からかい上手の高木さん3を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
一話二話が結構変化をつけてストライクを取ってくる構成だったのに対し、三球目になる今回はストレートど真ん中。
”The KARAKAI”とでもいうべき、翻弄され空回りして毎日ドキドキな青春が、力強く駆け抜けた。
間に挟まる三人娘エピが、また可愛らしいくて良い。
第1第2エピソードは西片がブンブン振り回され、一拍挟んで第4エピソードで、計算抜きの真心で大勝利…なんだが、純粋故に”勝ち”に気づいてない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
そんな作品の基本形をたっぷり摂取して、お肌ピチピチ気合十分、とてもいい気分で見終えた。
パク・キョンスンに桜井コンテが挟まる座組もグッド。
お話としては西片の浅薄な自意識が残暑に空回りし、安全圏ギリギリを確かめるような高木さんの領空侵犯にドギマギしつつ、日々が過ぎていく感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
いい加減西片も、相手がルールを決める戦いでは絶対勝てないことを学んでいいと思うのだが、その浅はかさが可愛い。
前2つのエピソードでからかい勝負を通じて西片を翻弄する(体重をどれだけ預けても大丈夫だと確認する)高木さんを書いておいて、最後はゲーム抜きのマジ勝負になる緩急も、やはりいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
つーか三期はやっぱ”打撃(あて)”てる感じが凄い。踏み込みすぎだろ…。
しかしまぁ、思いがバレたらバレたで高木さんの勝ちであるし、本心に触れそうで触れない…でも何より深く突き刺さってる今の距離感は、高木さんにとっても楽しく嬉しいものなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
成熟度の差でコントロールしているように見えて、純情少年の保身なき真心を、いつでも待っている。
そんなくっっっっそ面倒くさいピュアガールの期待に、西片はいつでもしっかり答える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
煮え切らない甘酸っぱさに身悶えしつつ、こういうところでお互い様な帳尻合わせがしっかりあるのが、安心してみてられる大事なポイントであろう。
感情の総量もからかい勝負も、ちゃんと帳尻あうんだよね。
西片はすーぐフィクションに影響されて妄想を暴走させる浅はかさが可愛いが、妄想野球の高木さんも、ヘルメットピンクで素敵だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
子供の豊かな空想力がシームレスに広がって、世界を覆っていくファンタジーの書き方、シンエイ作品っぽくてやっぱ好きだな。
西片自身はそういう空想癖を『子供っぽい』と嫌っているのかもしれないが、彼がおおらかに夢のある少年であることが、作品にいい詩情を連れてきてもくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
野放図な空想の中では、魔球だって投げれるしどこにだって行ける。
そういうファンタジー肯定の側面があるのが、僕は好きだ。
三人娘とデブ猫ちゃんのやり取りも、大変可愛らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
通り雨オチからスーッと第4エピに繋がっていく流れが気持ちよくて、短編連作ゆえの気持ちよさだな、と思う。
各エピソードの尺の使い方も闊達自在で、話のフレームを活かしつつ囚われない自在さが、なんとも頼もしい。
やや長尺の第4エピソードは時間をじっくり使って、逡巡する手のひら、弾む心を宿す足先など、パーツへのクローズアップが効いていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
西片は果たして、自分の楽しみのために高木さんを雨中に置き去りにするクズになってしまうのか!?
結果はわかっていても、魅せ方が上手くてハラハラする。
無論、そんなことはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
マージで一生西片の方見ている高木さんは、彼が自分のためにずぶ濡れに走ってくれることを、それを照れ隠しして傘を突き出してくれることを、信じ願いながら、からかい無しで待つ。
西片はそんな高木さんの微細な震えを、見抜けるほど成熟はしていない。
しかし強まる雨脚にその不在をを想い、しなくてもいい親切を届けたくなるのは、やっぱり高木さんなのである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
そんなお互いの心の専有度が、よく見える第3話であった。
『お前を見てるぞ』と告げた時、確実に刺しに行ってたからなぁ高木さん。
来いよ西片! 思春期なんて捨ててかかって来い!!
でも思惑通りすべての照れと自意識を投げ捨て、思い一本で突っ走る”獣”が飛び込んできたら、高木さん間違いなくビビるんだろうな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
そこで余裕なくなっちゃうところが可愛いし、余裕で向き合えるほどヌルい愛でもないわけだ。
そしてそれは、雨の中走った西片も実は同じ…と。
『高木さんが勝って、西片が負ける』ていう作品の基本形を書いた後に、『実は勝負自体が成り立ってない。両方負けで両方勝ち』という、これまた作品の基本的真実を鮮明に照らすエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年1月27日
二人ともお互いが本当に好きだと分かる書き方で、大変ありがたい。それが”骨”だかんね…。
次回も楽しみ