リーマンズクラブを、第1話から第3話まで見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
あらすじとしてはかつて神童と呼ばれたバドミントン選手、白鳥尊が所属チームを追われ、オンボロポンコツ実業団でサラリーマン一年生やりつつ、社会人として選手として一歩ずつ成長していく…みたいな感じ。
ともすれば手垢がついてモッタリ重くなりそうな道具立てであるが、ヴィジュアル面でもドラマ面でも軽快なセンスを全開に、たいへん小気味よく進めてくれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
特に第1話の圧縮率、見せるべき所をちゃんと描く力が高く、大きな声で挨拶してくれるアニメと感じた。俺は挨拶してくれるアニメが好き。
色々良いところはあるのだが、ヤスダスズヒト原案、まじろブラッシュアップのキャラクター達がまず冴えていて、全員パッと見でキャラが分かるメッセージ性と、凡庸に落ちない魅力が巧く同居していた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
『コイツラ、動いたらどうなるのかな?』みたいなワクワク感が、静止画段階であるのは良い。
『バドミントンってこういう競技です!』っていう分かりやすい説明は少ないのだが、そこはいい具合にケレンとリアリティを両立させた競技作画でしっかり補い、『見てれば解る』ってところまでちゃんと引っ張り上げている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
口で説明されるより、凄みが動いたほうが楽しいし、説得力もあるからな。
実業団ということで、スポーツモノとサラリーマンモノの二刀流で進むわけだが、そのどちらにもしっかり重心を置いて、色んな面白さがあるように作っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
第2話で練習試合(スポーツ)、第2話でブレスト合宿(サラリーマン)と、足踏みしない早めの進行を活かし、要素をしっかり拾う構成がグッド。
早足なのに食い足りない感じがないのは、要所要所で心に残り場面がちゃんと作れているからで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
ポンコツ社会人である白鳥くんのダメっぷりを、チャーミングに見せる第1話のネクタイとか。
チームがどんだけ恵まれない状況にいるか、バドやる上で何が大事か解らせる、天井に当たるシャトルとか。
鮮烈なイメージで的確に刺す場面が、特に第1話で連打されていて、『こういうアニメです』ってのがよく伝わった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
白鳥くんの変人力をラー油弁当で魅せたりとか、京都での恵まれなさをグシャグシャに捨てられた花束で教えたりとかね。紘子がウメーのか…?
BPMの早い物語展開は、重くて辛い時間に長逗留するのを避ける効果もあって、白鳥くんが人生のどん底にいる時間は短い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
クソみたいな京都からはとっとと離れ、新天地サンライズビバレッジでいい先輩に囲まれ、バドも仕事も人生もやり直しだッ!!
新しい職場が、程よくボロくアットホームなのが良い。
過去のトラウマに縛られ実力を発揮できない若人が、常に笑顔でガッツに溢れたおじさん(CVミキシン)に人生を受け止められ、未来を明るくしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
『は? 俺の大好物じゃん…』って感じの主役コンビが、生き生き楽しく関係を構築していく様子は、見守っていて大変楽しい。
俺は三木眞一郎の、ちょっと粘っこく母音が残る芝居が大好きなわけだが、”スタードライバー”の議長以来『ぅ・ぃ』が強めに発音されてるミキシンで、宮澄さんスゴーク良いです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
バドやってる時、常時ガッツ全開最高笑顔で、見てて気持ちの良い選手だとよく分かるのも良い。
他のメンバーも気持ちの良い連中で、チームとして新入りをもり立て、仕事のやり方を懇切丁寧に教え、オフタイムでも暖かく迎い入れ…と、理想の社会人っぷりを見せた第3話、とても良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
SWOT分析をそれっぽく描いて、仕事アニメとしての切れ味を出してきたのはグッド。
あそこで『お、結構真面目に仕事してんじゃーん』と思わせておいてからの、成人記念飲酒で大暴れは、落差があって良いギャグだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
今どきクールな毒舌人間と思われていた白鳥くんが、アルコールで鎧を外した瞬間仲間に感謝するの、大変可愛い。こういうあざとさ”強い”わな。
高校時代と京都のトラウマに足縛られてる白鳥くんが、虐待されてた犬のように最初怯えつつ、いっつも笑顔の宮澄さんに絆されていく様子は、なかなか手応えのある関係構築のドラマである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
あのクールボーイが、自分の傷を見せたッ!
