明日ちゃんのセーラー服を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
明日小路は、人生始めてのイベントに心揺れていた。
友達を、家に誘う。
隣の席の少女、木崎江利花に”それ”をどう切り出したものか、太陽少女は悩み惑う。
曲がりくねった心の迷路を越えた先に、とびきりの青春が待っている!
そんな感じの24分一本勝負、主人公 VS メインヒロインのガチンコ青春バトルである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
原作を再構築した結果、あんだけ大熊くんとか峠口とかに”視られる”立場だった明日小路が、言いたいことを切り出せず”視る”立場になる木崎江利花の特別さが、より強く際立つ感じのエピソード。
明日ちゃんは持ち前の引力と輝きで、バッタバッタとクラスメイトをなぎ倒し、全員夢中にさせちゃう魔性の主人公なわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
そこに過剰な特別さが生まれないよう、迷ったり出来なかったりする部分を、アニメはバランス良く強調している感じする。
そういう”フツーの青春”で押すには、世界美しすぎるが
いやだって見てくれよこの風景と生物たちッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
イワナくんもカワセミくんも、妖精郷めいた大自然の中でビカビカと輝き、明らか人間のナチュラルな目線では切り取れないほどに、蝋梅生を取り囲む世界は美しすぎる。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第6話から引用) pic.twitter.com/3Qrxk26g7b
我々を取り巻く自然を題材にしているはずなのに、それを飛び越えた輝きが過剰に、画面を埋め尽くす超現実主義。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
少女たちの青春もまた、過剰なフェティシズムと思い入れをダバダバ溢れさせながら、めっちゃいい感じな所をズパズパと切り取られていく。
あくまで非現実ではなく、実在するかもしれないがこんな形に磨き上げられはしない、イデアの究極系としての少女と世界を狙い撃つ、細さと強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
江利花ちゃん一本で勝負を仕掛ける今回は、その色がいつもに増して濃い。バキバキである。
というわけで、明日小路は木崎江利花に夢中である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
もはやグロテスクですらある眼球のクローズアップは、小路が見据える世界をよく教える。
始めて、お友達とお家で過ごす休日に心躍りつつも、だからこそ切り出せない。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第5話から引用) pic.twitter.com/CjxOjYLSCJ
無自覚の引力で先週まで、さんざん色んな女をぶん回してきた青春の太陽も、超お嬢様の長いまつげに引き寄せられ、その周辺を漂う運命である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
序章は主人公の一人称的物語なので、感情とエロティシズムの乗っかった視線が随所にうなり、異様に粘り気があった。素晴らしい。
こんだけ粘着質の視線を木崎江利花個人に投げつけておきながら、他のクラスメートとも適正距離を保ち、あるいはそこを踏み出して体温を伝えてくるのだから、明日小路の青春運動量はとんでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
狭くて強い視線と、広くて温かい受容を同居できる所に、蝋梅の最終兵器たる”凄み”がある。
タイミングと距離感を探りつつ、なかなか切り出せない思いがふとした瞬間、転がりだして繋がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
言えない時間をねっとり書いた分、それが炸裂する瞬間は大変劇的で、『コレが俺たちの青春のイデアだっ!』という、やりすぎな絶叫が画面から滲み出る。いやー、エロいエロい。
江利花ちゃんは想像を絶する箱入り娘なので、蝋梅の新しい生活に超ワクワクしてて、やりたいことは山盛り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
そういう意味では、セーラー服の怪物とおんなじ気持ちで、中学生活を過ごしている。
彼女たちほど過剰ではなくとも、新一年生の皆がそういう、フレッシュな鼓動を抱えているのだ。
この頑是ないワクワク感が、作品の基本的BPMとして常時鳴り続けてる所が、僕は好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
お友達と遊ぶと楽しい、新しいことに出会うと嬉しい。
そういう瑞々しい感性…を生のままではなく、歪になるほど理想化して、カメラで狙い続ける執念。
爽やかにサラッとは終わらせられない力み。
それが良い
寄せられる唇、絡め合う小指と小指。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
現象だけ切り取れば『土曜日、一緒に遊ぶ約束をした』ってだけの微笑ましい瞬間なのに、眼球のクローズアップに、明らか画材が違う”瞬間”の切り取り方に、ネットリ重たいモノが漂う。
