小林さんちのメイドラゴンSを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
夏祭りに浮かれる街の中で、小林さんの心には微かに、さざ波が立っていた。
自分は果たして、超越種に愛されるべき存在なのか。
問いかけは心にこだまし、夜に溶けていく。
いつか来る永遠を前にした、一瞬の幻だとしても。
それでも、君と。
そんな感じの最・終・回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
大変良かった。
冒頭イルルが家族に加わって以降は、非常に穏やかで色彩豊かに、ドラゴンと人間がそれぞれ、日常をどう生きているかを重ね続けた二期。
その集大成として、物語の中心に在る小林さんの想いを、ギチっと掘り下げ賑やかに終わる。
非常に”S”らしい収め方で、凄く良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
話の起伏を考えると、なんかシリアスな新事件起こしちゃいそうなところだが、徹底的に日常を糸に生活を編み続ける。
そのストイックな筆致こそが、彼女たちがたどり着き掴んでいるものの手触りを、強く教える。
越えられなかった過去があり、ありきたりの幸福を噛みしめる現在があり、いつかやってくる未来がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
徹底的に”今”に足場を置き肯定した物語なんだけども、長命者特有の時間感覚、それが瞬きめいた人の営みと触れ合う喜びが、生きていた。
前回Bパートの重たい質感を引き継いで、夏祭りはいろんな幸福を映しつつ、しっとり準備を進めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
味噌汁を 干す横顔に また思う
好きだなと告ぐ 言葉出ずとも 春桜
トールは目覚めるごとに、小林さんが好きな自分を思い知らされる
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第12話より引用) pic.twitter.com/5vmbHItqzz
当たり前も当たり前、幾億回も繰り返す日常の姿にこそ、愛しさが募る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
この龍眼に宿るもの、言葉にされない…小林さんも気づかない強い思いは、普通人にはちと重い。
やはり思索の場所として描かれている川辺を歩きながら、人間は龍の姿を鏡に照らし、己を思う。
やっぱ二期は意図して、社会に馴染み交流を広げていくトールを切り取ってきたのだな、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
小林さんのモノローグを聞きながら思う。
川べりの独言は自分が見ていたものが、あながち的外れではなかったと答え合わせをしてくれているようで、考えすぎの視聴者としては嬉しかった。
自分の目の届かないところでも、他人を尊重し人間のルールに則って、生きていけるようになった龍。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
それを少し寂しく思いつつ、それでも超越種の愛情に相応しい資質が、自分にあるか悩む。
この重荷を、ちゃんと言葉にして届けられるあたり、二人の関係はとても健全だな、と思う。
何を思って、何を背負って進んでいるかなんて、日常を共有せばこそ言葉にはなかなかならないものだけど、小林さんは隣り合う当たり前に甘えず、自分とトールの距離感、そこに揺蕩うものを真摯に考えて、相手に差し出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
その生真面目は、トールだけに限ったものではない。
京アニ撮影班の実力が、冴えに冴える夜闇と光の夏祭り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
晴れの祭りに心は浮かれ、人々は皆縁の深い龍と、特別な時間を過ごす。
才川とカンナちゃん、タケとイルル。
小林さんちの子供たちにも、特別な誰かがいる。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第12話より引用) pic.twitter.com/swznRDGAIR
それはたった一人で、凄く沢山いても良いんだ、という二期だったな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
才川は何も知らないまま、カンナちゃんと永遠を誓う。
同じ時を進めない事実を一人だけ知りながら、カンナちゃんは才川との未来を思い、長命を願う。
小さな子供に思えるモノの、凄く切なる祈り。
カンナちゃんは幼いなりに、人と竜の違いは知っていて、それが二人を離れ離れにしていく未来のことを、結構考えているのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
でもそれは、今ではない。
だからこそ、輝く一瞬一瞬を編み上げ、未来に繋いでいく大切さを、無垢な瞳はしっかり見据える。
