月とライカと吸血姫を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
レフとイリナは、宇宙飛行士養成の厳しい訓練へと挑む。
実験動物扱いの過酷な試練の中で、少年と少女はお互いの笑顔を、苦しみを知っていく。
サイダーのように爽やかに弾ける青春の裏で、蠢く黒い影。
宇宙への道は情熱と愛で舗装され、偏見と官僚主義で塞がる。
そんな感じの異世界ソ連宇宙開発青春日記、スポ根ラブコメ堂々開演な第2話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
大体の座組を説明し終えて、『お前らをイリナちゃんの可愛さで殺す!!』と言わんばかりの、萌え仕草ラッシュ回であった。
ツンツン能面存在が、その実最高の笑顔と小さな震えを隠していたと判る展開、全オタクの好物
既に保護者オーラ全開のレフくんが、共に厳しい訓練を走り、押し寄せる差別に嫌な顔しつつ、イリナちゃんを見守ってる姿が微笑ましい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
被差別種族としての体験が、少女に当然の警戒を生み出す中、笑顔と炭酸水片手にズブズブにじり寄っていく粘り腰、大変いい感じです。
お話としてはおもしろ残酷特訓が始まり、イリアちゃんが耐えまくる展開。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
『”巨人の星”かよ!』とツッコみたくなる非現実的特訓の数々だが、何よりファンタジーなのはアレがほぼ史実で、生身の人間相手にバリバリ敢行されていたところだな…。
未成熟な技術で危険な宇宙を目指す旅自体が、”安全”なんて言葉を辞書に置き去りにした超非人道行為であり、イリアちゃんがやってる訓練は候補生も受けてんだよなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
差別意識、実験体扱いが加速してる部分はあるが、そもそも大国の威信が個人の人間性をすり潰していく、巨大プロジェクトなのだ。
そしてレフくんはそういう風潮に馴染めないようで、上官ぶん殴って落ちこぼれた過去アリ、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
プロジェクトの最上位である”チーフ”が、そういう人格を見初めた上でイリアちゃん監視に充てがってるのは、微かな希望が感じれていい。
少なくとも組織の一部は、人間として彼女を見てるわけだ。
そして大部分は、偏見を正すつもりが欠片もない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
差別を人型に塗り固めたような副長官が出てきて、この世界のスタンダードが分かりやすくなったことで、レフくんが例外的に優しい存在だと解ってくるのはいい運び。
あれが”普通”になるように、国も色々政策積み上げてんだろうなー…ヤダヤダ。
味覚とか吸血儀礼とか、ヴァンパイアの生活史が垣間見れる描写が多めだったのも、世界観が深まり良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
やっぱ生物種として違う部分はあり、しかしそれは断絶の決定的な理由にはなり得ない。
疫病の根源と扱われ、固定された差別。
”化け物”が何を訴えても、けして動かない現実。
イリアの頑なな態度は、それに跳ね返された体験と歴史が生み出すものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
レフくんは柔軟な態度でそこに寄り添い、彼女がどんな存在なのかをしっかり見て、新しい喜びを差し出していく。
味覚がなきても、刺激は楽しめるだろう。
そう考えて差し出した炭酸水は、甘くて酸っぱい。
炭酸水の自販機とか訓練機械とか、史実ほぼ流し込みであるがゆえのディテールの強さは今回も健在で、エキゾチックな匂いが程良く立っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
やっぱああいう小物に実在感があると、お話の手触りがグッと良くなる。
ヴァンパイア集落の少数民族感とかも、雰囲気あってよかった。
あとまー、とにもかくにもイリアちゃんですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
恥ずかしがったり苦しんだり、レモンソーダに満点笑顔だったり。
チャーミングな表情を通じて、レフくんが触れ合いの中感じてる『柔らかな感情がある、同じ人間なんだな…』という感覚がしっかり、視聴者にも生み出されていく。
口腔と苦痛にフェティシズムを感じる描写が多く、爽やかボーイミーツガールに欲望タレ流しなバランスも、結構好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
口にクローズアップした描写が多いのは、やっぱ”啜るもの”としての吸血鬼がヒロインなのを、生かした演出かな。
…シンプルに”癖”って話かもしれないけど。
クソみてぇな差別に包囲された、実験動物扱い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
誰も味方がいない状況で自分を保つためには、ツンツン強がって背筋を伸ばすしか無い。
しかし少女の血の色は赤く、白皙には誰にも明かせぬ恐怖を隠している。
高所恐怖症なのに、パラシュート降下必須の宇宙飛行士てのも辛いわな…。
レフくんの歩み寄りはまだ、イリアちゃんが身にまとった強がりの奥、柔らかく震える魂にまでは届いていないけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
厳しい訓練を共にする中で、否応なく鎧の隙間に人情が入り込み、気を許してきてる気配は既に元気だ。
やっぱ硬い殻をぶち破ってこそ、ズブズブの中身啜るのが美味いからな…ツン強度大事
初報を聞いた時は『おいおい大丈夫かよ~』と思っていた林原ヒロインですが、照れ隠しにグラス投げつけた後のガヤが人を萌え殺せるくらい”キレ”てて、『マジすいませんでした…』って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
まぁあの反応も、社会から隔離され偏見と差別に突き刺され続ける、吸血鬼の業が裏にあるわけだがね…。
『血を飲むとパワーが出る』つう設定は、後々レフくんの血をもらって窮地を乗り越えるフラグなんだろうなー、と思いつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
イリアちゃんがどんな子か、それを受けてレフくんがどう歩み寄るか、よく伝わるエピソードでした。
クソまみれの世界で、人間の根っこを忘れない奴らが主役なのは、やっぱりいい
イリアちゃんがギャップ可愛いのも、過酷な訓練に健気に耐え忍び、弱音を吐かずに頑張るタフさが、ちゃんとあるからだしなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
実験動物扱いにもプライドを持って、すっくと立てる社会的・個人的背景が今後更に彫り込まれてくると、より立体感のある造形になりそう。
好きになっちゃうヤバイヤバイ…。
かくして訓練と日常を通じ、少年と少女の絆は深まっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月10日
しかし計画の裏にはどす黒い影が潜み、怪物が静かにのたうつ。
危機の予感を漂わせつつ、可愛い二人の月旅行がどう転がっていくか。
次週も大変楽しみです。