虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
合同文化祭本番が迫る中、中川会長の秘密が栞子にバレた!
しかしアイドルの顔も生徒会の顔もよく知っていたことで、状況は軟着陸。
…と思ったら、皆の”大好き”が集まりすぎてフェス開催がピンチに。
何が一番大事なのか、せつ菜が選ぶ答えは!?
そんな感じのデカい祭りに問題山積! 第三のユニット”A・ZU・NA”堂々のデビュー回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
大変良かった。
菜々とせつ菜、二つに分割されたペルソナをどう扱うのか、キャラの根っこにある部分に挑みつつ、火種になりそうな栞子への正体バレを見事にソフトランディング。
一期序盤の解散騒動でも根っこにあった、会長一人で抱え込みすぎ問題に皆でしっかり切り込み、欲張りな”大好き”をどう叶えていくか、中川菜々らしく、優木せつ菜らしい答えを出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
その証明として、”Infinity! Our wings!!”はあまりにも完璧だった。
あの放課後ヒロイン×3感、ズルい…ズルすぎる。
主人公を筆頭に、思えば作中のスクールアイドル達皆の心を動かし、”大好き”へと引っ張っていったカリスマ・優木せつ菜。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
生徒会長・中川菜々と並列で、両方の”大好き”を走り切るバイタリティは、抑えきれないクソデカ大声となって常時暴れ倒し、作品に元気を与えてきた。
そんな彼女が物わかり良く、同好会解散騒動の時のように”大好き”よりも”正しい”を選び…かけて、今度は同好会の仲間、特にユニットメンバーである歩夢としずくの助けを借りて、もっと欲張りで力強い未知へと踏み出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
それが再び、誰かが”大好き”に踏み出す助けとなる。
今回はそういうお話だ。
鏡を象徴に、舞台の内と外に分裂した自分を統合していく物語を歩いてきたしずく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
侑ちゃんへの拗れた感情を一度はせつ菜に絡め、振りほどいてより大きな”大好き”に進み出た歩夢。
せつ菜がエピソードの主役として凹み、それを二人が支えることで、キャラクターの陰影と成長がよく見える展開にもなった
本筋の前に枝葉を拾っておくと、ミアちゃん加入への筋道が丁寧に舗装されつつあり、その核は璃奈ちゃんになりそうである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
ここまではんぺんと絡めて、ジワジワ積み上げた関係性構築は今回も健在。
お道具が段々本気になってくなー…
(画像は"虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期"第6話から引用) pic.twitter.com/WEhlUG7zFn
かわいいかわいいはんぺんを仲立ちにして、遠かった距離が近づき、膝を曲げて隣に並ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
ここに切り取られた関係性が、ミアちゃんを主軸に回るこの後のエピソードでどう活きるか。
種まきの結果が楽しみである。
アニガサキは物語要素の起き方が鮮明なので、どう使うか予測する楽しみも大きいわな。
お話は映像研に頼まれた、文化祭準備に勤しむ色んな子達の顔を切り取りながら進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
ここでアイドル以外の生徒をちゃんと切り取って、生徒会長・中川菜々が見ている”大好き”を視聴者にも可視化したのは、良い演出だなと思う。
フェスはあくまで文化祭と合同。
そこに自分の夢を載せてる子も、沢山いる
同好会の十人だけでなく、もっと広いものを見る責務が、中川菜々にはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
というか、そうやってより大きな”みんな”に繋がってる状況が、凄くシンプルに好きだし大事なんだと思う。
それは優木せつ菜として、歌い踊りファンに向き合うことと矛盾しない…はずだ。
その答えを確かめるのが、今回の軸だ
というわけで衝撃の正体公開~、となるわけだが、かなり穏やかに着地してて正直意外だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
栞子へのバレ、もうちょい荒らすかなーと思っててからね。
でもアニメの栞子がぽけけーっとした顔で、自分なり色々見てる描写は幾度もあった。
(画像は"虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期"第6話から引用) pic.twitter.com/liEl09yzZY
アイドルとして夢を追う姿も、会長として働く姿も、しっかり見てきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
『事を荒立てず、秘密を守る』という穏やかな選択を栞子が果たす足場は、ここまでの描写の中で嘘なく積み上げられてきた。
あるいはこのソフトランディングを、都合のいい嘘にしないため、丁寧に栞子の視線を追った…とも言えるか
動揺したせつ菜のオモシロ顔が、面白すぎて困ったりもするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
時々中川会長、すんごくバカになるよね…そこが可愛いけど。
ここで栞子との間にひと悶着あると、扱うべき荷物が多くなりすぎて場が荒れる…つう話でもあるかな。
ここら辺のストレスコントロールは、最近のアニメだなーって感じ。
アニメが描く(つまり僕が見てる)三船栞子は、自分を主張せず思慮深くて、生真面目ながら情熱を秘めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
そういう子が選ぶ答えとして、中川菜々の2つの顔両方を尊重し、穏やかに”大好き”を守るってのは、凄く納得がいくんだよね。
こういう子だよなー、って感じがする。
ここら辺はランジュと同じく、アプリ原作からかなり角を取って整えた部分なのかな~と、門外から勝手に推測なんかもするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
虹ヶ咲が培ってきた莫大な文脈、全部喰うには全く勉強が足りてないので、アニガサキと”100”で戦えない感じはあるが…それはそれで一つの視線、なのかな?
