ヒーラー・ガールを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
C級ヒーラー試験に向け、自信満々の烏丸三人娘。
その思い上がりはサメに食われ、地獄の合宿が開始する。
閉鎖空間で高まる苛立ち、ぶつかる本音。
激突する感情の先に、果たして新たな景色は見えるのか。
ガチンコ音声治療塾…いったい、どうなってしまうのか!?
っていうわかり易さが全然ない、いつでも往くぜ我が道楽しいヒラガ、第11話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
開始一分四十五秒で、天狗の鼻が伸び切ってぽっきり折れる所まで突っ走るスピード感と、”特別合宿”という言葉の持つキツさ辛さが全然ないまったり感、それでもゴツゴツ悩ましさが顔を出すシリアスな味わい。
ここにこれまで触れ合った人との縁と、あえて突き放して見守る師匠の愛が混ざりあって、大変コクのあるC級ヒーラー試験…の準備となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
テストそれ自体ではなく、その準備に時間使うのがヒラガっぽいなぁ、と思う。
今回は修行の成果を歌で描く形で、綺麗にまとめていたけどね。
掛け合いのテンポの良さ、あらゆる状況で漂う奇妙な可愛げが武器の作品であるが、今回も急にサメが出てきて食われることでスランプが表現されたり、熱々温泉卵を頬張る三人が可愛すぎたり、色々ぶん回されていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
確実に萌え記号論の延長線上なのだが、メチャクチャ独自の魅力構築に成功してて凄い。
そんな三人の合宿は(今まで通り)あんまガッついたところがなく、温泉郷秋の行楽つう色合いが深い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
どんな経験も経歴も、ヒーラーとしての力になる。
今回三人が出す結論に繋がってる描写だし、それは作品全体へのアンサーでもある。
ここまで色々やって来たお話に、無意味なものは一つもないのだ。
人との出会いもその一つで、一行の保護者として優しく見守る葵さんのありがたさとか、かなの甘えを毅然とはねのけるソーニャちゃんとか、ヒーラー修行頑張ることで繋がった縁が、だんだん内圧が上がっていく合宿の中で輝いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
ホント、ソーニャちゃんの書き方は、最高のライバル描写よ。
ツンデレな態度の奥で、ソーニャちゃんは好敵手の実力を認め、信じている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
だからこそ自分の良さをわかってないかなの言葉に苛立つし、なにより命を預かるヒーラーとして無責任な運任せに苛立つ。
キツい態度に見えて、医療従事者としての矜持と公平さ、友を信じる気持ちがよく伝わる。
ソーニャちゃんが厳しく当たる分、葵さんは師匠の代わりに皆を見守り、優しく見守る立場を頑張ってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
ここで年長者としてのありがたさを発揮するべく、第8話で留学させなかったんだなぁ…みたいな納得もある。
今回のエピソード、ほんわかしつつも内圧は強くて、補助役がいないと潰れてたと思う
それも覚悟で烏丸師匠、否応なく自分たちと向き合う非日常に弟子を投げ込んだと思うのだが、そこで葵さんが良い命綱になってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
ここまで姉らしい落ち着きでかなと玲美を受け止めてきた響が、自分の割り切れない部分を預けれる年上の女(ひと)
先週から”あおひび”、かなりキテんなー…。
葵さんという触媒を足すことで、凸凹が噛み合いすぎて特定の役割で固まってしまいかねない三人娘が、いい具合に揺らされて、暗い側面も出てくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
妬みや無理解、思い込み。
そういう泥まみれの部分とも向き合わないと、癒しの歌は歌いきれない。
この最終盤で、こういう陰りに触ったのは良かった
ただ…このお話の主役たち、めっちゃシンプルに人間が良すぎるので、プレッシャーでパンパンになって吹き出してくるのが他人の凄さへの称賛と、そこに追いつけない自分への情けなさなので、一般的なギスギスとは違った味わいである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
