※訂正
※訂正
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
文中”フォルドの夜明け”とするべき記述を、”ファリドの夜明け”と誤記しております。
ここに訂正させていただきます。
※本文
機動戦士ガンダム 水星の魔女を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
地球に囚われたグエルは戦乱に巻き込まれ、父殺しの事実にすり潰されていた心へ、他人の流す血を通わせていく。
経済の、秩序の…あるいは貧困の名のもとに、打ち捨てられて命。
それは、どこからどこへと繋がりゆくのか。
そんな感じの新章グエル立志伝開幕! 水星の魔女第15話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
こういう事やるなら、そらー地球の魔女に話数使ってらんないよな…と、爆速退場に後から納得がいくエピソードであった。
学園という特別で歪な檻からカメラを外し、ソフィ達が放り出された現実と繋ぐなら、必須の話数でもある。
意識して企業サイドに都合の良い、暖かな温室から動かず回してきた狭い物語には、地球の魔女がぶっ放した暴力で風穴が空いた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
そこから逆向きに、今まで目を向けてこられなかった側を、そのために暴力を選ぶしかない側に、通う血を描く。
モブの人非人に名前と顔と、戦う理由が乗っかっていく。
別に”人間らしい”感情や事情がひっついたからと言って、ファリドの夜明けがプラントでぶん回した暴力が消えるわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
子ども思いの優しいパパだったと、後から判明した所でヴィムが企業宮廷の厄介事を爆薬で吹き飛ばし、野心を叶えようとした悪党だった事実が、無くなるわけじゃないのと同じだ
テロリストにも家族の情愛があり、子の自由を剥奪する親たちにも理想があり、優しさは誰かへの刃になって血を流し、それが溜まって新たな恨みを紡ぐ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
そういう出口のない檻に、ずっと自分が囚われていた事実を、グエル先輩は親父の血に濡れた手でようやく見据えだす。
可憐素朴な水星娘は、すっかり倫理観ぶっ壊れた親の奴隷に思われ、血泥の中で再起の一歩目を果たした元・最悪な求婚者をこそ主人公なのだと、思いたくもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
でもそういう解りやすい足がかりを、分かりやすく用意しているアニメでもないかな、という感じはする。
地球サイドの現状がクローズアップされたことで、戦乱と差別を生み出す構造の根深さ、非人間的状況に宿る紅い人間性も、同時に暴き出されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
出口のないカルマをどうにかしようと、シャディクは暴力的構造破壊による平等化を狙い、プロスペラはGUND技術による精神の平準化を目論む。
その解決策が間違っていることは解るが、では何を選べば正解なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
何がしたいのか、生きたいのか死にたいのかすら不鮮明なままグエルが、それでも目の前の命を背負う時、聞き慣れた『進めば二つ』を引用しなかったことが、既に呪いの響きを帯びてきてる視聴者の心情と、上手く重なる。
透明な決闘に抽象化され、その勝利によって何かが動いているかのような錯覚を与えられてきた、学園という閉鎖的エコシステム内部での挑戦と成長。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
その全てが儚い夢で、共に笑い過ごした青春は嘘っぱちで、目の前泥まみれの、誰もが理想を抱えながら敵対する断絶する今だけが、絶対の真実だ。
そういうニヒリズムを現実主義と呼んでも良いけど、それで終わりたくないからシャディクにしろプロスペラにしろデリングにしろ、沢山の人を殺し大事な人に何も告げないまま、救済と変革の夢に飛び込んでいるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
その瞬く希望が、複雑怪奇に捻じれて人を喰う。
精神を拡張し人体を宇宙に適応させる、改革の技術としてのGUNDがかつて、兵士をモノ化させ戦場から人倫を蒸発させた歴史が、今回語られたけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
PROLOGUE、GUND改革主義者達の視点で綴られた虐殺は、逆しまに見てみればこれ以上の退廃をせき止める正義の行使…だったのかもしれない。
何もかもが相対的で、裏腹で、血みどろの冷笑主義に溺れたくもなる現実の中で、人々はちったぁ大事な人達が幸せになれるように自分なり考えて、生きていい人と死んでいい人を冷徹により分けて、互いの愛がぶつかっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
そんな現状をスケッチしつつ、そこからどうにか進み出る男を描く回…かな?
