アイドリッシュセブン Third BEAT!を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
人民に最も愛された音楽を決めるMOPの舞台が、遂に幕を開ける。
出来レース、仕組まれた感動。
冷えた視線を跳ね返すように、湧き上がる積乱雲。
これまでの自分と、これからの夢を背負って立つ、たった一つの今。
その先に続く道は、光と影に満ちて…。
そんな感じの長かったサドビよさらば! おいおいおいおい終わってねーわよッ! な、アイナナ三期最終回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
四期があると確約されたわけではないので、アニメで楽しんでる勢は種まきの後咲く花を見届けられないんじゃないかと戦々恐々ですが、良い最終回だった…。
いやー、終わんなかったねッ!
ŹOOĻとか了さんとか、サドビで顔だしたネタ全部が決着したわけではないが、アイナナとTRIGGERがぶつかり合うMOPの決着としては大変美々しく太い答えが帰ってきたし、ずっと追ってきた『アイドルVS世論』には気持ちのいい決着が付いたと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
ちゃんと終わってて、まだまだ続く。
『完璧をここに置いてくる』という覚悟でステージに挑んだTRIGGERが、もぎ取った勝利の先にまだまだ進んでいくように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
荒波まみれの現在進行系アイドル活動を追うアニメとして、良い熱量でまとめたな、と感じた。
まぁ四期があるっていう、希望的前提に基づく評価ではあるけどね…。
いや実際、こんだけ何もかもが未解決な状態で決着を待ってて『ここで終わりです! 続きはありません!!』て言われちゃうと、『良い最終回』どころの話ではないので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
アプリでは収まってます、きっと四期やります。
わーっとる。
でも俺のアイナナは、いつでもアニナナだから…。
『映画もやるし大丈夫だよ』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
『でも約束なんてしてくれてないし』
ハワハワした気持ちで未来を待ってるこの感じは、作中でアイドルに感情揺さぶられてるファンとのシンクロを感じて、妙に面白い所でもある。
ならば彼らがそうしたように、僕も信じてまとうと思う。
あるいは、好きだと大きく声を上げる
未解決和音が山ほど飛び出した、半端な最終回と断じても良さそうな今回、『あ、俺はこのアニメが好きだな』と感じ直す場面が多かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
Wステージに重なる形で、切れ味の良いモノローグがズバズバ入って、作品が持ってる言葉の強さ、構図の良さが際立ったからかもしれない。
天国と奈落の間、激しい風に吹かれながら踊る偶像の素顔を、ファンは知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
悟られないようにアイドルたちは必死で踊り、その本気だけが切り開く地平が確かにある。
あって欲しい。
そんな作品の根源が、MOP決戦に色濃く宿って、とても良かったです。
つーわけで決戦の構図を際立たせるべく、兄弟対峙から物語は始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
夢の殿堂に向き合うには、俗世の塵に汚れすぎた自分を思うと、天兄の態度も硬い。
…が、結局ブラコンなので弟がぶつかってくると、全身全霊呵々大笑である。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第30話から引用) pic.twitter.com/lbKhkBxPK8
すっかり綺麗になった八乙女オヤジの独白が上手くまとめていたけども、金と権力で名声を買い、ガラスケースに閉じ込める冷たさが、三期は特に強かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
アイドルの光は、嘘にまみれた虚栄でしかない。
了さんが呪われて、渾身の悪意で証明しようとしている”真実”。
天はそれを振りちぎる輝く嘘にこそ、ステージ・エンターテイナーでありつづける価値を見据えていて、だから”七瀬”には戻れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
ファンの求めるものを、その想像を超えた完璧さで差し出すことで生まれる、奇跡のような喜び。
それは真摯にファンの顔を見て、本気の嘘で武装するから生まれる。
そんな男にとって、生の自分…あるいは自分の生を剥き出しにするのは、許しがたい冒涜だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
フレンズデイで陸が覚醒させた、怪物的訴求力。
一織が握り込んで使いこなすと意気込むそれを、兄はけして認めない。
ステージに立つ意味を、教えてくれた愛弟だからこそ、敵対者としてその前に立つ。
これは兄弟喧嘩を越えた、作為と自然、制御と暴走の対決だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
抑え込んでねじ伏せるからこそ生まれ得るものと、何も知らず暴れるからこそ爆発する力。
道を違えた兄弟が、正反対のステージ哲学を体現しつつあるのは、改めて面白い構図だ。
そしてその対峙には、奇妙なさわやかさがある。
