時光代理人 第10話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
辛いことばかりの異能稼業、しかし時には良いことも…。
果たして親子の再開は為るや、為らざるや! というエピソードである。
空振りに終わった監視カメラへのダイブから、現実で手がかりを探しての再ダイブ、そして解決へ…という流れに、積極性があって面白かった。
※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
×時光代理人 第10話を見る。
○時光代理人 第8話を見る。
これまでは持ち込まれた写真に潜るだけ、”仕事”をこなすばかりだったトキが、自分の意志で事件に食い込み、別の角度から新たな写真を探し、潜る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
お話の構造が、受動から能動へと変わっている感覚を強く受ける。
その前のめりは親子再開の喜びをもたらす…と同時に。
そこにいるはずのないトキが、監視カメラを通じて過去に介入した結果因果が歪み、刑事さんに目をつけられる事にもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
禍福は糾える縄の如し。
今回のエピソードがハッピーエンドで終わったことが、次回以降の急降下を予告しているようであり、なかなかに怖い。
親子の物語単品で見ると、辛いことは前回でだいたい終わらせ、今回は異能を生かして事件を解決していくフェイズである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
最初のダイブは事件解決に寄与しないが、しかしリンの後悔を表に出し、希望を諦めない気持ちを共有することに繋がる。
多分、それがこの話でいちばん大事なのだろう。
『なので口だけで希望を語れない程度に、ズタズタのボコボコにしまーす!』っていう流れが、うっすら見えてんのがマジで怖いけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
信じることの意味が、異能持ちの解決者である写真館メンバーではなく、被害者であり依頼者でもあるお父さんから出てくるのは、とても良かった。
傷だらけになっても思い出を大事に、携帯電話を変えなかったことから、事件解決の糸口が掴める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
しかしトキがいなければそれはただの思い出、ただの写真でしかなく、そこから幸福な現在に繋がる可能性を掴めるのは、特別な力の善き側面だ。
もう一つ事件解決に重要な要素があって、それは人の縁だ。
まさかまさかの真・昇龍拳炸裂で、誘拐犯に物理的解決を叩き込む展開がウケたが、それは番外編で解決した”報酬”として、トキに授けられた技だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
攫われるだけの無力な子供ではないトキが、ドウドウに乗り移ることで、誘拐犯との力関係は変化し、虐げられるはずの三年間の意味も、また書き換わる。
そういう幸福な変化をトキの異能…それを導くヒカルの能力は導きうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
息子が帰還したことで、ぶっ壊れていたお母さんの心も戻ったし、コッチ側は全く大団円である。
しかし事件は事件へ、幸福は不幸へと繋がり、”時光代理人”の物語は続く。
独立したエピソードを繋げ、描かれる大きなタピストリ。
そこにおいて”時光代理人”は、(今回感動の再会を演出した仮面のヒーローのように)希望をもたらす光なのか、運命の理不尽に飲み込まれる影なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
”写真”が光と影の芸術な所が、この明暗半ばする物語にしっかり噛み合って、良いモチーフ選択だなと思う。
希望を掴み取る手がかりのために、そこにいないはずの存在が過去に潜って、それが現在に暗く響く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
『幸せになった、ああ良かった』と今回のエピソードをまとめること自体が、人生の複雑さ、そこに切り込む異能の難しさを、上手く揺らしているように感じる。
ぶっちゃけ、次以降暗いだろ相当…。
先読みと受け身の準備はさておき、どんなに辛いことが待ち受けていても、”時光代理人”は幸せを連れてこれる立派な仕事なのだということを、トキとヒカルには憶えていて欲しいものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
次の事件はだいぶ血塗れであるが、そこで流れるのは犠牲者の生身の血だけでなく、異能者達の魂の血にもなろう。
特別な力があるから、普通なら解決を諦めてしまう事件に、そこに付随する人間の苦しさに手を差し伸べることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
同時に人の身には余る辛さを背負って、因果を書き換える代償を支払うことにもなる。
力がただワクワクを生む道具ではなく、人間普遍の価値観に切り込む武器として機能してるのは強い
四川の事件以来、トキの当事者性がどんどん上がってきて、ダイブが”仕事”から”事件”へと変化している感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
今回の前後編は、そこの傾斜で第一期クライマックスへの架け橋を作るエピソードだったのかな、という感じがある。
同時にありふれた一家族の、ありふれた悲劇を書き換えうる…
”時光代理人”の可能性を示す回でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月8日
幼い綺麗事ばかりを垂れ流す、仮面のヒーロー。
それを冷笑しても良い裏稼業の人間は、今回本物のヒーローになった。
そこが物語全体が目指すべきゴールなのか、儚い蜃気楼なのか。
次回以降の物語で、より深く掘られるだろう。
とても楽しみだ。