王様ランキングを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
ボッス王、遂に斃るる。
ボッジを次期国王とする遺言はヒリング王妃によって覆され、ダイダが新たな王となった。
唯一の友と見込んだカゲとも別れ、失意に顔を伏せるボッジ。
果して運命の扉は、開く前に閉ざされてしまうのか!?
そんな感じの加速する陰謀、新ヒロイン爆誕の王様ランキング、第3話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
ボッジを襲う過酷な運命、流転するドラマが勢いよく転がって、大変に面白い。
ワクワクの大冒険で楽しませる手腕と、細やかに人間の機微を描く筆の同居が、非常にオーソドックスでパワフルである。
三話まで見てみると、ステレオタイプからの予断と、それをひっくり返す気持ちよさが巧いなー、と感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
素朴な絵柄で、いかにも役割に相応しいデザインのキャラを出されると『コイツは悪い継母』『コイツは悪党』『コイツは主人公の噛ませ犬』と、動く前から印象が固定されがちだ。
しかし蓋を開けてみると、各キャラクターはのっぺりした人格はしておらず、悪しざまな態度の奥に真心を、忠義の奥に裏切りを隠している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
第一印象を快く裏切って、そのギャップがドラマの起爆剤にもなる巧みな語り口が、次はどんなサプライズを仕掛けてくるか、期待を高める。
これは作品全体にも言えて、童話のような素朴な…っていう思い込み自体が、”童話なるもの”を想定したステレオタイプでしかないわけだが…話に見えて、蓋を開ければ人心の荒廃、過酷な試練、渦巻く陰謀に満ちて薄暗い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
ボッジは常に追い込まれ、見てる側の感情の起伏は激しい。
半ば強制的に作品をナメさせるヴィジュアルを、逆手に取って強みに変える物語構築。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
それが本格的に駆動しだした感じもある、第3話であった。
色々気になる要素がバラまかれていて、今後どう活かしてくるかも楽しみなんだよなー。
サスペンスの手腕も、また鋭いワケよ。
さて冒頭、フルボッコにされたボッジに緑の癒やしが迫る。一体どんなHBBなんだ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
ハンディを背負い、健気に頑張るボッジにとにかく容赦がないので、味方がいると初手で示してくれるのは嬉しい。
その秘された正体も、エピソードを牽引するエンジンになるし
(画像は"王様ランキング"第3話より引用) pic.twitter.com/zQVplDiqKF
ボッジに自分以外の味方がいると確認したカゲくんは、ニコニコで帰ろうとするが、そこに立ちふさがる蛇使い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
王国の暗い側面を担うベビンさんは、何かと陰の中から現れ、影の中で剣を振るう。
彼の蛇が潜む陰りに、カゲくんはもう帰ることが出来ない。
ボッジと共にあるという誓いは、おそらくカゲ一族の宿命と相反する歩みだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
異形の日陰者として、定められた居場所に隠れ潜むのではなく、正しい光の中を堂々進める在り方が求められる。
ベビンさんの蛇がカゲくんを元の居場所から追い出したのは、結構象徴的な描写だと思う。
僕はニヤニヤ怪しい蛇剣士が、相当な”信”と”義”の人だと踏んでるんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
カゲくんを過剰に警戒するのも、過酷な運命に包囲されたボッジ王子を守るためだと思うしなぁ。
今回結構衝撃の展開になるが、この後の立ち回り、魅せ方が楽しみなキャラである。
さて病身の国王は遂に斃れ、次代の王としてボッジが指名される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
立派な王にならんとする志に顔を上げる当人に反し、状況は大変怪しい方向に転がっていく。何あの悪魔ッ!