ここまで三期、最悪兄弟関係からマジで色々あって、本音をぶつけてなお笑える距離感を、二人は掴んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
そういう所から決戦が始まるのは、俺はとても良いことだと感じる。
お互いが呪いでなく、絶対の救いでもなく、小さな祈りと生身のイラつきを交えて、等身大の自分として向き合える。
そういう場所に兄弟が立てたのは、ここまでアイドルとして歌い踊り、人間として傷つき立ち上がってきた、物語があってこそだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
これから始まる闘いもまたその一つになって、明日の彼らを支えていく。
終わって積み重なるものだけが、知らない明日を描くキャンバスになってくれる。
そういう時間的視野を最終話開幕に感じられたのは、なんだか良い終わりの始まりだなと思ったのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
そういう意味では、トロフィーの墓場を前に己の愚かさを懺悔する場面は、”悪役”だった八乙女オヤジの最終回なんだろうなぁ…。
一期のカキワリ悪党っぷりが、今はかなり遠いよ。
大衆も偶像も金と野心で操作できて、なにもかも冷たい計算の産物。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
了さんが現在進行系でぶん回す傲慢を、ベッコベコに殴られた結果オヤジもこの位置なわけで、負けてみなけりゃ見えないモノもある。
歪な足場をぶっ壊す敗北を与えるには、残りの時間はあまりに少なく、了さんは”悪役”を続ける。
その歩みが終わり果てた後に、かつての悪役が立ってる内省の地平にあのアホもたどり着けるかは…書かれなきゃ分かんねぇな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
オヤジはTRIGGERが純情で横っ面張る形で道を正せたが、ŹOOĻくん達自分の更生に忙しくて、繋がり薄い元上司にかまってる暇なさそー…。
さておき。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
夢の舞台と覚めた現実を行き来しながら、MOPは進行していく。
アイナナVSTRIGGER、陸VS天が目立つ構図だけど、真のステージは名もなき群衆が携帯越し、その熱を見つめるファミレスかな、とも感じる。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第30話から引用) pic.twitter.com/ThRXkP8Yh8
顔はあっても名前はない、声はあっても世界を動かさない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
そんなありふれた”誰か”に押し流される形で、TRIGGERは地べたに引きずり落とされた。
アイナナも現在進行系で危うい淵に立っていて、フラフラ揺れる生身をキレイな衣装で飾っているからこそ、外野が気楽に悪意を投げれる。
そんな冷たい構造を利用して、了さんは世論を作った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
観客席と舞台は切り離されて、演者の熱はけして届くことがない。
だって、偶像は僕を見てくれなかったから。
携帯電話、テレビ画面、あるいはライブ会場。
様々なメディアを通じ、様々な熱量で放散されるアイドルの輝き。
ファミレスに座る二人にその熱が届くかどうかは、”悪役”が信じる冷たい世界観と、アイドルが願う熱い思い、どちらが本当なのかを問うてもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
MOP会場の外側に真の敵がいる構図は、アイドルニ組の賞レースを超えた所に、物語の勝敗があることを上手く可視化もしてて、なかなか良い。
名もなき二人が見据える舞台が、今まさに不安定に、人間的に揺れている事実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
前々回炸裂した爆弾を引き継ぐ形で、ナギの顔は不安定に孤立し続け、その表情を切り取られないカットが多い。
どこか遠くへ、勝手に漕ぎ出していきそうなその危うさに、アイナナの末っ子が必死にすがる。
環は愛が離れていく残酷にセンサー尖っているので、大和の成熟とはまた別の形で真っ先、ナギの危うさに気づくんだろうな、と感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
そうしてすがる手を振りほどって、故国に囚われていく決意をナギは既に固めていて、その隙間から寂しさが漏れていく。
いつも通りの六弥ナギを作って、いつも通りのパフォーマンス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
視線が後悔と不安に揺れている状態で、ナギが”こなす”しかなかったことが、MOPに響いてあの結果…かなとも思うが。
ここら辺明言せず見てる側に考えさせるの、上手いし優しい作りよね。
勝敗に物語性を付与させる筆…つうか。プロレス的。
かくして幕が開く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
栄光の足元にはいつでも奈落が口を開けていて、いつそこに落ちるかわからない。
一織のモノローグが良い。
それを分かりつつ、なんでもない風に踊って、最高の一日を貴方に。
それが偶像の矜持だ。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第30話から引用) pic.twitter.com/tRVmTVzsvX
