ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
スタンド能力に目覚めた女囚・エルメェスは、奇妙な因縁に絡め取られ、「DISC」を埋め込まれた囚人・マックイイーンと対峙する。
加熱する自虐はエルメェスを巻き込み、迫りくる強制心中の恐怖ッ!
タフな状況で、力に目覚めた女は何を掴む!?
そんな感じのエルメェス姐さんのスタンド入門編、ストーンオーシャン第6話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
徐倫の物語が本格始動したッ! というこのタイミングで、あえて徐倫が一切登場しない”仲間”のエピソードに一話使うの、面白い構成だなー、と思う。
これから厳しい旅に加わるエルメェスが、どんな女なのか。
その性根を、根性激ヤバ繊細悪魔との激闘で描くお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
いやー…田村少年オンステージと、アニメになってみると本格的にヤバいマックイイーンのあわせ技で、滅茶苦茶異様なテンションだったな。
1話に圧縮したことで、物語のエッセンスがギュッと濃縮され、美味しい所をドバドバ食べれた感もある
お話はエルメェスが目覚めた能力を調べ上げ、状況に順応していく所から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
徐倫は”マ”、エルメェスは尿瓶。
『お淑やか』なんて言葉は薬にしたくても出てこねぇ、女囚の生っぽい質感がうまく伝わってくる。
性欲もあるし排泄もする。
そういう存在として、彼女たちはムショで生きている。
エルメェスにとって、マックイイーンは鏡合わせの敵役だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
彼女はクレバーに自分の能力を把握し、それを活用して自分の未来を切り開く方法を模索する。
彼女の力が目覚めたのは偶然(あるいは運命)だが、マックイイーンは”ホワイト・スネイク”の邪悪な企みに利用された結果だ。
そして”キッス”も”ハイウェイ・トゥ・ヘル”も、二つに分割されながら繋がっているものを、己の力として扱う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
増えて、繋がって、壊れる。
それは同じだが、エルメェスは自分の力を把握しようと務め、それに他人を巻き込まないよう注意深く扱う。
マックイイーンは、自分の能力にも邪悪さにも無自覚だ
”キッス”が目覚めた時のモダン・ホラー巻溢れる演出が好きだが、エルメェスは未知の力にビビる時間を手短に終え、目覚めた力を活用して盗人に正しい裁きを下し…”DISC”と出会う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
前回承太郎の魂を盗んだ邪悪なフェティシュが、話の転換点を示すピリオドとして、巧みに生かされている。
あのヌロんとした色合いが画面に写った瞬間、物語の潮目が切り替わり、『エルメェスも、徐倫と同じ運命に引き寄せられているのだ』ということがよく伝わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
これを補強するように、物知りエンポリオ少年がメッセンジャーとして顔を出し、エルメェスと徐倫の赤い糸を繋ぐ。
今回のエピソードは、「DISC」の説明回でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
それは記憶と能力という、人間性の根っこを支える部分を物質化し、略奪したり喪失させたり移植させることが出来る。
本来操作できないもの、してはいけないものを、自在に操る力を持っている。
マックイイーンの性根が被害者気取りのドス黒い邪悪なのは間違いないが、能力の”DISC”を埋め込まれなければ、その自殺はエルメェスを巻き込まないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
記憶が”DISC”化され、滑り落ちることがなければ、あれほど不安定な精神状態にはならなかったかもしれない。
「DISC」の主たる”ホワイト・スネイク”は、『自殺』という本来個人で完結している(と思われている)現象を、その身勝手な邪悪さに他人を巻き込む嵐として…自分に迫るスタンド使いを排除する罠として、これまた身勝手に悪用してくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
そういう相手に、「DISC」は握られているのだ。
マックイイーンにとって好意は失望と、希望は不運と背中合わせである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
ねじ曲がった精神回路は説得の奥にあるエゴを嗅ぎ取り、勝手に死のうとしてるバカへの本気の抗議にこそ、真心を感じ取る。
それでも誰かに触れていたいと願い、捻れた邪悪さ故に上手く行かない。
