SPY×FAMILYを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
東西平和を実現するため、優等生の証”星”が必要な嘘つき一家。
しかしその要となるアーニャは運動学業全部ダメ!
逆転ホームランを狙ったボランティア活動でも失敗ばかり!!
読心の異能は魔女の証か、未来への特急券か…アーニャの明日はどっちだ!
そんな感じのたのしいフォージャー一家、アーニャでかした犬買ってやる! な、第11話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
残り一話でこの比較的マッタリ進行、やはり”ある”のかセカンドシーズン…って印象も受けるが、アーニャちゃんは相変わらず大変可愛らしく、その挙動を見ているだけで心が潤う。
というかアニメでピックアップしてる範囲だと、世界の命運を賭けた大立ち回りってあんま多くなくて、あくまで嘘つき家族の楽しい日常…って色合い濃いからな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
むしろこのマッタリ感こそが、俺たちが今見たい”SPY×FAMILY”まである。
スマン、不適切な主語の拡大があった。
俺が今見たいの!
つーわけで、小学一年生(実質4才)が見ている世界に、ゆったり寄り添う今回のお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
アーニャちゃんは可愛らしく良い子だが、生臭いクソガキ感も同時に兼ね備え、そのバランスが絶妙なリアリティを生み出す。
ズルくて、嘘つきで、ダメダメで…
(画像は”SPY×FAMILY”第11話から引用) pic.twitter.com/1oo3ChaoJC
しかしそんな部分も全ひっくるめで、反則級に可愛いことを、序盤のドタバタはよく思い出させてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
シーン切り替えの時に挟まれる一瞬の一枚絵、警察に出したら間違いなく凶器認定されるよ…可愛すぎて死ぬッ!
ジト目だったり泣きじゃくったり、可愛くない時も可愛いのがズルいよなー…。
国際平和のためなら全てを犠牲にしそうなポジションの<黄昏>であるが、拾ってきた知らねー子供の可能性を信じ、結果が出なくても怒らず焦らず、ガキのワガママに粘り強く付き合っていて、相変わらず人格が強い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
ジタバタ暴れる小さな生き物と、楽しそうに暮らしている様子はとても微笑ましい。
この何処にでもあるありふれた幸福は、スパイと殺し屋と超能力者がお互いの事情を知らないまま作った、嘘の家族だからこそ、より眩く感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
血縁という支えがあれば、当たり前と受け止められてしまいそうなこの関係は、ロイドさんの人格を中心核にして、努力で作った優しい嘘だ。
それが虚飾というわけではなく、平和を求める<黄昏>の本心から生まれていることを、アーニャの読心能力は視聴者に伝えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
嘘つきが仕事のスパイが、表に出さない優しさを、娘の異能は保証する。
国と世界も大事だけど、目の前の小さな女の子も、生まれた家族も大切。
この欲張りな両取りを、超スペックとどっかトボけた人品で成し遂げてしまう無双感もまた、作品の魅力だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
面白いところ、良いなと思えるところが深く刺さるよう、各要素が連動して機能してるのは、良く出来た作品だなぁ…って毎回思ってる。
ホント隙無く完成度が高くて、それを嫌味にしない巧さ。
しかし使命は使命なので、”星”を得るべく行くぞ病院ボランティア。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
そこでもアーニャはダメダメだが、読心能力が鍵となり、人命救助に成功する。
決め所であるプールの場面で、異様に凝ったカメラワークと”水”の表現が暴れるのが、このアニメらしい力み。
(画像は”SPY×FAMILY”第11話から引用) pic.twitter.com/24gS3UWBRV
アーニャにとって読心能力は、実はあんまり良いものではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
常人が知り得ない情報を手に入れると、社会から阻害され冷たく扱われることを、研究所の孤児時代に身を持って知っているのだと思う。
ズルして良い点取ろうとした時も、助けを求める声を自分だけが聴いてしまった時も…
アーニャは望まず手に入れたしまった力をどう怪しまれず適切に使うか、彼女なりにしっかり悩んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
力の濫用は、不幸をもたらす。
父が世界情勢のスケールで立ち向かっている問題と、娘は小さな手のひらに収まるサイズ感で向き合っているわけだ。
異能はプールの底に迫る死を教えてはくれるが、そこに飛び込み解決できるのは、自身溺れるアーニャの生身だけである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
その存在感と決意を強調する上で、しっかり力の入ったカメラワークと良い作画は、凄く適切な仕事をしていたと思う。
人が一人死にかけて、それをアーニャが助ける。助けようとする。
それは”星”に値する、立派な行為だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
ちっちゃなアーニャが、自分ひとりでは子供を助けきれず溺れかけ、そこをスーパースパイが颯爽登場、二人まとめて助けきる所も良い。
アーニャが飛び込んだからこそ、彼女をずっと見守ってるロイドさんは、命の現場に間に合ったわけでね…。
…少しうがった見方をすると、ここに”はは”がいないのはやっぱ、あの血みどろの獣の権能は『壊す・殺す』ことに特化していて、順接で命を助けれる倫理的卓越は父と娘にあんだなぁ、とも感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
殺すことで養い、あるいは守る。
それは出来ても、今回のロイドさんみたいな素直なヒロイズムは遠いかな。
さておき”星”を貰って大得意、唯一の友達であるベッキーちゃんにもウッゼェ絡み方をするアーニャ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
ちょっといいコトしたと思ったら、すーぐコレだよッ!