演劇用語としての”奈落”は、今まさにアイナナが身を置いている地下のスペースそのものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
そこは観客に見えぬまま最高のステージを準備するために、絶対必要な場所でもある。
人間なら必ずまとわりつく重たい荷物を、預けて脱ぎ捨てて、誰もが求める光を演じる。
その裏にある影は、暗いだけじゃない
光があるから影が生まれて、色濃い闇に向き合うからこそ、断絶を越えて音楽は誰かに届く…のか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
誰にも分からないからこそ、アイドルたちは眩しい舞台で必死に踊り、真実を証明しようとする。
そのあがきそれ自体が問いかけで、答えに至るための途中式で、誰かの心を動かしうるたった1つの正解だ。
ここに至るまで沢山の迷い道を経て、そこで学び取ったものを今ぶつけて、これから先に漕ぎ出していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
発展途上の現状報告でしかなく、しかし今差し出せる唯一の真実へと、必死に近づこうとする歩みが、ステージの中に眩しく燃えて…その熱が、冷たい壁を溶かしていく。
本気だから、真剣だから。
届くものはあるのだと信じたいからこそ、ステージを商売に選んだ少年たちが、たどり着いた舞台。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
MOPの格とスケールを表すように、ARを生かしたゴージャスな演出、会場の広さを良く見せるカメラワーク、非常に良く冴えていた。
別格感がしっかりあって、三期決着に相応しいステージングだったと思う。
狗丸くんは顔を上げて光の方へ、亥清くんは顔を伏せて闇の只中へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
TRIGGERに因縁深い二人が、それぞれ隣にチームメイトをおいて舞台を見てるのは、未来に向けて良い描画かな、と思った。
深く踏み出したわけでも、心を晒したわけでもない
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第30話から引用) pic.twitter.com/c8XZ6PVWZf
しかし確かに何かが、ŹOOĻの中に生まれつつある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
波乱の果てにたどり着いた舞台へ、TRIGGERは”完璧”を置いてくるように踊る。
その情熱は顔と名前のあるアイドルにも、名もなき誰かにも確かに届いて、何かを変えていく。
その先に待ってるのが、必ずしも幸福ではなくても。
『完璧を置いてくる』って言い回しが好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
それはTRIGGERにとって今しか作れなくて、もう取り戻せなくて、明日から新しく作っていくものなのだろう。
日々新に挑み、求め、必死に演じる完璧さを通じて、誰かの夢になれたなら。
そんなプライドをずっと抱えて、彼らは踊ってきた。
思えば一期、そんなプロ根性を間近に見たことでアニナナに前のめりになったなぁなどと、この最終話を見ながら思い出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
変わり果てていく世界の中で、それでも変わってはいけないものを守るために、色んなものが変わっていく。
TRIGGERの毀誉褒貶は、それを描くための画題だったのだろう。
TRIGGER本気ネキも思わず号泣の勝利を足場に、彼らはまた新しい”完璧”を探していくだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
感情溢れる決着の瞬間にすら、どんなふうに自分たちが見られているか考えなければならない、道化仕事の世知辛さ。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第30話から引用) pic.twitter.com/dIIbNNLkE5
それを薄汚れた嘘だと感じない熱量で、アイドルたちは明日に真っすぐ進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
今回は大勝負ってこともあって、ヤマちゃんがアイナナリーダーとして全体を取り仕切る描写が多く、ファンとしては嬉しい。
そういう小細工、本当に似合ってるねぇキミは…素敵よ。
獣の眼光虹色に光らせてる了さんは、やっぱ純粋なんだろうなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
真偽二分論で生きてるちゅうか、嘘が真となり誠が嘘と紛れる人生の複雑さを、面白いとは感じられない気質なんだと思う。
それを自分限定に抑え込めず、世界全体に敷衍しちゃうのが弱さと危うさ、なんだが。
汚く思えるものに真正面から向き合うからこそ、他人に届く綺麗を捏造(つく)れる、人生の不可思議。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
それに揉まれて立ち上がり直して、TRIGGERは栄光に返り咲いた。
この勝利がけして揺るがぬ永遠の真実なんかじゃないと、勝った当人が良く知っているだろう。
それでも確かに、アイドルたちが本気で勝ちたいと願い、今の自分達を全部出し切った舞台は、壁を超えてどこかに届いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
ファミレスでつまんねー顔して”アイドル”消費していた人たちが、誰かに強要されたわけじゃない己の意思と決断で、舞台をちゃんと見る所まで自分を運んだ。
