ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
激戦の果てに、人の形を手に入れた”フー・ファイターズ”。
楽しくキャッチボールをして過ごす三人に、謎めいた女が賭けを持ちかけてきた。
美味しい話の裏に潜む、”ホワイト・スネイク”の影。
徐倫ははたして、危険な罠をかいくぐれるのか!?
そんな感じのほのぼの女囚日常系アニメ、ストーンオーシャン第9話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
超絶天然人外系のFFを加え、凸凹トリオが穏やかにキャッチボールして過ごす…だけで終わらないのが、まぁ”JOJO”である。
変な前髪した女が突如異様なオーラを纏って駆けを持ちかけ、遊戯は勝負に変わるッ!!
三部のダービー兄弟、四部のジャンケン小僧…もっと言えばデビュー作である”武装ポーカー”以来の、命がけのマインド・ゲーム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
奇っ怪な来訪者により日常が崩れていく異様さも合わせて、1話に色んな楽しさがギュッと詰まった、良い短編だったと思う。
今回の敵となるミラションは、プッチ神父が「DISC」でエゴを強化し量産したスタンド使いである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
彼の関与がなければ激クズのヤバ人間は、人外の力を手に入れて超ヤバ人間に進化することもない。
ようやく顔を見せた神父がどんな人間なのか、ミラションはそれを示すキャンバスでもある。
まぁ人の話を聞かずにさくらんぼレロレロして、ワケのわかんねぇ話をした挙げ句説教台の角に女の頭を全力で叩きつけ、ヤバい「DISC」をIN!! してくるヤツな訳だが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
一生仮釈放の話ししかしない上に、手癖悪く金の十字架を狙っているミラションも大概だが、神父はそれを上回るヤバ人間である。
『あー…なんかすっごく、凶悪刑務所の日常風景っぽ~い』というクズくて穏やかな描写が、唐突で理不尽な暴力により変貌する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
そしてその苛烈な嵐が、その人物の素顔を暴いてく。
冒頭神父がミラションに浴びせた一撃は、後にミラションが徐倫達に差し出すものに似ている。
人間と動物を分けるもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
神父が口にしかけ答えが聞けなかったものは、少なくとも『理由なき暴力を振るわない』でも、『意識を失った他人を、自分の野望の道具にしない』でもない。
そんなこたぁ、神父にとっては”悪”でもなんでも無いのだ。
では、何が彼の考える”悪”なのか。
それは彼が繰り出す極限ヤバ人間軍団を退け、野望の奥へと突き進むことでしか見えてこない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
ミラションの襲撃は、その一つである。
そういう運命も知らず、徐倫と愉快な仲間たちはキャッチボールをして過ごす。
自由奔放な末っ子FFが加入したことで、徐倫の長女味が増した感じあるな…。
何しろ知性化プランクトンなので、”人間らしい”ってのがどんな事かさっぱり分かんねぇFF。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
彼女に罪なしと判断し、身近に置くことにした徐倫はFFを見守りながら、自分の決断と責任を試されている。
徐倫が何を教え、何を差し出すかで、FFはどんな存在にもなってしまうのだ。
ここで徐倫は野球のボールを差し出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
説教台の門でガツンとイッた、神父とは違うのだ。
奇妙な成り行きに巻き込まれながらも、目の前にある生活を楽しむエルメェスの力も借りて、不自由な刑務所暮らしの中にある自由を、皆で分かち合う。
その日常が、妙に眩しい。ここだけきらら系…。
徐倫がハードな刑務所生活でダイヤモンドの原石を磨かれ、どんどん筋金入りの戦士になっていくのと合わせて、楽しいキャッチボールは導くべき相手、相棒と選んだ相手に恥ずかしくない自分を作っていく過程でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
同時にこの世の果てで確かに出会えた、心を預けれる仲間との楽しいひと時でもある。
メチャクチャやりまくるFFちゃんに、頭ごなしに説教するでなし根気強く”人間”を伝えようとするネーチャン二人が、頼もしく微笑ましい回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
やっぱJOJOのこういう、トンチキ極まるが確かにとっても仲良しで、温かい瞬間の描写は好きだ。
過酷な定めが、その温もりを引き裂くとしても…
確かにここで笑い合って、キャッチボールした事実は消えてなくならないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
