デリシャスパーティ♡プリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
強大な力を宿す新たな敵に、立ち向かうすべを持たないプリキュア。
何も出来ない歯がゆさに、涙を流すコメコメに、ゆいは真っ直ぐな瞳で感謝を伝える。
共に在る生き方から背を向け、独善と孤独に身を投げた男、最後の戦い。
その決着は、幼き祈りと共に…。
そんな感じのコメコメ強化月間フィナーレ! バトルも作画も総力戦な、デパプリ第28話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
板岡錦作監の、やや主線を太く取りメリハリの効いた作画が随所でうなり、キャラの気持ちも譲れぬ闘いも、鮮明に描かれていた。
カッコいいと可愛いを高度なバランスで保ち、バンバン見せ場の大盤振る舞い。
絵力に支えられる形で、一ヶ月ほど話の真ん中に座っていたコメコメだけで終わらず、戦いに挑むもの皆に輝きが宿るエピソードとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
死相が出てたナルシストルーは捕縛・拘禁という形で一応の決着。
繋いだ生命をどうお話に活かすか、今後の扱いも楽しみになる。
話のラインはシンプルで、超つえー敵が出てきたんで対策を練って挑み、正しき心が奇跡を掴んで大勝利。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
ナル公は自身のサディズム満足させるために敵に塩を送って、勝ち試合を取り逃す形になったが…それがアイツの業なのだろう。
手前勝手な楽しみを優先し、芯を取り逃がす気質はここまでも描かれてた
それがどこから来るのか、片鱗はスケッチしつつ奥深く入るのはこれから…という決着になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
他人が苦しむほどに己の喜びが強まり、暴力と否定以外にコミュニケーションの手札がない。
そういうどうしようもない存在が世の中にいるのだと、対応するのがマリちゃんなのは興味深かった。
今回のお話は、メイン視聴者層のアバターであるコメコメが子供であることの無力を嘆き、愛されたからこそ報いたいという気持ちを涙とともに絞り出す話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
優しいお姉さんであるゆいはその苦しみに真っ向向き合い、優しく抱きとめ、力強く未来を示す。
そういう真っ直ぐな言葉の力は、ゆいの特性である
苦しむジェントルーに未来を示したときも、彼女は世の善性を煮詰めたような、真っ直ぐで強い言葉を腹から絞り出して、相手に届けていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
人の痛みを真っ直ぐ見つめつつ、引かず受け止め答えを返す。
そういう人間力が、ゆいちゃんはたいへん太い。
頼れる主人公であり、真正な人間である。
そんな彼女が今回受け止めるのはあくまでコメコメであり、ナルシストルーではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
他人の苦しみを求める思考回路に問いを投げかけ、力強くその暴虐を抑える立場は、プリキュアを見守る保護者であり、傷つくことを恐れない戦士であり、既に数多の理不尽を噛み締め成長した、マリちゃんの仕事になる。
ゆい(と、彼女が優しく抱きとめたコメコメの苦悩)はあまりに真っ直ぐすぎて、ナルシストルーの宿すねじれには、向き合いきれない部分があろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
理想を叩きつけても響かない、問いかけても変わらない相手に向き合うには、ゆいは純粋にすぎる。
その真っ直ぐな気性が、何より大事で正しいと認めつつ…
それでは拾いきれない暗い陰りは、”大人”の領分とマリちゃんに引き受けてもらう形になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
圧倒的な力の差を前に、絶望の色を宿した魂も、共に食べ笑うことで元気になる。
前半主役たちが示していた作品の”答え”が、ナルシストルーの闇の出発点らしいと、今回示された。
このねじれを受け止める度量をマリちゃんは既に育てているし、プリキュア最年長であるあまねは半歩、その領域に踏み込んでもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
心の底からの詰問が人間の根っこに届かない現実を見届けるのは、ゆいではなくあまねなのだ。
ここら辺、成熟と人格のグラデーションがあって面白い。
コメコメは己の幼さを嘆いたが、マリちゃんが引き受けてくれた割り切れない明暗を前に、ゆい達もまた世界を知らない子供でしかないのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
ナルシストルーの根っこにあるドス黒い闇に、作品がどんだけ、どんな角度で踏み込むか。
それは今後の話次第だが、さてはて…。
(ここら辺のどうにも動かぬものを、子供らにどんだけ踏み込ませ背負わせるかは作品ごとに大きく異なる部分で、ハトキャやGo! プリは相応にぶっ込んでたな…などと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
