王様ランキングを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
オウケンの振るう凶剣に、勇士達は全て斃れた。
生死の間でカゲは、ミランジョの引く綱に導かれ道を選ぶ。
顔無き人形が貌を取り戻す時、止まっていた時間は動くのか。
未だ、不死なる暴威は留まるところを知らない。
全ては、四人の戦士に託された。
そんな感じの因縁正念場、王様ランキング第19話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
状況自体は相変わらずオウケンを叩いては蘇り、止める手段がない無形の暴力がどんだけ厄介か、見てる側も思い知る感じであるが。
彼を傀儡にしているミランジョは、幼子を試して答えを得た感じになった。
『オメーあんだけヤッておいて、カゲくんの無邪気に救われたからキレイになってOKかぁ?』と思わんでもないが、ミランジョの罪と罰は、オウケン倒した後で問われるんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
ボッジ世代は手を血に汚してない無辜の子供たちであり、その生き様が捻れた大人世代の答えともなりうる。
しかし過ちは過ちであり、それを如何に正すかも、間違えまくった人たちが多いこのお話の、大事なところなんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
兄を陥れたダイダとか、息子を犠牲にしたボッスとか、正しさだけで言えばみんな大間違いだからな…。
人は過つ。
その上で、どうすればそれを正せるのか。
ボッス王も寡黙な”男”の顔を崩し、自分の過去を腹心の部下に、心の中のわが子に晒す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
やっぱ歪みつつ行方を閉ざす鉄の檻が、なかなか真実を他人に預けられない王の立場を、巧く象徴している感じを受ける。
彼はなぜ、全てを知りつつ獄に留まるのか。
(画像は”王様ランキング”第19話から引用) pic.twitter.com/tG1JohnvRD
怒りと哀しみに吠え、文字通り血塗られた道を進むことしか出来なかった、優しき憤怒の巨人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
ダイダが目を背けたのは、憧れの英雄もまた涙を流す事実か、父が取り込まれた修羅道の無残か。
猛きボッスは悪意と憎悪に、圧倒的暴力で返す以外の道を選べなかった。
ここら辺、そのボッスに戦う力を奪われてなお/奪われていたからこそ、他人を傷つけ悪意を返す道を選ばなかった/選べなかったボッジと、対照的だと感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
たとえ憎悪に焼かれても力なきボッジでは、父が歩いた血塗られた道(それが、丘の上の王国にも続いている)は歩けないだろう。
憎悪に愛を返したお人好しは、娘も守れぬまま悪意に殺された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
お伽話めいたトーンで描かれながら、相変わらずこの物語を取り巻く世界は業に満ちて答えがない。
それでもなにか答えを求めるから、ボッス王は自身を獄に繋いで語らず、ミランジョは子供たちを苛烈に試す。
王曰く、この記憶がミランジョの歪みの源泉ではない、という。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
後にデスパーさんが感得するミランジョの心と合わせると、シーナ王女との結婚が決定打かな、という感じもある。
お話を動かしてきた数多の謎、沢山の心を暴いていく運びの最後に、男女の契り、もつれた愛が顔を出す形か。
主人公たるボッジは愛されて生まれてきた子供であり、その命はシーナの血、ミランジョの放った矢で贖われている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
母であり妻足り得た女と、それを望んで果たせなかった女の愛憎が、主人公の運命を定めたとすると…想定以上にネットリだな。
王様も、いい加減全部ゲロってほしいが、今回は時間切れ。
最後の真実はオウケンとの闘いにケリを付けた後、父と子が正面対峙する時に解る…かな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
正直オウケン戦なっげーので、そろそろ局面が変わって欲しい気持ちもあり、ボッス王はそろそろ運命の流れに座するのを止めて、歪んだ檻から出てきて欲しい。
オヤジ、強がりももう良いだろ…。
さて過去と繋がる現在の土壇場にて、魔剣士の刃はすべての命を断ち切った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
カゲくん必死の一撃も、魔物を留めるには能わない。