三話のお風呂シーンは、大変グッと来た。
白鳥くんはトンガってはいるものの根は純粋なキュートボーイで、体重を預けられる誰かをいつでも探している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
ここに年齢差13才、自分にないものを持ち、相手にないものを与えられる真逆な熱血おじさんがズブズブ入り込み、ダブルスの相棒として人生の先達として、絆が深くなっていく。
主役コンビの心の距離と、それが縮まっていく速さ…それを生み出すキャラの地金の書き方がスマートなので、そこから生まれるダイナミズムを、大変楽しく食べれてる感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
おまけに京都のクソヤロウとか、運送会社の元カレとか、『絶対デカい横槍炸裂するでしょ…』てのも、ちらほら見えてる。
ストレスになり過ぎない挫折の見せ方、それゆえ生まれてくる警戒と寂しさ…それを越えて新しく進む手応えが、スムーズにドラマを動かす推進力になってる感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
そういう甘ったれた心根をもってても問題ない雰囲気が、””物語開始時10代”にはある。
高校出たてで最悪職場だもんなぁ…そら傷つく。
人生経験のギャップが有る連中が頭突き合わせて一つのチーム、一つの職場にいるという、社会人故の面白さも巧く描かれていて、そこも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
社会人として当然の困難はもちろん襲ってくるんだけども、そこに手を貸して一緒に進んでくれる連中が気持ちいいので、見てて嫌な気分にはならない。
ご都合が鼻につくほどファンタジックではなく、しかしリアルの嫌なエグミは巧妙に抜いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
強いヴィジュアルと初期設定に甘えることなく、かなりテクニカルに丁寧に仕上げているアニメと、三話まで見て感じた。
ちょうど見たい所に、現実っぽい夢を投げつける感じ…というか。
これはバドの書き方もそうで、白鳥くんの”予知”で異能力的ハッタリを効かせつつも、実在スポーツのリアリティラインは踏み越えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
競技の説明をあえて端折ってる造りなんだが、適度に面白い嘘がつかれているので分からんなりにフックできるし、その行方を追いかけていれば試合が見える。
発動までに”タメ”が必要で、けして万能ではないけど活かせば強力な武器と、第2話でちゃんと見せたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
トラウマの枷と合わせて、主役の選手としての伸びしろが早い段階で示されているのは、今後強くなっていく(だろう)展開に期待と納得を与えてくれる。
ここも描写の圧縮力が効いてる所で、ずたずたになったシャトルが山と積まれてるカットを入れることで、人生スネてる異能力系バド選手が、努力の人でもあることをちゃんと教えてる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
あの1枚があるかないかで、白鳥くんへの好感度は段違いなので、そういうの差し込む”眼”強いな、と思う。
社会人一年生のバブちゃんが、失敗を先輩にフォローされつつ形になっていくドラマも、ベタ足ながら…だからこそ面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
白鳥くんの色々ダメでヤバイ所が、周囲の恵まれた環境によって全部伸びしろと個性になるのは、めちゃくちゃいい話作りだな、と思う。
成長を期待したくなる可愛さもあるしね。
毎回Cパートの15秒が絶妙に聞いてて、メインストーリーとは別の画角で、グッと作品が広がるネタを適切に差し込んできている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
元カレの立花くんが復活してんのに、トラウマなんで連絡付けずその現状を知らないこと…そしてメガネの奥で立花くんは白鳥くんを睨んでいること。
デカい感情が狙いをつける白鳥くんのバド道は、知らず運命の相棒によって動き出し開かれていたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
色んな最高補足情報がエピソードの最後にズドンぶっ放されて、いい具合に”乱れて”次回を楽しみに待てるのは、凄く優れた構成だと思う。
視聴者の想像力が、どう動くか良く知ってる作り。
『こーいうの好きだろぉォ!?』と気持ちよく手のひらの上で転がされてんだけど、その作為をあんま感じさせないというか、素直に物語のヴァイブスに乗っかれるよう、丁寧にヤスリがけされてる…というか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
4チーム20人に監督足して、相当人数多い話なんだが、その捌き方も巧いわな。
やっぱ白鳥くんを愛すべきダメ野郎として、成長と変化に期待が持てるチャーミングな主役にしっかり仕上げ、それを取り巻く環境も大変魅力的に整えたのが、巧さが生きる大きな柱と感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
主役がおっ立ってると、いいお話がしっかり乗っかってくれるからな。
彼の傷と魂が、よく分かる書き方しとる。
バド方面でも仕事方面でも、その両方で支えられ広がっていく人間としてのあり方も、『あ、どんどん良くなってくし、良くなってほしいな』て思える作りなんよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
結構ベタな若人の成長物語なんだが、それを学校ではなく会社でやるのが、巧いヒネリか。
競技、ビジネス、青春、友情。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
色んな要素を貪欲に盛り込みつつ、その全部を小気味よく駆動させ、連動させて主役に結びつける。
バドミントンという競技の何が気持ちいいのか、しっかり作画に乗せて伝える技量もあるし、それがドラマに爽やかな風を生み出してもくれる。
何処をつついても面白そうだし、何を望んでも答えてくれそう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
そういう期待と信頼が、第3話の段階であるのは凄く良いことだな、と思います。
巧いアニメ特有の、頭で考えすぎて物語全体がぎこちなくなる現象を、『ワシは変人若造と熱血おじさんのコンビが好きじゃ!』って”癖”でぶっ壊してるの良い。
リーマン装束への捻れたフェティシズムも随所に感じられ、クレバーな知性と燃え盛る欲望が、いいバランスで作品を支えている感じです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
第3話、酒に溺れた暴言の形を借りて、今後チームメイトが克服するべき弱点(≒伸びしろ)を言語化してるのとか、滅茶苦茶巧いよね。
というわけで、遅ればせながら大変楽しく、第3話まで見させていただきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
このよく整ったバランス、ベタ足の展開を恥じずねじ込み、自分たちらしい力強さも宿した話運びがどう飛翔していくか、今後も大変楽しみです。
ぜってーあの眼鏡”デカ”いだろー感情…大会初戦、どんな嵐が待つかッ!
しかし主役コンビが”白鳥”で”尊”と”健”なの、ヤマトタケル神話と絡めたネタなのかなー、って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月17日
ユニシックスのエースは”隼人”だし、存外日本古代史がバックボーンにあるアニメ…なのかもしれん。
まぁヨタで終わる可能性も大なので、ここで吹くだけ吹いておく。