ラブライブ!スーパースター!! 二期を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
東京決戦の軍配は、Liella!に上がった。
敗北を認められないウィーンを後目に、全国大会進出の喜びを噛みしめる。
かのんは舞い込んできた留学も断り、結ケ丘の皆との今を大切に進むと決断する。
しかしそれだけが、真実の歌なのか。
嵐が近づいていた。
そんな感じの祝! ウィーンさん高地優位放棄! な、スパスタ二期第12話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
第9話のビンタキャンセルに続き、留学話を一人で抱え込んで厄介なことになる空港ルートも潰されたわけだが、まさかまさかの嵐の一言。
強敵を討ち果たし、全国の頂が見えたところでLiella!、波高しである。
千砂都が何考えて『留学しろよ!』って言い出したかは次回解るとして、今回は”夢”なる曖昧で残酷なものの手触りを、どっしり追いかけていくお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
その過程でかのんちゃんの優しさと芯の強さ、ちーちゃんの卓越したフィジカルとメンタル、ウィーンさんの人間味とポンコツが見えてくる。
前回引っ張った決着はLiella!の勝利と終わり、歓喜の抱擁がそこかしこに咲く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
おいそこに緑のスクールアイドル、あからさまに”距離”おかしいだろ! と思うが、主役も似たようなもんなんで、これがスクールアイドル・スタンダードだ!
(画像は”ラブライブ!スーパースター!! 二期”第11話から引用) pic.twitter.com/HV3Id3NQTJ
一期の終わり方を思うと、眩い光と色彩に満ちたこの景色は未完に終わった”Starlight Prologue”の続きなのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
一年かけて実力を蓄え、仲間を増やしてプロローグの続きを。
後輩が混ざった故の苦労と喜びを、しっかり積んでくれた二年目を思い出すと、感慨もひとしおである。
つーか四季メイの”距離”露骨にバグってて、会場のオタクは突然のファンサ爆弾に失神してると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
学校での報告会もそうだが、『Liella!は大衆の視線にさらされる自分』つう概念に、馴染みなさすぎるわな…”スクール”アイドルだから、そこは造りすぎないのが良いんだけど。
そんな大団円に納得行かねぇと、大炎上必死の爆弾投げ込むウィーンさん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
ラブライブ世界が色んな結界で守られてるから穏やかだが、現実ならもっと凄い燃え方してると思う。
そんな濁り描いても、お話面白くないからカットでいいけど。
(画像は”ラブライブ!スーパースター!! 二期”第11話から引用) pic.twitter.com/JE2qR2GCfh
ウィーンさんは”ラブライブ!”を、自分の夢の踏み台としか考えず、観客や仲間を巻き込み語りかけるような歌を生み出せなかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
Liella!は九人全員で仕上げた歌を、眼の前にいる観客、モニターの向こうで見ているファン、いつか自分たちに憧れ同じ未来に立つ同志に、広く力強く歌い上げた。
歌のスケール、”ラブライブ!”への理解度の違いが勝敗に出た形だが、ウィーンさんそういう視点でやってないから、確かに納得出来なかろうな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
反対にかのんちゃんは、ずっと”そこ”目指して進んできた。
巧拙だけを競うのではなく、志とその現れを重視して点数つけるのは、”部活”って感じがして結構好き
”夢”一文字が燦然と輝く、喜ばしい祝賀の席。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
一度は勝つために外す道も考えた後輩たちが、欠かすことの出来ない戦力として世間に認められている様子は、ジンと染みる。
前回”真実の歌”に悩んだように、かのんちゃんはここでも、暴言投げつけたウィーンさんの心を測る。仁のある人だよ…。
こういう時に相談するのはやっぱり大事な幼馴染で、松も取れてねぇのにトレーニングに勤しむ本物のアスリートに、揺れる心を吐露することになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
ホントストイックだな嵐千砂都…当人としては”当たり前”なんだろうけど。
(画像は”ラブライブ!スーパースター!! 二期”第11話から引用) pic.twitter.com/ONNWFZhjq3
携帯電話は離れた幼馴染と相談するだけでなく、ライバルの気持ちを慮る助けにもなってくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
SNSの記述から現在地を特定するハッカー仕草に、ほのかな犯罪の気配を感じてビビったりもしたが、まぁラブライブと軽犯罪は切り離せないからなッ!
