アイドリッシュセブン Third BEAT! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
了が張り巡らせた謀略は、嘘と風説を防壁にして、アイドルたちのアプローチを阻む。
ジリジリと包囲が狭められ、悪い予感が胸を焼く。
そして満を持して投下された、四発の爆弾。
甘美な毒を滴らせるŹOOĻのデビューが、呼ぶのは風か、嵐か。
そんな感じのŹOOĻちゃん達颯爽見参!な、アニナナ3rd1クール目最終回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
面白いヒキ方したなー、というのが最初の感想である。
了が主導するプロモーションの強さを、モブの反応、具体的な手腕を太めに切り取る長尺で魅せて、ŹOOĻがのし上がる説得力を積んで…実際の躍進は第2クールに持ち越し。
確かに何かが起きそうな説得力が、彼らのステージング…それを最大化して売り出す宣伝手法には宿っていて、彼らがどう成功するか楽しみになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
同時に客を舐め腐り、自分たちが本当は何が欲しいか勘違いした悪ガキ共なので、いつか必ず痛い目見る…見ろッ! っていう気持ちも強い。
やけっぱちの復讐劇の行方、その途中経過で暴れるだろう悪行。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
『自分も傷ついたから、世界を傷つけて見返してやるんだ!』という可愛らしい叛逆…を、悪い大人こどもである了に握られちゃってる現状。
ŹOOĻのデビューに群衆が見ているもの、僕らが感じるものと、その奥。
ここらへんを反芻しながら、三ヶ月を待つのは結構甘美な焦らしになるなぁ、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
1クールちまちまと積み上げられてきた印象は、ようやく四人揃って舞台に上がる今回裏切られることなく、むしろ補強された感じ。
狗丸くーん、キミが欲しい物、そこにいても絶対手に入んないから早くŹOOĻ辞めなッ!
DNAレベルで悪役向いてないのに、尖った思い出が引っかかって自分に素直になれない子を歯がゆく見守る感覚は、プリコネのキャルちゃん見てる時思い出して、ちょっと懐かしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
この子もツンツンした態度の奥の柔らか~い魂を、笑顔の天使にズブズブにされていくんだろうか…(大好物)
それとも自分自身の欲望と、それを利して状況を作る誰かにズタボロにされて、高い場所から墜ちていくんだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
その失墜がどんだけ他人を巻き込むか含めて、今から大変楽しみです。
ŹOOĻが負けるの前提で見るな?
いやまぁ…聖人に試練を与えるべく、敗北前提で生み出された悪魔役でしょ彼ら…。
今回は凄く別所監督らしいコンテで、背景に配置された人工的な縦線が、キャラクターの心境を強く語る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
結婚て餌の付いた釣り針で、すみれちゃんを操る御堂くんの冷たさが、夜景を塞ぐ木柵からよく伝わる。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第13話より引用) pic.twitter.com/PoTgS4ggZV
『龍之介を翻弄する悪女かな?』とも思える彼女も、自分の心を鏡に揺らがせ、とても不安な立場にいることが、この舞台裏から見て取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
では御堂くんが、一連の事件全てを企んだハンドラーなのか?