そうしていくのが大事だ、そうしたい、と思えるようになったのは、やっぱ彼女を保護した人間の影響であろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
関わった人々に乱反射する、小林さんの生真面目な在り方。
最終話らしく、主人公の存在感が強いエピソードだと思う。
もう一人、今期から加わった小林さんちの子供は、自分を嘘に溺れさせてくれるもう一人を相手に、恋心が入っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
誰かが誰かの心に深く食い込む瞬間の、特別な瞳の輝き。
それをよく切り取るエピソードだ。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第12話より引用) pic.twitter.com/YugqRbrACN
タケが龍族の事情を知らないままに、もう一人の…そして特別な魔法使いとしてイルルに名乗りを上げる展開は、心を射抜く射的の暗喩と合わせて大変に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
才川とカンナちゃんの関係は、既に一期で出来上がって延々、大事に大事に育まれたものだが。
タケとイルルはこの二期で、出会いから恋が宿るこの瞬間まで、どっしりと過程を楽しませてくれてありがたい。入っちまったなー、恋心…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
イルルは幼年期を十分与えられなかった存在なので、寂しさに手を添えてくれる存在が間近に、たくさんいるのはとても良いことだと思う。もっと嘘に溺れな…。
そして特別な誰かに燃える瞳を向けるのが、子供らだけの特権かと言えばそうではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
開始っちまったな…”夜”がよ…。
色んな人の救い主、人生の潤滑油を便利にやってて、実はあまり描かれなかった小林さんの、重くてシリアスな感情。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第12話より引用) pic.twitter.com/6yjvmlZMuZ
それを祭りの喧騒から外れた場所で、たった一人受け取る特別が、さんざんラブコールを送ってきたラブ・ドラゴンなのは、大変にありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
やっぱねぇ…一方的にグイグイ行っているように見えて、迫られてる側も相当に重いの抱えて特別なの、最ッ高に良いのよ…。
さんざんお騒がせドラゴンを自分から離れた”公”にアプローチさせようと努力してきた小林さんが、この特別な夜に、特別な装いをしたトールを”私”として、たった一人求める指先の引力。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
普段こういう湿度を表に出さない人だからこそ、この瞬間はトールならずとも、瞳が鋭くなるわいな。
小林さんは極力サラサラと、他人にベッタリ張り付かない人生を選んできた(選ばざるを得なかった)人だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
でもそういう人も、奇縁により特別な人に出逢って、実は持ち合わせていた面倒見と真摯さを武器に、色んな人に深く関わってきた。
優しい嘘の魔法をかけ、共に日々を歩くようになった。
彼女の歩み寄りが生み出した数多の奇跡を、ゆったりしみじみと堪能させてもらった二期であるけども、それが終わるタイミングで、普段見せない複雑で湿った情感が、ぬろりと夜に染み出してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
それを受け取るのがトールなのが、僕はとても嬉しい。LOVEなんだよなぁ、結局…。
ぐるぐるぐるぐると、綿あめのように渦を巻く思考。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
ノンキな人間世界にはなかった、重たい宿命と決断を預けられるほど、自分は大した人間なのか。
それが疑念になるのは、小林さんがトールと自分の事を、ちゃんと考えているからだ。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第12話より引用) pic.twitter.com/rbBEBTXS3S
やっぱり流れる川(おそらく、時間と人生の暗喩)の前でこそ、思索は綴られていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
グジグジとこんがらがりながら、絡まっていく思いが”好き”の二文字でパッと弾けて、眩しく輝く。
剣を抜き、居場所をくれた小林さんがトールにとってそうであるように、目の前で微笑む龍こそが小林さんの光なのだ。