今回も盗聴未遂匂わせてたし…。
さておき、今まで高いところ、手が届かない場所にしか立ってなかったウィーン産は敗北によって地面に引きずり下ろされて、かのんちゃんが触れ合える間合いにまで降りてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
負けた途端ポンコツな一面見せてきて、あまりのあざとさに好きになりそうで困る。
私は負けてない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
両腕組んで、そういう自説をなんとか守ってはいるものの、敗北という揺るがぬ事実は否応なく、ウィーンさんを変えていく。
クラシックエリーととしての矜持、巧さだけで勝てるという傲慢で、高く保っていたプライドは、かのんちゃんが足をつけてる場所に引っ張られている。
今まで数多の後輩を屠ってきた必殺の距離に近づかれ、ウィーンさんも速攻チョロるのかと思いきや、初戦は渾身のディフェンスを見せた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
まぁここで体がくの字に折れてLiella!堕ちすると、留学と”夢”にまつわる物語に嵐千砂都が参戦出来ないので、耐えてもらわにゃ困る。
この段階のウィーンさんにとって、かのんちゃんは自分を夢の故郷に戻してくれる便利な道具でしかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
今まで”ラブライブ”を見てきた(そして負けた)視点は揺るがず、変わらず、一人で夢を叶えようと強がる。
その頑なさに、かのんちゃんはまだ踏み込めない。
しかし、その根源は見えた。
Liella!が見据える”みんな”には当然結ケ丘も含まれていて、新設校期待の新星を全力で応援してくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
学校を一番重く背負ってる恋が、結果を出し応援されて感極まってる様子が書かれると、俺も嬉しい。
(画像は”ラブライブ!スーパースター!! 二期”第11話から引用) pic.twitter.com/mvkXJjNSy1
”廃校”つう伝統様式をあえて切り捨て、ゼロから学校を盛り上げていく未来志向の物語にしたこと…それが葉月家二代の祈りと呪いに関わっていることは、スーパースターの結構な特殊性だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
Liella!の活躍で学校が盛り上がり、人と人、過去と未来が結びついていく様子は、そんな強みを際立たせる。
同時に今回は先輩・後輩の垣根がいい感じにほぐれて、気の置けない仲間になっている様子もたっぷり描かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
むにむにきな子可愛すぎて失神したが、こういう間合いで付き合える関係性を、長い時間”部”やってる中で育んだのだ。
ただ気安いだけでなく、敬意と礼節が香るのも良い。
こういう繋がりがあるからこそ、かのんが離れていくか気が気ではなく、内側に溜め込んで炸裂させるよりも、早めに尋ねて解決していく道も選べる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
無印一期後半を振り回したシャイな機密主義と、過剰に膨らんだ感情を再演することなく、別角度から似通った課題に挑む。
”三作目”だなぁ…と感じる。
明るく振る舞うかのんちゃんの背中に、漂う微かな影。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
それを千砂都が見逃していない様子は丁寧に切り取られ、賑やかで楽しい…ずっとそこにいたいと思わせるLiella!の温もりを、鋭く冷やす。
この眼は部長の、幼馴染の、ストイックな一個人の…色んなモノが混ざった瞳だと思う。
残りのメンバーが勝利の余韻にひたり、明るい未来を疑わず、満たされた今を心から喜ぶ描写が太いからこそ、そこから一人千砂都が外れている様子が際立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
これは現状であると同時に予兆でもあって、こういう目を持つから、ラストに嵐千砂都はああ言い出すのだろう。
かのんちゃんに強い自分を信じてもらって、その期待に応えようと己を磨き上げ、ダンスでてっぺんまで駆け上がった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
信じてくれる人に背中を支えられ、その上でその人から離れることで、実際に見える景色があった。