さておき厄介事の本番はこっち、人気が出すぎてキャパオーバー!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
アイドル達の夢を拾えば文化祭が成り立たず、正しさを優先すれば”大好き”が殺される。
同好会に廃部通告を出した日のように、一人で考え一人で決めかけた、その時ッ!
(画像は"虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期"第6話から引用) pic.twitter.com/PiVPBbo0Uy
優木せつ菜の炎によって火を付けられた女たちが、光となって影を払う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
一期で散々ネトネト迷い散らかした歩夢が、自分の”大好き”をあと押してくれたせつ菜の力強い拳を、中川会長に届け直すのは、極めてアツいリフレインである。
誰かに預けた過去の自分が、迷う己に戻ってくる展開大好き。
ここで正しさのために”大好き”を諦め、賢く優しいからこそ一人で抱え込んじゃう影の書き方も、一期序盤のリフレインとして納得が強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
”中川菜々”はそういう側面を持ってて、だからこそ”大好き”を諦めない熱血声デカアイドル”優木せつ菜”を、もう一つの顔として選んだ。
なりたい自分はそこにある。
せつ菜がどういうアイドル…どういう人間かは、彼女に間近に触れてきた同好会のメンバーが一番良く知っていて、影の中見失いかけたらそれを届ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
”みんな”でいることには、そういう効用もあるわけだ。
そしてその連帯を守りたいから、中川菜々は生徒会長を頑張った。
ならば”中川菜々”にも、(コレまで作品が描き、僕らが見てきたような)自分をよく知り信じる仲間がちゃんといる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
そういう事も、”みんな”は思い出させてくれる。
誰かを頼る。
中川菜々らしからぬ決断は、実はもっともより良く”中川菜々”でいるための選択で、菜々自身からは出て来ない。
ここら辺一期第8話、そして前回描かれた『鏡の中の二人のしずく』にも通じる人格の分割と統合で、この二人が”A・ZU・NA”になるのは面白いなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
侑ちゃんだけのアイドルと、皆の憧れに分裂した後己を統合した歩夢も、そういう側面は持っているか。
一見バラバラな、いろんな”大好き”
それを一つも諦めず、共通点を思い出し引き寄せて、一つにまとめ上げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
虹ヶ咲の少女たちはそれぞれの夢に貪欲な”個”であり、しかしそうあれるのは、かけがえない”私たち”であればこそだ。
そんな尊厳と連帯は、同好会から学園全部へ、そして五校合同へと規模を広げていく。
”中川菜々”を理解し支えてくれる仲間へと手助けを頼み、起死回生の合同開催へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
”みんな”が共同体の器から溢れるなら、器自体を大きくしてしまえば良い。
せつ菜の発想力はデカいなぁと、毎回思う。そこがカリスマの所以か。
(画像は"虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期"第6話から引用) pic.twitter.com/iCT3eOyOQA
知らねぇ女たちがドンドコ出てきて、無理を道理に変えるべく奮戦している様子は大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
『ヨハネ…ヨハネだろ!?』と間違った反応しちゃった五校目のアベンジャーズを、舞台に上げたのがランジュってのも良い。
そらーフェスはしたかろうし、同好会潰したいわけでもねぇしな。つうか好きじゃん
一期ラストのSIFが最高の仕上がりだったので、第二回はそれを超えるスケールと意義で押し出さなきゃいけないオーダーを、スクフェス文脈をフル稼働させることで達成するのは、コンテンツを見つめる視力が異様に良いんだろうな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
(”だろうな”なのは、僕自身が文脈にコミットしきれてないから)
PVとかで挿入されるイメージカットにも、アプリ由来の衣装とかカードの構図とか、濃厚な引用の網目が透けて見えるし、”L”全体との呼応も含めて、何を描いて何処をくすぐるかは精妙に考え抜いてる感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
このクスグリの上手さは、20年代のオタクコンテンツでトップ張る必須要素なんだろう。
というわけで迎えた本番、アイドルもそれ以外も、”みんなの大好き”が生み出した最高のお祭り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
ここに至るまでの道で学んだ、自分なりの”大好き”の表し方。
今”中川菜々”と”優木せつ菜”が仮面を脱ぎ捨て一つにッ! 副会長絶叫ッ!!