そこに関しても、もう一枚謎があるように描かれてはいる。
恋を演じつつ、彼はすがる女に視線をあわせず、その背中越しにライバルを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
その時初めて、彼の視線は確かな引力を手に入れて、ビシッと意志が入る。
徹底的にジェントルなナギ、仕事としてセクシーをやり抜く龍之介とは、また違った形で”女”を齧る虎の牙。
『こいつ本当に、女好きなドンファンなんかな…?』と疑いたくもなる見せ方である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
利のために恋を釣り餌にしてる我利我利亡者なのか、女好きな自分を演じることで欠乏を塞いでるタイプなのかは、まだ判別つかないけどね。
どっちにしても、冷淡な遠さが御堂くんと”女”の間にはある。
この遠さが今後、ŹOOĻが躍進していく中でどう使われていくかが、第2クール以降の御堂くんを見ていく上では大事なんかなー、とか思うけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
龍之介が本気でついてる嘘と、同じ熱量で翻弄できる足腰が彼にあるか、ないか。
嘘でしか無いものに、どれだけ女が…人間が騙され踊らされると描くか。
個人としてのŹOOĻの描き方、その売り出し方を見てると、了に纏わる物語は嘘と真実を主題にしている感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
軽薄に流され、信じたいものを信じさせてくれない世界に失望して、嘘こそが世界の本質だとうそぶく少年たち。
その手綱を握っているようでいて、より悪辣に子供っぽい了。
彼らのダンスがどう転がって、どう落ちるか…あるいは倒れ伏した後にどう立ち上がるかが、作品が人間と世界にとってウソとホントがどういうものかを、鮮烈に描くだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
アイナナもTRIGGERもRe:valeも、真実サイドにまっしぐらだったから、ŹOOĻはその裏側に走る配置なんだな…。
一方了に詰め寄った楽達は、のらりくらりと心を弄ぶ道化に翻弄される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
多分なぁ…了の煽りが”本当”の一部を射抜いているから、こんだけ楽もキレんだろうなぁ。
八乙女と小鳥遊の因縁、こういう形なのかぁ…なるほどなー。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第13話より引用) pic.twitter.com/2cClvPoNVP
了は相手を本気にさせたら勝ち、というゲームを遊んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
ここまで溢れる本気をファンと仲間にぶつけることで、困難を突破してきた子どもたちにとって、このルールの変更はかなり厄介だ。
滾る思いを拳にぶつけ、やりたいことをやったら、傷害の現行犯。
了が逆手に握れる武器を手渡すことになる。
こっからはどんだけ感情を抑え、有形無形に蠢く世間のルールに則って、勝てる手筋を冷酷に打ち込んでいった側が勝つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
…と同時に了が嘲弄する人間の本当を、どんだけ本気で信じぬけるか、という勝負にもなるだろう。
迫りくる障害こそが、真心を輝かせる砥石だ。
流石に大和はそこら辺のルールを体得できてて、世間様に浸け込まれそうな穴は極力塞いでから対話を試みる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
ガバッと開いたすみれとの距離が、そのまま心の遠さを物語る。
でも、カクテルグラスを間に起きはしない。背後の縦線を補強する拒絶は、横にどけている。
悪辣を装いつつ、何処かに自分の不安を受け止めて欲しいと甘える弱さが、すみれの描写には漂っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
御堂にすがりつつも、いつ自分が見捨てられるか判らない不穏さが、彼女を完全な拒絶には閉じこもらせない。
そこが、付け入る隙か。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第13話より引用) pic.twitter.com/EWOuKmFWQ0
すみれちゃんは龍之介に仕掛けてきた時から、なにかに縛られ突き動かされてる、不自由な子供として描かれ続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
大和はその頑なさに匙を投げるが、天は彼女の歌こそが彼女自身だと、アプローチを継続する。
それが張り巡らされた棘の向こう側に、糸引く誰かを一瞬見せる。
追い込まれ、他人を蹴落とし自分が生き延びようとする人の浅ましさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
その薄汚い泥が、”アイドル” にも常時及んでいることはこのお話、ずっと書いてきた。
天は歌を通じて、自分たちをハメる”敵”が同じ人間であることを、思い出し手を差し伸べた。
この純粋さは、弟と…あるいは義父とよく似てるわな
歌はすべてを顕にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
その真実性があくまで”人間”に繋がってる事実を、天は見落としてないからすみれに語りかけ、九条はもう見失っている。
だから他人のプライドを踏みつけて、亥清くんを歪めて復讐者に変えてしまう。
完璧な歌、ゼロの幻影のために、他人の魂を焚き木にして恥じない。
『キミのプライドを踏みにじるものこそが、キミが対峙するべきものだ』と、天はすみれに告げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
