明日ちゃんのセーラー服を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
体育祭本番が迫るも、息の合わないバレーチーム。
勝利のために、小路がかつて通っていた小学校で合宿をすることとなった。
一人きりの思い出しかない場所に、咲き誇る友情の花。
そこに、木崎江利花の姿はなかった…。
でも大丈夫! 離れていても戦友だからッ! って感じの熱血バレーボールアニメ、”明日ちゃんのセーラー服”第11話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
お話としては皆でバレーの練習をする、それだけだ!
だが、それが最高に良い…。
恩師まこ先生の清らかな涙に、兎原の小粋なサプライズ…あと花緒ちゃんを囲む山程のお姉ちゃん達
俺が”明日ちゃん”から摂取したい成分がたっぷり詰まって、大変喉越しの良いエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
一人きり友達を夢見ていた過去の明日ちゃん(を見守るまこ先生)→沢山の友達に囲まれた今の明日ちゃん→そこから離れてピアノに挑む一人きりの江利花ちゃん…と、”一人”と”みんな”の距離感が豊かに踊る回
江利花ちゃんとピアノの間合いが、結構複雑であることは既に描写されているが、明日小路の舞踊を通じて、その距離が一気に詰まっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
白布をかけられ封印されていた鍵盤は、赤いリボンの眩暈と、兎原のおせっかいを通じて開花していく。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第11話から引用) pic.twitter.com/q8cfZaQOzp
『木崎さんは超お嬢様なので…クッキーを食べる時も口は小さく開けて、エレガントに頂くッ!』と、コダワリと気合が垣間見える作画にホッコリするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
兎原の”勝手な妄想”を美味しく食べることで、江利花ちゃんは一度背を向けたものに向き合う気力を、腹から絞り出す。
江利花の再起も小路へのプレゼントも、今回ドラマの起因になってるのは両方兎原で、存外透子回なのかなー、という感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
明日ちゃんほど強烈な引力は持たないが、構えず気さくに友達に手を差し出す彼女も、正しく蝋梅の少女である。
つーか”逢”呼びかよ仲いいな…。
かくして木崎江利花の青春勝負にスイッチが入るが、明日ちゃんのバレー道は始まったばかりで大分へっぽこである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
先週の”応援”と同じく、スタートラインはなーんも知らない、なーんも出来ない所から始まって、怪物的な速度で形にしていくのが小路式
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第11話から引用) pic.twitter.com/jmx7GjmNgV
そのためには”場”が必要なので、恩師に連絡をとってみたら…夢が叶って、二人とも泣いちゃいました!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
一人ぼっちの学校で、小路が絵本の中夢見ていたもの。
それはここまでの11話確かに積み重なり、形になっていた。
だから明日小路は、かつてとは違う形で揺りかごに戻るのだ。
自分の手を離れた教え子の過去と現在を想い、本気の涙を流せるまこ先生は、マジ立派な人だなとアニメでも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
こういう人たちに見守られて、明日小路は大きくなったのだ。
彼女を育んだ場所が描かれることで、ある種の答え合わせが行われる回でもあるか。
何故、彼女はああも友情に全力疾走なのか?
明日小路を青春方面に突き動かす原動力は、先生一人生徒一人の、満ち足りて幸せながらも少し寂しい日々…そこから生まれる”渇き”だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
ずっと求めていたものを掴んだからこそ、明日ちゃんはああも力強く躍動し、色んな人を巻き込みながら、眩しく駆け抜けられるのだ。
そういう強い輝きは色んな人を惹きつけるもので、家族も友人も明日小路を…一人鍵盤に向かう木崎江利花を優しく見守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
そして見守られている明日小路も、一人きり学校で過ごす妹の寂しさを、優しく見守る立場にある。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第11話から引用) pic.twitter.com/BYBJJXy08K
花緒ちゃんが思わず口を抑えた『みんなと遊びたい!』という本音は、多分同じく一人だった明日小路自身の思いでもあり、だからこそ彼女はそれを聞いて、目を見開いたんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
遠く離れたように思えても、過去の残影はこんな風に顔を出して、手に入らなかったものを差し出すチャンスをくれる。
そう出来るのは困ってる人がいないか、耳をそばだて気を使う優しさのおかげであり、その奥で暗く燻る後悔と痛み故だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
お調子者のようでいて気配りの人、兎原透子の焦げ付きがどんな塩梅か。
アニメでも見てーなマジで…”二期”頼ンますよホント。
かくして姉のバレー修行に同行することとなった花緒ちゃんだが…大人気だッ! 俺も嬉しいッ!!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
『鷲尾さんは冷たい人なのかな…』と思わせておいて、花緒ちゃんが乗っかり続けることで『あ、いい人なんだ』と理解らせるの好き。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第11話から引用) pic.twitter.com/ebOYVfw02u
お父さんにもお姉ちゃんにも、好きな人には何かとよじ登る花緒ちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