凶兆の現れなのか、なんらか因果のあるものなのか…気になる超自然の描写だ。
(画像は"王様ランキング"第3話より引用) pic.twitter.com/8mCrQYYsO1
ダイダ王子は望まぬ展開に魔法の鏡を頼り、王妃は遺言状を反故にする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
鏡に封じられている存在が、何を考えてダイダを正道から外しているのか。
王妃がボッジ王戴冠を認めなかったのは、彼が背負ったハンディと王の重責を、情で天秤にかけた結果だってのが、今回分かってくるけども。
揺れる王国を陰から操る、謀略の出どころはなかなか不明である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
王様ランキングは国民の善徳を評価しないので、自然人心は荒廃する。
他人のハンディをあざ笑い、レッテルを貼ってその声を聞かない。
ボッジを追い込んでいるものは、ボッス王の負の遺産であり、ダイダはそれを最悪の形で継承していく
苛烈でなければ王ではないとばかりに、玉座に就くなり反対派の粛清に回るダイダの覇道は、果して何を生み出し、何を奪うか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
ボッジをボコボコにしたマッチョな暴力が、ダイダの本当に欲しい物なのか。
魔法の鏡はそういう形に王子を歪めて、何をするつもりか。
謎と暗雲は、更に色を濃くしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
物言わぬボッジが常に己と理想に正直に活きるのに対し、”普通に”発話出来る連中は嘘で色んなものを塗り固め、後出しで変えていくのが面白い。
しかし嘘と本当は、シンプルに切り分けられるものでもない。
(画像は"王様ランキング"第3話より引用) pic.twitter.com/aKGzP1v2dB
己の身体を切り裂いてでも、ボッジとの誓いを果たそうとしたカゲくんに、突きつけられる刃。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
傷心のボッジに『カゲは旅に出た』と告げるベビンの刃は、一体何を切り裂いたのか。
真意を探らんと、三叉の大蛇(異様にいい声)に話を聞きに行くボッジ。
茂みをかき分け隘路を抜け、ぬくもりのある場所へ
ここのボッジの冒険は、雄大なオーケストレーションと合わせて見応えがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
ベビンが何かを隠していると、信じるに足りる関係があるんかなー、と思わされる。
ボッジを取り巻きキスしてくれるのは”蛇”だし、手話覚えてるし、やっぱベビンさん身内として描かれとるわな…。
いきなり傷だらけの大蛇が出てきてビビったが、その異形が誠実で優しいこともまた、ステレオタイプへの心地よい裏切りであろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
悪知恵に長け、危険な存在と思われがちな蛇だが、再生と知恵を司る側面もある。
その主たるベビンさんも…って感じではある。
とにかくボッジを追い込む筆に容赦がなく、過酷な状況で孤立してる彼に優しくしてくれる存在は、異形の暗殺一族だろうと大蛇だろうとババァだろうと、見る目が優しくなってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
ここら辺の情動誘導、『見た目で判断すんなよ!』つうテーマをキャラ造形に練り込んでる感じで面白いネ。
反対票を投じたアピスの暗殺を命じられたベビンは、国外れの辻で死闘を演じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
アピス一人称の背動から始まって、長柄を切り落とし距離の有利を作ろうとするベビンの手練、蛇のように這い上がる剣を払い落とす槍裁きと、ここはさすがのWIT STUDIO。
(画像は"王様ランキング"第3話より引用) pic.twitter.com/k0PAHu9ox4
冴え渡るクオリティが、武芸の冴えを必要とする世界の厳しさを上手く伝えてくれて、大変いい感じのアクションである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
穂先がなくとも必殺、アピスの技に貫かれたベビンさんだが、なんかモコモコ湧き上がったのに回収されてたし、死んではねーだろ。
蛇はしぶとさが信条だしね。
血なまぐさい舞台裏はいざ知らず、ボッジは新たな旅路を夢見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
ヒリング王妃は頭ごなしに旅立ちを否定し、涙に濡れたクッキーはしょっぱい。
この慌てよう…そろそろ化けの皮が剥がれてきたぞッ!!
(画像は"王様ランキング"第3話より引用) pic.twitter.com/9yNplOZ3f5
後に明かされるママとベイビーのLOVE♡LOVE生活から考えるに、ボッジはヒリングには自分の思い、蓄えた力を認めて欲しかったのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
どんな奴らに笑われても、絶対に解って欲しい相手であったのだろう。
しかし王妃はボッジが大事であるが故に、過剰に保護し嵐から遠ざける。
それも母心であるし、身近にボッジと接すればこそ、彼の非力を痛いほど知ってる立場でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
愛が捻れ、ひどく不器用な形になってしまう女(ひと)…好きになるしかねぇな。
『血縁なんて…魂繋ぐのには関係ネーだろっ!』とばかり、LOVE♡LOVEなの良いよね…。
遺言を裏切られ、夢を踏みつけにされてなお止まらぬ想いは、高い塔から危険な脱出を図る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
己が身とパンチラを一切顧みず、身を乗り出してボッジを救おうとした所で『あ…やっぱり…』ってなったが、まさかのゴリラパワー・ヒーリングで全てがぶっ飛んだ。
(画像は"王様ランキング"第3話より引用) pic.twitter.com/ndPdZpk4Ul
『王妃様で癒やして』いうたら、なんか優しい光がポワポワーってなって、花は咲き乱れ風はそよぎ…てなりがちだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
ヒリング王妃は違う。
なりふり構わず歯を食いしばり、己の魂を絞り出すようにして、愛する息子の傷を癒やすのだ。
きれいなドレスなんざぁ、ブッ千切るに任せておけ!