理不尽を扱えば”リアル”というわけでも、お話の値段が上がるわけでも、勿論ないけども。)
(確かに世の実相である湧き上がる闇を前に、綺麗事をほざく必然と宿命がある”プリキュア”がどう向き合い、どう踏み込み描くか(あるいは、あえて描かない領域を確保するか)は、作家達の視線が明瞭に出る部分で、個人的に見ていて面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
子供向けと遠ざけていると、世に思われている重く暗い影)
(それを扱う手付き…主役にどの程度の侵蝕率で入り込ませ、どの程度痛みを込めて己の心魂に刻んでいくかの塩梅は、作家の指一つに委ねられている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
どういう雰囲気で世界を作り、そこにどんな角度から物語を差し込むかは、創作者の自由だ。
自由だからこそ、描いたものへの責任も生まれるだろう)
(今回ナル公との分かりあえなさ、届かなさをマリちゃんに問いかけ制圧させ、その現実をあまねに見届けさせた筆が、今後どんな風に伸びていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
そこに、子供と大人の間にあるプリキュアをどういう存在と信じるかが滲む感じがあって、今後が楽しみだ)
初手から感想が脇道にそれてしまったが、コメコメマンスの最後を飾るに相応しく、今回悩み涙するのはコメコメちゃんである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
今回彼女は人間形態に化けず、妖精形態はとても儚く小さな存在として描かれ続ける。
それはコメコメの弱さ、純粋さ、幼さが結晶した、現在地のスケッチだ。
凄いスピードで育つコメコメは、自分に出来ることが増えたことをとても喜んでいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
しかしそれでは足りないのだと思い知らされ、無力さに涙する。
この涙をゆいが受け止める時間を作るべく、フィナーレ先輩が体張って『休んでろ』言ってるの、メッチャかっこよかったな…。
コメコメの涙は周囲の人々の優しさが自分を護り、育んでくれている自覚あって流れるもので、”それ”が理解ってるコメコメちゃんの健気さに、ジジイは見ながらヒンヒン言ってたけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
過酷な状況に忘れかけていた確かな歩み、共に生み出した幸せを、ゆいの真っ直ぐな瞳は思い出させる。
あそこで泣いてる子供に向けるには少し厳しい、強い目をしてるのが僕は好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
それはコメコメが甘やかされ守られることでしか生きられない赤子の段階を過ぎて、自分が手放しつつある正しさを投げ渡されても、受け止めきれる強さある存在に育っていると、信じているからこその視線でしょう。
バブちゃん時代から一緒にいて、固形物を腹に収め、自分の足で歩き、絵を書き言葉を覚え…日々素晴らしく大きくなっていくコメコメを間近に見てきたゆいは、コメコメよりもコメコメを信じている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
だから、コメコメが己を無力だと蔑むことを許せない。
私の信じるあなたは、もっと強い。
ともすれば涙の源泉たる辛さに寄り添わない、上から目線の突き放した態度になってしまうところだが、ここでおばあちゃん譲りの温もりを携え、キッチリ体温が伝わる間近まで歩み寄れる優しさも兼ね備えているのが、和実ゆいのバランスであろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
強く正しく優しい。安定性高いよなぁ…。
ゆいに諭され導かれ、抱きとめられ信じられることで、コメコメは自分がなりたかった『皆のために闘える自分』を、形にすることが出来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
それは温もりに背を向け、ブンドル団から見捨てられたナルシストルーの独善からは、生まれ得ない強さだ。
それが事前に書かれているのも、かなり好きな回。
同族たるパムパムとメンメンに震える心を打ち明け、お姉さんぶってたパムパムも情けなさに涙を流す場面…自分も泣きたいメンメンが涙を拭って、前を向く強さを示す場面に、お話がたどり着くべきゴールは既に示されていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
あそこのメンメンくんはあまりに”人間”で、眩しすぎて直視出来ねぇ…。
大人と子供には、確かに力の差があり、経験の違いがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
割り切れない理不尽や、至らない苦しさを噛み砕いて飲み込める力は、降り積もる年月だけが与えてくれるのかもしれない。
しかしそれを必要とする根底は、年齢も能力も性別も関係なく、あらゆる人に同じだ。
同じで、あるはずだ。
そういう意味で、今回妖精にブラックペッパー、能力を剥奪されてるマリちゃんまで動員しての総力戦だったのは、凄く良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