それは全く正しい。表面的な拒絶を踏み越えて、差し出した答えが後に、彼(ら)を助けるだろう。
でもなぁ…全く同じことを、キミの敬愛する親父殿がやってんだよなぁ…。
天は賢い子供なので、それを分かりつつ二期ラストで毛布をかけたんだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
ŹOOĻとバチバチやり合う中、亥清くんと否応なく向き合う過程で、この矛盾は九条天にブスブス刺さりそうである。
ガンガンぶっ刺して、ドコドコ掘り返して欲しいところやね!(面白さに貪欲な、物語的サディスト)
挑発を繰り返す了に流石のナギもブチギレであるが、大人は何処が安全圏かよく知っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
境界線、あるいはシェルターとしての車…そしてディスプレイ。
生身の体温が伝わらないからこそ、気楽に弄び、消費も出来る。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第13話より引用) pic.twitter.com/1nW0m84r80
アイドルが夢売稼業である以上、この”遠さ”こそが心臓であり急所でもあることを、了はよく解っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
”アイドル”ではない自分は表舞台に立って他人を感動させる必要がないし、シッポさえ掴まなれば魂を汚しても大丈夫。
分厚いドアと不可視の窓は、彼が”遠さ”を扱う手付きを良く語っている。
これはモモちゃんが対面ゼロ距離一対一で、自分を突き動かした”感動”がどんなものか、必死に伝えようとしたこと…それが届かなかったことと、結構深く関わる演出だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
ナギが怒り、楽が追いすがる人間なら当然の熱量が、了には遠いのだろう。
感動が解らないし、人情が伝わらない。
人としての当たり前が欠落した獣で、でも人に触れたがる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
『俺は獣だ!』と胸を張って、人里から離れて山で暮らす生き方はできない。
半人半獣の、哀れなルーガルー。
噛み付くこと、怒らせること、踏みにじることでしかコミュニケーションが取れない、壊れたなり損ない。
やっぱそういう感覚を、了の翻弄からは感じてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
いやまぁ、卑劣で下衆で悪党ではあるんだけども、彼が暴走させている”遠さ”って、キラキラばっかしてないと描かれたアイドルたち、あるいはそこに心を寄せる僕らにも、ままあるもんじゃない?
アイドルが大事に出来るものを、了は踏みつけてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
それは彼の決断であるし、意思を超えた業でもあるのだろう。蠍は沈むと知りつつ、蛙の背中を毒針で刺す生き物なのだ。
今後顕になるだろう、嘘にまみれた世界。
了が溺れつつ、多分どっかで否定して欲しいと願ってる泥。
そこを突破していく奇跡を掴むまでには、まぁ散々に試され砕かれ、ズタズタに泥の底を這いずり回らないと説得力はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
否定したい醜さも冷たさも、卑劣も軽薄も、否定し難い必然のカルマとして、世界の中に…そして僕らと彼らに宿っているのだ。
なら、描ききらなきゃ先には進めない。
華やかにキャラクター化された”アイドル”と、裏路地を駆け回るその実像の対比は、そういう所に辿り着くための、大事な滑走路なんだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
コンビニエントに消費され、財布から銭をカッパぐ偶像商売。
でもそれは、日々を生き抜く確かな糧
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第13話より引用) pic.twitter.com/e4wlbcetR4
何もかもが本当で、何もかもが嘘な歪さは、表通りのギラついた光、そこから遠い影の対比で、鮮烈に描かれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
ステージに立っていない、コンビニに陳列されていない生身のアイドル。
そこに宿る感情をファンは知らないし、無遠慮にそれを追い回す危うさから、目を背ける…ものもいる。
信頼できるオタクの概念存在が、軽薄な噂話と道路一つ隔たれ、そこに踏み込まない描写。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
人の心はあまりに遷ろいやすいが、それに流されず大事なものを抱え続けてくれる人はいるし、”アイドル”は確かにそこにアプローチできている。
でも、陸は追い回され影に潜み、天は柱越し憎悪に対峙する。
亥清くんと天が、九条を間に挟んで反目する因縁。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
これはかなり輪郭が鮮明なので、彼らを分断する柱は背後ではなく、前面に分厚くおっ立つ。
壁は既に、憎悪の色を宿してそびえ立つ。
それに押し流されて、誰かの欲望の道具になる危うさに、少年は気付いていないように見える。
世間はバカだ。他人は勝手だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
それは期待の裏返しで、叶わなかったから呪う、ひどく単純で幼い…人間として当然の間違いなのだろう。
世界を呪ったその振る舞いが、逆棘に突き刺さって亥清くんを貫かないことを願うけど、まーアイナナ世界厳しいからね…ベコベコに後悔して欲しい。
