ヒロインたるもの!〜嫌われヒロインと内緒のお仕事〜 を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
人気爆発の”LIP×LIP”は、教室でも女子に囲まれ休む隙なし。
ストレスにぶっ潰れた愛蔵、家の事情を暴かれた勇次郎を、見習いマネージャーは健気に支える。
かくして凸凹三人四脚で辿り着いた、思いを伝えるライブ当日…!?
そんな感じのアイドル業界成り上がり青春日記、歯車が噛み合いグンと前に出る第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
『ひよりちゃんが”女の子”になってく~~~』と、鋭めの悲鳴出た開始から、”LIP×LIP”それぞれの傷が見え、それを支え合う絆が見え、代償を支払って大事な夢を運命に間に合わせと、色んなことが起きた。
僕がこのお話見てて面白いなー、って思うポイントは、(もちろん沢山あるんだが)お話の展開が素直で、タメ過ぎず引っ張りすぎず、とても良いタイミングで状況が動くことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
ホントのことは言わない、他人への感謝がない、アイドル稼業も腰掛けでしか向き合わない。
最悪の出会いをした”LIP×LIP”だからこそ、その内情が見えてきて、ひよりちゃんの助けも借りつつ(それに謝意も見せつつ)ファンに向き合う姿勢が見えてくると、以前とのギャップがよく刺さる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
それぞれ個別の過去が見えてきて、”LIP×LIP”ではなく愛之助と勇次郎として認識もできてくる。
これを最初から、早すぎるテンポでやってると情報量と展開に飲み込まれ、消化不良で楽しむどころではなかったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
ひよりちゃんという、文句なしに好感度高い主人公を受け入れさせて姿勢を作って、段々と彼女の王子様の素敵な側面…素敵になっていく物語をサービスする。
このタイミングと強度が、オーソドックスながらちょうど良くて、なかなかいい塩梅だなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
クソみてーに相棒もファンもアイドルも世界も舐め腐ったガキから、色んな物を大事にできる青年へ。
”LIP×LIP”の成長物語としても、とても良い傾斜がついていると思う。
男の子たちはひよりちゃんの人格的成熟に追いつく形で魅力を増していくが、イモ娘のひよりちゃんは恋を知っていくことで、初期状態からの変化を描かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
お互いに知らなかったものを手渡され、フェアな青春交易をする関係が構築されつつある…が、どーせ二人も可愛いひよりにLOVEってくんだろ?
しかしその恋は、アイドルという職業の壁、”二人”であるという難しさが立ちふさがる、新たな試練でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
青春すごろくが順調に進んで、困難と克服と成長というベーシックな物語が展開しても、本丸(だろう)が落ちるには作中最大の決断を果たさなければいけない…つう構図か。
正直組み立てはスタンダードで読みやすいのだが、それは不快な裏切りが少なく、率直で力強い物語を届ける足場でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
読めてても気持ちいい展開ってのは当然あるし、”何を描くか”ではなく”どう届けるか”にこそ、作品個別の味わいというものはあろう。
今回ひよりちゃんがアイドルとしての”LIP×LIP”に、ファンに思いを伝えるロゼッタというアイデアを差し出し、それを二人が真摯に受け止めた場面と、相棒のピンチにあくまで望まれるままの”アイドル”として、自分の真意に少し素直に助け舟を出した場面は、”作品個別の味わい”があった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
こういうのが見れると、やっぱアニメは面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
ジャンルの外側から興味本位、身を乗り出して斜めに見つめてる状態から、鼓動と息吹を間近に感じ取り、”自分のお話”として引き寄せる姿勢が整っていく。
見知らぬ物語と出逢った時、自分が”そう”なる実感こそが一番面白い…かもしれない。
というわけで、ハート型ウィルスに知らぬまま感染してしまったひよりちゃんは、夢枕に見た王子様を頭ブンブン振って否定し、マネジ業務と学生の本分に勤しむ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
はー…思ってたより早い段階で起爆したな。
でもクライマックスまでの歩みを考えると、ここで発火させないと遅いよな、確かに。
出会いによって活性化した、自分ですら気づいていない新しい自分。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
これに追いついて引き寄せて、ドンドン真なる己を捕まえていくのが、青春物語の醍醐味とも言える。
ずっとギスギスぶつかるばかりだった”LIP×LIP”が、お互いを支える構図。
それはアイドルのお仕事として、外面を整えただけ…
では、もちろん無いのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
文句を言い合いつつユニットとして友人として、ずっと一緒にいれる時点で相性は良く、お互いを思う気持ちもどこかにあった。
それが、他人への思いやりを自然と、全く隠さず発揮できるひよりちゃんと共にあることで、クソガキ共に染みた。顕になってきた。
そんな風に影響を与え合う至近距離まで、三人の気持ちが近づいているから、ひよりちゃんもああいう夢を見るのである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
それを一瞬の幻として否定するのではなく、選ぶ難しさ、残酷さも含めて自分に引き受けた時、お話に大きな波が起こるのだろう。
しかし、それはまだ先の話である。
種まきがあれば発芽もあるわけで、ここまで『このクソガキ共…一体何で、あんな態度をとるんだ!?』と伏せられていた札が、一気に表になっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
女嫌いの愛蔵の背後には、複雑な家庭環境があった。
芸にこだわる勇次郎には、家業を継げない苦しさと弟へのコンプレックスがあった。
ここら辺の事情が見え、それぞれの苦しさが描写されると、『なるほど…色々あるんだな』となる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
カツサンド買ってくれたお兄ちゃんも、露骨に”物語”背負ってるオーラと声帯してて、ハニワヴァースに端っこから触る面白さを味あわせてくれた。
プレイボーイの純情物語…かなぁ?
