時光代理人 第6話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
バスケの次はクンフーだよッ！ てわけで、ちょっと気楽な番外編。
死人も出ない災害も起きない、ダイブ自体には失敗するが人生は上手くいくという、胃にダメージの少ないいいお話だった。
ありがたいが、ここで小休止取らせた意味を考えると、今後が怖いな…。
今回のダイブはかなり変則で、異能を駆使しても秘奥義は見切れず、依頼を直接こなしてはいないけど潜って分かった絆でもって、依頼人自身が問題を解決する手助けをちょっとする…という感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
トキとヒカルの能力を持ってしても、出来ないことはある。
四川地震みたいに、マジ重いことじゃなくてもね。
こういう限界の提示が今後どう活きるかは楽しみであるが、今回は無情の結末には繋がらず、依頼人虚仮の一念が親父さんを動かした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
ボクシングともまた違った、武術特有の体重移動、威力の乗せ方がしっかり作画されていて、クンフーオタクも大満足の仕上がり…なのだが。
大事なのは勝つことではなく負けないことで、諦めず愛を貫くことだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
このアニメは『あー、こういうことね解った渡った！』みたいな思い込みを、色んなレイヤーで気持ちよく裏切るのがとにかく巧い作品であるが、番外編たる今回も、そこは精妙だ。
おじさんの苦悩を趣味で引き受けて、時光代理人を紹介するリンちゃんの人の良さも、爽やかな味わいに一役買っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
どっか影が濃い部分と、普通に善良そうな部分が面白いグラデーションを為してて、今後本編でどう使ってくるかも、また楽しみである。
写真に潜った時、依頼人も恋人も年若く希望に満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
現実では階段が登れなくなるほどに老いて、それはみすぼらしく見えるかもしれないけど、あのときと同じ気持ちのまま真実の愛は負けを知らない。
写真の中で残酷に止まったままに思える時間は、その外側で確かに、豊かに時を重ねている。
渡時機、あるいはタイムカプセルとして写真を生かす話作りは、例えば第2話、あるいは第5話で元気であったが、若さだけを肯定的に描かない筆の豊かさを、革めて思い知らされる話でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
主役はイケメン二人なんだが、そこから外れた年寄りの書き方が、凄く魅力的で前向きなんよね。
自分たちの原点を思い出せた社長にしても、大災害の苦しみを背負ってオジサンになった青年にしても、写真の外で人は年を取る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
思い出だけはけして劣化することなく永遠で、じゃあ積み重なる年月は、惨めで悲しいことだけなのか？
”仕事”を通じ色んな人生を描く中で、物語はNOと答えてくる。
これが写真の中の過去と、それが変えうる未来、その狭間で揺れる現在という、とても不安定な時間の中に生きてるトキとヒカルに、どう照射されていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
彼らは人外の力を持った時の迷い子であり、依頼人たちが身を置く、誇り高き経年から少し遠い場所にいる。
過去があって、現在があって、未来がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
当たり前の時の流れを異能でスキップし、あるいはテンポ良く省略して語られるこのお話は、”時”なるものが人とどう関わるかを、結構大事にしている感じがする。
主役の名前も”トキ”だしな…。
これは田舎に封じられて動かない古い農本社会と、時代の先端を寂しく突っ走る都会との対比にも、強く滲んでいる気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
時の流れに置き去りにされ、あるいは逸れるものは、惨めで悲しいばかりなのか？
老格闘家の奮戦は、力強くNOと告げている。
ここら辺の描線が、あえて過去を省略して描かれてる（だろう）トキやヒカルに伸びた時、何が見えてくるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
そこも楽しみになる、良き番外編だった。
…トキとヒカルが横並びになると、カラーリング以外良く似過ぎてて、多元時間軸の同位体とかなのかなぁ…などと考えてしまうね。
そんな風に、本筋と呼応しそうな部分もありつつ、独立したお話としてよくまとまった仕上がりでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年5月25日
裏街道に人生が錯綜する人情モノとしても、凄くしっかりした造りなのが、異能ミステリとしての巧みさを上手く支えているよなー。
番外編を終えて、まーた重くなりそうな次回も、たいへん楽しみです。