酸鼻極まる屍山血河を前に、まるで童子のように鏡に笑うオウケンが、禍々しくおぞましい。
(画像は”王様ランキング”第19話から引用) pic.twitter.com/lqVU6FWjkO
兄は全てを裁く雷霆を、弟は騎士としての確かな強さを手に入れる中、デスパーさんは剣の不才と、”敵”の心すら理解してしまう異能を手に入れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
それがボッジを、カゲくんとミランジョが三途の川で演じる人生劇場に連れてくる。
一人でただ見るには、あまりに辛い生き死にの現場。
ここでボッジの手をつないで、アホアホな振る舞いで一笑い差し出してくれるデスパーさんの存在は、なんともありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
『解ってしまうこと』は多分デスパーさんにとって大きな呪いで、しかしその賢さと優しさだけが手渡せるものもある。
血塗られた道を進み、王冠を手に入れた者には掴み得ない温もり
ミランジョの母がもっていたそれは、土足で踏みにじられ血で汚れた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
ではデスパーの世代、ボッジの世代では、他人を理解できてしまう優しさは、付け込まれるべき弱さになるのか、突破し得なかった答えを掴む鍵になるのか。
『この子だけは』と泣きじゃくる母も、怒りのまま殺す、ボッス王の強さ。
それが哀しく描かれた回で、デスパー師弟が一緒にいてくれることは、僕にとってはなんだか救いである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
国のため、誰かのため。
他人の痛みが解ってしまえば選べない選択を強いられる玉座は、デスパーさんには背負えなかった。
では同じく優しいボッジは、王様になれるのか?
そんな疑問を残しつつ、死者の舞台には死者たちが踊る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
カゲくんは優しいママの声に呼ばれて、三途の川を渡りかける。
だがミランジョが綱を弾き、現世で為すべきことを問う。
楽土に旅立つにはまだ早いと、胸に炸裂する友情が教える。
(画像は”王様ランキング”第19話から引用) pic.twitter.com/2V9EUe71Jr
カゲくんがなんとか輪郭を保って、泣かない強い自分でママと一時お別れしようとするのが、あまりに健気で辛かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
子も母も涙をこらえつつ、不定券の輪郭がふるりと揺れて、こらえきれない悲しさを一瞬宿すのが、アニメならでは、影の種族らしい表現で大変にいい。
ママは死の国という漆黒の子宮に、我が子を捉えはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
いつか。
不定形の未来を信じて、我が子を一度殺した現世へと、笑顔で送り出していく。
全ての元凶になお『ありがとう』が言える、カゲくんの無辺の善徳だけでなく。
そんな母達の強さと優しさも、ミランジョを救ったのではないか。
冥府のミランジョは表情無きサイボーグの姿だが、カゲくんの言葉に頬を赤らめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
それは心臓があり、血を流すからこその人間の証明だ。
幼き時、非道に顔面を剥がれ傀儡となった少女は、暗い闇に置き去りにした幼い自分を、出会いの中で蘇らせる。
ダイダが、我が事と喜んでいるのが大変いい。
同時に、甘えんな、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
過酷極まる世界に噛み砕かれ、顔と答えを見失った少女はフラフラと、修羅の道を進んだ。
それでも何処かに答えがあると願ったから、ボッス王の巨躯に全てを預け、己が何者であるか答えられないまま、子供たちに過酷な試練を化す。
自分が見つけられなかった答えに、陰謀と血で返答資格を失ってしまった問いかけに、”今”を生きる無垢なる子供ならば答えてくれるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
そう願う気持ちは、理解できる。
縄を掴んでカゲくんを現世に引き寄せたように見えて、蜘蛛の糸にすがる亡者のように、子供が子供に甘えている構図なのだろう。
ただま~…人殺しすぎヒドい事しすぎではあるよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
『ミランジョも被害者なんです!』では終わらねぇ、因果のもつれがまだまだ残る状況で、それでもカゲくんとボッジは肩を支え合い、正しい道へと進んでいくのだろう。
それは美しく、正しい歩みだ。
同時に、彼らも一人の人間である。
