鬼滅の刃 遊郭編を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
善逸からの連絡が途絶えた。
宇髄は炭治郎達に撤退を指示するが、二人は決意を新たに事件の中心へと踏み込んでいく。
女の装いを脱ぎ捨て、戦士の装束をまとい直した剣士の前に、ぬらりと現る錦の蛇。
上弦の陸、堕姫との闘いが始まろうとしていた。
そんな感じの遊郭探訪止めバトル開始ッ! な、鬼滅遊郭編第5話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
鯉夏花魁を中心にほっこりする人間味の描写があり、炭治郎と伊之助の屋上漫才あり、宇髄が”忍び”の本分を苦無に宿す詰問あり、郭に潜む鬼との対峙あり…。
なかなか上下動の激しい回だったと言える。
蕨姫花魁の極悪っぷりを前回強調してからの、禿に慕われ優しく接する鯉夏花魁の人格は、なかなかに染みる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
炭治郎が静かで暖かな日常…そこに秘められた別れを見守っているのは、鬼探しの使命が勿論あるわけだが。
同時に、年少者が優しくされてると無条件で嬉しい、長男気質が静かに燃えている。
やっぱここ数話、襖絵に床、活け花に軸に違い棚などなど、吉原を彩る美麗な小道具をたっぷり摂取できて、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
江戸から変わらぬ様式を保ちつつ、子供らが読んでくれろとせがむのは大正の児童雑誌で、そのちぐはぐがまた”時代”を感じさせる。
今後物語はバトルバトルのまたバトルへと転がっていくわけだが、しっとり落ち着いて”生活”を描く筆がやっぱ、このアニメの大きな武器だと思い出せたのは、ありがたい運びであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
『資料メチャクチャ漁り倒したんだろうな~~~』って場面設計に、圧倒される瞬間が好きなの。
音柱に撤退を告げられつつ、炭治郎と伊之助は一歩も引かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
横暴ド派手に見えて宇髄さん、忍びらしく非常に細心な人なので、あくまで冷静に新入りの命を守るべく、落ち着いて判断しようとしている…事と、でも剥き出しの肩にメチャクチャ血管でてるのが、大変良い。キレてんじゃん…。
忍びらしくリアリストで冷徹な部分と、忍びを離れド派手に勝手に生きようとする部分と、狂った宿命に相反するマトモ過ぎる部分が同居してるのが、音柱・宇髄天元の魅力だと思うけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
その片鱗は、みすみす善逸をやられた怒りに、パンッパンに張り詰めてる二の腕からよく伝わる。
『死なない、勝つ、守り切る』という炭治郎の決意を、伊之助は『それ全部…俺が言いてぇことだぜ!』と爽やかに切り返すわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
それは実は、宇髄さんも腹の奥底で願い、達成するために闇を駆けている使命なのだ。
遊郭編は保護者がついて回るので、大人と子供の対比、共通点の描写が面白いなー。
やっぱ無限列車を経て、伊之助が相当に変わってる感じはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
足りない頭を必死に捏ね繰り回し、事件の裏を探ろうと我慢する所。
それでも足りない部分をダチに助けてもらって、自分のやりたいことを変わりに言葉にしてもらう所。
野の獣と捨てられ、野放図に生きてきた彼が”人”になっていく過程。
これを見守るのが、鬼滅の沢山ある楽しみの一つである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
頑是ない禿の笑顔を見た後に、そう年も変わらねぇ伊之助たちが『死体を隠すには手間がかかるッ!』とか言ってるの、マジで世知辛いけど。
そういう立場の子供たちも、喜びと悲しみに出会いながら確かに、変わっていくのだ。
さて情勢が動き出して、女装して潜入捜査してる余裕もなくなってきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
全国一億の原作既読者が『どう扱うんだろうな…』と(勝手に)気をもんでいたムキムキねずみは、サラッと流すどころか伊之助がセリフでガンガン説明を載せ、登場直後にECサイトでグッズ展開である。スゲーぜ鬼滅ビジネスッ!!
まぁ今後も国民的アニメとしてガッポガッポ続いていくには、いい塩梅のマスコットが欲しくもなろう。喋るだけのカラスとかよりは、まぁね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
しかしあのワニ先生の気の迷いとしか言いようがねぇクリーチャーを、前面に押し立てて勝負できる状況、ホント凄いよネ。
伊之助が猪頭で駆け出す裏で、わざわざ折り目正しく別れの挨拶と義理を届けるあたり、やっぱ炭治郎は”正しい”少年で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
鯉夏花魁との触れ合いも、彼らしい柔らかさが随所に満ちて、なかなか暖かだ。
この温もりを、堕姫が踏みにじる動き含めてグッドよね。
見受けの銭で腰を作らにゃ、大門からは生きて出られぬ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
鯉夏が吉原から去っていくのは喜ばしい事なのに、どこかねっとり欲と業が絡む。
そういう場所だからこそ、今回郭が舞台になってんだろうな、と思う。
血の泥の中で、それでも綺麗なものを信じ続けられる少年は、そうはなれなかった鬼たちを斬る
そこには泥から這い上がれる者たちを救いと描きつつ、業に飲まれて他人を食い散らかす、愚かな存在への視線が、確かにあると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
金ピカに光り輝き、その奥に腐臭が漂う吉原というキャンバスは、そんな風に鬼と人を見る目線が、とても良く映える舞台だ。
醜を憎み美を貪る、堕姫との決戦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
夜空に舞い踊る綾錦、水の呼吸の美しいオーラの描き方は、一幅の絵画のように鮮烈だ。
こういうキメ所の構図の強さは、やっぱ凄いなぁ、と思う。配置も色合いも、最高に良い。
(画像は"鬼滅の刃 遊郭編"第5話より引用) pic.twitter.com/1VpYAzLFWf
優しき鯉夏と縁が出来た故に、上弦と一人で対峙する事になった炭治郎。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
震えを噛み殺し、刃を構えるその姿に、梅ちゃんも好感度UPである。
人食いの怪物に墜ちきったようでいて、どこか綺麗な星を探している。
どぎつい猩々緋の隙間から、既に漏れてんだよなぁ、”なにか”が。
『ちょっとイメージと違うかな?』と思わされるのは音柱も同じで、京極屋の旦那を脅す時の、冷たい刃に一筋、人情が滲む魅せ方が良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
殺すと請け負うのは脅してる旦那ではなく、彼の抱えた無念、郭に潜む鬼である。
ただただ、空鉄砲をド派手にぶっ放す男ではないのだ。
善逸の疾走に責任を感じ、民の無念を刃に乗せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
そんな宇髄天元は果たして、加勢に間に合うのか。
吉原の夜闇に必殺の鬼帯が舞い、切って落とされた戦いの火蓋。
さてどう転がり、どう燃え盛るか。
来週からは、本格的にバトル&バトルである。
こうして鬼滅アニメ特有のどっしりねっとりたっぷりの味付けで見せてもらうと、潜入捜査パート結構面白かったな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
人の狭間に潜む鬼を探り当て、人に混じって何かを演じる鬼殺隊。
そういう姿が、あの時代あの場所を生きた”人”のあり様と一緒に書かれるのは、独特の味わいがあった。
こっからはオーラ全開の全開バトルなわけだが、そればっかが”鬼滅の刃”じゃないよと、不思議な自己主張のあるパートであったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年12月27日
俺はそういう所こそが、好きなのよ。
そして白刃でのみ、暴かれていく人の証もね。
互いの喉笛を狙い合う必殺の闘争に、滲む意地と哀しみ。次回も楽しみです。