第3話特別EDに代表されるように、トールのダダアマLOVEが目立つ話なんだが、出逢ったことで自分を変え、時に悩ませるドラゴンへの、小林さんの感情も無論デカいわけよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
そのこんがらがり方と、それを解きほぐすモノを鮮烈に、ちゃんと取り上げて終わってくれるこの夏祭り。ありがたい…。
色んな人達の上に、炸裂する花火。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
それは一瞬瞬いて、消えていく命にも似ている。
人と竜、時計の刻みが違う二つの種族が”今”出会い、隣り合う奇跡の色。
それはイベント帰りの電車から見ても、とても綺麗だろう。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第12話より引用) pic.twitter.com/bJlKrrNTRn
すげー重くなるから話の真ん中では描かれないんだけど、寿命のズレ、死別の運命って龍も人も結構考えてて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
それでも”今”共にある奇跡を大事に、咲いて散る炎の華を見つめている彼らの在り方が、この夏祭りには静かに、確かに焼き付いていると思う。
ド直球に重たくシリアスに投げつけるのではなく、朗らかな日常コメディに屈折させる形で、ここまで描いてきたものの意味、そこに込めたものがじわりと立ち上がってくるのは、凄く”メイドラゴン”っぽいし、二期らしい最終回だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
なんつーか…重くて硬い芯を譲らないまま、軽味を大事にしてくれた。
この花火で、散々川の流れ、境界線の上を歩く描写が二期に刻まれていた意味が、自分の中で腑に落ちた感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
今回のサブタイトルと合わせて、しっかり12話の物語が何を書いてたか、確かに手渡すまとめだなー。
スゲー京アニっぽいな、このキッチリ感。やっぱ好きだなぁ…。
微笑みながら『重い!』と告げて、んじゃあアンタが袖引いた湿度と粘度はどうなんだい! と思いつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
二人の特別な日は、当たり前の日常に続く。
ここの瞳の輝き、悪戯な笑みは、小林さんが都合のいい聖人で終わらず、生きてる感じ出て善い
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第12話より引用) pic.twitter.com/CWY5Gw3pMt
というわけで、エピローグは花盛りである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
一期ラストが、『小林さんの実家』という日常の極みに踏み出していく形だったのに対し、二期は魔法全開角出しまくりの、ファンタジックな場所が舞台だ。
このドタバタも、また日常の一幕。
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第12話より引用) pic.twitter.com/ikiriY2m50
とにかく綺麗な桜が常時舞い続けて、皆がずっと笑顔で、龍の異能が笑いを生み、そこに人間が混じり、子供は明るく元気で、大人も明るく元気で…凄く”メイドラゴン”な空間が、唐突に訪れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
それが製作者からの、ひとときの別れの挨拶だ。
ありがたいな、と思う。
ほんっっっと桜に笑う子供二人があまりにも”功徳”で、この子らにこういう表情させられた小林さんの善徳を、膝を曲げておろがむ次第であるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
最終話、ずっと見させてもらって、最後まで見たいものを凄く力強く届けてもらって、マジで嬉しい。
唐突な春のプロポーズ、ドタバタな追いかけッコは、異種間ラブコメの古典たる”うる星やつら”最終回へのリスペクトでもあろうが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
スタッフはこの最終回に、やっぱ契りたいトールと、それに翻弄されつつ笑ってる小林さんを書きたかったんだと思う
(画像は"小林さんちのメイドラゴンS"第12話より引用) pic.twitter.com/O7G3wqsAw5
あとエフェクトバリバリのバトル作画を、ビシバシ暴れさせたかったんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
そういうモン全部ひっくるめて、このお話がどんな物語だったか、語り尽くして終わる。
超常の力で空を飛び、小林さんを追うトールが最後、微笑んでるのがやっぱ良い。
それは、戦う機械だった時代には得れなかった宝物だ
それを差し出し運命を交えた結果、追われてるのに小林さんも満点の笑顔で、皆楽しく走っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