救済の概念存在ではない彼らに、因縁を突破できなかった旧世代が希望を託すだけでなく、自身因縁を超える強さと優しさを、何処かで示して欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
そう願ってるから、自分の弱さを強さに変えて、幼子を導いたデスパーさんが好きなんだろうなぁ…あの人は、自分のケツを自分で拭いてる。
カゲくんと幼き己が現世に開放される中、魔女は未だ冥府の岸に立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
そこにあるのは自身が殺した恋敵であり、自身のために死んだ母である。
ボッジ相手に、自分がされて一番辛かったことを再演する構図になっちゃってるのが、ミランジョのやるせなさ…かな。
(画像は”王様ランキング”第19話から引用) pic.twitter.com/qU4nITxRV0
ここで二人の母に対峙することで、魔女が何を手に入れるか…あるいはどんな重荷を下ろすかが、かなり大事なんだろうが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
そういう魂の闘いと並走して、極めて現実的な闘いは過酷の度を増していく。
浅ましき飢えを、敵の血を啜って癒やす剣の餓鬼。
そらーベビンさんも金田ポーズで大乱入、怒りの一閃でぶった切るわなぁ、という感じである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
オウケンは理想主義者のボッジが向き合うべき、現実の浅ましさ、おぞましさを徹底的に背負うタフな悪役で、いい仕事してるなぁ、と思う。
デスパーさんの弟子っていう意味でも、主役のシャドウよね…。
強敵を前に戦士たちはいきり立ち、アピスは愛する魔女の不在を、ホクロは血だらけの王子をまず見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
ここで各員、何が見れて何が見れていないかに、キャラクターというものが反射されていて、個人的に面白い。
ドーマス、まず義手で剣握るんだな、とかね。
(画像は”王様ランキング”第19話から引用) pic.twitter.com/pIUIcAX0ww
ベビンさんがオウケンの刃を止める守護者として、四天王勢揃いの大立ち回りを切り抜けてたりとか、相変わらず冴える剣戟描写の中に、とても抽象的なものが宿っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
このアニメはそこが良いなーと、いつも思っている。
俺アクション自体を見る目が無いんで、意味の濃い殺陣のほうが食べやすいんよね
ここで他者を癒やすヒーラーになれない/ならない所が、彼らを王国四天王にしたんだろな、などと思いつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
ボッジすら制せなかった魔剣士は、危機に師の言葉を思い出し覚醒を果たす。
冥府最強の剣豪を支える、思い出せない誰かの教え。
(画像は”王様ランキング”第19話から引用) pic.twitter.com/H418BUGw2a
力なきボッジに、理不尽を切り裂く強さを与えた教えは、最悪の怪物の剣に技を思い出させる、邪悪な導きともなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
不死の呪いに何もかも忘れた状況で、自分を最強の剣豪にしてくれた思い出が蘇ること…その顔を思い出せないことが、なんとも皮肉である。
オウケンは、不死だから強いわけではない。
優しく賢い兄の教えに支えられ、血に濡れてなお理想を諦めなかった冥府の剣豪が、不死の暴力機械に堕ちているから強いのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
それは何も生み出さない暴力の渦で、どんな強者も叶うことはない。
力で挑むのなら…って言いたい所だが、デスパーさんも刺してるからなぁ。
優しさも、普通には通じない。
最後の砦と意気込み、本来あるべき”四天王”を取り戻した戦士たちも、この怪物を止められるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
長く続くオウケンとの闘いを終わらせる答えは、果たして何処にあるのか。
ミランジョがデレ、ボッス王が裸晒したこのタイミング。
そろそろドカンとフィナーレ求む、な気分だが、さてどう転がしてくるか
次回も大変楽しみである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月24日
ボッス王薨去以来、それぞれの迷い路を進んできた四天王がここで集結し、かつてよりもっと強く結ばれ共に戦う描写は、やっぱ良かった。
色んな人が間違え、自分なりの答えを携えて、あるべき場所に戻ってくる話…なんだろうなぁ。