リコリス・リコイルを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
リコリス襲撃事件を警戒し、たきなと千束の同居が始まる。
危機が迫る中、くるみがたどり着いた真相とは…という感じのお話。
最凶テロリスト・真島が強敵としてキャラを立ててきて、事件の背景もみえかかり、大きく話がうねりだすエピソード。
相変わらず千束とたきながイチャコラしておるが、その裏で着実にリコリスは狩られ、危機は深まっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
ロボタを雇い情報を流し、殺しの天才が存分に踊れる舞台を整えてるシンジは、DAにもリコリコにもテロリストにも気取られることなく、軽やかに残酷に踊り続けている。
前回の”東京観光”で、シンジが千束に向ける狂熱、千束がアラン機関に向ける純情が濃く描かれた分、天才を発揮させるためなら全てを騙し国すらかき乱す、黒幕の悪辣さが際立ってもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
アランに選ばれた子供であることは、千束にとっては生きる誇りであり、それ以外にとっては運命的呪詛だ。
そんな千束が見た目ほど無敵じゃないことを、このアニメは何度も描いてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
才能を生かした光速の後出しジャンケンを、たきなが打ち破ること(無邪気な喜び方が大変チャーミング)で今回のエピソードは終わるが、それは真島が的にかけた相手が、けして不破の英雄ではないことを暗示している。
目が良すぎるなら目が良すぎるなりの、殺しが出来ないならそこを狙った倒し方というものが、確実にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
人形の猛獣のように、凶悪で賢い真島が本気で千束を狙うのであれば、彼は必ずジークフリートの背中に落ちた葉っぱを探し出し、迷わず突き刺すだろう。
きわめて厄介な敵手だ。
暴力集団への身内意識が強く、ゴミのように殺す相手と仇を取る相手を切り分けられる真島は、博愛主義の赤い弾丸に縛られてる千束と、真逆の存在だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
Opposites attract。
『真逆のものは惹かれ合う』というサブタイトルは、イチャイチャ力を高めてるたきなとだけでなく、真島にも響いている。
真島は呼吸するように暴力を行使し、相手が少女だろうが仕事仲間だろうがためらいはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
その野放図…に見えて、的確に刺さる場所を探してぶち込むクレバーなスタイルが、プロの暴力屋らしくて…”カッコいい”と言っては、いけないんだろうな。
しかし、芯が通ってブレないのは良い。
人中の獅子に噛みつかれ、ヒーヒー言ってるロボ太を思わず応援したくもなるが、彼の”仕事”はリコリス殺しであり、テロの片棒担ぎだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
殺される側もお天道様に顔向けできる立場じゃないが、どんだけコミカルで人間味があっても、このお話が描くのは極めてロクでもない殺し合いだ。
リコリスを用いて、治安維持のために非合法殺人を敢行する白色テロと、その犠牲となった仲間の弔い合戦たる、真島の赤色テロ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
どっちにしても、たきなと千束があんなにみずみずしい青春を走っている足場は、死体と暴力で支えられている。
”地下鉄脱線事故”は、その覆いが外れた証明なのかもしれない。
明治以前から組織され運営され、少女とその餌食を犠牲にしながら生み出された、”平和な日本”という幻影。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
真島の業行はこの欺瞞を暴く、ある意味真実を求めての行動であるが、手段は銃弾と拳とひき逃げアタックであり、生々しくロクでもない。
彼を反体制のヒーローに書いてないのは、とても良い。
千束はそういうロクでもない世界のロクでもない稼業によく慣れていて、大喜びでたきなとの同居を迎い入れたセーフハウスは、日常的な襲撃を前提とした備えだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
彼岸花が覆い隠している危機と暴力は、千束の隣にいつでもあって、その上で彼女は今の飄々たる不殺を選んでいる。
それは彼女の天才だけがなし得る、贅沢な現実への叛逆である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
他のリコリスがみな諦め、あるいは自発的に協力する形をとることで、大きな安心を与えてくれる国家=家族の一員となる殺しの宿命を、跳ね除けるだけの特別さ。
それは、案外脆いかもしれないと今回のエピソードは描く。
都市型迷彩の効果が切れ、制服が犠牲のマーカーになっているという予断に突き動かされて、千束は単独行動の隙をつかれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
堅物過ぎるように思えたたきなの警戒こそが正解で、あくまで気楽な日常を壊したくなかった千束の慢心…あるいは執着は、車で轢かれ拳で殴りつけられることになる。
絶体絶命のピンチに駆けつけ、敵を無力化し得たのはたきなの銃弾であり、彼女はそれを千束的に使う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
腕を打ち抜き、殺さず無力化するスタイルを自発的に選ぶ。
茨の道でも、それがあの人の選んだ道だから、私も。
あそこのガンアクションは、凶暴な純愛だなーと思う。