それこそが、了さんが縛られ世界に押し付ける呪いを跳ね除けて、あやふやで形がないアイドルの”本当”を届け得たのだと、見事に示している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
本気は届く。
ファミレスで誰も知らぬまま起きた変化こそが、そんな甘っちょろい祈りが真実勝ったのだと、上手く語っていた。
そんな小さく偉大な勝利を超えて、TRIGGERは新たな場所へ踏み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
魔術師への宣戦布告、終わった物語との決別。
九条天はゼロではなく、今を共に生きるTRIGGERの仲間なのだと、吠える楽の瞳が熱い。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第30話から引用) pic.twitter.com/7xnJQyBbu3
自分が囚われた狭苦しい真実が、世界の全部を支配するのだと押し付ける生き方は、了も鷹匡も同じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
既に何かを間違え、何かに負け、その傷を癒やしきれず蠢く手負いの獣達は、自分だけの答えが個別の問題では収まらないと、エゴを肥大させ他人を飲み込んでいく。
それは哀れで必死な生存戦略でもあり、そんな浅ましさに共鳴して、天は”九条”であり続けたのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
しかしそれを止めろと、楽は吠える。
お互い大好きで大事なのだと、奈落を這いずり回った結果確認できたからこそ、踏み出せた一歩なのかもしれない。
変わったねぇ…。
Re:valeが終わった物語の先にまだ新たな物語を継いでいるのに対し、鷹匡は終わったゼロを諦められないまま、呪いを再生産し続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
ちゃんと終わらせたからこそ、祈りが呪いにならず生き続けてるお話と、輝きが他人を食い尽くす闇に化けてるお話が同居しているのは、まぁ残酷だ。
食われる側にはタマまったもんじゃないので、そらーキツい一発も叩き込むだろうけど、あまりにも眩しすぎた光に呪われて呪いが残響する鷹匡の物語には、ありふれた哀しさが濃く滲む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
それでも振りちぎって、力強く明日へ進むのか。
優しく思い出の残骸を撫でて、そこに新たな芽を出すのか。
どっちにしても鷹匡を終わらせてやらなければ、彼に呪われた天も開放されず、それは舞台の魔法でしかなし得ないことなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
伝説を生み出した魔術師を、真実殺せるだけの呪いを探して、今後TRIGGERは進んでいくことになる。
…天の原点がゼロな事含め、残酷で険しい道になるね。
そして、終わっていなかった物語に向き合うべく、夢を終わらせる物語も、今ここからはじまる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
六がなくなっても陸があるなら、1から7に続いて1に戻るオクターブは大丈夫。
自分を揺らした美しい夢はけして無くならない。
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第30話から引用) pic.twitter.com/57sAiqjF8Z
そんな寝言が本当ならば、ナギの首がブツッと切り落とされるレイアウトで三期終わんねーわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
ナギが選ぼうとしてる道はどう考えても間違っていて、しかしそれを選ぶしかない切実さが確かにあって、間違えきってぶっ壊れなきゃ、新たに始められない物語がこっから先、待っているのだろう。
ナギはその素顔と奥行を見せきらないことで、アイナナが窮地に追い込まれた時全てを逆転させてくれるジョーカーとして、ここまで頑張ってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
そんな彼の故郷と人間が、ようやく表に立つタイミングが来たのだ。
嵐の予兆は静かに強いが、同時に不思議な嬉しさがある。
その先が行き着くところを見届けたいが、今は旅立ちの支度を勝手に終えて、離別が迫る所まで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月27日
ルームメイトが自分色のソファから身を乗り出すことなく、白い領域に踏み込めてないこのカット、現状のスケッチとしてあんまりに残酷ね…
(画像は”アイドリッシュセブン Third BEAT!”第30話から引用) pic.twitter.com/TsQwSyE5to
というわけでアイナナサドビ全30話、山あり谷ありまだまだ続く! という、ひとまずの幕でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
大変面白かったです、ありがとうございました。
一期で夢に向かって進みだした者たちの明暗を、二期で既に頂点に立ったものの揺らぎと愛を、それぞれ描いた後の三期。
軽薄な世評が謀略に踊らされて、眩しい場所に立つものを引きずり落とす生臭い荒波を、濃い目に話の真ん中に進めるシリーズとなりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