生徒指導室が三人の青春秘密基地として、なかなかいい仕事をしてた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
アイドルという秘密、お互い仲間だからこそ魅せる弱み。
こういうのを狭い空間で共有してる実感が、青春と恋を加速させ、ワクワクが強まるワケよ。
先生がひっそり、しっかり見守ってくれてる描写もグッド。
こっから勇次郎の家庭事情へと焦点が移って、喧嘩ばかりの相棒に助け舟を出す、愛蔵の頼もしさに俺もキュンキュンだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
やっぱ、情に厚い奴は好きだなぁ…。
FT4パイセンに詰められた、アイドルとしての誠の無さ。
後のライブと合わせて、そこに”LIP×LIP”が答えを出していく回でもある。
オメーらのせいで弱ってんのに、ベタベタついてくる女子を『愛蔵の隣には、僕だけだから』と、満点解答で拒否ったように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
愛蔵の記者会見は嘘っぱちの道化芝居であり、”アイドル”の対面を保つこれまでのお仕事であり、同時にちょっと、相手と自分に素直な立ち回りでもある。
四話まで付き合って、やっぱ『”LIP×LIP”はお互いにLOVEなのでは? 喧嘩するほど中がいいのでは?』つう疑念…つうか期待は強くなってて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
女無理なのに、女相手の商売。
家と家族にコンプレックスバリバリなのに、舞台に上がるために”アイドル”にしがみつく。
お互いにとって”LIP×LIP”であることは結構しんどいはずで、それでも続けられたのはただ、エゴまみれの私欲ゆえ…たぁ、ならないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
あの二人は優しくて強い子だと思うが(そうじゃなきゃ、ひよりちゃんが惚れるの許せんし)、そんな己を発見できてない。
ひよりちゃんとの日々が、それを照らす。
王子様の鮮烈な目覚めと靭やかな変化の触媒となることが、ひよりちゃんが主人公でありヒロインである、大きな足場なのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
この受け身の存在意義に、どんだけ主体性を持って切り込めるかが個人的な注目点なのだが…彼女の個性として描かれてる”陸上”の使い方次第、かなぁ。
二人がファンにロゼッタを送ろうと思ったのは、ひよりちゃんの何気ない言葉を率直に受け取り、それを『良いな』と思える自分に、素直になれたからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
頑なに扉を閉ざし、他人を跳ね除けていた初期状態から、太眉ガールにズブズブ侵食されて、喜ばしい変化を掴んでいく。
その象徴として”俺だけの一等賞”があり、これを掴むためにひよりちゃんの足はグネる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
『足が速い』っていう特性を、こういう形で生かしてきたの結構好きな運びだけども、献身が過ぎて心配にもなってしまう。
このままケアしないと、優しい人の想いを食いつぶすブラック事務所になるぜ…。
表舞台で眩しく輝く偶像のためには、灰まみれのシンデレラの足は切り落とされて良いのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
自分たちの光のために、犠牲になってる存在を見落として何が王子かアイドルか。
ひよりちゃんがロゼッタを届けるために流した汗と、刻まれた傷にどう向き合うかは、評価を上げてきた二人の正念場だろう。
ここで大事なものを取りこぼさない視野の広さ、他人の傷に飛び込む勇気を見せてくれたら、また好きになっちゃうので…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
何しろ青春恋愛劇、主人公が恋に落ちる勾配にどんだけシンクロさせるのが大事なわけで、いい人アピールできるポイントでは思いっきり善良して欲しいのよ、僕は。
そういう意味では、ひよりちゃんの言葉を受けてファンに真摯に向き合い、お互いの辛さに手を差し伸べた今回の”LIP×LIP”、大変良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
やっぱ最初限界まで下げてから、”実はいい人”でドカドカ殴りつける戦術、ベーシックだけどよく効くなぁ…。
このベタ足乱打感は、浸って気持ちいい感じ。
動き出したLOVEがどう揺れるかも含め、今後の展開に期待が高まるエピソードでもありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年4月29日
視聴者にどういう気持を生み出し、どうノセるか。
その設計図が見やすいのは、僕はこのお話の強みだと思う。
スタンダードで、変な場所で宙返りしないが、独自の魅力もちゃんとある。
次回も楽しみです。