そこがまた可愛いから、天使はズルいんだけどさ…。
(画像は”SPY×FAMILY”第11話から引用) pic.twitter.com/76ILWLPBeM
何かと空想が迸り、都合のいい夢が事実と入れ替わる”子供の世界”がBパートはよく描かれていて、なかなか良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
こういう世界に行きているから、実力も弁えず調子こいたり、現実なるものの複雑さに大人が見落とすキラキラを、真っ直ぐ見据えたりも出来る。
アーニャはなにしろ幼児なので、世界の実態を知り、そこで良いとされる価値観を学ぶ機械は少ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
…つうかそれを知るためにフォージャー家に育まれ、イーデン校で学ぶわけだが。
借り物の名誉で自分が偉くなったと勘違いしたり、でも実態が伴わないのでクラスからは変わらず白眼視されてたり。
幼く小さな世界といえども、そこは空想がそのまま形になる夢の国ではなく、色んな思惑が既に渦巻いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
そこでの対処法はダミアン様のほうが数段上で、低きに流れる卑しさを跳ね除けて、悔しさを噛み殺して公平に振る舞う。
取り巻き(つうか親友)も、思わずそこにシビれるあこがれるゥ! である
ここら辺、アーニャが嘘ついて”6歳”やってるのが思いの外関係してんのかなー、と思ったりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
この時期の二歳差って、能力的にも情緒的にも相当デカくて、辛い体験と異能の合わせ技で少し大人びているとはいえ、お兄さんお姉さんの中で上手くやっていくのは、実はアーニャには相当厳しい課題だろう。
アーニャが幼く勝手な子に見える(所も、もはや強烈なチャームポイントである)のは、書類に記載された嘘の年齢と、ありのまま子供であることを許してくれないイーデンという環境が軋んだ結果でもあるのかな、とか感じた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
いやまぁ、結構ナチュラルにクソガキでもあるんだが…そこが可愛いッ!!!
アーニャが無邪気に無双する世界平和が、どんだけ達成困難で壊れやすく、だからこそ追い求めるべき真の価値であることを、ロイドさんは強く認識している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
”星”を与える表の権威からは離れているが、それを成立させる倫理価値体系を、自身の経験踏まえ強烈に内面化している…といえる。
”良いこと”は、『良いから良い』というトートロジーでも、『良いとされてるから良い』という権威主義でもなく、砲弾一発で砕けてしまう脆くて大事なものを、良いままに保てるから”良い”のだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
そういう実感が、ロイドさんと社会を太く繋いで、迷わず生かしている。
こんだけ一本気な男が、嘘だらけのスパイとして秘密まみれの家族を育み、守っているネジレもまた、面白いところだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
”ちち”が体現する”良いこと”と自分との強い順接が、血塗れの人殺しであり家族思いな”はは”には、ズタズタに捻くれ歪んで繋がっているのも、個人的には興味深い。
命を奪う罪深さより、今日のおかずのほうが大事。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
この歪な倫理観がどう形成され、そこに東西対決の歪みがどう関わっているかを描いてしまうと、ヨルさんは可愛らしい怪物から”人間”になってしまって、話の位相が切り替わる。
あるいはそれが暴かれる時が、家族と物語、その終わりの始まりかもしれない
話が壮大にズレたが、アーニャはベッキーお姉さんに色々教えてもらいつつ、ご褒美として犬を求める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
ここで”はは”の中にある犬が、『自分を殺しにくる厄介な敵』なあたり、どんだけ遊んだ人生歩んできたのかよく解るが。
この荒廃を欠片も自覚してないのが、美しい獣特有の魅力ではあるな…。
ウキウキな犬探しの裏で蠢く、”東”の闇。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
ぶっちぎりの作画力で、劣悪な飼育環境で傷ついてる動物たちを見せられると辛い。
この辛さが、たのしいフォージャー一家の眩さを際立たせ、共に過ごす未来を希求させるのが、また巧いなー。早く檻から出したげて!
(画像は”SPY×FAMILY”第11話から引用) pic.twitter.com/qzorzhMTB5
イイことしたり、悪い子だったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
色んなアーニャのキラキラな日々を追いかける優しい調子に、どす黒い影が混ざり込む。
さてご褒美犬探しとこの泥流、どんな絡み方をするのか…という所で、次回に続く。
嘘の家族ができて始まったこの物語、家族が増えて第1クールの幕が下りる…つう形か。
アーニャの望まぬ聖痕たる読心能力が、チートで点数稼ぐ方向でなく、人命救助という文句なしの”良いこと”に繋がったのが、なんか嬉しい回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
魔女として社会から浮かび上がる危険を冒さず、自分自身として切り離せない異様な力を、望ましい方向に使っていく。
イーデンの厳しいカリキュラム、オペレーション<梟>の重いミッションに加え、異能者だからこその難題を、小さなアーニャは人知れず背負っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
それに負けず進んでいけるのは、自分を見守り包んでくれる、嘘っぱちの家族がいるから。
そういう事が、良く解る回だった。
こういうハンディな成長の手触りって、ど派手に見えて市民感覚に長けたこのお話で、いちばん大事なところかもしれん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
ぶっ飛んだ設定と真顔のボケを、上滑りせず素直に楽しむための接着剤であり、心を引き付ける魅力として、アーニャの小さな大冒険と、そこに寄り添う家族の描写は大変強い。
あとまー…兎にも角にもぶっちぎりで可愛いから…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
ズルい所も、舌足らずな所も、時折賢く優しい所も、ダメダメですぐ泣く所も、全部ひっくるめで可愛い。
この全肯定なチャーミングって、家族が家族を肯定する問答無用感と通じるものがある。
アーニャを通じて、俺たちも”SPY×FAMILY"だ! みたいな。
そんな風に色んな角度から、力強く隙無く楽しませてくれた物語も、次回で一旦の幕。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年6月20日
どす黒い”東”の闇の中、一人未来を夢見る毛むくじゃらの犬は、一体どんな冒険を経て家族の一員となるのか。
最後までいいもの見れそうで、大変楽しみです。
はようアニメのボフボフみてーなー…。