そんなロクでもねぇ凡俗代表として、月雲了は良い憎まれ役をやりきり、まだその首は落とされていない。
アイドルで救われず、その虚しさが世界の真実なのだと…
呻くように喚くように色んな人を巻き込んで、呪いを増やしているクソ外道。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
その末路をいつの間にか、見届けたいと思うようになれたのは、やっぱ作品が持ってる語りの強さかなと思います。
大事なアイドルちゃん達に酷いことばっかするカスだし、配下のŹOOĻくんとも絆作んないで孤独だし。
思い上がったバカでその癖寂しがり屋で、『助けて』の三文字すら素直には出せないからこそ、爪を立てて傷跡を残すことでしか自分が誰かの思い出になれないのだと、思い込んでる増上慢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
主役たちの真っ直ぐな歩みに、長い影さす敵役として良い造形でした。
運命に選ばれず、魂が燃えず、心が繋がらない
ないない尽くしの虚無主義者が、それでも執着してしまう”アイドル”の引力が、果たして彼をどんな奈落に突き落とすか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
それがすごく楽しみなので、僕は四期をとにかく待っています。
救えぬ凡愚と切り捨てるか、それでも救いうる無辺の光か。
アイドルの値打ちがそこにある気がすんだよなぁ…。
そんな了さんに乗っかる形で、さんざん他人の頭をふんでいるŹOOĻくんたちが、痛い目見てどん底から這い上がる物語も、予感はありつつまだまだ先。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
MOPでの決着から”逃げる”形になったのも、年末の賞レースでこてんぱんにノされる前フリだよなぁ、どう考えても。
終盤ポロポロと崩れては来てますが、まだまだ綺麗な仮面の奥にどんな感情を抱え込んでいるのか見えきらない状況で、どんな渇望が彼らを支え、突き動かしているのかも、確かめたい気持ちがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
ナギの地雷原が炸裂した反動で、棗くんの地金が匂ってきたの、マジ気になってる。
見せろ、お前の獣を…
そういう新要素もありつつ、主役三ユニットもそれぞれ山あり谷あり、没落あり監禁あり殺人未遂ありで、まったくアイナナな日々でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
了さんの悪意をモロかぶりして、泥の底まで沈んだTRIGGERが、一番深く掘られたかなぁ…。
あの歩み合っての、最終回での宣戦布告だと思うね。
アイナナちゃんはヤマちゃんと壮五が家関係のあれこれを切り崩して、重荷を仲間に背負ってもらえる信頼感を作ったり、新人から実績あるスターに駆け上がる過渡期の輝きを、色んな場所で燃やしたり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
陸の怪物性がぞろりと表に出てきて、消え失りしゼロとの対比が良い存在感を出したりもした。
了さんに絡まれ巻き込まれる形で、Re:valeの生きた表情と重たい過去、それを超えて目指す場所が鮮明になったのも、なかなか印象的でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
了さんと向き合うと、モモちゃんの狂気と残酷さがググッと際立つのが、美味しい触媒だなと感じるよ。
そこもひっくるめて、Re:valeの百だよね。
色んな感情、人間の明暗が様々に絡み合う物語を鮮烈に切り取るべく、よく考えられた構図と色彩、暗喩を生かした演出でお話を盛り上げてくれる、アニナナらしい見せ方も毎回元気でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
やっぱレイアウトの強さを食うべく、毎週このアニメ見ていた意味は太いわな。
構図が強いアニメが好き。
アイドルの話、芸事の話、祈りと呪いの話、人間の話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
アイナナが真ん中に見据えているものを掘り下げるためには、絶対に向き合わなければいけない黒い泥が押し寄せてきたサドビは、未解決の和音だと思います。
最終話、ファミレスの中で示されたように、思いは誰かに必ず届く。
でもそれが幸福な奇跡であるからこそ、了さんみたいな存在があってしまうし、どんだけ悍ましく惨めだろうと、彼らは…我らは泥の中に立ち続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
それでも、星を見上げて手を伸ばす物語がどこに行き着くのかは、まだまだ続いていく物語です。
それをアニメで見届けられる保証は、どこにもない。
それでも、だからこそ、僕はこのお話の続きをしっかり、アニメで見たいなと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
世論との衝突、己の中に渦巻く闇との対話を経て、今回MOPで一つの答えを体現した彼らが、”ここ”を足場に踏み出していく未来の色。
そこにはドス黒い光と、眩い闇が入り混じりながら踊っているのでしょう。
そういうモノを書き続けて、これからも書いていく物語を、アニメという表現だからこその鋭さ、強さに震えさせられながら見れる体験は、得難く嬉しいものです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年2月28日
だから僕は、もう一度出会いたい。
とても面白かったです、お疲れ様。
いつか必ず、また出会えることを願いつつ。
ありがとうございました!