ややコミカルな脱出シーンだが、落ち行くかばんを蹴って塔にしがみつくボッジの身のこなしとか、意地悪に見えた王妃がドレスを引き裂いて魂の地金を見せる勢いとか、キレた演出が随所で暴れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
『コイツら、こういうやつなんだよ』と、描写がしっかり挨拶してくれるのは最高。
いつもそうだったように、無謀を怒られると思った所で、伸ばされる母の手。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
それがかつての出会いを、優しく笑いあった日々を、ボッジに思い出させる。
水彩で描かれる回想は、LOVEに満ちあふれて最高~~。
(画像は"王様ランキング"第3話より引用) pic.twitter.com/8VuUBifzsJ
血の繋がりがない所に、愛で橋を架けようとする王妃の奮戦もいいし、母を失い閉ざされていた心が、ゆっくり開いていく様子もグッドだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
傷ついた三叉の蛇を、『アタイのベビーに何すんだい!』と蹴り飛ばすヒリング様、あまりに頼もしい。
そして倒すことではなく癒やすことが、二人を繋ぐのも良い。
やっぱボッジはボッス王的なマチズモよりも、もっと他者を排除しない所に、魂の根っこがある人で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
ここでミツマタを助けたことが、八方塞がりに思えた裏切りの中で、旅立ちのヒントを、傷ついた心に癒やしを与える”恩返し”に繋がるところも、あったけぇ感じ。
過去回想は上手く現在と鏡写しになってて、蛇を蹴り飛ばした母の強さに心の扉を開いたボッジが、成長した今己の逞しさ、心の強さを見せることで、母に認めてもらう形になってる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
愛すればこそ、守るべき幼子のまま捻れ、固まっていたイメージが、魂の炎で解放されていく。
ボッジの心の扉を、強さと優しさで開けた王妃が、ボッジが知らず築き上げてきた逞しさによって、目の前の真実に気づく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
親愛を口づけに乗せる立場も、綺麗に逆転してるしね。
ここのキスは、とてもチャーミングであった。LOVE♡LOVEだったかぁ~~(大満足)。
かくして母の許しを得て、友を追う旅路に踏み出す王子。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
しかし不穏な予感が吹き付け、旅路に暗雲が立ち込める。
まーダイダとしては、これ以上ない大チャンスだよなぁ…。
オイドーマス、キョドってねぇで俺の目を見ろ。
(画像は"王様ランキング"第3話より引用) pic.twitter.com/eweDBYREgR
中庭の立ち会いで、ダイダの器量に惚れ込んでる描写も、指南役としてはボッジを見限ってる描写もあったしねぇ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
ダイダの玉座を揺るがす不確定要素を、”不幸な事故”で取り除く謀略。
それを血を分けた我が子がやってんのが、王妃様の不幸よ…。
ヒリング王妃、ボッジ相手には大事だからこそ過保護に閉じ込める捻れ方して、ダイダ相手にはヤベェ鏡に良いように操られて、善良さが上手く形にならない哀しさがあるね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
そのままならなさを知ってしまうと、やっぱ応援しちゃう。
ゴリラヒーリング、マジで面白いし。服破れる必要ないやろ…。
ミツマタが優しく告げたように、ボッジを慕うものは確かにいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
偏見に惑わされず、その魂の輝きを大事にしてくれる人に捧げた感謝のキスが、困難な旅の護りとなるか。
王冠を置いての旅立ちは、一筋縄では行かなそうです。
カゲくんやベビンさんも気になるし、次回も楽しみッ!
追記 最終的にはボッジが”王様ランキング”事態を否定・改定することで完成する物語な気はしているが、本当にそうなるか、アニメの範囲でそこまでツッコむかはわかんない。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年10月29日
蛇はその再生力から医療のシンボルともなるので、”Healing”王妃がボッジ最強の味方だと解った今回、癒やし繋がりでやっぱボッジ側の人間…なんじゃねぇかな。
誰かを許したり、治したりする行為が、王様ランキングにどう評価されるかも気になるな~。
ボッジ周りの話が落ち着いたら掘る所、かな?