一方、狗丸くんはスレた対応をして一人進みつつも、赤信号に足を止めて陸と話し合う余地を残す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
サングラスに本心を隠し、『もう二度と、本気で歌わない』と嘯きつつも、彼は結局前に進むし、誰かと話し合う。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第13話より引用) pic.twitter.com/2UxIThcnzY
了を描く時必ず切り取られてきた静止のサインが、狗丸くんの歩みを止め、しかしそのままで終わらないのは面白い対比だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
彼は他者と世界に対して開けているし、陸と幾度も出会い、話し合う。
赤信号の先にあるものに進んでいくし、シェードの奥に幾度も、強くて上向きの視線を輝かせている。
引きずり降ろされる街頭広告、”本当”じゃない宣伝工作。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
それらを憎悪する狗丸くんは本当に、歌と”NO MAD”が大事で好きだったんだろうなぁ、と思う。
君は間違ってない。本当は勝っていたのに、薄汚い手段で負けたんだ。
だから、もう一度戦おう。今度は、君が勝つ番だ。
そんな囁きは例えば、延々負け続けた三月にも多分あって、でも彼は一織と小鳥遊とアイナナと出会えたことで、今狗丸くんがハマってる場所には行き着かなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
出会えなかった不幸と、出逢ってしまった苦しみ。
人の道と在り方を揺さぶるものは、一体何なのか。
ŹOOĻ(と了)はいい具合に、これまで描かれたテーマ、物語の要素を共有し、あるいは反転させて背負っているように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
信じればこそ裏切られた辛さを、誰にも抱きしめてもらえられなかった子供たち。
その痛みを、身勝手に悪用する側に回ってしまった、かつて少年であったはずの獣。
ŹOOĻがどう勝って、駆け上がって、転がり落ちるかは、主役たるアイナナが背負う正しさを上手く裏打ちするだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
良いハーモニーには、裏拍も必要。
ダークで凶暴で、全く正しくないクソガキ共の登場は、光だけでは描けないものを顕にしていく。
ということは、憎むべき悪役に思える彼らにも光の種子は埋まってて、全く救いようのねぇクズってわけでも、無いのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
そういう影の中の光を一番解りやすく背負うから、狗丸くんは可愛げ濃いめ、コミュニケーション出来る存在として描かれたんだろうな。
のどごしスッキリ、飲みやすいライバルだ。
さて、街を暗闇に沈めサプライズで展開していく、ŹOOĻのデビューライブ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
唐突に、周到に演出されたセンセーションは、衆目を集めて一気に拡散していく。
毒々しい緑の舞台裏、新しいおもちゃに目を輝かせる群衆。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第13話より引用) pic.twitter.com/iFNa1zRxEk
『幕が上がったら、俺は完璧に演じてみせる!』と自信満々の亥清くんが、青汁絞れるくらいに青くてムセちゃった…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
おめーの隣りにいる色男(ロメオ)に龍之介が語ったように、不定形の欲望と向き合って理想を演じる仕事はマジ大変で、裏表入れ替えてどうにかなるもんじゃあねえぞ…。
暗い闇に放り出された不安を、周到な準備と確かなパフォーマンス、堂々たる自信と甘い毒で引き受けて、強く輝かせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
ŹOOĻは少なくとも、アイドル界に食い込めるコンセプト、それを実際に届ける演出力において、なかなか”強い”アイドルである。
あんだけ『嘘は嫌だ、本物で勝負したい!』いうてるボーイズが、自分を裏切った世界にリベンジを挑む時は、誰かの欲望、誰かの悪意、誰かの演出を借りて勝負してくるのは、滑稽であるし納得も行く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
素っ裸の自分で勝てなかったら、そらエモノも借りるよな…。
でも彼らが欲しいのは、作られたうねりに背中を押されることでも、それで高みにのし上がり見下ろすことでも無い気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
現実の世知辛さ、軽薄さに擦り切れて、結果だけを求めてるフリはしとるが…相当に純情ボーイズでしょ、ŹOOĻくん。
この段階で透けてんだよね…アニナナが”透かしてる”とも言える
狗丸くんがヴィジョンに出た時『”NO MAD”の狗丸じゃん!』て気づいてる人切り取ったの、ホント残酷だな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
本気で歌って勝てなかった過去を、ちゃんと見て覚えてくれてる人がいるってことを、緑の玉座に脚進めちゃった彼は、もう気づけ無いんだよなぁ…。
彼らに『お前らは孤独で、騙されていて、だから卑怯な手段でやり返して、勝って良いんだ』って、囁いた悪い大人がいるわけだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
そういう方向性でŹOOĻをデビューさせたの、了がアイドルの真実性を試したい、壊したい気持ちが透けてて、胸焼けするしチョイ悲しい。