今後多くはない話数の中で、天と地を繋ぐ場所…軌道エレベーターへたどり着くことを当座の目的に据えたグエルが、何を成し遂げ何を諦めるかは解らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
彼に成し遂げうるものが、多分何もかも捻くれたこの物語で結晶可能な、人間の最善になりそうな予感はある。
でもそれが、偶然ジェタークの子どもに生まれた特権に帰還し、温情としての平等を世に撒くことならば、大層最悪な他の救済とそこまで、本質的な代わりはないように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
制御可能、持続可能、利得可能なビジネスフィールドとして、搾取と虐殺の最下層に押し込められた地球の上。
その最上層の御曹司として、学園に鎮座ましまし転がり落ちて、親父を殺して泥に食われた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
この実感を握りしめたまま、誰かに与えられる道ではなく自分だけの歩みとして、分かられ相喰む人間のどうしようもなさに、ガキ一人がどういう爪痕を残せるのか。
そこが大事で、その一歩目は…とても良かった。
下から吸い上げられた地球の魔女が、『こんなもん、ぶっ壊すべき嘘っぱちでしかない』と叫んだ歪な学園。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
そこから地上に落ちて、自分が知らず踏みつけにしていた(社会の構造上せざるを得なかった)場所を知って、グエルは何を選ぶのだろうか。
何を”現実”と定義するのだろうか?
先週涙を逆しまに流したスレッタのように、道を定め呪いをかける親は、もういない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
何しろ自分でぶっ殺したからな!!(最悪の当てこすり)
己を呪い死を望むのも当然な、荒野のような最悪の自由。
そこから伸ばした小さな手は、誰もが幸せを夢見て間違えるこの場所で、何を掴む?
そこら辺が気になる、地球の長い午後でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
父のマチズモをそのまんま継承し、最悪人間として物語に登場した彼がスレッタとの出会いを経て、悪運に巻き込まれて地に落ちて…だからこそ、分断を繋ぐ柱となりうる。
彼が”軌道エレベーター”に進むのは、まー示唆的だわね。
というわけでサブタイのとおり、色んな”父と子”が描かれる今回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
母子共犯の呪いに囚われてるスレッタは、かけらも登場しないのがなかなか徹底しているな、と思うが。
家族なるものの複層的な地獄が、色んな形で切り取られている。
(画像は”機動戦士ガンダム 水星の魔女”第15話から引用) pic.twitter.com/cWZ028wKoj
ベネリットグループの資産売却により、宇宙>地球、企業>非企業の構図に固定されている社会構造をひっくり返し、混乱と自由をばらまく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
シャディクの大望が義父相手に語られていたが、あくまで持続可能な新ビジネスとして、大乱を呼ぶ一打をうそぶいているのが凶悪だった。
こんだけの禍々しさを全部押しのけて、『姫を守る聡明な騎士』という立場でもって、ありものの秩序を飲み込めるくらいにミオリネ好きだったんだなぁ…と思うと、愛の重さに吐き気がしてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
あるいは、一人間としてギリギリ立てる足場がミオリネへの愛で、それを投げうったからこそ…
シャディクは自分を変革と殺戮の機械へと、周りを巻込みながら突き進めているのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
企業宮廷(と、そのショーケースたる学園)が無意識に(一部は自覚的に)当然視していた、一方的な搾取の構図。
常に奪う側が宇宙に鎮座し、足下の地球は殺され続け、世は事もなし。
そんな当然をひっくり返して、欠けたるものに施すのではなく、奪う力を与えることで生死の平等を実現する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
グエルが引き裂かれた天地の架け橋を目指して進むのと、逆ベクトルの計画…なのかな。
『高いところでふんぞり返ってないで、お前らも殺される立場になれッ!!』という…ね。