第2話でも示されていたように、千束の不殺は値段が高い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
自分の命も、ミッションの失敗も、その譲れぬこだわりに乗っかって、危うく揺れ続けている。
今回本格的に彼女を敵と見定めた真島は、殺しても死なないターミネーターであり、殺したほうが楽な世界の権化とも言えよう。
ロケットランチャーの爆風に巻き込まれても、平然と水まみれ現世に戻ってくる怪物が、自分と対等の好敵手と見定め襲い来るなかで、千束は不殺を貫けるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
信念…というにはあまりに柔らかく日常的な”気分”を譲らず、たきなと一緒にパンツ買いに行ける自分でいられるのか。
それを試す相手として、真島は十分な役者であるとしっかり示す、良いエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
口だけ人間にも思えたロボ太が、首に猛獣の牙を引っ掛けられた状態で必死に走り、有益な(リコリコと”平和な日本”にとっては有害な)情報を引っ張り出す腕前ありと見れたのも、なかなかグッドだ。
こちらの情報担当たるクルミちゃんが、現在の混乱と窮地を招いていたことも分かったが、まーたきなが許してるし良いだろうッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
実際リコリコに厄介になる前は、あらゆる相手が敵となり味方となりうるプロのフリーランスだったわけで、そういう運命の絡み合い方する時もあるよね…。
今回は鮮度が命の速度戦、チームワークで真実をつかむ情報戦という側面もあって、夜を舞台にしたアクションと合わせて、なかなか新鮮な味わいがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
DAが後手に回る真島&シンジ連合軍相手に、なんとか渡り合えてるのはクルミの情報処理能力故だわなぁ…。
たきなが千束にすっかり懐いている様子も随所から感じ取れ、可愛く切なく恐ろしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
DAという揺り籠から追い出され、導を失った後で抱きしめてくれた、光り輝く星。
たきなが全体重乗せつつある千束は、けして不死の英雄ではない。
脆いし、危ういし、強いからこそ弱い。
だからこそ生真面目な相棒の助けが、体を張った救援が必要であることも、今回しっかり示された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
千束との関係を支えに己を鍛え直して、千束のピンチを一緒に突破できるような、たくましい”リコリス”になりつつある様は、見てて嬉しくて、やっぱ切ない。
銃、撃たないで生きれるのが一番いいよ…。
しかし巣を追い出されてなお”リコリス”である二人は、この嘘と暴力が入り混じった東京の中、自分の生きざまを見定め、貫かなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
それは獣のようにシンプルに、殺し殺されに心地よいバランスを見出す真島の暴挙よりも、険しい道程だ。
荒野で人であり続けるのは、いつでも難しい。
だからこそ正反対の二人が惹かれ合い、お互いの死角を守り合って、せっかく見つけた大事なものを守り抜かなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
殺しをしたくない自分を、殺しをさせようとするあこがれの人から守り抜いて、強く優しくあり続けなければいけない。
その闘いは、険しいからこそ眩しく尊い。
作品の一番強い光が、千束とたきなの個人的関係だけで落ち着かず、命と笑顔という普遍的な価値を守り抜く意義にもとづいているのが、俺は良いことだなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
子供たちを囮に、自分たちに楯突く強敵を探るのをためらわない存在が、”国家”であるこの世界。
秩序の側に立っても、正しさは保証されない。
では非/反国家的存在であることが答えなのかと言われれば、今回描かれた真島の野放図な暴力性が、それを否定する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
たきなと千束は、DA的にも真島的にもならないまま、真実”リコリス”であるとはどういうことかを、時に傷つきながら探り、体現しなければいけない。
厳しい旅路になるだろう。
真島が問うていた、千束の譲れぬミッション。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
それを探り当てていくのが、今後の物語になりそうな感じもある。
適切な問いかけを暴力とともに、主役に投げかけてくる敵役は、とても良い。
情けなし、容赦なし、退路なしの猛獣が、今後は本気で襲いかかってくる。
次回も楽しみですね。
あ、真島くん愛銃がチアッパ・ライノというドマイナード変態リボルバーなの、キャラ立ちに寄与してて大変良いと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
ギゾーニ、ホントに変な銃作るな…。
やっぱイカれた強敵は、異形の銃使っててほしいもんだよ。
追記 これは視聴者が読解するものであると同時に、製作者が『こう読んで欲しい』というガイドラインを、押し付けがましくなく熱心なファンにサジェストする手段でもある。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年8月7日
今回のサブタイ、赤色テロリストである真島と、白色テロ組織であるDAの敵対状況も含めての話なんだろうな。
慣用句をサブタイに選んで、複数の画角から本編を照らせるように作ってあるのは、クレバーで洒脱な活用法だ。