しかし通しで見てみれば、描かれているのは爽やかな青春そのものでもある。
やっぱこの混ざり合わない濃度の同居、青春にしろ自然にしろあるがままには描けない作者達のカルマが、僕がこのお話を好む大きな誘因なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
明日ちゃんというキャラクターが背負う感情と、それを切り取る筆の粘性がかけ離れていて、でも乖離はしてないんだよなぁ…変なアニメ(好き)
というわけで好きだからこそ怯えちゃう、可愛い青春小惑星が接近を果たし、運命の土曜日である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
『日本にねぇだろ!』と突っ込みたくなる、あまりに美しい湖畔。
江利花ちゃんもやる気十分、下ろしたての”武装”で待ち構える。なんだそのグラサン…
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第5話から引用) pic.twitter.com/sXZAMcpF2c
明日ちゃんも下ろしたての勝負服で全力ダッシュ、思わず溺れてると勘違いしてスク水ダイブするくらい、青春に浮かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
とんでもなく上っついた妖精たちの飛翔なのだが、二人の間では水平が保たれているので、このテンションで全然いいのだ。
お互い好きすぎて頭がおかしい女達、やっぱ最高。
明日ちゃんだいぶは『いや……スク水と”水”描きたかっただけでしょ』と突っ込まざるを得ないが、描きたいもんが出来たら即座に生えるのがこの物語のルールである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
イデアが踊る超現実を前に、”現実”なるものの面白くもねぇルールは意味をなさない。
あると願えばあり、やると思えばやる。
そういう思念第一主義がお話の根底にあるこのアニメ、ジャンルとしてはやっぱりファンタジーなのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
『やりたい!』が総身に溢れ、時にもじもじと足踏みしつつも、飛び出したらもう止まらない主人公は、そういう幻想を切り裂いていく、鋭い切っ先である。
さて初撃から最高速で当たりに行く青春超特急の勢いは止まらず、初めての釣りは熱く激しく燃え上がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
釣り場に案内するまでのモンタージュが、初速の熱がちょっと引いて、マジいい感じの”友達との時間”してる空気を伝えて好き。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第6話から引用) pic.twitter.com/NUSLcPjyBy
『喰らえ…お前ら陰キャを焼き尽くす、極濃縮青春絞り汁だッ!!』と言わんばかりのキメ絵とか、中学1年生のボディラインを狙いすぎたぴっちり耐水服、水の中にくねる若鮎達の身体が、滅茶苦茶目立つ釣りバトルだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
キャストする時後方確認してから投げてたりとか、ウェーダー脱ぐ時帽子預けたりとか
地味ーな日常芝居に細かく神経が入ってて、”入り”も”抜き”も油断なくアニメートさせてる作品だなぁ、と再確認。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
こういう所の芝居が細やかなので、宗教画めいた圧力でぶん殴る『これが…これが”青春”だっ!』ていうキメどころも、深くぶっ刺さるわけよね。
最初コミカルでやりすぎな”力み”を描いておいて、二人でアクシデントを乗り越える中力が抜けて、(イデアルな方向に強調された)自然な友達付き合いになっていく過程も、その到着点と同じくらい大事にされてて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
明日ちゃんと江利花ちゃんの特別な距離が、どう生成されていくか、よく伝わる。
というわけで激闘を終え、なし崩しにマイホームにダチを引っ張り込む明日ちゃんと、お友達の素敵なお家でホッコリくつろぐ江利花ちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
明らかに間合いの詰め方が急すぎるが、その”力み”は家族からしっかり指摘される。妖精さんいたぁ!!!!!
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第6話から引用) pic.twitter.com/YoEjvyUq4r
花緒ちゃんが出てくると、ロリータ人間国宝・久野美咲の十八番『幼児が楽しくてしょうがない時に、喉をくすぐるように出てくる奇妙な音』が大量摂取できるので、大変ありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
コレが渇望すると、俺は”怪物(モンストロ)”になっちまうからな…世界を壊さないためにも、定期供給してもらわんと。
風呂は一緒に入るわ髪は梳くわ、青春の零距離戦闘奥義を初手からぶっ放しまくる明日小路 Aka 危険行為。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
しかし江利花ちゃんも”この間合”でのコンタクトをずっと望んでいたので、戸惑いつつも拒絶はしない。
つうかどんとこいである。キミらさー…もっとやんな!