描き方は、いわゆる”いらないシリアス”に近いんだけども。
言ってる内容がマージで友達大好きマジ凄い、それに比べて私なんて…つう内容ばかりで、そらー葵さんも首を傾げるわいな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
前回も描かれた烏丸師匠の天才性に、惹かれつつも距離を感じてる響ちゃんの複雑な心とか。
思いの外自分に自信がない、かなの弱さとか。
外野から見てんと、あの冷たく渇ききった五城家も『音楽に全ブリできる羨ましい環境』になんのかー…とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
いい具合に陰影が付いて、キャラのことをもっと好きになれる言い合いであった。
ニコニコ笑顔の奥で、そういう事も当然考える。
でも根っこには、凄く透明な気持ちがいつも湧き出てる。
これを暴くことで師匠は、サメに食われてなお新たな自分を羽ばたかせる強さを、自分の手が届かない所で見つけて欲しかったんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
ほーんと一生、なんか喧嘩っぽい空気になってる相手のこと褒め称えLOVEり続けてて、マジで可愛い子たちだな…ってなった。
こういう底抜けの善良さが好き。
側にいないことで、逆に偉大な師匠に依存し甘えてる三人の現状もよく見えたし、だからこそそこをぶっ飛ばす衝撃の破門宣告も良く刺さる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
何も知らない幼虫から、殻を破って蛹の季節を終え、自分のもとを巣立つ頃合い。
烏丸理彩は、他人の顔が良く見えるタイプの天才である。
…つうか、患者にワンオフの向き合い方で治療を届けるヒーラーの在り方からして、ただただ圧倒的に上手いだけ、強いだけの歌い手って、仕事できないんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
視野の広さと思慮深さがまず求められる、コミュニケーション職なんだろうな。
そのためには、己を知るのがとても大事…と。
ここらを弟子にも見つけてもらおうと、己不在の合宿を(葵さんという信頼できる命綱をしっかり用意して)企画するあたり、響が見てるほど無傷の天才ではないのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
こういう苦労を感じ取らせつつ、あくまで無敵の魔女として格を崩さず最後まで来たのは、やっぱ強いアニメだと思う。
あと一途で健気な玲美のLOVEを今回もしっかり描きつつ、師匠の寝床に踏み込む”特権”を誰がもってるか、冷酷にぶっ刺して”現実”教えてくる筆の強さな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
ほーんと、玲美ちゃんの報われない純愛は見ててもどかしくも面白く、視聴体験をパワフルに牽引してくれた。
人間どんな人だって、自分を信じきれず他人が眩しく見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
でもそれは、驕らず謙虚でいられる足場、誰かを大事に思える拠点だ。
その輝かしさに、途中ちょっと迷いつつちゃんと気づいて、出会い直した自分をしっかり歌い上げてC級ライセンス合格という結果にたどり着く。
キャリアメイクの気持ちよさも、結構大事に進んできた”お仕事アニメ”、一つの到達点として非常に良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
最終話一個前に、なんか盛り上がってる感出すために”いらないシリアス”が顔出すの、オリジナルアニメあるあるなんだけども、こういう形で料理されると、ヒラガの強さが際立つな…。
急に湧き上がるサメを殺してしまうのではなく、食われてなお生まれ変わる方向にイメージが展開してたのが、またこの話らしいなぁ、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
ふわふわ柔らかアニメに見えて、結構重たい暗さを幾度も扱った上で、そこを超えて強くなっていく人間の面白さを、じっと見据えてきたこのお話。
破門宣告を受け、自分なりの新たな道へと踏み出していく三人が、それでもお互い大好きでずっと一緒にいたい心も、今回色濃く描かれました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月19日
それさえあれば、大概のことは越えていける。
まだまだ未来へ続いていくヒーラーガールズのお話が、一旦どんな幕を迎えるのか。
次回も大変楽しみです。