鮮烈なデビューで湧き上がった渇望が、携帯電話を通じてすぐさま満たされるプロモーションの強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
マスメディアではなく、現場の熱量を上手く制御し、口コミで伝播させていく体温の高さ。
ŹOOĻのデビューは、とにかく売り方が上手い。
(画像は"アイドリッシュセブン Third BEAT!"第13話より引用) pic.twitter.com/JKC0mfMhrq
古臭い正攻法で一歩ずつ、地歩を固めてきたアイナナちゃんと、同じかもっと上まで一気に駆け上がるために、バイラル含めたメディア戦術を、最新鋭で整えて説得力出してきたな、って印象。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
『実際それをやられたら、気になっちゃうしアクセスはする』っていう、今っぽく生っぽい質感。
これをじっくりと、デビューの現場に視聴者も居合わせるようなシンクロ率で突きつけてきたのは、上手いなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
広告、宣伝、プロモーション
巧妙に作り上げられた”嘘”は、紛れもない真実として世界に衝突し、浸透し、既存の勢力図を塗り替えていく。
んじゃあŹOOĻが虚栄だけの空っぽアイドルかっていうと、物怖じしないパフォーマンス、虚像を演じ抜こうとする負けん気がちゃんとある実力派でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
悪いやつの手先として、焦げ付いた純情を危うくぶん回しながらも、否定しきれない新たなライバル。
そういう面白い連中として、なかなか印象的なポジションにしっかり、据えられたんじゃないでしょうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
ここまで1クール…正直長かったが、待った甲斐はあったな。
『商品をどんな装飾に包んで、どういうタイミングで誰に売るか』って部分に、デビューで重点してきたのは新鮮で鮮烈で、とても良い。
無論綺麗で感動できるものだけが、ŹOOĻを取り巻いてるわけじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
軽薄に揺れ動く世論を、手前勝手な嘘で塗る。
そのための方策を車の中、安全圏でくゆらせながら、了は発火した爆弾が全てを薙ぎ払えるように、策謀を練る。
それが殺すもの、活かすもの、新たに暴くもの。
後半クールは、それがより強く激しく燃えるんだろうなー、という期待を高めてくれる、良いヒキでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
まー滅茶苦茶になるんでしょうが、そうすることでしか描けないものもあるしね!
フルスイングで情緒をぶん殴る、悲惨と残酷のグランギニョールを、覚悟し期待したいところです。
多分スタンダードな見方としては、了とŹOOĻにビキビキ吹き上がって、『こんにゃろー!』ってなるのを願った構図なんだと思うけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
なんか余計なこと考えすぎて、本格的に因縁チャンバラする前から、鎧の奥のねじ曲がった純情、越えるべき弱さと歪みに目が行っちゃってるな…多分、あんま良くない。
でもなー…狗丸くんを筆頭に、どう考えても傷つき歪まされた子供であって、そういうのは失墜するより救済されなきゃダメじゃね? って思うのよね…了含め。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
この余計なお世話の保護者目線を、作品がどう飲み込み吐き出してくれるかも、今後見ていく上で楽しみです。
ŹOOĻくん達が卑怯で歪んで、自分たちが本当に欲しい物に向き合わないどころか真っ直ぐ見もしない、ズルい立場に立っちゃってるんは、まぁ間違いよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
でも、そういう間違いってここまで描かれたアイドルにも幾度も迫って、危うい所でギリギリ、回避してきた業でもあるじゃない。
半歩間違えていれば、たった一人誰かがいなけりゃ、おんなじところに堕ちていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
そういう慈悲を、今後卑劣な策謀に滅茶苦茶にされるだろう当事者に望むのもまぁ、情と智慧のない高望みではあるんだが。
でもなー…すみれちゃんに語りかける天にい、かなり”答え”掴んでる感じではあったしなー…。
彼の慈愛が優しさっていうよりは、”歌”に対する信念、アーティストとしての矜持に繋がってるのは、面白い描写だな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
意識して共感を働かせて、解ってあげようとはしてないんだよね。
歌に真剣でいすぎた結果、覆いの奥が透けて見えてしまうというか…いわば異常者の知覚なんよ。
しかしそうして見えてしまった、操られ弄ばれている子供の姿…そこに反射する自分の在り方は、全くもって嘘じゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
その直感をテコにして、閉ざされていく未来の扉をこじ開けられるか。
他の優しい連中は、嵐に翻弄されながらどんな答えを掴むか。
約束された波乱に心を震わせつつ、三ヶ月後の”第14話”を待ちたいと思います。大変楽しみです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
テトラルギアかぁ…ローマの分割統治って、結局衰退と分裂呼ぶ遠因だよね。
おまけにŹOOĻくん達の攻撃性も君臨姿勢も、ショーアップされた借り物と。
引っ剥がされ転がり落ちるのは、果たしてどっちかね!
