イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

プレイレポート 21/11/23 ラストレクイエム『月夜の晩餐』

昨日はFEAR勝負の新システム、ラストレクイエムを遊んできました。

シナリオタイトル:月夜の晩餐 システム:ラストレクイエム GM:コバヤシ

シェンツさん:渡辺猩々:外見20代男性:ディテクティブ/オルフェウスオルフェウス 新宿の超劣悪治安地帯”番外地”、唯一の探偵。人外の美貌と必殺の炎糸術を誇るマンサーチャーであり、永生者の悲しみを抱えながら人に寄り添う白皙の魔人。

アカメくん:藤原銀:外見20代男性:ハーミット/モノケロス=イージス 普段は仮面のカルトバンドとして時を過ごしているが、その正体はかの逆賊・藤原千方が四鬼の一人。主の復活を待ちつつも、長く寄り添った人の世を慈しむ優しき鬼。

田中くん:”剣天使(ソードウイング)”天使絶刀:外見25才女性:エージェント/ルシファー=アームズ ルシファー族最強の剣士として、最近人界に派遣されてきた凄腕。人間の生き方には疎く、そこに通じた銀に色々支えられつつ、魔断の刃として真っ直ぐに生きている。

こんな感じの三匹が、メトロポリス東京を影から揺るがす大事件に挑んでまいりました。大変楽しかった。

トーキョー系列最新作ということで、その生みの親である鈴吹太郎が(おそらくあえて)デザイナナーから退き、久保田悠羅デザインで生まれたこのシステム。
時代を革命し牽引してきた様々な試みがもはや、当然のインフラクチャとなった現状に合わせてドラスティックなルール改定を行い、プレイ体験を現代の水準までググイと引き上げた、大変いい感じのシステムに仕上がっております。
N◎VA-Rの革命に立ち会い、ハンドアウトとフェイズプロセッション形式で育ってきた自分としては、FEARが生み出し送り出してきたものは時代を動かす大きな力を持っており、だからこそ自分たちが変化させた時代それ自体に置いていかれる難しさを背負っていると、常々思っているのですが。
ここでルール的にも、世界観的にも、DTPや編集においても気合が十分入ったこのシステムが出ることで、まだまだ新たに生まれ変われる可能性、そこから生まれてくる期待感をたっぷり味わう事が出来て、大変良かったです。

ここまでのトーキョー系システムを遊んで、実プレイ上ダルい部分に軒並み手が入っており、実卓をしっかり見据えたチューンナップになっているのは大変良いと感じました。
手札処理を変えて行動回数に上限を設けたり、登場判定を廃止したり、各種フレームワークが薄くなってきた近年のトレンドを踏まえて縛りを緩めにしたり、スタイルの表現力を弱めることなくキャラメイクを軽くしたり、手を入れ切り離した部分全てが”活きた”改定となっております。マージで遊びやすい。
くっそダルい神業の読み合い、スタイル推測もエピタフルールで全部ふっ飛ばしてくれてて、大変爽快です。リサーチとともに敵の真実に迫っていく雰囲気作り、物語装置としての表現力も大変強く、このシステムの白眉と言えるでしょう。
肉体ダメージが外的・内的に別れたのは正直良くわかんないけど、久保田先生の古武術マニアっぷりが思わずハジケた……と受け取っております。そのぐらいのパッションが感じられたほうが、俺はシステムとして好き。

世界観も80S現代伝奇で産湯を浸かった連中の肌に、ヒアルロン酸大量配合の乳液のように馴染む! 馴染むぞー!! って感じで、次から次へと寝言が自動生成されて大変良かったです。
俺は公式がババーンと分厚めの世界観を投げつけてくれた上で、それにビシバシ自分の好きなネタを投げ返すTRPGが好きなんですが、そういう遊び方を許容してくれるネタの濃さ、雰囲気の強さがしっかりあって、大変グッドです。
実は世界観パートの枚数自体はそんな多くないんだけど、必要なことがしっかり書いてあって、ここも実際のゲームで”活きる”部分なんだろうなー、と思う。
自分の好きなもの流し込みなだけでなく、世界観として用意された部分をグイグイ取り込んで行きたくなる魅力が随所にあって、『ロストレクイエムっぽく』遊びたくなるのは、凄く良いなーと感じました。

シナリオは付属一本目を、ワリと記述どおりにプレイ。
参加者全員がトーキョー系システムに慣れてたってのもあるけど、初プレイ三人卓で二時間半くらいのラップタイムと、大変軽妙に、濃厚に遊ぶことが出来ました。
最近のシステムのデフォルトになっている、『シナリオに書いてあることを上から下に読んでいけば、ゲームでやるべきことが全部実装されて、最高に楽しい経験が出来る』記述方式がしっかり導入されていて、エントリーシナリオに必要な導入力、キャッチーな面白さもしっかりあり、大変良いシナリオでした。
楽しかったという感慨と同時に、ラップタイムに数字がしっかり出てるのが、様々に変化させ削り取ったルールがしっかり生きてる証拠だなー、と思っております。
戦闘はマジで早くなってて、「ホントゲームに関係ない所で色々時間食ってストレスだったんだなぁ……』と、今更ながら述懐したりした。

というわけで、大変楽しいセッションとなりました。
超ぶっちゃけると最近のFEARの青色吐息には、信者としてもの悲しい気持ちがたっぷりとあったわけですが、このラストレクイエム、そういう思いに『まだまだ!』と力強い一発を入れる、大変遊べる楽しいシステムとなっております。
遊び終わるなり新しいシナリオ、新しいキャラ作りたくなったのは、やっぱ良いシステムの証明だと思うんスよね。今後ももりもり、食い散らかしていきたい所存です。
大変良いセッションでした。同卓していただいた方、このシステムが遊べるようになるまで様々に努力し、思いを形にしてくれた方々、ありがとうございました。