ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
スタンドこそが本体ッ!
暴かれる真実。
強敵”フー・ファイターズ”を相手取り、「DISC」を巡って死闘を続ける徐倫とエルメェス。
知性と恩義を信じる異質生命体を、”ストーン・フリー”は覚悟の一撃で揺るがす。
決着の先に待つものとは!?
そんな感じのFFちゃん加入、どんどんトンチキ度合いが増していく徐倫とユカイな仲間たち第8話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
前回サブタイにもなった『6人いる!』という出題に、『残りの2人もぶっ殺し済み、全員敵でした!』という暴力的解答がぶん投げられる今回。
大事なのは犯人当てじゃねーッ! てことか…。
どう見ても凶悪クリーチャーな”フー・ファイターズ”は、初手からインテリ引用かます知性の権化であり、自分を存在させてくれた”ホワイト・スネイク”への恩義から、「DISC」を狙う徐倫達に牙を剥く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
正確には、そんな知性と恩義を信じる自分自身のために、だが。
素性もわからねぇ不気味なガキの温もりを信じ、父の制止を振り切って死地に赴いた徐倫。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
彼女は今回も、自分の感覚を信じ、自分だけの正しさを軸に行動することになる。
世間がどう裁いたとか、利益を賢く考えるとか、そういうのは度外視なのだ。
それが”刑務所”舞台で行われるの、面白いなぁと思う。
自分に直接関係ない因縁に巻き込まれ、”囮”としてハメられ獄に繋がれた徐倫。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
世に『正しい』とされているものがどんだけ脆いか、その中で信じられるものが何なのか、実地で学んだ立場の彼女は、加熱するスタンドバトルの中で、鋼の魂を磨き上げていく。
受刑者という立場ながら、”フー・ファイターズ”が殺されるべきか否かは、徐倫のスタンドが裁くのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
完全に魂の根っこがギャングスタで、輪郭線が太く陰影が濃い独自の作画も相まって、迫力のあるエピソードだった。
全シーン”凄み”があって、今回の作画よかったと思う。
乾燥という弱点を巡って、徐倫と”フー・ファイターズ”は知略の限りを尽くすが、少なくとも徐倫が試しているのは相手の知性ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
相手が何のために戦うか、その地金を見極めんと、自分の命を天秤に乗せている。
重要なのは「DISC」の奪取であり、そこに乗っかる自分の信念だ。
そのためなら自分の命も賭けれるし、出逢ったばかりのエルメェスがやるべき事をやりきる女だと信じもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
『アイツはやる』と、出逢ったばかりの女囚を信じて命を投げ出せる強さは、信じるべきを信じる優しさと背中合わせの、徐倫の資質なのだろう。(”ジョースターの血”と、言っても良いかも)
”フー・ファイターズ”はそんな徐倫の魂に、釣り合うだけの意志を闘いの中で示す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
自分の体が崩壊するのを期にもせず、「DISC」の奪還…それで証明される、恩義を裏切らない自分のために駆け出したのだ。
そこで、徐倫は”フー・ファイターズ”を見定める。
こいつは、何処か私に似ている、と。
多分その直感が、エンポリオの手を取り、エルメェスを信じる土台なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
何も信じられない世界の中で、道を定め為すべきことを教えてくれるのは、法でも常識でもない。
自分自身の信念が、世界のすべてを決めるのだ。
そういう意味では、つくづくギャングスタ気質であるな、空条徐倫。
恩義を重んじる”フー・ファイターズ”なら、命を助けられた事実を重く受け止める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
そんな冷静な計算も込みで、徐倫は「DISC」の番人を味方につける。
忠実なる凶器として作られ、生まれたものは罪に問えない。
そういう審判を、ハメられた女囚である徐倫は下すのだ。
ある種の温情判決を受けて、”フー・ファイターズ”は不定形のクリーチャーから、エートロという人間に擬態する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
それは人間界の常識からぶっ飛んだトンチキ生物が、徐倫の隣で『人であること』を学んでいく更生期間…に、なるのかどうか。
アニメになって伊瀬茉莉也の声が付くと、奇行も凄い威力だな…
人殺しの怪物を味方に引き入れ、都合のいい嘘に口裏を合わせて、徐倫達は自分たちが本当に求めるものを手に入れ、守っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
なにしろ法に裏切られ、正義に助けられなかったのだから、裁くのは常識外れの異能力、彼女たちのスタンドしかない。
何が正しいのか、自分で決めて引き受ける重責。
徐倫は自由(Free)に伴う決断の重さも、どっしり引き受ける強さがあると、”フー・ファイターズ”への裁きでもって示すエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
奇行かわいいFFちゃんを、NO人殺しな人間社会に馴染むよう育てていくのは、その行いを裁いた徐倫の責任…になってく形か。
擬似親子的だな、改めて見ると。
逆に言うと徐倫が示した裁き、そこに宿る魂の輝きを見て、”フー・ファイターズ”も人間の形をした”FF”になろうと思えたんだろうね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
揺らがず燃える筋金入りの魂は、それに感じ入る知性を持った存在を変化もさせる。
”靭やかさ”が一つのテーマかなー、と思ってる第6部らしいエピソードでした。
そして闘いの残滓を怪しく撫でる、全ての黒幕、”ホワイト・スネイク”の主…その名はエンリコ・プッチ! 刑務所付き教誨師ッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
裁きと許しを職能とする聖職が、誰かを囮に復讐を果たすドス黒い悪なのが、良いヒネリ方だなー、と思う。
神に無条件に許された存在と、許されざる囚人達…て構図なんね。
徐倫は自分の目で確かめ、手で触れた相手の魂を感じながら、自分だけの裁きを背負っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
懺悔室の奥で形だけの許しを与えながら、腐りきった性根で悪をバラ撒くプッチ神父の、思惑を超えた”フー・ファイターズ”との闘い。
「DISC」を巡る闘争は、まだまだ続く。次回も楽しみ。
追記 プッチにとっての”父”が誰かは、今後アニメで見直す中で掴まえたいところ。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
「DISC」は魂とその力を物質化し、簒奪する悪しき道具であるが、これを巡って徐倫と”フー・ファイターズ”が演じた死闘は、彼女たちの信念を厳しく試し、実体化していく。
プッチ側にあっては奪うための道具でしか無い「DISC」は、それを直接目的としない二人によって、尊厳の試練として機能する。
魂という形のないものを、触れて奪える形にしてしまう「DISC」が、形のない信頼を暴いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
流体と固体の間を行ったり来たりする精神の力が、「DISC」という小道具で可視化されて、個人的にとても面白い。
神父という職が、触れ得ないはずの不定形の魂に、否応なく触れる職業であることも含めて。
プッチは神という最大者に許され、後援され認められて、正しい裁きを行うことが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
徐倫は何の後ろ盾もなく、自分の判断一つで”フー・ファイターズ”の殺人を許す。
自分を守り導いてくれるはずの”父”は、徐倫にはもう助けるべき存在だ。
決断に伴う責務と、それが生み出す自由。
やっぱそれが6部のフォーカスポイントであり、JOJOがずっと問うてきた問題だよなー、と思ったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年2月26日
人知を超えた大きな存在が悪を肯定する時、それでもたった一人譲れないものを抱えて、その引力に抗えるか。
自由意志と尊厳にまつわるお話なんだな、やっぱ。