愚かで醜く、悲しい敵役だ。
そのベトついた心中志願に、エルメェスは翻弄されつつ運命を引きちぎる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
自分に優しくしてくれた相手を、強制的に心中相手にする凶悪さに無自覚で、被害者意識にぶっ飛んだまま他人を殺してくる、救いようのない相手。
それを、目覚めた”キッス”で制圧していく。
それは別れているはずの境界線を見誤り、無自覚に踏み越えてくる相手に、的確に線を引く行為だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
エルメェスの”キッス”は一つのものを二つに増やすが、それはベッタリと同一化はしない。
破壊の…あるいは突破の力を周囲に撒き散らして、元の形にはならない。
マックイイーンが把握していない致命的な同一化願望から、エルメェスはタフにクレバーに、距離をとっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
だからどこか似た”キッス”と”ハイウェイ・トゥ・ヘル”は敵対し、エルメェスは自身の生存を勝ち取る。
同時に、自殺志願者のはた迷惑な暴走を止める。
このバトルの後、マックイイーンがどんな人間になるかは描かれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
不運の犠牲者、孤独なクズとして自分を哀れんでまた死のうとするかもしれないし、生き方を変えれるかもしれない。
どっちに転ぶにしても、未来があるのは生きてこそだ。
あるいは、確かに脈打つ”何か”を、生死を超えて託せたら…。
無論、ブッチギリにヤバくて、でもどこか身近にいそうな卑しい邪悪さを持ったマックイイーンは、彼のスタンドに現れているように、力を得ても未来へは繋がらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
そういう面白くもねーヤバい連中にも、「DISC」は異様な能力を与えてしまう。
止めなければいけない異常事態だ。
しかしあくまで、女囚は身勝手だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
徐倫は父を取り戻すため、エルメェスはヤベー目にあわせた黒幕とぶん殴るため、ヤバイ「DISC」を追って謎と力を追い詰めていく。
結果としてそれは力の犠牲者を守り、正義を成し遂げるかもしれないが…あくまで自分のための身勝手だ。
でもそれは、結構面白くて、切実で、強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
田村少年渾身の『パンティーあげちゃうッ!』、最高に可笑しかったけども、それがエゴから出たから、マックイイーンが指弾するような『真心のない行動』なんだろうか?
彼のように邪悪さに無自覚で、あるいは善意から行動すれば、全て許されるのだろうか?
んなわけねぇだろ、と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
話を全く聞かない激ヤバ人間に振り回され、なんとか熱い”キッス”で道を切り開くエルメェスの奮闘は語っている。
スタンド能力が似通っていても、ある意味純粋さと不純さの対決であったとしても、エルメェスとマックイイーン、どっちがクズかは明白だ。
力や行いの意味を探り、適切に改める智慧。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
目の前に置かれているものの意味を考え、変化を恐れない勇気。
そういうものの有無が、ここで退場する救えない悪役と、意思を込めて物語の本道に乗り込むキャラクターを分けている。
エルメェスは今回のお話で、徐倫の隣に立つ資格を証明したのだ。
それは抽象的な正しさのために、身を投げる殉教者の姿勢ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
オナニーもすればションベンも浴びる、身勝手な罪人として生き延び、譲れないものを掴む賢さとタフネス。
そして自分と他人の境界線を見極め、差し出された手を掴む勇気だ。
この泥臭さ、やっぱ好きだなぁ…。
エンポリオくんが第6代解説王の片鱗を見せつけ、監獄の子供にしちゃぁ異様な理科知識をぶん回してるの、異様に面白かったけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
リアクション王も兼任するので、今後も種崎さんのセリフ量は多いと思うが、英雄の介添人に選ばれてしまった宿命なので頑張っていただきたい。
というわけで激戦をくぐり抜け、形あるヴィジョンに自分だけの名前を刻んだエルメェス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月12日
こっから徐倫と本格合流、”ホワイト・スネイク”を追い詰めていく戦いが始まります。
ヤバ人間の巣窟と化した、治安最悪の刑務所でどんなバトルが繰り広げられるか。
次回も楽しみです。