追記 結局ねぇ……人間が人間でいられる輪郭は、誰かにコンクリで補強してもらわないと保たない、モロモロなもんだと思うわけで。そういう認識に響くお話とキャラが出てくると、体温上がってオタクの早語りなわけよ。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
ŹOOĻくん達の悪逆で擦り切れた姿勢と、アイナナちゃんたちのキラキラ理想主義は一見、現実を見て大人にならざるを得なかった側と、甘っちょろい子どもの世界に浸ってられる側の対比・対立に思える。
しかしアイナナちゃん達も、現実の厳しさからプロテクトされてるわけではない。
世知辛さを知ってなお、プライドで立ち続け柔らかな想いを守っている姿勢は、例えば了の挑発を堂々跳ね除けた三月に強く焼き付いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
真実正しく大人でいることは、世界のままならなさに膝を曲げて、それと同化することを意味しない。
辛さを知ってなお、それに屈せずなりたいと思える自己、見たいと思われる己を本気で演じ、自分に近づけていく努力こそが、多分本当に”大人っぽい”
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
…ってことを、擦れっ枯らし気取ったクソガキ共を通じて、後半クールは語ってくんじゃねーかな、と思う。ズタズタにされるな、ŹOOĻくん…。
何がヤバいって、彼ら虐待された犬っころみてぇなもんだから世間に噛み付いてっけど、本来真っ直ぐ努力を認めてもらって、正しさに正しさが帰ってくる素直な世界を、心底では求めてるっぽいことなんよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
今の悪辣な振る舞いって、その願いを全部裏切ってるわけで。
ほいでその裏切りは、消えない刻印として世間と自分に残るでしょ、絶対。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
誰かを踏みつけにした、傷つけてしまったって事実を、被害者気取りの興奮が覚めた後でも抱えてられるキャラを、話の真ん中に据えねぇ気が済んだよな、アイナナって。
ŹOOĻくんの悪行に、一番傷つくのは彼ら自身じゃねーかな…
って、かなり趣味の悪い期待混じりでワクワクしておる、1クール目終わりであります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
いや絶対全部終わった後『俺は…なんてことを…』ってベショベショになるよ、特に狗丸くん。
そこに…漬け込むッ! 『良いんだよ、大丈夫だよ』と手を差し伸べ、ズブズブに依存させる善人ズラが誰になるか。楽しみ
”白い砂のアクアトープ”のくくるといい、頑なな鎧で自分を守ってるふりで、それをぶっ壊して柔らかな中身を背負ってくれる”誰か”を待っているキャラ…デロデロの中身を全部吸い上げる存在との出逢いが、俺は好きすぎ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
人格が溶けて流れるカタルシス。それが好きで物語食ってる感じはあるわな。
やっぱ俺はね、『はい世界の真理を知っております、もう揺るがない完璧存在です』と出てきたバカが、さんざん揺さぶられ自分の本当を突きつけられて、ドロッドロのデロデロに流れ出す瞬間が好きなんよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
見えてたものが誤解でしかなく、真実はないがしろにしたものにこそあって、本当は何がしたいか。
頑なな殻が硬ければ硬いほど、それが溢れ出す瞬間の勢いは強く強く、面白く溢れ出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月26日
ŹOOĻくんのこれみよがしな悪役顔、世間と人間をナメた悪童っぷりは、自動的にぶっ壊された時の情念雪崩を期待させてくれて、それ前提で読んでる感じはあるな。
はー…早くグチャグチャになってくんねぇかな。