
あき先生が”逃走”と決めつけた長良くんの能力は、後に”創造”であることが解ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
そう教えてくれるのは、間違いは正解への確率を上げると、徒労をむしろ喜ぶラジダニである。
彼は焦らず、迷わず、動かされない。隣においた覚者の蔵のように、静かに世界を睥睨し続けている。
そしてそんな度量は、等身大中学生である長良くんにはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
みんなにマジでひどいこと言われまくって、傷ついたら泣いてしまう。
そら泣くよ…魂ゴミ色かよって感じの言語凶器、アイツラぶん回し過ぎだもん。
極限状況だからって人間やめすぎだろマジで…。
ここで長良くんに届いたツダケン声が、彼を別の場所…仲間たちがアプローチできる開けた場所へ連れて行くわけだが、明星に聞こえてる大川さん声の”神様”とは、また別の存在っぽいか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
自分をどこかに連れて行く存在。何かを囁く存在。それは必ずしも、無条件に正しいわけじゃない…かもしれない。
それでも連れ出してくれる誰かがいるから、自分を理解ってもらう試み、自分自身を理解ろうとする歩みを止めずにすむ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
やはりここでも、一番最初に長良くんを見つけ手を取るのは希である。でも、人間らしい情をあざとく伝えてくるのは瑞穂。
(画像は"Sonny Boy"第5話より引用) pic.twitter.com/2lh2bYEEHz
Wヒロインとはまた違った役割分担が、少女二人にはある感じがする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
瑞穂は長良くんの可能性、自分の大事なものを守ってくれた恩義を、もっと善い形で発揮できると信じればこそ、苛立ちもどかしいのだろう。
その切実が非常に良いツンデレを生んでてて、大変ナイスヒロインなんだが。
希からはこういう、人らしい屈折が意図して切り取られてる感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
だからこそ時に狂的で、見えてる世界が共有できない怖さが表に出てくる。
彼女だけに見えてる眩しい”コンパス”は、作中に描かれない。本当にそこにあるのか、けして分からない。
しかし長良くんのチカラが”逃走”ではなく”創造”なのだとラジダニが看破した時に、世界が明るく輝き出すのは全くもって正しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
クズどもが勝手に決めつけ、言葉と態度のナイフで決めつけるように、長良くんは逃げることしか出来ない少年なんかじゃない。
そう解ったことが、希に見えている世界…あき先生がどん詰まりだと決める異界からの”コンパス”を、より強くする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
これは物語が、少年が自分を見つけ、可能性に飛び込んでいく方向に導かれていることを、果たして意味するのか。
そうだと思うし、思いたいんだが、手応え掴むのは難しい。
色々想像し推測する要素は山盛りあるんだが、『これだッ!』という確信を掴み取るには、語り口がアヴァンギャルドで遠回しに過ぎる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
しかしやはり、人間とか世界とか青春とかの真芯を狙って、筆をぶん回してる感覚はある。不思議なアニメだ…。
誰も優しくない世界を後に、大人の腕に包まれる朝風の未来も含め、次回が気になる第5話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年8月25日
そろっそろデカい種明かしなりターニングポイントもありそうだが、読みきれねえぇ。
申し訳ないことに既に放送されてる六話、今から飛び込んできます。楽しみだ。