ここら辺の不遜で聡明で残虐な現状認識が、父を縛って足下に置くという物理的ポジショニングに反射しているのが、なかなか趣味悪くて良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
親>子という勾配もまた謀略によって逆転し、偉大なる支配者はかしずく立場だ。
この反転が、地球圏全部に拡大した時、どれだけの血が絞り尽くされるのか。
それを悲劇と捉えるのは、弱者の血を啜って安寧を変える側だけで、失うものがもはやない側は一発逆転大チャンスと、テロルに喜んで身を投げるのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
ビジネスライクに思えた”ファリドの夜明け”とシャディクの関係に、最悪な形で血が通ってきたな…。
とても普通でありきたりで、面白くなくすら思えて、だからこそあまりに切なかったソフィの願い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
それを引き寄せるために暴力以外の選択肢がないほど、奪われ追い詰められた場所にだって、親子はいるし愛はある。
そしてそれは、ボーボー良く燃える。
フォールクヴァングでも、勢いよく燃えてたねぇ…
”ファリドの夜明け”と地球の人々が、今回急に”人間”になったわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
血みどろの殺戮、偏狭な価値観の奥にはそういう暖かなものがずっと蠢いていて、企業学園に固定されたカメラからは見えにくかった、というだけだ。
だが僕らは、描かれないものは時に無いものとして、事実を扱ってしまう。
その都合の良い鈍感がなければ、人間が人間を殺す悍ましさに耐えるのは難しいから、親殺しって事実で殴りつけられたグエルくんは、ゲーゲー吐くのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
それでもなお、生きるための糧を腹にねじ込んで前に進む。
うして、自分に見えてる現実だけを真実とすがって、他を否定するより広い視野が備わる
そんな生々しい一歩一歩を、目の前で燃えた我が子によって塞がれたから、オルコットは乾ききった目で現実的な戦争に、己を投げ込んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
額の傷はもはや乾ききって、しかし思い出とともに出血する。
グエルがスレッタと出会い変わった(狂った)ように、父なき子と子なき父の再会は、何かを動かす。
乾いていた心の再動を、喜ばしいばかりではありえない血の赤さを活用して、印象的に描く回でもあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
それは死んでなお消えない血縁の色であり、愛ゆえに己を呪う源泉であり、痛めつけられ幾度も血を吹き出して、なお抱きしめる灯火なのだろう。
血を流さない戦争の道具になって、ドミニコスを離れて流され続けてきたオルコットの歩み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
生きる屍になりかけていたグエルが家族の危機を知らされ、前に進むべくコックピットをこじ開けて瞬かせた、闇の中の光。
(画像は”機動戦士ガンダム 水星の魔女”第15話から引用) pic.twitter.com/MQj6nEQacy
スレッタがあの温室へ、あるいはミオリネがエアリアルのコックピットへ、閉ざされて狭い場所へ招かれる事で開かれた道程は、地球においては死臭に満ちている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
家族の肖像を焼かれて、生きて死んだ果てにある臓物の臭気を、グエルはその鼻で嗅ぐ。
やり場のない怒りのはけ口に、自分を狙った幼い命が潰えていく冷たさを、その肌で感じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
そうしてなお、膝を曲げず行きたい場所を自分で選んだ時、彼の前髪が寝ているのが印象的だ。
決闘は、頭部アンテナを破壊されて決着する。
そんな安全なローカルルールが、もう通じない血みどろの荒野。
家名を捨て父を殺し、流れ着いた場所で再び立ち上がった時、雄々しくそそり立っていた虚栄の象徴は、もうグエルには不要なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
我が子を守れる無敵の騎士を選び取るべく、人類救済の魔術の隠れ蓑とするべく、学園で駆動していた嘘っぱちの戦争。
決闘はもはや物語の中心軸として機能しえず、それでもなお物語は続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
