鬼滅の刃 刀鍛冶の里編を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
一年ちょっとのお待たせ、国民的アニメ堂々の帰還だよッ! ってんで、鬼滅のアニメが帰ってきた。
相変わらず…以上のパワーでパンッパンに力んだ作画と演出が、二話分ブチ抜きの尺でバリバリに暴れまわっており、そらもード偉いことよ。
同時にそのスケール感に上手くチューニングできてない感覚も相変わらずで、結構楽しみに待ってた(本当)のに妙な気後れがあるという、不思議な繋がり方で今回も感想を書いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
なんだかんだ遊郭編も楽しく見終われたので、今回も楽しくクオリティの大津波に揉まれていきたい。
久方ぶりの第1話は、上弦全員集合の無限城会議、蝶屋敷でのリハビリ、刀鍛冶の里での蝶柱との邂逅ときて、霧柱が意味深に顔見世して次回に続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
とにかく無限城の美術が圧倒的にブチ抜けていて、人間をやめた怪物共の居城として、異様な説得力があった。めちゃくちゃいい。
重力と常識が酩酊しているあの空間に投げ出されると、鬼どものイカれた価値観を全身で浴びているようで、悍ましくも気持ちいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
鬼たちは不倶戴天の敵だけども、グロテスクで抗いがたい魅力が確かにあって、玉壺さんのお目々がパークパーク喋ってる所とかも、そういうパワーがたっぷりあった。
無限列車編では強く憎たらしい敵役だった猗窩座どのが、イカレ力高い上弦に包囲されバチバチ魂を摩擦させる様は、『そらー煉獄さんも勧誘するわな…』という同情を生んでた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
善良の仮面を頑張ってかぶろうとしてるけど、中から悪意と虚無がどんどん滲む童磨の存在感、大変良い。
あと黒死牟異形の六眼をずっとタメてタメて、最後に最強の鬼に相応しい異形として見せるの、そこまで壺に入った変態人魚とか人体損壊芸が愉快な性格極悪宮野真守とか気楽に見せてた分、緩急効いててなかなか良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
『上弦は異形のコント集団じゃねー!』って圧力が、あそこで膨れ上がった感じ。
後に炭治郎周辺の組織力が描かれる今回、無惨様の機嫌が全てを支配する上弦のあり方は、歪で非効率的に見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
しかし個(あるいは孤)として圧倒的に強く、社会や組織を本来必要としない鬼がエゴの赴くまま生きてると、こういう寄り集まりになるだろうな…という納得もあった。
労ったり解り合ったり、人間の一番優しくて良い部分を全部置き去りにしたから、鬼どもはああなってしまったのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
そこにズタボロにされっとニヶ月寝たきりな生身の人間が、どう刃を突き立てていくのか。
そういうお話の軸を、初手で確認させる第1話でもあろう。
人間サイドのお話はリハビリから始まるが、作中随一マトモな価値観持ってる後藤さんとか、どんっどん殺していた人間味が滲んできてるカナヲちゃんとか、心底心配し親身に泣いてくれる蝶屋敷の子達とか、弱っちい人間たちがみな暖かくて良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
バトルない鬼滅の、肩の力抜けて頑是ない感じ好きだな
ガキが生き死にの現場に突っ込んで心が壊れていくのを、組織の基盤としている鬼殺隊もなかなかにぶっ壊れているわけだが、そこをツッコんだ後藤さんの言は、生真面目に拾うと作品の背骨が折れる爆弾だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
しかしカナヲちゃんの凍りついた心をフツーに心配している人がいると、描かれるのは救いでもある
そういう正気がありつつ、鬼殺しの大義と執着に突き動かされて組織は止まらず、お館様は血を吐きつつも必勝の秘策を練り上げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
…炭治郎周辺の触れ合いを見てると忘れがちだが、鬼殺隊に宿る人間だからこその狂気は、無限城の鬼と結構どっこいどっこいなのかもしれない。
そういう歪さをはらみつつ、鬼と人を分ける一線は確かにあるわけで、その一端が蝶屋敷での麗らかな日々には確かに刻まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
まぁその優しい癒やしも、次なる地獄に幼い戦士が踏み出すための準備期間でしかねー訳だがな…。
ここら辺の悲愴、直視すると抜け出せないな多分。
自分が鬼滅を体験するきっかけは最初のアニメ化で、そこで原作一気に読んで数年、今刀鍛冶の里編に再び出会っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
そうして時間を置く中で、ある意味冷静に作品を見据える距離が自分の中で生まれてしまっていて、それが現在進行系で作品を飲み干すのに必要な、勢いを止めてる感じもする。
気づけば一大ムーブメントとなったこの作品も、全てのフィクションがそうであるように完全無欠ではなく、だからこそ面白くもある…はずだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