江利花ちゃんが明日ちゃんと距離を詰める時に、お母さんと花緒ちゃんが友情の触媒として、最高の仕事してるの大好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
愛娘初めてのお友達を相手に、凄くサバケた親しみやすさを演じて、いい思い出になるようかなり頑張ってるお母さん、俺は本当に偉いと思う。
最初どう話しかけたもんか明日ちゃんが迷ってる時、お母さんは『あー、江利花ちゃん?』て言っとるわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
つまり家では既に『江利花ちゃん』呼びだったわけですよ。
そんな風に、特別な女の子を前に気張りまくる娘を茶化しほぐしつつ、友情の介添をしてあげる。偉い大人だ。
お母さんは大人らしくよく考えて最善に立ち回ってるわけだが、花緒ベイビーはめっちゃナチュラルに、いつもどおりに最適解を選択してて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
第1話でもあったおケツパーンが、『自分を楽しくするために、色々頑張ってくれる大好きなお姉ちゃん』の象徴なのだと、ここで解るのがホント好き。仲良し…。
花緒ちゃんはいつもも自分を大事にしてくれるお姉ちゃんが凄く好きだし、それを江利花ちゃんにも受け取って欲しいと感じてる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
だから”かっこいい自分”を飾ろうとする明日ちゃんの思惑を崩して、リラックスした笑顔を生み出す。
序章の戸惑いどこへやら、あっという間に家族公認のマブダチ距離である。
通しで見てみると、友達いなかったからこそ友達に憧れる明日ちゃんが、同じく新しい世界に胸弾む江利花ちゃんと、どんな風に特別な友だちになっていくのか、しっかり書いた話だな、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
そこに少女と青春のイデア、美しきものの理想形への”力み”が交じるから、バロックな味にもなるんだが。
あまりに楽しすぎた土曜日は暮れ、また新しい日々が始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
遠ざかる車窓に写るキミは、新しい名前で私を呼ぶ。
人生は、美しくて眩しい。
明日ちゃんの蔵書から、なんで大熊くんと呼応したのかよく分かるの好き。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第6話から引用) pic.twitter.com/yWEBl5XFw9
『お互い肌晒して風呂入って、実家にあげて髪梳かしてから名前呼びイベント!? ”順番”違くね
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
!?』とツッコミもするが、これが二人の距離なんじゃいッ!!
実際、明日小路の青春はエンジンぶん回しすぎてルートがおかしいが、そんなん問題にならんほどに常時最高速度、到達点は成層圏ギリギリである
そんな風に作品を牽引する過剰なパワーを、よく感じられるエピソードでもありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
一見ナチュラルに見えて異様な主人公が、同じくナチュラルに見えて異様な世界とドラマを、全力で駆け抜けていく。
江利花ちゃんの浮かれ方と、明日ちゃんのドキドキが噛み合うように、題材と画角は歪に釣り合う。
そのアンバランスなオンバランスが、やっぱこのアニメの独自性であり魅力だなぁと、感じさせられる、とてもいいエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
人格の超質量で異様な引力を生み出し、色んな女の青春を捻じ曲げていく主人公の、特別なダンスパートナー。
江利花ちゃんの”強さ”も、よく見えた。
原作だと結構序盤にあるエピソードを、この折り返し点まで引っ張った再構築も、トータルバランスを考えるとなかなかいい感じかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
釣った魚共にバラバラ餌をばら撒きまくる、友情のアフターケア力、公平で風通しの良い友情構築も、明日ちゃんの強いだからね。
かくして色んな子とガンッガンに仲良くなっていく主人公を、今度はどんな美しさが待ち構えるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月14日
どの角度から世界を切り取っても、あらゆる瞬間フォトジェニックな美の象徴界を舞台に、青春は朗らかに加速していきます。
いやー…変な作品を変なままぶん回してくれて、最高に良い。次回も楽しみ。