ドタバタと、日常は続く。
その一つ一つに、小さく力強く掛け替えのない物語があって、様々な交わりと思いがあって、時は川のように滔々と流れていく。
流れが変わることもあるだろうし、もしかしたら絶えるかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
それでもだからこそ、一滴輝く”今”を笑顔で受け止めながら、一緒に駆け抜けていく。
その賑やかな足音は音楽になって、皆を祝いでいく。
そういう前向きなメッセージが、明るく微笑む最終話であった。
というわけで『二期…待望のトルエル要素をディープに、熱く掘り下げたわけだが…この話のど真ん中は”ここ”なんだよ!』と言わんばかりの、小林さんの巨大感情炸裂回でありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
やっぱねー、才川に対するカンナちゃんもそうなんだけども、押されてるようでもしかすると、実は相手よりデカい。
そういう思いの重力均衡が暴れると、大変に嬉しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
トールが常時暴れさせてる小林さんLOVEとはビートが違うけども、小林さんも相当の”獣”をトールに対して抱えてて、時折解き放つ。
その平等さが、二人の幸福を保全してんだなーと解って、笑顔で見終わりました。素晴らしい…。
つーわけで、メイドラゴンS二期、無事に終わりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
いやー…面白かったし良かったなぁ…。
一話が放送された時の、艱難辛苦を越えて”いつもの京アニ”が戻ってきた感慨は薄れることなく、12話ずっと面白いアニメ、素晴らしい作画、優れた演出で楽しませていただきました。
出会いの物語が終わって、譲れない思いを高らかに宣言して、一体何をやるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
そんな杞憂を吹き飛ばすように、当たり前の日々に綴られていく様々な輝きを、時に日常的に、時に超常的に、コメディとドラマを織り交ぜながら、たっぷりと楽しませてもらいました。
すこしエロティックな肉感も混ぜつつ、根本的に膝を正してアニメを作るしかねぇ、創作集団のアイデンティティが、生活の解像度を極限まで上げて息吹を感じさせる方向性と噛み合って、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
やっぱメイドラゴンのバランスは、力みと和らぎが丁度良くて、とにかく肌に合う。
ずーっとトールが小林さんのこと好きで、小林さんもトールのこと好きで、色んな人が色んな人を好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
好きってどんな手触りで、何を生み出し何を守ってくれるのか、色んな絵の具で肩肘張らず、”恋愛”という一色にも染まらず、豊かに見せてくれる二期だったかな、と思います。
疑似家族であり、同居人であり、恋人であり、そのどれでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
そういう自分たちの間柄を一期でしっかり作り上げて、腹に収めた後の物語だからこそ、豊かに描けるもの。
ハッピーエンドのその先に、さらにうず高く積み上がっていくもの。
そういうモノが、12話分厚く描かれていました。
一話三題のオムニバスを基本単位に、役者やアプローチを変えながら賑やかに、皆の幸せとか、そこに至るまでの過去とか、色んなものが描かれました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
その一欠片一欠片がキラキラと眩しくて、色彩豊かなモザイクのように、いい絵を作り上げてくれた。
僕が見たいと思っていたものを、想像していた以上の輝きと豊かさで、たっぷりと味あわせてくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
とても嬉しく、ありがたいことでした。
なーんも起きない日常に見えて、確かに何かが変わって繋がって、実は起伏が結構ある。
そのバランスも良かったと思います。
才川とカンナちゃんの絆みたいな、既にあってもっと見たいものとか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
エルマとトールの過去と巨大感情みたいな、気になってたけど描かれなかったものとか。
色んなものが描かれたけど、全部見終わると、全部見たいものでした。
兎にも角にも、幸せな三ヶ月間でした。
あの追いかけっこの後にも、笑顔の日々は続いていって、物語と人生は川のように流れていくのだろうけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年9月27日
一旦、ここで幕です。
少しだけ寂しくて、とても嬉しい。
素晴らしいアニメでした。
とても面白かったし、靭やかな志が画面全部、物語全部に漲っていた。
お疲れ様、ありがとうございました!