嵐千砂都は、孤高の価値を既に知っている。
同時にLiella!に入り部長になったことで、”みんな”であることの喜びと意味も、凄く強く染み付いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
全体を見渡すことと、深くたった一人に切り込むこと。
近づいて得られる温もりと、離れて掴める高み。
その両方を見据えて、バランスを取れるのが嵐千砂都という人なのだ。
ここら辺思い込んだら一直線、燃える情熱の権化である澁谷かのんとは好対照だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
センターとリーダー、それぞれの役割を分け合いつつ”Liella!”の中核を担うのに、相応しい個性をお互い持ってるんだと思う。
そんな二人が、とんでもねぇ太さの感情と歴史で繋がっちまってるワケでよ…。
窓ガラスの向こう側、かのんの真意を知りたいあまり異形の塔を打ち立てるLiella!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
バベルの塔は崩れるが、かのんちゃんは隠すことなく思いを伝え、”みんな”とずっと一緒にいる未来を約束する。
手渡された答えに、安堵するものたち。
(画像は”ラブライブ!スーパースター!! 二期”第11話から引用) pic.twitter.com/HPHa3NiWiC
その隣で、嵐千砂都がどんな顔をしているか、葉月恋だけが見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
恋ちゃん、激重退学届を見ている唯一の存在なので、一見落着しそうな成り行きの中でLiella!の核弾頭が何を思っているか、嵐の予感を感じ取っている。
その視線を受けての、千砂都のはにかみはなんとも切ない。
ちーちゃん自身、”みんな”が望む安楽な結末を心のどっかで求めてて、かのんちゃんが納得するならそれでと、自分を言い含めている最中なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
でも心の何処かが、自分自身体験してきた事実が、それが最高の決着ではないのではと、揺れている。
その波紋を、葉月恋が見てくれていること。
それをこのアニメが、鋭くしっかり描画していることが、俺はなんだか嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
ここの視線の交錯って、一期中盤の物語がなければ描かれない場面だと思う。
ここまでの物語で生まれた縁と思いがあればこそ、一見100点に見える”みんな”の答えを越えて、嵐の中に真実を探す千砂都を、恋が唯一識れる。
停滞することなく、小気味よく進んでいくお話の中で、そういうナイーブな触れ合いがちゃんと切り取られているのは、凄く好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
恋ちゃん正直何かと、端っこに追いやられがちなので、こういう形で唯一性ある存在感見せてくれるのは、とても嬉しいのよ。
千砂都の視力は恋の向こう側、聞き耳立ててるウィーンさんの存在も見つける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
気付いてしまえば、無視はできない
情熱主義は親友譲りだ。
それで幾度も救われたから、ど真ん中体当たり躊躇わないねぇ…。
(画像は”ラブライブ!スーパースター!! 二期”第11話から引用) pic.twitter.com/dki7JGzce8
ダンスの頂点を極めたフィジカルに叶うはずもなく、追いすがれ抱きつかれるウィーンさんは、かのんちゃんと語り合ったときよりさらに近い間合いに、嵐千砂都を許す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
文字通りしがみついて、事情を話すまで離れないと告げる強い視線が、”嵐千砂都”過ぎて好きだ。
かのんちゃんと話す時は、ウィーンさんは腕組みの扉で距離を保って、相手を自分の間合いにいれない≒自分が相手に近づかないことが可能だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
しかし孤高を敗北の事実で突き崩され、”ラブライブ!”に賭けるかのんの思いを直接聴いて、防壁は既に壊れかけている。
そこに嵐千砂都の突撃で、完全に”詰めろ”かかった感じはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