角をへし折られてなお、だからこそ自分が何を求めたか思い知らされた青年のかんばせが、朝日に輝くこの終わり方は、お話の転換点になかなかマッチしている。
終わって地に落ちて、なお終わらない。
多分それこそが色んな人の地獄で、あるいは救いで、だからこそオルコットは乾いた傷跡から、止まったはずの血しぶきを迸らせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
そうして動き直してしまった”人間らしい”心が、どこに流れ着いていくのか。
あんま幸せな結末にしてほしくないなと、思っている自分は確かにある。
経済と紛争と差別と搾取…あるいはそれが結びついた最悪の結晶としての、戦争シェアリング。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
シャディクが暴力的にひっくり返そうとしているものに、かみ砕かれてソフィの人生が燃えて、オルコットの息子が死に、操る側だったはずのヴィムも死んだ。
我が子に殺された。
自分を殺そうとした相手の生命を、救おうと無謀にあがいて何もなし得なかったグエルは、我が子の死に希望を諦め、死ぬべき子どもを選別する側になってしまったオルコットより、人間らしくて幸せなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
答えが共に進む先にあるのかは、描ききってみなければ…終わってみても、解らないかもしれない。
それでも、これ以上失わないために前に進みだしたグエルは、父に与えられたものでなく、逃げ出す理由でもなく、己だけの望みをようやく見据えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
それが赤い血を幸せに使いうる場所へと、物語を運んでくれると良いな、と思う。
ここまで苛烈なものを描いてしまった以上、まだまだ血は流れる。
それは心が死んでくれない証でもあって、植物的な静謐を目指すクワイエット・ゼロを拒絶する、大きな力になるかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
…愛の果実であり血の色をしたトマトが、ミオリネの心象を反射する重要なフェティッシュと選ばれているのは、なかなか印象的だな、こうなってみると。
クエタで地球寮の子ども達にキッツい現実突きつけ、あるいは温もりの奥で寝てたそれを血まみれに呼び覚ましたテロリストたちの、家族を思う肖像画。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
それと同じものが、今回彼らを薙ぎ払った秩序と抑圧の代行者たちにも、当然あるのだろう。
死んだ(殺した)駐留部隊にだって、家族はいるのだ。
個人としての優しさや正しさが、巨大過ぎるシステムに食い込まないまま空転し、あるいは憎悪の足がかりになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
モブから主役まで、こういう因果にガッツリ囚われてるこのお話、パッと見のキャッチーさに反して相当食べにくい話なんだなと、今更思う。
まぁ、ずっとそうだったわけだけど。
抑圧的企業集団を母体とし、歪な箱庭として異様なまま成立していた学園にだけカメラが入っていたら、立ち現れることもなかった違和感。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
地球の魔女が死に、悲惨な加害者であり犠牲者でもあった彼女が『子ども達の英雄』として弔われている場面は、否応なくそれを暴いていく。
利害と因縁が複雑に絡み合い、解こうとすれば世界そのものが引き裂かれるような、高度資本主義が行くところまで行った未来で描かれる、慣れ親しんだ現世の地獄。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
あるいは暴力で引き裂いてそこを平らに引きずり落とし、あるいは電子の涅槃に魂を焼いて、全ての救いを求める。
シャディクの妄執もプロスペラの救済も、まぁ”正解”ではなかろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
んじゃあ、何を答えと最後に選ぶのか。
ここで画角をさらに拡げた上で、残りの話数で子どもらの人生底まで掘り下げて描き切るのは、結構な難題にも思えてきたが…さて、どうなるか。
天から地へ、そして再び天へと階を伝って。
これからグエルが進むそんな歩みが、世界に堂々訴えうる彼なりの答えに続いていると良いなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
そしてもう一人、八方塞がりの世界でなお目を閉じず、未来を探す者がいる。
判らんことは人に聞こう!
コミュニケーションを諦めるな!!