作品に飛び込んで溺れ、取っ組み合う間にはなかなか表に出ない、愛しい歪さや瑕疵がどんな形なのか、自分なり把握してる(つもり)な間合い。
多分そこが、自分がいま足を置いてるポイントなのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
そういう自分が鬼滅を見て、語ってしまっている奇妙な後ろめたさみたいなものが、こうして感想を書く指を時折止めたりもするが、時にはこういう難しさも晒しつつなにか言っていくのも、悪くはないのかもしれない。
さておき。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
炭治郎が意識を取り戻して嬉しい、人間として当たり前の気持ちがようやく蘇ってきて、その扱いに迷いつつも自分の優しさに身を投げる気持ちになっている、カナヲちゃんの不器用な身悶えは微笑ましく、可愛らしく、やっぱり悲しかった。
支えであり師匠でありお手本でもあるしのぶさんが、怒りん坊な自分を押し殺して、カナエさんを消し去らないために自分の魂キャンバスにしてその優しく穏やかな面影を、命がけで演じ続けている人なんで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
”素直”ってのは、カナヲちゃんには一番難しいことなのだろう。
自分の魂の奥底から湧き上がってくるものを、素直に受け止め表していたら死ぬしか無い場所で生き延びるべく、心を殺して生き延びることを選んだ少女。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
炭治郎の率直な生き様は、そんな彼女が封じたものを蘇らせて、大事なものを思い出させる。
思えば、それが炭治郎の主人公力なのかもしれない。
生身で受け止めるにはあんまりに苦しすぎる業を、受け止められるように心と体を作り変えたから、人間は鬼に堕ちる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
墜ちてしまえば、もう戻れない。
カナヲちゃんは鬼ではないので、炭治郎の率直な温もりに手を引かれて、なんとか人間らしさの縁に指をかけ、自分を引っ張り上げれる。
この土俵際ギリギリの粘りが、鬼と人間を別ける危うい一線なら、触れ合いながら体と心を直していく蝶屋敷の描写は、作品にとって結構大事なんだろうな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
いやシンプルに、傷つきやすい人間が頭寄せ合ってなんとか生き延びてる描写が、俺に刺さりやすいってのもあるけどさ。
へし折られた体をなんとか直して、次は武器を繕うべく炭治郎は刀鍛冶の里へと進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
人生燃やして鬼ぶっ殺し組織に所属しているにしては、あんまりにも萌え萌えピンク髪過ぎる甘露寺蜜璃、本格登場。
禰豆子が懐いてる描写にリキ入れてくれて、マジ最高に良かったです。ホント好き。
抱え込んだ因縁と感情があんまり重たくて、パンッパンに張り詰めてる他の隊士に比べて、おっぱい揺らしつつ婚活に励む蜜璃ちゃんは、相当な異物である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
狂うことでしか生きられない場所で、正気であることが一番の狂気…ていうには、善良さがあんまりにナチュラルなんだよなあの人。
そういう人が柱として、イカれた組織の真ん中にいてくれる事。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
温泉と美味しいご飯と楽しい会話で、たっぷり骨休めしたお別れの言葉が『いつ死ぬか解んねぇし、お互い必死に生きような!』である事。
蜜璃ちゃんは見た目ほど、気楽には生きてない。
彼女も”鬼滅の刃”なんだから。
そういう芯の硬さと、ナチュラルな救いっぷり、ぶっ壊れっぷりがいい塩梅に滲んだ描写で、恋柱お披露目はとても良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
空気読まないコミックリリーフでは終わらない、靭やかなありがたさみたいのが良いキャラだよね、蜜璃ちゃん。
声もざーさんだし(大規模加点ポイント)
態度の悪いモヒカンに再会したりしつつ、虚無系天才少年がガキいびってる所に遭遇して、第1話は終わり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
ファーストコンタクトが最悪になるのは鬼滅名物だが、無一郎はそんな中でも相当なんで、アニメがどんだけ最悪にしてくるか、今から楽しみである。
捨て猫を拾う不良メソッドだよなぁ、アレ。
つーわけで、あらゆる瞬間がリッチでゴージャスで、気が緩む…と看板に書いてある場面でも冴えきった気合が総身にみなぎる、鬼滅のアニメらしい第1話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
もうそれはこの作品の気質だし、それで殴りつけて国民的支持をもぎ取ったし、飲み込む姿勢は出来ている…つもり。
ぶっちゃけ敵役のドラマが薄い刀鍛冶の里編を、1クールどういうテンションで描いていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月12日
斜めの角度から底意地悪く観察する自分と、それだけではない期待を確かに抱いている自分を同居させつつ、続きを楽しみに待つ。
…あんま普段見せない姿勢で、感想書いていく1クールになりそうだな。