(画像は"虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期"第6話から引用) pic.twitter.com/Xl7SxFQfhF
カメラが捉えた皆の”大好き”…それをステージという形にしてくれるアイドルの眩さに、栞子が惹かれている様子が幾度目か、しっかり切り取られているのも大変いい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
せつ菜のカムアウトは自分の決意に向き合う内向きで終わらず、より広い場所で公開され、一種のパフォーマンス性を帯びる。
それが”アイドル”って事だとも思うが、中川菜々であり優木せつ菜でもある自分を堂々叫ぶこの決断は、アイドルに憧れつつ正しさに縛られている(ように見える)栞子に深く刺さる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
歩夢が真っすぐ突き出した拳が、せつ菜の心に届いたように。
そんな連鎖が、少女たちを輝きの向こう側に連れて行くのだ。
かくしてオープニングを飾るのは、見事結成なった”A・ZU・NA”だッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
前回依頼から企画検討までの過程を丁寧に追ったことで、最終的な成果物がこうなるかー、という面白さもあるね、このステージ。
アタシら全員、乙女で野獣。
(画像は"虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期"第6話から引用) pic.twitter.com/ObbiegbZw8
美女/野獣、演者/演出家の分断を融合させる、可愛すぎてキレそうっていうか既にキレてるアニマル衣装。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
お互いのソロを繋げていって、バチバチアイドルアニソンのど真ん中に持っていくサビの構成。
お船にメリーゴーランド、お城に飛行船。
素敵なものが、全部叶えられる夢の遊園地。
前回の後楽園デートが、こういう形でステージに昇華される技前に感服しきりである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
色んなアトラクションがあって、”大好き”を一個も諦めなくて良い祝祭。
それを自分たちで体現して良いんだという発見が、あの多幸症寸前の濃厚デートにはあったわけですよ…多分。
ソロを重ねてハーモニーでまとめるのは”ENJOY IT!”も”Eternal Light”もそうなんだが、ARを活かしてダイナミックに移り変わる舞台装置、それを許す第二回SIFオープニングアクトという”格”が、一段上の感慨を楽曲にもたらしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
各ソロの曲調と歌詞も、歌い手ここまでのドラマを背負ってよく響く。
まーとにもかくにも可愛くて良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
なんなんだあのお尻フリフリは…早めに国が取り締まったほうが良いよ、血圧上がりすぎて死人出るから。
中盤のピークとしてお話の初めから盛り上げられてきた、第2回SIF。
そこに問答無用の説得力を与える、素晴らしいステージでした。
そらー副会長も号泣、中川ママンもニッコリよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
同好会の外にいる、アイドルではない夢追い人達。
あるいは虹ヶ咲とは別の、同じ夢を追う仲間。
そんな横幅広いモノを追うエピソードが、”家族”という軸にも伸びているのが良い。
(画像は"虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会 2期"第6話から引用) pic.twitter.com/buj5VuRrzg
かくして”大好き”を一つも諦めないまま、全てを暴き全てを叶えた優木せつ菜のステージが、祭りの幕開けを告げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
この眩い光が、一体何処に届くのか。
三船栞子の視線は姉の横で複雑に屈折し、夢に惑う。
侑ちゃんの緑といい、黒髪グラデはこの作品では強キャラの証…。
というわけで優木せつ菜と中川奈々、両方の”大好き”を見事に叶えきる、パワフルなエピソードとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
キャラの核に深く切り込む展開ながら、”アイドル”の外側にいる人たちにしっかりカメラを向けて、生徒会長として背負う”みんな”、アイドルとして叶えたい”私”が見てるものを、彫り深く描く。
だからこそ一人で抱え込む悩みも、それから解き放たれた爆発力も、説得力を持って見てる側に届いた回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
過去エピソードで描かれたそれぞれの”らしさ”を的確に滲ませながら、新たな一歩への歩み、それが生み出す波紋に説得力が強くあったのが、タフな話運びだと思います。
まーた一人、優木せつ菜の炎に火を付けられちまった女が生まれたわけだが、栞子のアイドルロードをどう描くか、大変楽しみです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
猫大好きミアちゃん、気持ちの良いライバルランジュの書き方も大変印象的だし、第二回SIFというピークを超えて、物語はどんな高みに達するか。
来週も楽しみですね。
追記 楽曲に読み甲斐があると、”アイドル”の話読んでる感じするなぁ。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
力強いカッコよさ、ピンク色の可憐、透明感ある切なさ。
”Infinity! Our wings!!”が繋げるソロは歌い手のチャーミングポイントを上手く反映しているが、三人がまとまるサビは、めちゃくちゃに”アイドル”してる。
それこそが”わたし”が行き着く”私たち”なのだという主張が気持ちいい。
この話はアイドルの話なので、総まとめは絶対そこになるべきだし、それこそがバラバラな”大好き”を一つの箱に入れ、”みんな”でいられる大きな器を成り立たせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
楽曲的にもキャラ的にも、”何でもあり”こそが属性である”アイドル”の、野放図で力強い可能性。
それを歌い上げる楽曲としても、”Infinity! Our wings!!”の構成は破格の凄みを持っていると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月9日
このキラキラこそが、全ての答えだ。
バラバラのアタシら、”アイドル”で一つになるんだ。
そういう傲慢なアンサーを楽曲に込め叩きつけてくるのは、大変頼もしい。