(画像は”機動戦士ガンダム 水星の魔女”第15話から引用) pic.twitter.com/cwNb34vlhI
断絶の時代に地道かつ的確な一手を差し込んだ、我らが社長ミオリネさん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
プンプン怒りってばっかだった彼女が、クワイエットゼロの真実と親たちの因縁を他人から聞こうとしたのは、クソ親父の真意を聞きたくても聞けない状況に、追い込まれた反省もあんのかなぁ…。
プロスペラもヴィムもデリングも、自分なりの望みと痛みを抱えて進みつつある我が子を、尊重せずに抑え込んできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
お前らを守るために、お前らは何も知るな、考えるな。
そうやって良かれと思って押し付けた愛が、断ち切られた鎖となって子供らを打っている。
ミオリネさんがクワイエット・ゼロのこと、GUND技術のこと、そこに連なった血縁と姻族のことを知ろうとするのは、親より先に大人にならなきゃ、延々悲劇を繰り返し続ける現状に目が開いた結果かもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
そうやって開いた扉の奥で、待っているのが優しい真実とも限らないが。
ママン、結構ヤバそう
少なくともザヒおじさんは、繊細な私人としての思いをテーブルの下、ミオリネと同じように身動ぎさせる心を、まだ殺してはいない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
ティーカップの水面と同じように、父たちの情愛と理想に、積み重なった死体と罪に、震える思いを抱えたまま、ミオリネもまた父の助けなく道を選んでいく。
あるいはそんな独立独歩こそが、父の影を脱して一人で立つ証となり、一人間として対等に話し、正し、分かり合う足場か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
親父越えを果たしてようやく、押し付けられた思惑を超えて真実継承者足り得るってのを、シャディクは幽閉、グエルは親殺しで達成してるの、まーまーエグいな…。
親という巨大な引力圏から抜けれないと、スレッタみたいに歪な衛星として、グルグル母なる暗黒の周りに囚われるしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
本来幸せのためにあるべき制度が、呪いに変わって不幸を撒き散らしてるのは、平和と富を最悪の形で地球から吸い上げてる、この世界の経済システムと似ているわな。
いったいどこ行きゃ幸せになれるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
人類が長年問うて現在何の答えもない難問は、たかだた宇宙に上った程度で振り解けるはずもなく。
犠牲の轍は長く大地に伸び、血縁の鎖は魂を縛る。
それでも、これ以上奪われず失わないために、少年は天の階を目指す事を選んだ。
次回も楽しみですね。
・追記 わたしを知ることで、あなたを知っていくその先に、共に切り開く未来がもし瞬くのならば。
追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
ミオリネが自分と家族が囚われた因縁を掘り下げる歩みは、GUNDの子である彼女の花婿がどこから来てどこへ行くのか、調べる旅でもある。
当人は母の傀儡であることに安心してしまっていて、自発的に今いる鋼鉄の子宮から動けないので、横から事情を調べ必要なら痛みを込めて、外へ生み出す手助けを
ソフィの死を目の当たりにしてなお、生き方を変えれないスレッタ(シーシアの死体背負って道を見つけたグエルと真逆だわね)。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
彼女が”人間らしく”あることがその幸福と=かは、ポストヒューマンSF的味わいも出てきた今、なかなか判別が難しいけども、ミオリネはごくごく普通の幸せを花婿に願うだろう
んじゃあ、”人間らしい”ってなにか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
優しさで自由を縛って、何も告げぬまま安全な檻の中で守ることか。
眼の前に突きつけられた”現実”だけに溺れて、想像力を殺して他人を殴ることか。
色んな人の過ちと、あまりに無力な自分を思い知りながら、進んだ先に待つのは、二つか一つか、はたまたゼロか。
ここら辺の足取りが、地上ではグエル、学園外の宇宙ではミオリネと、愛に呪われて動けない(動かない)スレッタを中心に、愛を引力に回転を始めている感じにも思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2023年4月24日
すっかり幻想が剥げ落ちた学園にもう一度、人生の遍歴を終えた子ども達が集った時、何かが終わって始まるんだろうな。