そんな妹と過ごしてきたから、なにかと明日小路は肩車したがるんだなぁ…と、ここでも”答え合わせ”が出来る回である。
こういう日常的な仕草の中に、家族史が刻まれてるの、凄く良いよね。”元気出せ!”のケツパーンとか。
明日ちゃんは持ち前の運動性能でバレーをモノにし、あっという間に形が出来ていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
『出来てない状態』と『出来てる状態』が、説得力ある作画で描かれるので、成長が分かりやすく可視化されているのは、作画力の良い使い方だな、と思う。
これは、前回の璃生奈ちゃんとかと同じか。
待ち望んだ”みんな”から少し離れて、二人きり木造校舎を歩く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
当事者である小路は終わりの寂しさを既に飲み込み終えた表情で廃校を語り、初聞きの兎原がショック受けるの、人間良く視た描写だなー、と思う。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第11話から引用) pic.twitter.com/Z5VoZL632K
明日小路にとっての驚きは過去ではなく現在にこそあって、兎原が仕掛けた友情爆弾に…いつか絵本の中に夢見た綺麗な風景にこそ、目を見開く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
ここで(ほぼ)全員集合になる蝋梅1-3、ホント友情に篤いクラスだよなー。
『明日小路が絡むなら、絶対面白い』つう信頼もあろうが。
ここまで数ヶ月、明日ちゃんは待ち望んでいた友情を目の前に置かれて、飢えた獣のように跳ね回り食らいつき、他人の心を揺り動かしてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
色んな人を見守り、助け、自分すら知らなかった新しい自分を差し出してきた。
それは差し出す側にも、差し出される側にも面白い交流だ。
そういう明日小路的な行動を、これまで差し出される側だった兎原透子とクラスメートが差し出すのは、最終話一個前のとても良い恩返しだな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
それは天才たる明日小路一人では、絶対に手に入らない贈り物だ。
そらー全てを飛び越えるような勢いで、兎原にも抱きつく。そういう事するからー!
…と、凡人相手にはツッコミ入れる所だろうけど、明日ちゃんは人格の容量が桁違いなので、こうして蒔いた種を丁寧に世話して、触れ合った人全ての心に、枯れることのない花を咲かせうるのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
思いのすれ違い、感情の一方通行を、怪物的なバイタリティで事前に叩き潰すという、運動量のある百合。
それは体育館に集った”みんな”だけでなく、私室で一人鍵盤に向かう木崎江利花にも、深く深く突き刺さっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
たとえ遠くに離れても、いつでも貴方が側に在る。
そのまばゆい胸元の赤が、残光を引いて瞳に宿っている。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第11話から引用) pic.twitter.com/EkggBAPBS3
蝋梅の私室と、小学校の体育館に離れつつ、明日小路と木崎江利花の瞳は確かにお互いを見つめ、強く結びついている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
一人でありながらみんなで、みんなであることが一人を包んでいる。
ここで江利花ちゃんの孤独な努力を、”みんな”に対置したのは、豊かで靭やかな描画だ。
合宿に来ない江利花ちゃんが、一人だからこそ”みんな”だと描くことで、かつて教室で”みんな”を夢見ていた明日ちゃん、彼女を見守っていたまこ先生の”一人”が、哀れでも間違いでもないと証明してくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
あの優しくて少し寂しい時間があって、夢叶う美しい今があって、学校がなくなってもそれは続く。
”みんな”の中にいる明日ちゃんとその外に在る江利花ちゃんを水平に配置することで、一人だった過去の明日小路と、待ち望んだ”みんな”で世界を満たした現在の明日小路が垂直に繋がり、とても大きなモノが描かれる場面だなー、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
『幻覚はデフォルト』な真紅の想いも、良いアクセントだ。
あそこで存在しない明日小路を隣に置けるイマジネーションが、木崎江利花を優れたピアニストにする、という話でもあるしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
それは明日小路にとっての”みんな”のように、寂しく欠落していて、誰かがいたからこそ蘇りつつある、綺麗な夢なのだ。
それが花開く体育祭本番が、遂にやってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
夢のような時間を反芻しつつ、未来へ上向く明日ちゃんの視線。
それに導かれて一歩を進み出す足元で、今回のエピソードは終わりである。
決戦に向けて心地よく導線を引く、良いエピソードでした。
(画像は”明日ちゃんのセーラー服”第11話から引用) pic.twitter.com/f1pQOf7XAx
今回合宿を通じて明日ちゃんの過去、一人だったからこそ掴めた”みんな”の輝きと、そこから離れてなお”みんな”である江利花ちゃんを描けたことが、最終回に描かれる現在と未来に、どう活きるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
話数をどう繋ぎ活かすか、シリーズ構成と原作の再構築に妙味がある作品だけに、大変楽しみです。
ここで湿り気と温もりに溺れすぎず、沢山の人に見守られて夢叶う瞬間を描いたことが、新しい夢が形になっていく律動を、強く支えてもくれるでしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年3月21日
そんな風に思い出に立ち返り、未来に駆け抜けていきながら、明日ちゃんの日々は眩しく輝いていく。
次回も、大変に楽しみです。