そういう当たり前に大事な人生の手触りみてーなものを、一個ずつ作っていく描画が好きなんだろうな…。
そういうのが無いと、異能だけを抱えた戦闘マシーンになっちゃもんな、スタンド使い。
というわけで”ホワイト・スネイク”の悪意に飲まれ、異能だけを抱えた戦闘マシーンになってしまったミラションが、きららタイムをぶち壊しにしてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
発動条件がややこしく、決まって即死ともならない面倒くささが、ハラハラ感を高めてもくれる。
”マリリン・マンソン”の能力は定められたルールに対し、当事者がどう思うか、内心の強さと弱さを試す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
『”キッス”使ったの…結構ズルだったかな?』と思い悩み、肝臓ぶっこ抜かれるエルメェスと、『相手は指定してねーし、スタンドはお前も使ってる』と面の皮が厚い徐倫。
お互いのキャラが見える攻防と言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
オラオラのキャッチボールを構えてボコしに来る相手に、”マリリン・マンソン”が防御に入らない辺り、”公平”の概念存在として結構徹底したスタンドだよな、アイツ。
あと肝臓ぶっこ抜きシーンがグロくて良い。
アニメになると、記憶よりモダンホラー味強いな六部
徐倫はミラションが定めたルールを逆手に取り、鋼のような信念で突き破っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
その助けになるのが、ただ相手をオラオラするだけでなく、ボールに小細工も出来る”ストーン・フリー”の柔軟さだ。
あのトリックは徐倫の賢さとFFとの信頼、それをつなぐ”糸”があって始めて成立する。
徐倫は自分が信じると決めた相手を徹底的に信じ、責めることはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
一度定めた信頼は相手の対応で変わるものではなく、信じると決めた自分自身をどれだけ、誇り高く信じ続けられるかが問題になる。
ハメられて泣きわめいていた少女は、父の魂を背負い、もはや揺るがない。
押し付けられたルールを跳ね除け、自分が信じられるものを徹底的に信じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
その姿勢が善き仲間を引きつけ、信頼の糸は強く結ばれて、窮地を跳ね返していく。
そういう事を示すエピソードでもあった。
こういう人間の根っこにまつわる描写が、下らねー日常とリニアに繋がってるのが、結構好き。
命がけの激戦だけが人間の地金を試すわけじゃなくて、証を立てる死闘は肩の力が抜けた日常と、常に隣り合わせだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
FFの奇妙な振る舞いも楽しみつつ、一緒にいると決めた自分を貫いている徐倫とエルメェスだから、”マリリン・マンソン”の審判もくぐり抜けることが出来た。
当たり前の日々の中で示される魂の色こそが、巨大でどす黒い邪悪と対峙する時、強力な武器になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
そんな未来を示す、恐怖のマインド・ゲームでした。
太古から続く『勝った! と確信した瞬間、そいつは負けてる』というルールが、アニメ最新話でも元気で面白かったな。
作画もどんどん濃くなって、揺るがず己を譲らない徐倫のギャングスタ気質が回を重ねるごと強くなっているが、これも第1部の『北風が勇者バイキングを作った』の再演ぽくて好きなんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
伸びしろありまくりの主人公は、見ててシンプルに楽しい、てのもある。
初登場時と今の徐倫は別人だが、それもブチャラティ・ザ・ペロペロマンで慣れてるしね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
ブチャが黄金の風に吹かれて、腐りかけの自分を吹き飛ばしたように、ずっと逢いたくて逢えなかった父と再開(し奪われ)することで、徐倫も緩んだ皮を脱ぎ捨てて、真の自分を目覚めさせた感じか。
でもそれは、刑務所の外に広がるフツーの日々では覚醒しなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
クソみたいな業と因縁に縛られてたどり着いた”水族館”だが、徐倫の魂を目覚めさせる試練場としては、優れた場所なのだろう。
その現れとして、柔軟にして強靭な”ストーン・フリー”もある…と。
徐倫がタフで優しくあり続けれるのは、父の魂を救うという使命が、胸に燃えているから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月8日
神父の謀略を跳ね除け、頼れる仲間を従え、彼女の思いはどんな突破口を切り開いていくのか。
次回からはサヴェジ・ガーデン作戦…徐倫の運命を左右する”あの男”を、このアニメがどう描くか。
とても楽しみです。