『男は戦場に出るな!』という、転倒したルールが支配する女児向けバトルアニメで非常に珍しい、成人男性同士の肉弾戦。
あるいは己の無力を知ればこそ全力を振り絞る、幼い存在の奮戦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
色んな闘いが今回、大変優れた作画に下支えされて元気で、それがデパプリがどう”プリキュア”を壊して新たに作ろうとしているかを、豊かに語っていた気がする。
『女の子だって暴れたい』から始まったプリキュアが、手に入れた一つの枷。
『選ばれた特別な女の子だけが、暴れる物語』ってフレームを壊すべく、まー”プリキュア”も色々やっとるわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
コメコメの苦しい涙に真っ向勝負、ぶっとく描いてしっかり咲かせ、戦士としてのマリちゃんがその進化を見せた今回の話運びは、そんな試みの新たな1ページだったと感じた。
変身アイテムに選ばれず、戦えないものにフォーカスを当ててるのは、デパプリの好きな所で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
第2話でマリちゃんがゆいを戦場から遠ざけたのと、今回コメコメを真ん中に新フォームお披露目話を編んだのは、おんなじ根っこから咲いた花だと思った。
未だ成長途中の少女に、闘いを託す不甲斐なさ。
今回コメコメが熱い涙を絞ったのと同じ気持ちは、”いい大人”であるマリちゃんにもぶっ刺さってて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
だからこそ明るい笑顔を気合で貼り付けて、特別なアイテム奪われた”今”の自分に出来ることを沢山探して、戦場とその外に広がる戦場で、生きる闘いをあの人は続けとるわけじゃん。
どれだけ希望に輝いても消えない闇を殴りつけ、向き合い、問いただす仕事を、そういう人が担当出来たのは、俺はとても良いことだと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
ジェントルー=フィナーレ=あまねとの因縁も意識して描画重ねてる感じがあるし、ゆいの眩い正しさで追いきれない影を、拾い上げてくれると嬉しい。
…って書くと、ゆいちゃんを綺麗事主人公と波してるみたいになっちゃって、なんか難しいけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
あの子が人生の正解を一切迷いなく掴み取り、勁い言葉で真っ直ぐ届けれる人だからこそ、コメコメちゃんの涙は力に変わったわけでさ。
そういう人は絶対必要だし、ありがたい存在だよ間違いなく。
ここねちゃんの大人びた成熟、らんらんの”バカ”の書き方もそうだけど、デパは欠点も長所も兼ね備えた人間の多様性を、結構大事に話作ってくれてる印象だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
人である以上必ず穴はあるし、それは誰かと手を繋ぎ、学んで変わっていくことで補える。
一人じゃ出来ないことが、みんななら出来る。
そういう何万回も言われてきて、何億回でも新たに叫ばなきゃいけない真実を、”メシ”ってテーマにちゃんと向き合いながらキャラクターごと、話数ごと個別の物語を編むのは、やっぱ大事で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
ここまでのコメコメ連作、育っていく彼女の人格を色んなキャラと照応させながら転がして、色んなものが描かれた
その手びねりの奮戦は、やっぱすごく良いもんだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
総力戦となった今回、色んなキャラの表情が生き生きしてて、敵のことも味方のことも今までより分かるお話だったのは、凄く良かった。
アクションとドラマ、作画と脚本が相互に高め合いながら連動するエピソードで、本当に面白かったなぁ。
今回描かれたコメコメの涙って、狐の妖精だから特別に感じるものではなく、全ての子供(かつて子供だった全ての人間含む)に普遍的な苦しさじゃないですか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
愛に報いれない悔しさに歯噛みし、その無念がミリミリと一センチ、子供の背丈を伸ばすわけじゃない。
その涙は、ただ苦しいだけじゃない。
同時にすげー苦しいものでもあって、生々しい苦悩と情熱的な透明度を両立させて、人間を前に進ませるものをちゃんと書いたの、凄く良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
あのバブちゃんが、人類普遍の苦難を己に引き寄せ、誰かのために闘える戦士に己を育てている姿は、やっぱ心に刺さるわな。
偉ぇよコメコメは…。
というわけで敵幹部退場、新フォームお披露目と形の上で大きな節目…なだけで終わらず、デパプリらしい手触りで、大きなものを作り上げるエピソードとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年9月18日
大変良かったです。
マリちゃんが関節キメながら抱いたナル公の闇は、掘ってくと美味しそうな鉱脈よね。
どう転がすか、次回も楽しみ!