イマワノキワ

TRPGやアニメのことをガンガン書き連ねていくコバヤシのブログ

ひろがるスカイ!プリキュア:第47話『 さよなら一番星!プリンセスのめざめ!』感想

 年明け一発目、数多の星を落としつつひろプリクライマックス往くぞッ!
 残り一ヶ月、最後の猛ダッシュでどこまで行けるか……いつにも増してライブ感満載な最終局面になってきた、ひろプリ第47話である。

 エルちゃんに過酷な運命背負わせた凶星が正体判明と同時に堕ちたり、衝撃のアンダーグ真実が深掘りされないままにスキアヘッドが一人でグツグツ言い出して、勝手にアンダーグダイナマイトブチかまし遺恨を残して去っていったり、なんとも忙しい回となった。
 まぁ残り話数考えれば、物語のエンジンが焼き付くまでぶん回さなきゃ到底追いつかないわけで、ここまで加速させてなおカイゼリンがキレちまってる理由≒なんとか話し合いで因縁収める足場は見えてこない。
 伸びたり縮んだり、しっかり喋ったりバブバブしたり忙しかったエルちゃんのアイデンティティは……まぁフワッと着地させるしかねーわな。
 ともあれ色々ありつつ、残り一月のラストスパートをどう駆け抜けていくか、新年早々大勝負なひろプリでした。

 

 つーわけで、前半は全ての元凶とも言えるプリンセス星が正体を顕にし、なんかキラキラ綺麗な感じで消えていく流れ。
 44話・45話でキュアノーブルのキャラを立てたのが効いてて、プリキュア名物超ロクでもねぇ上位存在の割には、気持ちを収めやすい終わり方してくれたとは思う。
 実質最後のエルちゃん回なので、青山先生の作画が良い噛み合い方して、幼児可愛い場面がたくさん見られたのも良かった。
 まー言うたかて、潜在仮想敵国の内情がどうなっとるかさっぱり分からんまま星にアセンションし、力と運命を受け継ぐ誰かを探して300年間フラフラしてたポンコツではあるので、新しい真実とかはあんま理解らねぇんだがなッ!
 『超越存在として不定形の予兆とかで知らせるんじゃなくて、官僚組織に文書として残しておけ文書として!』と思わなくもないが、一年間アニメやるにはそういうファジーな部分が必要なんじゃいッ!
 ……ぶっちゃけ、ひろプリはそういうご都合を風呂敷に包んで角を丸くすることに関しては、メッチャ上手くなかったとは思うよ。

 僕はこの回で、キュアマジェスティが『正解』として固定されちゃうことに凄く恐怖してたんで、小さいんだが大きいんだか、ふわ~っと不鮮明な形にボヤかしたのはありがたかった。
 なんだかんだ一年、ここで尺全然足りない猛ダッシュでデカい話をまとめなきゃならんほどに、エルちゃんを中心とした疑似家族の子育てに注力して進んできた、広プリというお話。
 一人じゃな~んも出来ねえ赤ん坊が自分の手で飯を食い、両の足で立ち、自分で見つけた楽しいことを自分の言葉で伝えられるようになる、ごくごく当たり前でどこでも置きている奇跡には、相応しい速度ってのがやっぱりあると思う。
 エルちゃんが大人の姿になって、不可逆に固定されてフィナーレを迎えてしまうと、一歩一歩小さな成長を積み重ねてきたお話を追い抜いてしまうような気がして、ぶっちゃけイヤだなぁと思ってはいたのだ。
 ここら辺も都合の扱いの領分ではあり、追加戦士枠をエルちゃんに担当させる既定路線と、赤子から子どもになっていく過程にフォーカスした物語の食い合わせを、上手くすり合わせられなかった(すり合わせなかった)感じもある。
 しかしまぁ、ここでフワッとファンタジーな形に着地させたのは、制作サイドもここら辺の難しさを認識した上で選んだ結果なのかな、と思わなくもない。

 

 んで後半戦、スキアヘッド最後のご奉仕……なんだが、コイツ最後まで一生自分ひとりで完結して、ゴボゴボ沸騰爆散して何も告げずに終わったぞッ!
 ディスコミュニケーションの究極系というか、対話遮断型中ボスというか、兎にも角にも喋ってくれない喋るつもりがない、閉じた敵幹部が巨大感情匂わせたまま灰になって、なかなか困ったもんだなッ!!
 精神的な閉鎖性が敵であるプリキュアで収まらず、愛していたはずのカイゼリンも思いっきりぶん殴って禍根残しているの、残り話数で解体しきれる爆弾なのか分ッかんねぇけど……どうなるんだマジ!
 平和のための対話の重要性を書くための前奏とか、ソラちゃん最後のヒロイズムを描くための画材とか、色々納得する部分もあるんだが、それにしたって……つまんねーキャラだったな正直ッ!!
 ドラマがが相互理解の構築と解体を繰り返しながら展開する以上、登場時点で自分の中の結論が決まり切っていて、周囲からの影響も受けないし周りに影響を与えようともしない存在は、どんだけバトルしてもキャラ分かんないモンだなぁ……。

 スキアヘッドが一体何のつもりで戦って、何守ろうとした挙げ句死んでったかは彼の口からは語られなかったわけで、そこらへんの説明責任はカイゼリンに引き継がれてしまった。
 親父は信じた相手にぶっ殺され(おそらく誤解か謀略)るし、唯一信頼した相手は死ぬし、闇の力に呪われた黒のプリンセス系ラスボスになる下準備は万全だが、一年間続いた物語の基本構造くらいは、話が収まる前にちゃんと見せてほしいもんだ。
 やっぱ敵との対峙を極限まで軽量化する、ピーキーなバランス調整が産んだ歪みは大きくて、こっからなんでこの話がこうなっているのか、一体どんな物語だったのかをバトルでまとめるのに、乗り越えるべきハードルは高いと思う。
 しかしそこをブッ千切れるポテンシャルも、一年間積み上げてきたアニメだとも感じているので、巧いこと熱く激しいブースターを点火して、最終局面を乗り切って欲しい。
 泣いても笑っても一年の総決算、哀しい定めの行き着く先はッ!
 次回も楽しみです。