ウィーンさんは簡単にLiella!的価値観に染まらない、小憎らしい異物であることが魅力だとも思うので、デレるのが既定路線としても、こうして手順踏んで切り崩してくれるのは良い。
双方の”格”を維持できる。
ちーちゃんは間近にウィーン・マルガレーテの実在を感じ、本音を聞いて、どう思ったのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
ネット越しの世間、あるいは他のメンバーが痛罵するような、顔のない”悪役”とはもう思えないのだと思う。
自分たち”みんな”の夢が叶う足元で、確かに踏み砕かれていく誰かの夢。
それはダンスの頂点に駆け上がる中で、嵐千砂都自身が踏み砕いたものだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
その痛みを無視し、あるいは飲み込むことが出来たからこそ、ちーちゃんは泣き虫な自分を越えたと証明して、愛する神様の胸に飛び込むことが出来た。
だから、ウィーン産への同情だけが心にあるわけじゃないと思う。
勝つの、負けるの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
進むの、終わるの。
勝負事につきまとう残酷を、Liella!で一番良く知っているのは嵐部長だと思うし、同時にそこで思考を止めず、負けた側の思いに寄り添い、勝つ側がどう進むべきかちゃんと考える人格を、しっかり宿してもいる。
所詮は嫌われ者の他人が、叫ぶ負け犬の遠吠え。
澁谷かのんの直感と共感に引っ張られる形で、しかしかのんちゃんが踏み込めなかったところまで、嵐千砂都はウィーン・マルガレーテを抱きとめた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
こたつでの楽しい時間を冷やすように、遠く離れた場所から投げかけられる言葉。
(画像は”ラブライブ!スーパースター!! 二期”第11話から引用) pic.twitter.com/OwiQcSAQr9
そこに何が込められているか、描かれるのは次回になるが、嵐千砂都のどんな過去と思いが、この言葉を紡がせたか…ヒントは既に出ている気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
かのん自身が、挫折の痛みに”澁谷かのん”を諦めていたときも、受け取った温もりをけして忘れず、頂点までストイックに押し上げてきた少女。
離れればこそ見える高みも、生まれる強さも世く知っている少女は、夢の残酷さも、ライバルの体温も噛み締めた上で、安楽な結論をひっくり返す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
部長らしくなくて、Liella!らしくなくて、あまりに”嵐千砂都”な言葉だと、僕は思う。
この波が、かのんちゃんの”外側”からくるのは凄い展開だよな…。
ウィーンさんの帰郷問題も絡んで、かなりこじれた状況になってる留学問題。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
晴れの全国大会を前に、少女たちは一体どんな答えを出すのか。
嵐の先に見える答えを、”みんな”で掴んでほしいと思っています。
次回も、大変楽しみです。
ここで甘ったれないのは、凄く良いと思うよ俺は。
そして”リエラのうた”が、最強の補講として強烈に殴りつけてくる…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
ちーちゃん姫に手を伸ばした王子様にとっても、その出会いと温もりはあまりに特別で、眩しく煌く星だ。
(画像は”ラブライブ!スーパースター!! 二期”第11話から引用) pic.twitter.com/8TSDNAvSPP
前回”追いついて”一緒に乗ったメリーゴーランドから、もう一度別々の馬に離れて、それでも同じ軌跡を辿っている様子は、本編に吹き荒れた嵐がどこに行き着くのか、見事に予見していると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
結局”ここ”に二人はいるんだから、まぁ大丈夫だろう。
そう思わせてくれて、大変ありがたい。
背中を追いかけて並び、また離れて進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2022年10月7日
あまりに特別な存在で、身近に魂を支えてくれて、道が大きく違ったように思えたときもあったけど、それは一緒にいるための最短距離で。
そんな二人を描く象徴として、二つと一つのメリーゴーランド選んだの、あんまりに”正解”だと思う。公式がつええ。